完璧で究極のチョコ職人は、大海賊時代でチョコを売り始めます   作:ちいさな魔女

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アイとチョコレート工場のはじまり:その7

アイは洗濯物を入れる袋に入り、ショコラータのカートに入る。エレベーターを伝って移動し、彼女が洗濯物を運ぶ時に使用するカートに乗るのだ。

 

そして、ショコラータがある程度宿から離れた後、アイに声を掛ける。

 

ショコラータ「上手く行ったよ!流石だね!」

 

アイ「タキオンのお陰だよ。今まで二人で一緒に乗り越えられてきたんだから。それに、私は嘘が得意だし」

 

アイが星の輝く目でウィンクをした。ショコラータはアイの放つ魅惑のキャラクターに、思わず胸がときめいてしまった。

 

アイ「まあトットランドから抜けたしたと言っても、ママの事だから私達を何処かから見てるのかもね。まあそれより、ショコラータにお礼もしないとね」

 

ショコラータ「お礼って?」

 

アイ「チョコレートを上げるよ。昨日寝る前に作った、取って置きのチョコレートが!」

 

アイは袋から抜け出した後に、自身のコートの中から一つの瓶を取り出した。前にダンシングチョコクッキーを入れていた瓶と同じ形をした、空っぽの瓶を。

 

アイ「………アレ?」

 

ショコラータ「チョコは何処?」

 

ショコラータがアイを睨む。

 

アイ「待って………有り得ない。だってしっかりと保管してたのに…………まさか彼奴の仕業!?」

 

アイの青ざめた顔を見つめながら、ショコラータはアイに問いかける。

 

ショコラータ「彼奴って?」

 

アイ「緑の小人族!週に一回現れては、私からチョコを盗んで行くんだよ!トットランドの時からそうだったんだよ!ママに作ってたチョコが無くなる事が頻繁したから、夜中に見張ってたらソイツが私のチョコを盗んでたんだよ!捕まえようとしたけど、素早くて逃げられちゃったんだよ!」

 

ショコラータ「小人族?それって嘘つきノーランドのでっち上げた嘘の存在じゃないの?」

 

アイ「なにそれ?」

 

ショコラータ「北の海(ノースブルー)のお話だよ。そのお話に出てくるノーランドは嘘つきだって。空島があると言って皆を騙してたし、小人族だって……」

 

アイ「嘘じゃないよ。それに、私だってなんにも備えてないわけじゃないよ。ほら、予備」

 

アイが2つ目の瓶を取り出した。その中には球状のチョコが大量に詰まっており、色とりどりのチョコがショコラータの目を惹かせた。

 

ショコラータ「うわぁ♥凄い!」

 

アイ「先ずは街を散策しよう。この街を周って、どうやってチョコを売り歩くか確かめないと」

 

そして二人は、街の探索を始めた。

 

スイートガレリアを巡り歩き、アイの手作りチョコを食事代わりに食べながら歩き回る二人。

 

しかし、その姿をある人に見られた。

 

中佐「………大佐、貴男がお探しの女性が」

 

――――――――――――――――――――――――

 

アイ「ショコラータって、何か夢はあるの?」

 

ショコラータ「夢?」

 

アイとショコラータは噴水の前にやって来た。日が暮れ始めており、点呼の時間までもう少しといった所だ。

 

アイ「私は世界一のチョコ職人なんだ。お店を持って、自分だけのチョコレート工場を持って、世界中の皆に美味しいチョコを届けるんだ!この大海賊時代には、美味しいチョコを食べられずに死んでいく人達も居る!そんな人達にチョコを届けたい!」

 

ショコラータ「良いなぁ………アイは夢を持てて。私の夢は………叶う訳ない馬鹿な夢」

 

アイ「ん?」

 

ショコラータは続けた。

 

ショコラータ「私はね。あの宿に捨てられてからスクラビットさんに育てられてきたから、お母さんが誰かも分からなかった。だから、私の夢はお母さんに会う事。唯一のお母さんの手掛かりは、この指輪だけ」

 

ショコラータが見せた物は、首に吊るした一つの指輪だった。その指輪には、Cの字が刻まれていた。

 

ショコラータ「其処にCって描かれてたから、ショコラータって名付けられたの。お母さんにいつか会える事を夢見てきたけど、探してきたけど見つからない。だからもう諦めたの。馬鹿な夢だねって……ごめんね、変な話しちゃって」

 

すると、アイはその手を握った。

 

アイ「馬鹿な夢なんかじゃない。きっと会えるよ」

 

ショコラータ「哀れみならやめて」

 

アイ「違うよ。よく頑張ってきたねって事」

 

ショコラータ「褒めてるの?まあ、ありがとう」

 

アイ「ッ!そうだ!ショコラータも私の所に来ない?一緒にチョコを世界中に売るんだ!そうすれば、お母さんに会えるかもしれないよ!」

 

ショコラータ「えっ?私が?」

 

アイ「うん!お母さんに会えるまで……いや、お母さんと一緒にチョコを世界中に届けよう!一緒にチョコを作って、世界中に売るんだ!海軍も世界政府も四皇も、関係ない!世界中に届けるんだ!私のチョコを!私達の美味しいお菓子を!」

 

ショコラータはその時、アイの背後にある光景が見えた。

 

其処は摩訶不思議な世界だった。

 

お菓子を作る機械に、宙に浮かぶキャンディーやチョコが存在する、不思議なお菓子工場。

 

【挿絵表示】

 

 

世界そのものがお菓子で出来た、この世の物とは思えない不思議な世界。

 

【挿絵表示】

 

 

そしてお菓子を作る時に、歌いながら幸せそうな笑みを浮かべるアイ。

 

【挿絵表示】

 

 

ショコラータは確かに見た。そんな未来のヴィジョンを。

 

この女性は、確かに実現出来る。

 

それほどまでの力が、知恵が、技術が、そしてそれを抱けるだけの実力や夢、理想を持ち合わせている。

 

アイ「だから二人で行こうよ!大いなる海へ!広い世界へ!」

 

アイはショコラータの手を一度離すと、その場で歌い出す。

 

アイ『連れて行くよ♪君の知らな〜い♪煌めき輝く素敵な世界♪』

 

その場で優雅に回った後、止まる瞬間にショコラータへ右手を差し出す。ショコラータはアイの放つ煌めきに、益々心を惹かれ始めた。その手を取ると、ショコラータは益々夢見るようになる。

 

アイ『不思議全部 その目で確かめて♪』

 

アイは一つのチョコを取り出すと、それを半分に割ってショコラータに差し出す。歌いながら食べるアイと、アイに差し出されたチョコをすぐに食べるショコラータ。

 

その瞬間、二人の背中に翼が生える。鳥のように、しかし天使のような翼が、二人の背中から生えてきた。

 

そして、翼を一度羽ばたかせた瞬間、アイはショコラータの手を握りながら、大空へ飛び立った。

 

たった一つのチョコを食べただけだ。それだけで、アイは空を飛ぶ方法を会得したのである。

 

こんな事は不可能だ。誰もが一度は夢見た事を、アイは成し遂げた。悪魔の実にも頼らず、ただチョコへの愛情や夢を実現したい意志だけで。

 

アイ『A Whole New World♪新しい世界 風のように自由さ♪夢じゃないんだ♪』

 

ショコラータ『A Whole New World♪新しい世界♪抑えきれないトキメキ♪貴方教えてくれた♪』

 

アイ『さあ二人飛んで行こう!』

 

そして、二人は夜空を自由に飛び回る。

 

今二人を邪魔する者は居ない。

 

手を繋ぎあった二人を止める者も居ない。

 

二人は今、自由だ。

 

空を飛び回る。

 

ショコラータ『信じられないわ!夢じゃない夢♪ダイヤモンドの空 どこまでもほら♪』

 

ショコラータは夜空を見る。雲のある夜空ではなく、月が大きく見える程の夜空。こんな自由は生まれて初めてだ。

 

アイと共に見る夜空は、これまで何度夢見てきた夜空よりも、何度も見てきた雲に覆われた夜空よりも、美しかった。

 

ショコラータ『A Whole New World♪』

 

アイ『よく見てごらん♪』

 

ショコラータ『夢は星の数♪』

 

アイ&ショコラータ『『まるで二人 流れ星♪昨日へは戻れない♪』』

 

アイ『A Whole New World♪』

 

アイも空を飛びながら夜空を見上げる。

 

ショコラータ『今この時♪』

 

ショコラータは笑う。幸福に満ちた笑みだ。

 

アイ『未来へと続く♪』

 

しかし、夢の時間は終わる。

 

ショコラータ『忘れないから♪』

 

翼は小さくなっていく。二人はゆっくりと空を降りていく。

 

しかし、目的地は先程の噴水だ。

 

二人はゆっくりと降りていく。

 

アイ&ショコラータ『『追いかけよう 二人で♪世界の果てまでも♪』』

 

二人は身体を立てて、翼が小さくなる間も、優雅に降りていく。

 

アイ『A Whole New World♪』

 

ショコラータ『A Whole New World♪』

 

アイ『願いを♪』

 

ショコラータ『願いを……♪』

 

二人は噴水前に降り立つ。飛び立った場所で二人は両手を繋ぎ合う。

 

アイ『叶えよう♪』

 

ショコラータ『二人で♪』

 

二人は手を繋ぎ合い、お互いに幸せな笑みを浮かべていた。

 

アイ&ショコラータ『『一緒に………♪』』

 

二人の空間を邪魔する者は居ない。

 

ショコラータ「……私、アイと海へ行きたい!お母さんにも会いたい!」

 

アイ「……うん!一緒に叶えよう!」

 

ショコラータ「……ウフフッ!」

 

アイ「フフッ」

 

ショコラータ「アハハハッ!」

 

アイ「ハハハッ!」

 

二人は笑う。

 

しかし、その時だった。

 

大佐「Ms.ウォンカ!君と話がしたい!」

 

それは、昨日アイとタキオンから売上金を奪った小太りの大佐だった。その隣には、1000ベリーを渡してくれた優しい中佐の姿もあった。

 

アイ「ショコラータ!先にカートへ戻ってて!後で合流しよう!」

 

ショコラータ「アイは!?」

 

アイ「大丈夫。後で会おう」

 

ショコラータ「……うん。アイも気を付けて!」

 

ショコラータはその場から去る。

 

大佐「中佐。お前も帰っていい」

 

中佐「しかし中佐……」

 

大佐「二人きりで話したいんだ。さあ、早く」

 

中佐「わ、分かりました………」

 

中佐もその場を去る。

 

大佐「ウォンカさん。話したい事があるんだ」

 

アイ「話したい事ってなに?罰金ならそっちが持って行ったからもう―――」

 

その瞬間、大佐はアイの頭の髪を鷲掴みにした。そして噴水の前まで引っ張り、アイを噴水前に立たせる。

 

アイ「いだっ!ちょっ!何をして―――」

 

大佐はアイを噴水の水の中へ、頭から突っ込ませた。

 

アイ「――――――ッ!!」

 

大佐「二度と、この島でチョコレートを売るな!」

 

そして、アイは髪を引っ張られながら水面から引き上げられた。

 

大佐「分かったな?」

 

アイ「何が?」

 

大佐「………私を怒らせるなよ!」

 

そして、再びアイを水面下に沈めた。

 

アイ「―――――――ッ!!」

 

アイは水の中で再び絶叫を上げた。

 

大佐「二度とチョコレートを作るな!」

 

大佐はそう叫ぶが、水の中に頭を突っ込まれたアイには何も聞こえない。否、聴こえているものの水の中に頭を突っ込まれたせいで、大佐の声が曖昧になっているのだ。

 

大佐「分かったか?」

 

アイ「分かんない!だって水の中じゃ聞こえ難いんだもん!」

 

それを言われた大佐は、噴水の水を見つめた。

 

大佐「それもそうか」

 

言われてから気付いた。

 

大佐「なあウォンカさん。私だって正直、こんな事はしたくない。しかし、私は伝言を伝えなきゃならん。良いか、二度とこの島でチョコレートを売るな。さもなきゃ、拳骨じゃ済まないぞ」

 

アイ「拳骨受けてないけど?ってかチョコ作るななんてヤだよ」

 

大佐「そっか」

 

その瞬間、大佐の拳がアイの頭を殴る。しかし、予想外の事が起きた。一見すると華奢なアイの身体。しかし、何故か殴った大佐の拳が赤く染まり、アイが痛がる様子は無い。

 

大佐「石頭か!?」

 

アイ「拳骨のつもりなんだ……」

 

こうして大佐から警告を受け取ったアイ。大佐と別れたアイは、ショコラータと合流する為に急ぎ足でショコラータを追い掛けるのだった。




《オリジナルお菓子》

『ウィングチョコ』
交差し合う白と黒の翼の形をしたチョコ。ホワイトチョコとブラックチョコをベースにし、更に翼一つにビスケットを挟んでいる。食べると空へ羽ばたく翼を背中に生やすが、その翼は羽ばたくのではなく食した者の空を飛ぶ意志を反映し、自由自在に空を飛べるようにする。制限時間が来ると、翼が小さくなっていく。あくまで地面に降り立つまでに溶け切る事は無いので、落下事故は万が一が無い限り有り得ない。
ホバーチョコの上位互換。

指輪の単語を変えました。
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