元総組長と俺と競馬と   作:対ゴドルフィン特効兵器

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ようやくちょろっと出せそうです。


元祖怪物

「いや、もうキャラ付けは良いから…さっきも警備員に取り押さえられてたし…」

良吾は少女?の言葉にそう返す事で精一杯だった。

目の前にはどこをどう見ても10代前半の少女しかいない。

確かに話し方は少々年季が入っているが、それでもそういうキャラ付けと処理してしまえる。

 

そんな呆れ顔の良吾を見て少女はニヤリと笑いただ一言呟いた。

 

「魔防隊」

 

「っ!?」

その言葉は良吾を黙らせるには十分過ぎた。

 

魔防隊

数十年前に日本各地に謎の門が突如として出現。

門の先には東京都程の異空間が広がっており、

魔都と名付けられた。

魔都には黄泉醜鬼という化け物が存在する代わりに食べた女性のみに特異な能力を与える桃という唯一無二の資源が存在した。

そんな魔都を管理する為に女性のみで組織された戦闘部隊が魔防隊であった。

 

「その反応を見るに流石にそこまで無知では無いようじゃな?」

少女は固まった良吾をニヤニヤと見ながら近寄ってくる。

その表情には先程までの少女の年相応な幼さは存在せず、老獪で自分より遥かに格上の得体の知れない生物が威圧感を醸し出しているかの様な錯覚を覚えた。

 

しかし良吾自身も恵まれた体躯に日々トレーニングを怠らない事で創り出した精神力がある。

自身より頭1つ分以上も小さな少女の様なモノを前にして後退ることはなんとか堪えた。

 

「ほう、此方が少し脅かしても大丈夫か。其方、名はなんと申す?」

 

「た、龍海良吾…」

 

「ふむ、良吾か。良き名よのう」

 

「な、名前を聞いたなら自分も名乗るのが礼儀だろ?」

 

「おっと、失念しておったわ」

良吾の精一杯の問いかけに少女は更に衝撃的な事実を語った。

「此方は海桐花、東海桐花じゃ

 元魔防隊総組長にして魔防隊の要、東家の現当主じゃ

そなたの事気に入った。此方の事は海桐花ちゃんと呼ぶが良いぞ」

 

『魔防隊の元総組長』

日本、いや世界にで最も強かった人。

醜鬼と呼ばれる1匹で数十人の犠牲者を出すと言われる化け物を葬る魔防隊員の中でも別格の力を持つ人。

最早人と形容しても良いのかさえ分からない程の何か。

そんな生命体が自分の目の前にいる。

 

「そ、そんな証拠ないだろ!第一魔防隊の元総組長だって言うならアンタ一体何歳だよ!?」

女性に一度ならず二度までも歳を聞くという禁忌を無意識のうちに犯してしまうほど良吾の脳はエラーを吐き出すポンコツと化していた。

 

「ふむ、やはり信じぬか。ならば見せるとするかの」

だが圧倒的強者故か、はたまたただの気まぐれか。

海桐花は全く気にする事なく傍に生えていた雑草を顧みた

 

 

 

 

 

『東の星霜』

 

 

 

 

手をかざした途端、草が早送りされるかの様に枯れてしまったのだった。

「これで分かったであろう?此方のは生命力を操れる能力じゃ。この力を利用して此方は若き頃の姿を維持しておるのじゃよ」

 

まさにチート。

この世のバグと言っても過言ではない。

目の前でおこった事象は現実離れし過ぎているが全て真実であり、納得せざるを得なかった。

しかし良吾には最も分からない事があった。

 

「そ、そんな…すごい人が…なんで競馬場に?」

リアルチート、殿上人、化け物、次世代型人型生命体。

なんと表現すれば良いかさえ分からないモノが自分達のような一般人と同じ様にグランプリを見に来ている。

その落差は良吾を更なる混乱の坩堝に叩き落とすには十分だった。

 

「なんじゃ坊主、そんな事も分からんのか?」

海桐花はフッと鼻で笑うと

「『夢』じゃよ!ここでは硬貨1枚が札束に変わるのじゃ!!

 まさにここは夢の国じゃあ!!!!」

 

 

 

「…はい?」

両目に¥マークを浮かべながら化け物はとんでもなく俗な事を口走った。

 

「なんじゃ其方?此方が賭博をするのが不思議か?」

 

「いや、大体アンタ元魔防隊の総組長だろ!?んな事してて良いのかよ!?」

あまりの俗物、あまりのギャン中思想に良吾は相手の実力も地位も何もかも忘れて絶叫した。

 

「うむそれがのぅ…魔防隊の総組長ともなれば給金は良いのじゃが如何せん多忙でな…

 此方の様な美少女には荷が重すぎると言うて早々にリタイアしたのじゃよ。

 余生は貯めてあった給金を資産運用して暮らそうとも考えたのじゃが、此方の能力的に余生が長過ぎると気付いてな…

 刺激と金を求めておったところに昔の友人に誘われてハマったのじゃ」

昔を懐かしむかの様に遠い目をしながら語る海桐花であったが、数瞬前の欲に塗れた表情を知っている良吾からしてみれば何を黄昏た雰囲気出しているのかとツッコミたくなったがあまりの馬鹿らしさにその気も失せてしまった。

 

「とまぁ此方の身の上話はこれくらいにして、

 早く行くぞ良吾!

 今日は祭りじゃあ!!

 いっぱい賭け、いっぱい持って帰るんじゃあ!!」

 

「ちょっと待て!まだ話を消化出来てねぇぇぇ…!」

流石元総組長と言うべきか。

海桐花は良吾の手を取るとドップラー効果がするほどの速さでスタンド目がけて走り出したのだった。

 




その頃、多摩川付近のお屋敷にて

???「あら?お母様は?」

???「なんかサブちゃんのまつりを歌いながら書斎からすごい勢いで走っていきましたよ?」

???(ʘ言ʘ╬)
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