路傍に咲く大輪の花   作:山野化石

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前々から温めていたネタを復帰がてら形にしてみました。
拙文ではありますがお楽しみいただけたら幸いです。


再び幕は開き花弁は舞い上がる

「a1、現場に急行してください」

「こちらa1了解」

 ベージュの制服を靡かせながら自分は走っていた。先日の延空木事件によって大量にばら撒かれた銃によりリコリスは近年稀に見る繁忙期を迎えていた。

 セカンドやファースト達の様に卓越した戦闘能力を持つわけでもないサードの自分達はこうしてドサ周りの様な事をして銃の回収に勤めていた。

「今年で私も22かあ……」

 正確な年齢は分かっていないものの周りからは年長者として扱われている。多くの同僚を見送ってきたし看取ってもきた。

「おはようございます、先輩」

「もう君セカンドなんだから敬語使わなくてもいいのに」

こんなやり取りも日常茶飯事だ。万年サードのロートルに大した扱いなど不要なのだ。

「う……撃つぞお!?」

 故にこういった素人の鎮圧などが自分には相応しい。

「あー……うん。撃てば?撃てるのなら」

 緊張からかセーフティすら外してない。下手な知識だけあっても利点にはならない。むしろ享楽的かつ無知に暴れられる方がこちらとしてはやりにくい。

「なっ!?舐めやがって!」

「セーフティすら外さずに撃とうなんてそっちが舐めてるんだよ」

 鞄からナイフを取出し相手の手を刺す。拳銃が手から離れるのを確認してから自分の銃で相手の額を撃ち抜く。

「こちらa1。対象の処理を完了しました。後はお願いします」

「ご苦労だった。至急本部に戻れ。特殊指令だ」

「相変わらず楠木指令は人使いが荒いですね」

「それが私の仕事でお前たちの役目だからな」

「では、すぐに帰還します」

「そのために後処理を依頼したのだろう?読んでいたのか」

「さあ?しょせん学のない孤児なもんで」

 そう、私達はDAに拾われていなければのたれ死んでいた子供だった。

「それが、今では悪を闇から討つ処刑人はねえ……」

「待遇に不満か?十年以上ここにいるのだから今更だろうに」

「あれ?まだ通信きってなかったですか?じゃあきりますね。さっきのは聴かなかったことで」

「フッ、バカが」

「酷いですね。バカ扱いするならちゃんと私の後釜育ててくださいよ。私もう22なんですけど」

「無理だな。お前以上の存在はこの世のどこにも存在しない」

「はいはい、もう通信切るのも面倒なんで、このまま次の任務の説明お願いします」

「分かった。それでは説明するぞ。今回の任務は……」

 これが私の日常。本来なら数年前にどこぞの国の諜報員として売り飛ばされるはずの一兵卒がいまだにここにいる理由。よく分からない任務を押し付けられたりする司令官の忠実なる駒。個人的に政治の駆け引きに使われるのは堪ったものではないが

仕方ない。少なくとも、知らない地で誰一人知ることもないまま死ぬよりはマシだ。

「ほんと、人生ってのはままならないなあ……」

 

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