「ここが22番道路だよな〜」
ガソゴソと22番道路の脇にある林から一人の少年が出てくる。
黒い大きなバックパックを背負い何処かの学園の制服に身を包む銀髪の彼はしかし、頭や服に木の葉をつけている。
今しがた自分が林から出た場所が目的の場所であることにを確認するため、隣に浮いている小型犬のようなポケモンに話しかけた。
「そうでしゅよ!!全く…どうしてマサラタウンからほぼ一本道なのにトキワの森まで行ってるんでしゅか!?」
「いや〜…あはは」
「あはは…じゃないでしゅ!!笑い事じゃないでしゅよ!!」
ぷりぷりと怒る自身の相棒を見て少年は
でもよ〜と口を開く。
「俺が迷子になっちまうのはいつものことなのは知ってるだろ〜?なら、シアも起きて俺を案内すれば万事解決〜!だったんじゃねぇのか〜?」
その傲慢と怠惰をはらんだ言葉にぷりぷりとした怒りから
イライラとした怒りにシフトチェンジ。
少年の相棒、シアは捲し立てる。
「そうでしゅねそうでしゅね!!!!朝3時に起きて3時半に出発するような早起きご主人さまにはわからなかったんでしゅね!!いいでしゅか!?午前3時は朝じゃないでしゅ!!まだ皆寝ている時間でしゅ!!そんな時間に起きて4時間も迷うバカは一体どこのだれでしょうね!?ミー達まだ朝ご飯食べてないんでしゅよ!!」
腰にあるボールが揺れ動く。
少なくともご飯を食べてないことには他の皆も不満のようだ。
学校についたら後でご飯を出してあげようとボールの中にいる友達に心のなかで謝罪する。
しかし、今重要なのは眼の前で怒りを見せる相棒である。
そのあまりの怒りようにいくらマイペースな少年と言え少し気圧される。
不満を口にして更に怒りがこみ上げてきたのか
イライラとした怒りからゴーゴーという擬音が似合う程の圧力を出しながらトップギアをかけてくる。
「それが?いうことかいて『案内しろ』?自業自得の結果をミーのせいにするなでしゅ!!」
草タイプで今は飛行タイプを持ち合わせる筈の相棒は最も苦手なタイプの最強の技を彷彿とされる視線で少年を見る。
「ごめんホントに俺が悪かったごめんなさい」
おかしいな…シアの技は〝ぜったいれいど〟ではないし、特性が〝プレッシャー〟でもはずなんだけど……
いつものマイペースさと気の抜けた口調が嘘のように引っ込み謝罪する少年は見る人が見れば驚愕に値する事だろう。
こんのクソ野郎が……とプリチーな見た目と声から出てはいけないガチギレボイスを吐き出しながら怒りに燃え、しかし極寒の眼差しを自分の主人へむける。
そんな目から逃れるように少年は慌てて道の先にあるバス停を目指し歩き始める。
心なしか歩くスピードがいつもより速いのは気の所為ではないだろう。
バス停につくまでに何とかシアのご機嫌取りに力を尽くす少年の名はケイ。
ポケモンと人を〝繋ぐ〟
この物語の主人公様である。