神隠しの子、絆を繋ぐ   作:絶対正義=可愛い

3 / 3
不定期更新だぁ……





ごめんなさい

ちょっと雑かも…後、長くなった…前回との差ァ…!!


はじまりのペンダントと少年 後編

リコが連れ去られた。

 

それはもう簡単に。

 

ケイは激怒した?

必ず、かのリザードン使いの白髪誘拐犯を除かねばならぬと決意した。

ケイには犯罪者心理などわからぬ。

ケイは、何処にでもいる(?)ポケモントレーナーである。

ポケモンと親交を深め(ガチ)、昼寝をして過ごしてきた(怠惰)。

けれどもポケモンを悪用する者に対しては、人一倍に敏感であった(鈍感)。数年前、ケイは故郷シンオウを出発し野を越え山越え(飛行機)様々な地方を義姉と共にまわった。そして、遥か遠くにある此のカントー地方まで学校に通うためやってきた(強制)。

ケイには血の繋がった父も、母も無い(ガチ)。友達(人間)もいなかった。

 

 

 

 

そう、いなかったのである。

 

しかし、幸運にも(?)友達ができ(無理矢理)、毎日が充実していたのだ。

そんな竹馬の友(違う)のリコが連れ去られた(違う)のだ。

 

 

 

 

 

 

ケイはマイペースな上に少しおバカであった。

 

 

 

 

 

「シア〜〜〜〜!!!!俺を乗せて飛んでくれー!!!」

「てめぇの図体考えろよクソ主人無理に決まってるでしゅよ」

「ほら!いつもの花だぞ〜!!これでフォルムチェンジだ〜!!」

「話聞けや」

 

 

屋上で謎の光る球体の中にリコとニャオハと「ナニカ」が居た事を確認したケイだったがその後の展開が急すぎてついていけていなかった。

リコを助けてくれた人がリコを連れ去って?なんか黒い奴ら3人が服をクイックチェンジしたと思ったら追いかけて?

 

 

 

?????

 

 

……!…?…?…!………???

 

つまり

白髪とリザードンは誘拐犯!?

 

 

 

驚くべきすれ違い勘違い。

 

シアはその一部始終はボールの中に居たため見てはいなかったが、聞いてはいた。

 

その為真実は黒スーツが誘拐犯?で、白髪リザードンは助けてくれた人(それでも安心は出来ないが)という事は理解している。

 

が、今なお馬鹿なことを言っている自分の主人を見て、ソレを指摘するのも億劫になってきたため、何も訂正はしなかった。

 

 

「だから〜、俺の手持ちには空が飛べる奴はシアしかいねぇだろ〜?」

「だから、サイズ的に無理だって言ってるのでしゅよさっきから」

「頼む〜〜!!この通りだ〜〜〜!!!!」

 

 

土下座してまで頼むケイを見たシアは少し不憫になってきたが答えは変わらない。

というか、そもそも

 

「ミーの『あの姿』は夜じゃなれないでしゅよ?」

「…………………………………………………………………」

 

たった今気づいたようで下げた頭の懇願顔から真顔へとケイの表情が変わる。

 

「………」

「………」

 

暫くの間無言が続く。

しかし、シアがハァと溜め息をついた事でそれを合図にしたかのようにケイがボソリと呟く。

 

「……………確かに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局どうやってリコを追いかけるかを寮の部屋に戻りながら次々に考えをシアに言っていくケイ。

 

「『ルナちゃん』を呼ぶっt」

「却下でしゅ。前にそれやってお姉さんに怒られたの忘れたでしゅか?」

 

遥か遠くの南の地方の月の化身を呼ぼうとしたり

 

「『ラム』を呼んでみr」

「却下でしゅ。放火魔を呼ぶとか頭おかしいんじゃねぇでしゅか?ここら一体が焼け野原になるでしゅよ?」

 

真実大好き過ぎて遥か昔とある地方の国を焼け野原にした白い竜を呼ぼうとしたり

 

「『フー君』をy」

「魔人を呼ぶなでしゅ。ミーあいつのノリ苦手なんでしゅよ……主にどっかのクソ主人に似てて…。」

 

悪戯好きな問題児な魔人を呼ぼうとしたり

 

「『ラティちゃん』『ラティ君』を呼ぶのは?」

「ホウエンは遠すぎるでしゅし、そもそも聞こえないでしゅよ流石に」

 

仲のいい兄妹竜を呼ぼうとしたり

 

「『クレちゃん』h」

「死にたがりを呼ぶなでしゅ…ミーの胃が痛くなるでしゅ…」

 

やたらとポケモンを治すために自身の力で瀕死になり続けるドMな準伝を呼ぼうとしたり

 

「もう〜だったらどうすればリコを追えるんだよ〜!!そんなに言うなら何か提案しろよなシアー」

 

そうこう言ってる間に寮の部屋につき、クローゼットの中から白いフードつきのパーカーに着替えて立てかけてあった黒いバックパックを背負うケイ。

 

バックパックの中からプニンが出てきてケイのフードの中に潜り込む。

 

「…まぁ、何とかなるでしゅよ…きっと、いや、絶対……」

「はぁ?何いってんだよシア〜?」

 

 

そんなことよりも案だせよーとブーブー文句を言うケイのバックパックの上にジャンプで乗るシア。

 

「んが!?(何事か!?)」

「あ、すまねぇでしゅ」

 

フードがバックパックの上に乗っており、その中に居たプニンを踏んでしまった事に素直に謝りつつシアは続ける。

 

「神にでも祈ってれば…案外行けるんじゃねぇでしゅか?」

「なーに言ってんだシア」

 

とうとう自分のツッコミ役のシアがおかしくなってしまったのかと怪訝に思うケイだが、そんな事はドアを開けて一歩踏み出した瞬間に消え失せた。

 

びゅーびゅーざーざーと身を叩く雨風と、ゴロゴロ…ピカッと光る雷を見たからである。

 

 

 

と同時に感じる浮遊感。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子寮の部屋から出たらそこは嵐の中だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!…ふははははははーーー!!!!!!!」

 

最初は恐怖からの絶叫だったが後半は完全に笑っている。

 

そんなケイを見てシアは、ここが嵐の中だとか、急に転移したとか、さっきのドアはどうなったのかとか、そういう事を一瞬忘れるレベルで本気でドン引いていた。

 

ちなみにプニンは涙目である。

 

「んががが!!?(何故余がこのようなめに!!?)」

 

そんなシアのドン引きなどには気づかずケイは思う。

 

 

 

 

 

面白い匂いがするなぁと。

 

 

 

 

 

まぁ、それはそれとして、着地はどうしよう?とも思っていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局

落下先は空飛ぶバトルコートであると認識したケイはワクワク(冒険心)とドキドキ(命の危機)に襲われながらどうやって着地しようと思った所で腰にあるボールがパカッと勝手に開き、一体のポケモンが出てくる。

 

「ラオ!?何ででてきたんだー?」

「………………ラオ、ラ(………………何とかする、任せろ)」

「って言ってるでしゅ」

「ヒュー!さっすがラオ〜!!俺達のエース!!」

 

出てきたのは白い虎猫のようなポケモン。ケイのエースポケモンで超強い頼れるお父さん枠もしくは超強い頼れる兄貴分。

 

シアに翻訳してもらいながら笑みは絶やさずラオに持ち上げるケイ。

 

それを傍目にラオは眼下を見やる。

 

 

見えたのは飛行船の上にのるバトルコートとそれを覆う緑色のバリア。

 

まだ小さいが確実に1分もしない内に衝突する。

そう判断したラオは迅速であった。

 

 

身体を真っ直ぐにして頭を下に向け姿勢制御をし、落下速度を速めていく。

 

 

その最中に目を瞑り〝めいそう〟と〝ビルドアップ〟と〝じゅうでん〟を『同時』に微動だにせず行いギリギリまで積む。

 

 

そして、後10mで衝突という所で目を開き両手の爪をズレなく連続で振り下ろす。

 

 

〝プラズマフィスト〟

〝インファイト〟

 

 

限界まで積み上がった〝こうげき〟は容易くバリアを破壊し大きな風穴を開ける。

 

そのままラオはバトルコートへとクルッと反転して足から不時着。

 

 

すぐさまバトルコートを蹴り、もと来た道へとケイを回収するため雷光を残してその場を翔ぶ。

 

 

〝プラズマフィスト〟+〝インファイト〟で勢いを少し弱めたと言っても30秒ほど落下していたのだ。

 

 

通常、無事ではすまない。

少なくとも傷は負う。

 

 

ラオの種族は元々〝ぼうぎょ〟は一般的な部類で高くない。

鍛錬により他種族よりも圧倒的に高いといっても、元々の種族的に他の能力に比べて比較的に防御力は低い方なのだ。

 

 

だから、〝ビルドアップ〟で〝こうげき〟と〝ぼうぎょ〟を上げた。

ダメ押しに〝じゅうでん〟もした。

念のため〝めいそう〟も行い想定外の事にも備えた。

 

 

 

より強靭に、より頑強に、より鋭利にと。

 

 

 

そして放たれた〝〝プラズマフィスト〟+〝インファイト〟。

圧倒的火力。

過剰威力。

 

そう言われて当然までに積み上げられた〝こうげき〟から繰り出される連撃の拳は、全力で放たれればバトルコートを貫通してもおかしくない。

 

しかし、それを完璧なまでに制御し、バリアに穴を開ける事だけに留めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポケモンバトルの鉄則として、技は4つまでしか使ってはならない。

 

規制する理由は、あまりにもバトル自体が危険極まってしまうのも理由の一つとしてあげられるが、主な理由としては

限られた技の中でいかに戦略を駆使して戦えるかが、ポケモンバトルの醍醐味だからだ。

 

 

 

しかしそれらはあくまでも、ポケモンバトルが関わらない範囲でなら技に制限はかからない。

 

 

 

自由に技を行使出来る。

といっても、普通のポケモンはそう技を何個も覚えてはいない。

基本的に4つが何をするにしても便利で、それ以上は他の技の練度を下げる事になりかねないからだ。

 

 

それを踏まえた上で

 

 

 

ラオは天才だ。

 

 

 

その天性のバトルセンスに甘えること無く磨き続けた己の肉体と技は、もはや誰にも到達出来ないレベルにまで達している。

 

『自身が覚えられる全ての技を網羅』し、完璧と言っても過言ではない程極めたラオにとって、次のステージは『技の同時発動』だった。

 

苛烈を極めた。

地獄であった。

それでも彼は自身の胸に誓ったのだ。

もう誰も奪わせないと。

 

 

故にこそ出来る、通常『あり得ない』技の同時行使。

 

 

それを余すこと無く使ったまさに〝神業〟

 

 

これと同じことを出来るのはかの創造神以外には存在しない。

 

 

とある界隈ではまことしやかにこう囁かれる。

 

我れの世界(やぶれたせかい)に閉じ込めても強引に突破してくる気がしてならない

頭を撫でられただけで死を感じさせられた

アイツだけは()りあっちゃダメ

オイラのチカラ(Vジェネレート)を使えばアイツなんかよゆーよゆー…うそじゃないもん!!ホントだもん!!何でみんなしんじてくれないの!?

オレたち(電気タイプ)の天敵だよ完全に。オレじゃあ情けないことにアイツにかすり傷一つだってつけられやしない。

 

誰が最強かって…?あー少し前まではミュウの倅?(ミューツー)が最強だったんじゃねぇの?

でも今は…あいつだよ。ほら、白い猫野郎だ。何だったけかなぁ?

確か…

 

 

 

ゼラオラ

 

 

人には確かそう呼ばれてる奴だよ。

 

 

こっちの界隈じゃ

 

 

白銀(はくぎん)雷公(らいこう)

 

 

なーんて呼ばれているがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコは見張り台の中で座っていた。

今さっきウイングデッキを手動で畳むとモリーが出ていったばかりで、周りには怯えているポケモン達の姿が見える。

 

その時だった。

 

轟音と共にウイングデッキに『ナニか』が降ってきた。

とうとうあの人たちが来てしまったのかと思ってウイングデッキを確認するもどうやら違うようだ。

 

砂埃がたって姿は良く見えない。

しかし、一瞬後には稲妻を残してどこかに姿を消した。

 

「な、何だったの…?」

 

胸にニャオハを抱きながら不安気に目を揺らすリコはそう呟く。

思わずニャオハを強く抱き締めてしまったようでニャオハが腕の中から飛び出してしまう。

 

その時今度は先程よりも小さい音だが、はっきりと黒い影がウイングデッキに降り立ったのをリコは見た。

 

そして、

 

「いやーありがとなラオ〜!お陰で助かったぞー」

「………………ラオ(……………無事で良かった)」

「疲れたでしゅ…精神的に…でしゅ」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

謎の男に追われているときに助けを求め電話をしたのに出なかった友達の声がだ。

 

「ケイ…!?」

(何でここに…!?)

「ニャア!」

「ちょ、ニャオハ!」

 

ニャオハがケイ達の下にかけていくのを見て慌てておいかけるリコ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやーホントマジでやばかったな〜にしし…!!」

「笑い事じゃねぇーんでしゅが……もうツッコむ気力も失せたでしゅよ……ハァ」

 

 

ボールから出たラオがあっという間に下に落ちたかと思えば、すぐに戻ってきて俵担ぎされたケイはウイングデッキにおろされても呑気にのほほんと笑っていた。

 

ぐったりとしているシアは疲れたようでツッコミに覇気がない。

 

プニンはブルブルと震え今も涙目だ。

 

「それにしても驚いたなードアの先は嵐の中だった〜なんて、久しぶりに面白いことにあったな〜」

 

「カントーに来てからは初めてだなー」と呟やいているケイに駆け寄る小さな影が一つ。

 

「ニァアニャオ!!」

 

リコのニャオハだ。

 

「あれ?こんな所にどうしているんでしゅかニャオハ?」

 

それに反応したのはシアだ。

ぐったりした様子から起き上がりニャオハを見る。

 

「ニャア〜!」

「ちょ、くすぐったいでしゅよ…全く」

 

シアに駆け寄ったニャオハはシアに飛びつくとペロペロとシアの身体の毛づくろいを始める。

それに少しくすぐったそうにしながらも拒絶しないあたりシアとニャオハの仲の良さが知れる。

 

実は、ニャオハは夜中の特訓のときに〝このは〟の最上位互換である〝リーフストーム〟をシアが見せたことで『姉貴』とシアの事を慕うようになったのだ。

 

「待ってニャオハ一人で行かないで!」

「あれ?リコ?」

 

雨に濡れながらも走ってきたリコを不思議そうに見つめるケイ。

 

「何でケイがここに?」

「ん〜…リコを助けに来たぜー!」

「へ?」

(待ってそれってまるで…)

「って、そんなことより早く帰ろうぜ〜?俺たちの学校にさ!」

 

その時、バリアを攻撃していたアメジオ達がとうとうバリアを破壊してウイングデッキに上がってきた。

 

 

(ちょっと待って、この展開。ペンダントを巡って追い回されて、異性の友達が助けに来てるなんて、わたし…わたし……物語のヒロインですか!!?)

 

 

そんな乙女チックな思考回路を爆発させて目をグルグルさせているリコの隣ではケイが「?」と首を傾げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

バトルコートにいたリコとケイを見つけたアメジオ達は迷うこと無くリコの元に行く。

 

ニァァァァ……!!!とニャオハが威嚇する声とシアの睨みがアメジオに向けられるが特に気にすることもなくアメジオはリコに問いかける。

 

「何故逃げる?」

 

嵐の中でもはっきりと聞こえるアメジオの声。

 

「わからないです」

 

俯いたまま隣りにいるケイの裾を少し掴み答えるリコ。

ケイは少し不思議そうにリコを見て、アメジオに視線を戻す。

 

「では、彼らの事が信用できるのか?」

 

再度問いかけるアメジオにやはり顔を俯かせたまま答えるリコ。

 

「わからないです」

 

表情を変えることなく問いかけるアメジオの内面は読み取れない。

 

「そのペンダント…あの輝きは何だ?」

 

ペンダント?とリコの胸元にあるペンダントを見て「?」と首を傾げるケイ。

 

「わからないです」

「わからないことだらけだな…」

 

やれやれと腰に手を当て呟くアメジオに「でも一つだけわかります」と一言リコが言う。

 

「ほう…?」

 

俯いていたリコはアメジオの目を見て言う。

 

「あなた達の事は信用できません…!」

 

その言葉でケイはこいつ敵だったのかーとアメジオ達の認識を変える。

それと同時にニャオハがアメジオに向かって飛び出すも横にいたコニアに首根っこを掴まれて邪魔される。

 

「もう、いけない子ね」

 

 

今まで普段の様子から考えられない程静観していたケイの目が少し細められる。

シアは妹分に害を加えようとしたエクスプローラーズの面々を敵と認知した。

ラオは突っ立っているように見えてその実あらゆる事を想定して対処できるよう警戒していた。

 

 

「やめて!そんなにペンダントが欲しいなら渡します…!だから、ニャオハを離して…!」

 

 

その言葉を聞いたアメジオはニャオハを掴む女性を見て離すよう指示する。

 

そうやって拘束から逃れたニャオハはリコの方に戻りリコの腕の中に飛び込む。

 

 

 

もし、ここでアメジオがニャオハを離すよう指示をしなかったらケイは問答無用で3人を叩きのめすためにシアとラオに指示を出していた。

 

例えケイの指示が無くてもシアとラオはニャオハを助けるために動こうともしていた。

 

 

どうやらこの3人組はリコのペンダントを狙っている「悪い奴」らしいが、ポケモンを傷つけて喜ぶクズではないと判断するケイ。

 

 

案外根っからの悪人というわけでもなさそうだ。

 

 

「最初はペンダントだけが目的だったが、どうやらそのペンダントには秘密がある。しかもその秘密は君と関係があるようだ。そこで…君にも来てもらう」

 

 

前言撤回こいつらぶっ潰す。

 

 

「さぁ」

 

アメジオの催促にリコは目を伏せて見張り台を見る。

あそこには今も震えているポケモン達がいる。

ケイを見る。

何故ここにいるのかはわからないけど、このままだと巻き込んでしまう。

友達を巻き込みたくはない。

 

 

「わかりまs」

 

 

「駄目だよリコ」

 

リコの言葉を遮ったのはケイ。

その顔はいつになく真面目で真顔だ。

 

 

そんな言葉にアメジオは顔を顰めてケイを見る。

 

今まで何も言わずに観客に徹していた第三者からの舞台への横槍。

 

 

「そもそもお前は何だ?どうしてここにいる?」

 

そう問うアメジオにケイは端的にそれが全てだというように平坦に告げる。

 

「俺はケイ。リコの友達。」

「ケイ…?聞いたことのない名前だな」

「そりゃそうだろ。俺お前に初めて名乗ったし、ジムチャレンジとか大会とかにも参加してねぇからな。知名度は殆ねぇよ」

 

ざっ…とウイングデッキを踏みしめてアメジオの目を真っ直ぐと見るケイ。

 

 

「いいか?俺は友達(ダチ)が困ってる時に何もしねぇー薄情な人間じゃねぇーぞ悪役」

 

リコは驚いていた。

ケイはいつも呑気でマイペースでアンのミジュマルの〝みずでっぽう〟を顔面に受けても、相棒のシアにどれだけ罵られても怒らなかったケイが、今、怒っている。

 

ケイの横に敵意を瞳に宿らせながらシアが並び、ラオは片目を開けてアメジオを射抜く。

 

 

しかしそこで、「待てっ!」と頭上から声が響く。

 

リザードンに乗ったフリードとその相棒ピカチュウのキャップが飛んできた。

 

 

「あ、誘拐犯」

 

 

ケイ達の近くに着陸したフリードはモリーに指示をとばしながらケイとアメジオを見る。

 

「ったく。お二人さんとも無断乗船だぜ?」

 

「それにしても」と続け

 

「まさか悪名高きエクスプローラーズの仲間だったとはな」

 

リザードンから降りながらアメジオにそう声を掛けるフリード。

 

「アメジオだ」

「俺はフリード。ライジングボルテッカーズのリーダーだ」

「俺、ケイ。リコの友達」

 

一旦眼の前のフリードに意識を向けるアメジオとケイ。

ケイの横ではリコがニャオハを抱えながら「あの…」と何か言おうとするもアメジオに遮られる。

 

「嵐の中に飛び込むなんて無謀な連中だな」

「その言葉はそこの坊主に言ってやれ。それに比べたらまだマシだ」

 

アメジオの皮肉を飄々と流すフリードだが、ケイは自ら進んで無謀な事をしたわけではない。

 

「俺のソレは別に自分からやったわけじゃねぇねんだけどなー」

 

そんな呟きは虚しく風に乗り消えて行く。

 

「目的が終わればすぐに出ていく」

 

リコを見ながらそう言うアメジオだが、フリードとケイにストップをかけられる。

 

「おっと、そいつは無理な相談だ」

「そんな事俺が許すと思う?」

 

「では、先ほどの続きをするか?」

「望むとこd」

「ちょっと待ってくれ誘拐犯フリード」

 

ならばバトルでもするか?とアメジオにがフリードに持ちかけるがそこにケイが割って入る。

 

「おい誰が誘拐犯だって?」

 

誘拐犯呼びに反応したフリードを無視してケイは話しを進める。

 

「そいつは俺に譲ってくれ〜。友達が連れてかれそうなの黙ってみてるほど俺はいい子じゃねぇんだぞー」

 

そんなケイの言葉と真っ直ぐな瞳を見てフリードは少し思案した後に口を開く。

 

「……しょうがないな…いいぞ。アメジオ!今回は俺じゃなくてこいつがするそうだ」

 

「フン、誰であろうと関係ない叩き潰すのみだ」

 

 

フリードはリザードンをボールへ戻し、ピカチュウのキャップとバトルの審判をすることに。

シアはモリーとリコの護衛のようにそばにおり、「ミーがやりたかったでしゅ」とぼやいている。

 

「さっきから気になってたけど君喋れるの?」

「ミーは少し特殊な個体でしゅから…ミーと同じ種族で喋ってるやつは見たことないでしゅね」

「へー…」

「…まぁそもそもあまりミーと同じ種族を見かけたことがないんででしゅが…」

「何か言った?」

「何でもないでしゅよ…ええと、モリーさん」

 

モリーとシアの会話が横で繰り広げられているがそんな事には上の空でリコはボーッとケイを見ている。

 

「ケイ……」

(私のせいで…また…)

 

そんなリコの様子にはニャオハ以外気づく事なく場は進んでいく。

 

 

 

 

「そんじゃまぁー…ここのリーダーに許可貰ったしやるか」

 

頭を掻きながら視線を隣で静かに佇むラオを見ずに確認する。

 

「行けるかラオ」

 

「………………(………………)」

 

 

無言で問題ないと頷くラオ。

頼もしさが半端ない。

 

 

「手加減はしない。ソウブレイズ!!」

 

 

掛け声とともにアメジオがボールを投げソウルブレイズを出す。

それを見てケイはブツブツと呟く。

 

「見たことのないポケモンだなー、見た感じ…炎/ゴーストか〜?それかゴースト/鋼とかかな…?何にしても格闘技は使わない方がいいか…。〝リンク〟を使うのは、ちょっと疲れるからやめるか…」

 

 

「それじゃあケイVSアメジオ!バトル開始だ!」

「ピカピカチュウ!!」

 

審判のフリードの掛け声とともにピカチュウも帽子を被ったままバトル開始の宣言をする。

 

 

「よし、まずは小手調べだラオ!〝かみなりパンチ〟!!」

 

 

ラオが静かに拳を構えてソウブレイズへと拳をバチバチとさせながら電光石火の如きスピードで間合いを詰めるラオ。

 

 

「…ッ速い!避けろソウブレイズ!!」

 

すぐさまソウブレイズに指示を出すアメジオ。

 

何とかギリギリ避けたソウブレイズだが、ヴン!!という音をたてて、先ほどソウブレイズがいた場所を通過する拳を見て冷や汗が頬を伝う。

 

 

「まだまだー!〝こうそくいどう〟で翻弄しろ〜!」

 

拳を振り抜いた状態のラオがバク転をしながら戻りソウブレイズのまわりをグルグルとスピードを上げてかけていく。

〝かげぶんしん〟でも使ったかのような残像が多数できるが、ソレに焦らずアメジオは指示を飛ばす。

 

「ソウブレイズ!円を描くように〝サイコカッター〟だ」

 

その指示を受けたソウブレイズが身体を回転させるようにサイコカッターを放ち、駆け続けるラオを狙う。

 

「〝かみなりパンチ〟で打ち消せ〜!」

 

それに対して周囲を旋回するのをやめて〝かみなりパンチ〟で打ち消す。

その後不規則にジグザグと動くラオ。

 

「速いな…ソウブレイズ 〝ゴーストダイブ〟だ」

 

このままでは技が当たらないと判断したアメジオはソウブレイズに死角からの攻撃を指示する。

 

「止まれラオ!〝早業〟で〝じゅうでん〟だー。周囲を警戒しとけよラオ〜!」

 

ケイはそれに対し、電気タイプの技の威力を2倍にする〝じゅうでん〟を〝早業〟で素早く技を終わらせラオに攻撃の感知を任せる。

 

その指示を受けてラオは凡そ1秒で体内に溜めた電気を圧縮し拳にいつでもまわせるようにし、周囲の気配を読むために目を瞑り集中する。

 

ラオの背後に空間の揺らぎ中からソウブレイズが出てくる。

そのまま腕を振り上げ下ろそうとした所で

 

 

「………ラ(………そこか)」

 

 

空間が揺らぎ空気が動いたことを肌で感じたラオが振り返りそれに合わせてケイが指示を出す。

 

 

「そこだー!〝かみなりパンチ〟!!」

 

 

クロスカウンターを決めるようにバチバチと、先ほどの比にならない量の雷を拳にまとわせたラオがソウブレイズの腹に叩き込む。

そのまま拳を打ち付けたまま一回転しアメジオの立っている方向へと吹き飛ばす。

 

「チッ…!行けるか?ソウブレイズ」

 

満身創痍でありながらも特性〝くだけるよろい〟で〝すばやさ〟が上がり、〝ぼうぎょ〟が下がるソウブレイズ。

 

接近戦は不利と判断したアメジオは遠距離戦へと変える。

 

「ソウブレイズ〝サイコカッター〟を連続で放て!」

 

腕を連続で振りながら〝サイコカッター〟を飛ばし続けるソウブレイズの攻撃を容易く躱すラオだが、その内の一つが見張り台へと突っ込んでしまう。

 

「やべっ!!」

 

それに気づき咄嗟に後ろを振り返るケイとラオ。

しかし、

 

「させないでしゅよ!!」

 

それに気づいたシアがその 〝サイコカッター〟を身を挺して庇う事で事なきを得る。

 

「シア大丈夫か!?」

「へへ…へっちゃら、でしゅよ…」

 

口ではそう言いつつもシアは少し傷ついている。

無茶なことしやがって…とケイが思うもそんなシアの様子を見たリオが我慢ならないように言う。

 

「やめて…やめてください!!」

 

そう言いバトル場へと出てくるリコ。

 

「これ以上、皆さんに迷惑をかけたくない…です」

 

「は…?何言ってるんだ」

 

そんなリコの様子にフリードは少し困惑したように問う。

 

「これ以上、皆が傷ついてほしくないです」

「聞いたか。余計な手出しは無用だそうだ」

 

リコの言葉を受けてとっととリコを渡せと暗に言ってくるアメジオの言葉を無視してケイは無言で表情の読めない顔でリコを見る。

 

「…………」

 

「ニャオハだってそう思って…」

 

そう言うリコの言葉に反してニャオハは腕の中で暴れて飛び出す。

 

 

それは嘘だ!そう伝えようとニャオハは鳴き続ける。

 

 

(なになに、どうしたのニャオハ。何をそんなに…?)

 

「リコさー…あんまり自分の気持ちに蓋しちゃダメだぜー?何でもかんでも我慢するのはよくねぇんだからさ〜。素直になれよー俺みたいに」

 

「え…?」

 

そう言葉を繋いだケイはニカッと笑っている。

いつの間にかケイの隣に戻ったラオも無言で頷いている。

 

(そっか…わたしが自分の気持ちに嘘付いてるって、ニャオハもケイも気づいてたんだ)

 

「うん、わかった」

決意を固めたようにニャオハの元へと駆け寄ったリコはアメジオとソウブレイズの前に立ち塞がる。

 

「いくよニャオハ…!!

 

決意を決めたようにアメジオ達を見て息を思いっきり吸い込んでニャオハに言う。

「〝このは〟!!!」

 

「ンニャアァァ!!!!」

 

その指示を受けてニャオハは思いっきり〝このは〟を出す。

 

「なにっ!?」

 

ソウブレイズがアメジオの前に出て庇うが量が量だ。

 

(できた…!ニャオハ、ケイできたよ!!)

 

そのリコの脳裏には夜の特訓でケイに言ってもらったアドバイスが浮かんでいた。

 

 

 

 

 

『だからなーリコ〜。ポケモンの技を出す時はそのポケモンと俺達トレーナーの心を同調(シンクロ)させるんだ〜』

『??』

『心を一つにすれば俺達とそのポケモンは無敵なんだぜ〜』

『そ、そうなの?』

『ああ!間違いねぇなーにしし!!』

 

 

 

 

 

(嘘じゃなかった!ケイの言ってたことは本当だったんだ!)

 

満面の笑みを浮かべながらリコはそう思う。

 

さすがの量にフリードもケイもラオも驚きを隠せない。

ケイのそばやってきたシアも「こりゃ将来化けるでしゅね…」なんて呟いている。

 

「あはははっ!!おんもしれぇなぁリコとニャオハは!!な、シア、ラオ!!」

「…ゼララ…ゼラ…!(…あぁそうだなケイ…将来が楽しみだ…!)」

「ミーも負けてられねぇでしゅね…!!」

 

しかし、そのあまりにも多すぎる〝このは〟はウイングデッキのバトルコートを覆っていたバリア全てを破壊してしまう。

 

バリアが全て機能しなくなってしまったせいで雨風が侵入しその強風でリコもニャオハもバランスを崩してしまう。

 

間一髪フリードがリコを掴まえるもニャオハはつかまえられずにウイングデッキの外に。

 

ケイとシアはラオに支えられて大丈夫だったもののシアはニャオハがウイングデッキの外に投げ出されそうな様子を見て、ニャオハの元へ飛び出す。

 

「ケイ…行ってくるでしゅよ」

 

一言とだけそう言いケイの腕の中から飛び出すシア。

 

「……絶対連れ戻すから、ちゃんと待ってろよ…」

 

シアのしたい事を理解したケイは一方的に約束を結び送り出す。

 

「ニャオハ!!」

 

リコの焦った声がケイとシアの耳にはいるがシアはそれに構わずニャオハに飛びつく。

 

それと同時に空へと投げ出されるニャオハとシア。

 

しかし、そのニャオハとシアをアメジオのアーマーガアが助け出す。

 

「アメジオ様!」

「このままでは嵐に飲み込まれます!」

 

アーマーガアに乗ったアメジオはニャオハとシアを一瞥し撤退の判断を下す。

 

「ニャオハ!ニャオハ!!!」

リコの悲痛な叫びがケイの鼓膜を揺らす。

 

「絶対守ってやれよシア…もし死んだら俺お前のこと絶対許さねぇからなー……」

 

そんな叫びを聞きながらニャオハを守るために飛び出した相棒を思ってケイはそう言葉を吐き出す。

 

 

飛行船―ブレイブアサギ号は嵐の中を突き進む。

 

 




ラオをちょっと強くしすぎた気がするんですよはい。
そんな……!〝ぼくのかんがえたさいきょーのぜらおら〟なのに…!!!!

色違いのゼラオラってカッコよくないです?
カッコいいと思うんだぁ…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。