機動戦士ガンダムSEED New desTiny 作:ジェド・アリッサム
コックピットに入り込んで、各種計器の動作を確認する。モビルスーツは精密機器の塊で、しかも戦闘に用いられるものだ。整備不良がそのまま搭乗者の命に、いや、20m近くの巨体を思えばそれ以外の人の命にまで直結する。そうともなれば、どれだけ慎重にやっても足りないくらいだ。
駆動部との接続を一時切り離して、スロットルレバーを点検する。こうして整備のために握る分にはぴくりとも震えない自分の手を見て、シンはなんともやりきれない気持ちになった。
ふと、コックピットの外からどよめきというか、歓声のようなものが聞こえてくる。何事かと思ったシンが顔を覗かせてみれば、機体の足元に見覚えのあるピンク色の髪が見えた。
「うげっ……」
思わず口からそんなうめき声が漏れる。アカデミーの頃から、シンは彼女のことが苦手だった。この機体、白く塗装されたザクファントムが彼女の搭乗機であることは知っていたが、わざわざ何をしに来たのか。余計な波風を立たせぬよう、シンはそそくさとコックピットの中に戻る。そうして、ふうと大きく息を吐いた。
彼女は赤服でMSのパイロット。対して自分は、緑服でMSのメカニック。そんな現実が、今更になって胸に圧し掛かってくるようだ。
「俺だって…………」
その呟きに、力はなかった。
連合によるオーブへの侵攻の後。シンはあの時自分を保護してくれた軍人、トダカの勧めでプラントに渡った。勧められるがまま、と言ってもいいかもしれない。
シンにはもう、全てがどうでもいいように思えた。目に映るものすべてが灰色に見えた。色がついて見えるのは、記憶の中の景色だけ。そしてそれは、もう二度と戻らないもの。
一瞬にして家族全員を失い。その存在を証明する遺品すら何一つ手元に残らず。無数の消えゆく生命の声を浴びせられた少年の心は、壊れる寸前だった。
それが壊れず、寸前で踏みとどまれたのは、最後に聞こえた家族の声のおかげだったのだろう。
母の謝罪。妹からの感謝。そして、父からの言葉。
生きろ。
だから、シンは生きていかなければならなかった。生き残ってしまったから。
プラントにやってきたところで、何も持たず、身寄りもない14歳のシンが生きていくためにとれる手段はそう多くはなかった。
住むところ、食べるもの、そしてこれから生き抜いていくための術。何も持たない、無力でちっぽけな少年がそれらを得るための道は、それこそ一つくらいしか。
そうして、シンはザフトのアカデミーに入学した。それはあくまで、生きていくために。
胸の中に燻るものはあった。戦争への憎しみ。無力な自分への怒り。けれどもそれは、あまりにも大きすぎる喪失感の前では、シンを先へと進ませる火とはなり得なかった。未だ少年の世界は、灰色のままだったのだから。
そんなシンが少しでも前を向けるようになったのは、友人の存在があったからだ。
ヨウラン、ヴィーノ、ルナマリア、そしてレイ。
精一杯の強がりで一人称を俺に変え、けれどもその実心細く、記憶の中の家族に縋って枕を濡らすようなシンに光を齎したのは、間違いなく彼らだった。
彼らの存在があって、少しずつシンは変わっていった。否、自分を取り戻していったというほうが正しいかもしれない。失われたものはもう二度と戻らないけれども、空っぽの胸の内を埋めていくようなものを見つけて、彼の世界は少しずつ色を取り戻していった。ラウ・ル・クルーゼとの邂逅も、僅かな時間ではあったが、シンにそのことを自覚させたと言えるだろう。
もう、二度と失わない。大切なものを守ってみせる。それが、シンが見出した自分の生き残った意味だった。
そこから、シンはひたすらに努力を続けた。ルナマリアに何度も何度も投げ飛ばされながら、体術をものにした。ヨウランとヴィーノには工学系の知識と手の動かし方を教えてもらった。苦手な座学も、レイの助けを借りながらどうにか乗り切った。
当初はアカデミー同期の中でも最底辺だった成績は、みるみるうちに上昇していく。落ちこぼれだったシンは、いつの間にか教官の覚えも目出度い優秀なアカデミー生になっていた。
────ある一点を除いて。
プラントは、地球と比較して国力に大きく劣る存在である。それは特に、人的資源という点で顕著だった。いくら優れた兵器があったところで、それを動かす人員がいなければ意味がない。
故に、ザフトは少ない人的資源を最大限に活用できる兵器を用いている。すなわち、モビルスーツだ。ザフトの主兵力はモビルスーツである以上、アカデミーにおいても、それを扱える能力というのは重要視される。エースパイロットと呼ばれる者たちにアカデミーの上位卒業者である赤服が多いことにもそれは表れていた。
シンにその症状が現れたのは、初めてシミュレーターに乗った時だ。その時はまだ、はっきりとした自覚はなかった。それよりも喪失感の方が大きかったからだ。
自覚が出てきたのは、前を向き始めてからだろう。はじめは緊張だとか、興奮だとか、そういった一時的なものだと思っていた。けれども、どれだけモビルスーツの知識を頭に入れても。どれだけ回数を積み重ねても。
操縦桿を握る手の震えが、収まらなかった。
特に酷くなったのは、9月の末ごろからだ。連合の核攻撃によるボアズの壊滅に、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦でのジェネシスの照射。戦場で多数の死者が出たこの戦いの裏で、シンは心臓がねじ切れるような感覚と共に、夥しい量の生命が消えていくのを感じ取った。感じ取ってしまった。
それまで、どうにか手の震えを抑えて操縦訓練に励んでいたシンであったが、それ以降は動悸が激しくなる、大量の発汗が起こるなどの症状までもが出るに至り、教官からも実機への搭乗は控えるようにとの通告がなされてしまった。
誰かを守る、そのための力が欲しかった。もう、あんな思いはしたくなかった。けれども自分は、力を手に入れることすら叶わない。
シンは、一人自室で慟哭した。
心と身体は、密接に結びついている。確かに、シンの中には守るための力への渇望があった。けれどもそれ以上に、シンの心はその力によって生み出される悲しみを誰よりも感じ取れてしまう。
そんな彼が力を手に入れてしまったら、その心はどうなってしまうのだろうか。
もしかすると、優しい少年の心を守るために、身体が力を拒否したのかもしれない。
MSパイロットへの適正が、シンには致命的に欠けていた。そもそも適正を測れる状態にないというほうが正しいだろうか。
一時はザフトを辞めようとまで思いつめたが、シンは結局メカニックへの道を選んだ。ヨウランとヴィーノに誘われたということもあるし、レイから自分の機体は信頼できる人に預けたいと言われたのも大きかった。
アカデミーで出来た、かけがえのない友人たちが無事に帰ってこられるように精一杯のことをする。それが今の自分にできることだと信じて。
そうしてシンは、アカデミーを緑服で卒業した。全体的に優秀な成績であったものの、やはり操縦技術の欠落が足を引っ張った形だ。
けれども優秀なことに変わりはなく。友人たちと共に、シンは新造艦のミネルバへ配属されることとなった。それが今、シンがアーモリーワンにいる理由だ。
彼女を見たせいで、余計なことを思い出してしまった。胸の底に沈めたはずの渇望が顔を出したような気がして、シンは頭を振ってそれを追い出そうとする。
彼女──アグネス・ギーベンラートはアカデミーでの同期生だ。シンよりも成績優秀で、勿論パイロットとしての能力も高い。学生時代からいつも見下してきて、事あるごとにモビルスーツに乗れないことを詰ってきた彼女のことがシンは苦手だった。
自分からすれば高飛車で傲岸不遜にしか見えないのだが、あれでいて外聞は良いのだからたまったものではない。さっきの下の歓声も、きっとそのせいだろう。
そんなことを考えながら点検を進めていると、ふと辺りが静かになっていることに気付く。いや、それだけでなく、こちらに向かってくる足音もあった。係留されたザクファントムのコックピット付近に伸びるデッキを、誰かが歩いてきているのだ。
気配を察したシンは、努めてそれを無視しようとする。しかし、足音の主はどうやってもこちらに用があるようだった。
「私の機体の整備、ちゃんとやってるのかしら?」
「アグネス…………」
声に顔を上げれば、こちらを見下す青い瞳と視線が合う。赤服を纏った彼女は、シンの緑の作業着を見て鼻を鳴らした。
「聞いてるんだけど?あんたは返事もできないの?」
「……やってるよ」
「本当?ならよかったわ、MSに乗れない僻みなんかで手を抜かれたらたまらないもの」
「そんなこと……っ!」
出掛かった反論の言葉をどうにか呑み込む。言ったところで自分がMSに乗れないのは事実なのだ。言えば言うだけ惨めな思いをするのは自分だった。
そんなシンの様子を見て満足したのか、アグネスは口を開く。
「それであんた、相変わらずレイとはよろしくやってるの?」
「は?……よろしくって、何がだよ」
「だから!アカデミーのときみたいに、ベタベタしてるのかって聞いてるのよ」
唐突なアグネスの問いに、シンの頭は疑問符で埋め尽くされる。
確かに、レイとはアカデミーの頃よく一緒にいたし、色々と世話になったりはしたが、ベタベタというのは言い過ぎじゃないだろうか。
それに、今やレイはザフトの最新機体であるインパルスのパイロットだ。勿論シンだってできることならそちらの整備に携わりたかったが、インパルスの複雑な機構はメカニック泣かせのもので腕が必要となる。そういうわけで、ミネルバのメカニックで腕が立つ人員がインパルスに取られている現状、なまじそれなりの腕を持つシンは別機体の整備を任されているのであった。
なので、レイとは偶に会うことはあれど、そう頻度は多くない。それで言ったら、パイロット同士であるアグネスの方が余程会う機会が多いだろう。
シンはそのまま、思った通りのことを口にする。
「……俺なんかより、アグネスの方がよっぽど会うだろ。パイロット同士なんだし」
「……あら、あんたも偶には役に立つのね」
「……もういいだろ。ちゃんと整備はするからさ」
「ええ。それじゃ、よろしくね、メカニックさん」
最後まで嫌味たっぷりに、アグネスは去っていった。その遠ざかる足音を聞きながら、シンは大きくため息を吐く。
「……なんなんだよ」
何をしに来たのかさっぱりわからない。もしかすると、嫌味を言うために来たんじゃないかというほどだ。
なんだか無駄に疲れが溜まってしまって、シンは肩を落としてもう一度ため息を吐いた。
だが、こうしていても仕方がない。気を取り直して作業を進めようとして────
────シンの脳裏に、電流が走った。
「なんだ?」
その直感に従って、シンはコックピットから顔を出し、頭上を見上げる。当然、目に入ってくるのはモビルスーツハンガーの屋根。
しかし、その先。屋根はおろか、アーモリーワンの外壁まで突き破ったその向こうに誰かがいる。まるでレイや、かつて会ったラウのような感覚を覚える誰かが。
その不思議な感覚に、しばし動きを止めるシン。そんな彼の意識を引き戻したのは、一際大きな警報音だった。
「警報?……うわっ!」
直後、鳴り響く爆発音と襲い来る衝撃。振動に耐え切れず、シンはコクピットの中に滑り落ちてしまう。
「っ、何が!?」
「ワイヤーを下ろして!私の機体!」
ハンガーの中で状況を掴めないシンの耳に、つい先ほど聞いたばかりの声が届く。
ザクファントムに向かって走ってくるアグネス。彼女はシンにあれこれ言ってハンガーを出たタイミングで武装を使用するカオスたちの姿を発見したのだった。先ほどの警報とアーモリーワンを攻撃するモビルスーツ、その二つの事実があれば、アグネスの頭脳は容易に今すべき行動を導き出す。つまり、何らかの理由でザフトに牙をむいたあれらに対処するため、自分もまたモビルスーツに搭乗すべきだと。
その判断は正しかった。しかも、迅速に下されたと言ってもいいだろう。ただ、残念ながらその程度のことは敵もまた想定していた。
「アグネスっ!!」
頭上に迫る敵意を感じたシンが叫ぶ。そのあまりの剣幕に、一瞬立ち止まるアグネス。
次の瞬間、シンの頭の中にビジョンが弾ける。一瞬にして、イメージが流れ込んでくる。
頭上から迫りくるミサイル。破壊されたハンガーの破片が撒き散らされ、一人の少女を呆気なく押しつぶす、そんな光景が。
「……っ!」
あの時と同じだ。あの、全てを失った時と。
また、繰り返すのか。もう二度と失わないと決めたのに。守るって決めたのに。目の前で生命が消えようとしているのに、自分はこうして見ていることしかできないのか。
無力なために。力がないために。
……そんなことを許せるのか。シン・アスカは、そうやって繰り返すために今日まで生きてきたのか。
……違う。
……絶対に違う。
そんなことを繰り返さないために、今日まで生きてきたはずだ。
だから。
「……俺が!守るんだあああああああ!」
紅い瞳が見開かれる。無力に苛まれていた手は操縦桿を掴み、もう一方の手が滑らかに動いてシステムが立ち上がる。やがて起動するモニターを見るまでもなく、シンの駆るザクファントムは一直線に飛び出した。
ミサイルが着弾し、ハンガーの前に居たジンとハンガーそのものを破壊する。炸裂する爆炎と爆風。再びザクに向かって走り出そうとしていたアグネスは、咄嗟に地面に伏せる。そうして状況を把握しようとして顔を上げた彼女は、頬に触れたつぶての感触に思わず視線を上にやった。
「あ……」
視界を埋め尽くす、瓦礫たち。人一人なんて容易に押しつぶせるような大質量が、一直線に自分に向かってやってくる。それは、アグネスにとって酷く現実味の無い光景のように見えた。
死ぬ。
こんなところで、何も成せないまま、一人きりで。
恐怖と絶望が、胸の内に広がっていく。急速に遠のいていく意識の中で、アグネスは最後に少年の叫び声を聞いた。
「うおおおおおおああああああああ!」
叫びながら、強く握りしめた操縦桿を前に突き出す。
シンの目に映る少女は、死の恐怖に震えていた。助ける。なんとしても、絶対に。そんな気持ちが、モビルスーツに乗ることへの恐怖すら乗り越えて、シンの身体を突き動かす。
アグネスに向かって、一直線に降り注ぐハンガーの破片。それらを振りぬかれた鋼の拳が打ち砕いた。
そのまま、崩壊するハンガーの破片から彼女を守るように、ザクは屈んだ状態で盾を構える。
雨あられと降り注ぐ瓦礫たち。やがて振動が収まり、頭上には青い空がのぞくようになったところで、シンは空きっぱなしのコクピットから身を乗り出して叫んだ。
「アグネス!」
ハンガーだった場所一帯には粉塵が滞留して、視界を妨げる。見える限り、彼女がいたあたりの地面一帯に瓦礫が散らばっていて、シンの心臓の動悸が激しくなった。
もしかすると、間に合わなかったのではないか。そんな、悪い想像が首をもたげる。
「!」
浮かんだ考えを振り払いように必死に目を凝らす中、ふと視界の端にピンクを捉えた気がして、シンはマニピュレーターをそっと動かして破片をかき分けた。果たしてその中からは、ぐったりとした少女が出てくる。遠目に見る限り、致命的な怪我があるようには見えなかった。
ザクの手で彼女を掬い上げて、静かに機体の腹のあたり、コックピットまで運ぶ。近づくや否や、シンは急いでマニピュレーターの上から彼女を引き上げた。腕を掴み、脈をとってみれば、確かに拍動が感じられる。規則正しく上下する胸と併せて、彼女が確かに生きている証拠だった。
「よかった…………」
呟いて、そっと肩をなでおろす。
彼女の顔から眼を逸らしたシンは、先ほどまでモビルスーツを操っていた自分の手を見つめた。
その手に、震えはない。
「……俺が…………」
守れた。やっと、誰かを守ることができた。
アグネスは苦手で、さっきも色々言われたけれども、そんなことはどうでもいい。
目の前で失われゆく生命を、救うことができた。シンには、それが何よりもうれしかった。
ルナマリアは自身の機体あるハンガーに向かって走っていた。味方も応戦しているが、旧式の機体では最新鋭機には歯が立たない。次々と爆散していくジンやディン、ゲイツの姿を横目に見て歯を噛みしめながら、先を急ぐ。同じく最新の機体であるザクなら、対抗できるはずだ。
同じくザクのパイロットであるアグネスは、既に先んじて機体に向かっている。一体何をしに先行したのかと訝しんでいたのだが、このような事態を想定でもしていたのだろうか。
人間的にはどうであれ、能力としては優秀なのは間違いない。そんな彼女に後れを取るまいと、ルナマリアの中に焦りが生じてくる。
そんな中、ハンガーにようやくたどり着くというところで、頭上からミサイルが襲い掛かった。
爆散するジン。巻き起こった爆風に飛ばされないよう地面に伏せる。
頭上を舐める熱が引いたところで彼女は頭をあげ。そして、見た。
自らのモビルスーツに瓦礫が降り注ぐ。
アグネスのザクファントムが、その雨の中で盾を構える。
だが、それらがあまり頭に入ってこないようなものを、ルナマリアは確かに見た。
「…………シン?」
わずかにザクのコックピットから覗いた姿。あれは、シンではなかったか。
モビルスーツに乗れないはずの。
そんな、外からの視線には気付くことなく、シンはある種の感慨に浸っていた。
守れた。ようやく守れた。その事実を噛みしめる。
だが、敵はそれを待ってなどくれない。
シンの耳に、足音が鳴り響く。視線の先、ハンガーの入口には緑色の機体がいた。
「カオス……?」
瞬間、こちらに向いた銃口に、シンは反射的に機体を飛び上がらせる。壊れたハンガーの跡地から、白の機体が飛翔した。
空中において、シンは急いでコクピットを閉めると、アグネスごとベルトで身体を固定する。酷い外傷はないようだが、あの瓦礫では怪我をしていないわけがない。怪我人を床に転がしておくよりは、こちらのほうが幾分かマシなはずだ。
取りあえずの態勢を整えたところで、漸くシンにも周りに目をやる余裕が出てくる。
「何で…………」
思わずそんな言葉が漏れたのは、辺りの惨状を目にしてのことだ。建物という建物が瓦礫に変わり、地面には無数の機体の残骸が転がっている。そしてそれを引き起こしたであろう、三機の機体の姿もそこにはあった。
「これじゃ、まるで」
シンの脳裏に、あの光景が蘇る。破壊された建物、地面に横たわるモビルスーツの残骸。そして、人だったもの。
心に奥深くにまで刻み込まれた、戦争の景色。それが、目の前で再現されようとしている。眼下のモビルスーツたちによって。
「……また、戦争がしたいのか」
人々からすべてを奪い去っていく、あの惨い行いをまた繰り返そうというのか。
あの時は、泣き叫ぶことしかできなかった。自分の無力を、呪うことしかできなかった。
でも、今は違う。
シンの心に、火がともる。怒りという名の、激しい炎が。
「……あんた達は!!」
こうして、何の力も持たない少年の幼年期は終わった。
力を得た彼は、一体どこまで羽ばたいていくのだろうか。
今はまだ、誰にもわからない。
シンがパイロットになれなかった影響で浮いた枠に当てはまる人が今やアグネスしか思い浮かばなかった……
レイに次ぐレベルで優秀となると、居てもおかしくはないと思うんですよね。
居たら絶対にミネルバ隊が空中分解しただろうけど