ブルアカダイスオリキャラもの 作:後方キヴォトス傍観者
オリジナルのエピソード、フブキ回。
結構長いから注意。
ヴァルキューレ警察学校本部。
生活安全局の本部が置かれる6階フロア――その一番端の小さな事務室。
昼下がりの暖かな日差しが差し込む一室で、合歓垣フブキは
お気に入りのドーナッツをかじりながら、ラジオから流れる音楽に合わせて上機嫌に鼻歌を歌う。
「ふんふんふふ~ん♪……あむ」
フブキにとって、何にも代えがたい至福のひととき。
しかし、そんな幸福な時間を壊す闖入者――
『入るよ――』
「!」
突然開かれた扉に驚き、慌ててドーナッツを頬張るフブキ。
そして、入ってきた人物を見てわずかに身を強張らせた。
「ユ、ユキコ先輩……!えっと、これはその……」
サボりを見つかってしまった。
同年のキリノにならばともかく、先輩であるユキコに見つかったとなれば話は別だ。
フブキは叱られることを覚悟して身を竦ませる。
<システムメッセージ>
フブキとの好感度を決定します。
【フブキとの好感度】
【補正】
『同僚』 : <お互いに> +10好感度
『正義に対する認識の相違』 : <お互いに> -5好感度
『優秀な先輩』 : <フブキ> +10好感度
『ユキコの名声』 : <フブキ> +34好感度
『根はいい子な後輩』 : <ユキコ> +5好感度
最低保証値 : <ユキコ → フブキ> 10 、<フブキ → ユキコ> 49
ダイスロール : <ユキコ → フブキ> 75、<フブキ → ユキコ> 42
結果 : <ユキコ → フブキ> 75 友情、<フブキ → ユキコ> 49 信頼
【ユキコの反応】
好感度 : <ユキコ → フブキ> 75
結果 : 1d100 = 67 ポジティブ
やって来たユキコに対して、フブキはどう言い訳しようかと悩んでいると――
「ふふっ、別に叱りに来たんじゃないよ。私もちょっと休憩しようかなって」
ユキコはそう言って笑い、近くの椅子に腰掛ける。
てっきり怒られるものだと思っていたフブキは拍子抜けした様子でユキコを見た。
どうやらユキコにサボりを咎めるつもりは無いらしいと理解して、肩の力を抜いた。
「なんだ……叱られるかと思ってたのに。ドーナッツ、慌てて食べて損しちゃった」
「ふーん?叱られたかったの?じゃあ……」
ユキコは悪戯っぽい笑みを浮かべ――
【ユキコの行動】
1 : くすぐる
2 : 頬をつつく
3 : 頭を撫でまわす
4 : 上記すべて
結果 : 3
――素早くフブキの背後に回り込むと、その頭をわしゃわしゃと撫で始めた。
「サボり魔のフブキちゃんも、いっぱい撫でればいい子になるかな?」
「ちょ!ちょっと!?やめてよ!髪型が崩れちゃうでしょ!」
振りほどこうとフブキはもがくが、その細腕のどこにそんな力があるのか――ユキコの手はフブキの頭から離れない。
「もう、恥ずかしがっちゃって。『叱ってほしい』って言ったのはフブキちゃんだよ?」
「言ってないから!それに、こんなことしたって私の
もみくちゃにされたフブキはなんとかユキコを引きはがした。
必死に抵抗して肩で息をするフブキとは対照に、一通りフブキを撫でまわして満足した様子のユキコ。
ユキコはにこにこと上機嫌に、
「じゃあ、悪い子のフブキちゃんが改心したくなる、とっておきの情報をあげよう!」
そう言うと、懐から一枚のチラシを取り出す。
「こ、これって……!」
「そう!この前シラトリ区のラミニタウンにオープンした『ドーナッツ専門店』だよ!」
チラシを見るフブキの目が輝く。
フブキの大好物であるドーナッツに関する話題は、フブキの興味を引くには十分だったようだ。
しかし、肝心の店舗の所在がシラトリ区である。
少しばかり遠出をしなければならないという前提に、フブキの面倒くさがりな部分が顔を出した。
「美味しそう、だけど……」
『わざわざ出かけるのは面倒だ』、そう表情に書いてある。
それを見てユキコは――
【判定①】
何の判定かの詳細は後述
ユキコの知性と洞察の合計値以下なら成功
ユキコの知性 : 74
ユキコの洞察 : 77
合計値 : 151
結果 : 2d100 = 59 + 73 = 132 成功
【判定②】
何の判定かの詳細は後述
ユキコの情報と洞察の合計値以下なら成功
ユキコの情報 : 97
ユキコの洞察 : 77
合計値 : 174
結果 : 2d100 = 72 + 48 = 120 成功
――一計を案じる。
僅かな逡巡の後に、フブキに提案をした。
「そうだ!今日はもう仕事はお休みにして、これから一緒にこのお店に行かない?休暇申請とかは私がやっておくから、どうかな?」
それはフブキにとってあまりにも魅力的な提案であった。
【フブキの反応】
【補正】
『魅力的な提案』 : 判定難度 -20
好感度 : <フブキ → ユキコ> 42
結果 : 1d100 (-20補正値) = 78 - 20 =58 ネガティブ
<システムメッセージ>
反応がネガティブだったため、追加で判定を行います。
フブキの知性と洞察は、原作での描写に基づき標準等級から優秀等級の間、40~79の間の数値で決定します。
【判定①への対抗】
フブキの知性 : 1d100 = 68
フブキの洞察 : 1d100 = 51
合計値 : 119
結果 : 判定①の数値 132よりも合計値が低いため自動失敗
――魅力的な提案ではある。
それでも、シラトリ区まで遠出をする程の魅力は感じない。
「うーん、やっぱり出かけるのは面倒だし……」
言外に『外出するつもりはない』と断るフブキ。
しかしユキコは、フブキが口ではそう言いながらも、目がチラシを鮮やかに彩るドーナッツを追っているのを見逃さなかった。
フブキの心があと少しのところで揺れているのは間違いない。
あと一押しの説得を試みる。
「――私もこのお店が気になってて、あらかじめ調べてたんだけど……。ここのドーナッツ、フレーバーの豊富さはもちろん、生地もいくつかのタイプから選べるみたいでね、特にこのオールドファッションがとっても美味しいらしくて!外はサクッとクッキーみたいで内側はしっとりふわっと食感で、一つで2つの食感を楽しめちゃうんだって!あと、このレモンアイシングのドーナッツとか香りが爽やかで――」
自身の情報収集能力をフル活用した徹底的な前知識の集積。
それによってなされる、あたかも『その場で食べているかのような』リアリティに溢れた解説。
ユキコによって語られる美味しいドーナッツ、その味を、芳香を想像して、フブキは思わず生唾を飲み込んだ。
極めて高精度、高解像度で行われる解説――『エア食レポ』とでも言うべきそれを前にして、フブキの心は大きく傾き始める。
「それで、どうする?」
再び投げかけられたユキコの問いに、フブキは――
【フブキの反応】
【補正】
『私もドーナッツ食べたい!』 : 判定難度 −50
好感度 : <フブキ → ユキコ> 42
結果 : 1d100 (−50補正値) = 36 − 50 = −14 ポジティブ(ボーナス)
「何してるの先輩!早く行くよ!」
どうやらユキコの予想以上に『エア食レポ』が効いたらしい。
先程までの気だるげな様子とは一転して、今すぐにでも飛び出そうとするフブキ。
「(よし、計画通り!それにしても――)」
「はやくはやく」と急かすフブキは、小柄な体型も相まってより一層子供っぽさを感じさせた。
フブキのそんな微笑ましい姿に、思わず相好を崩す。
「(フブキちゃんはちょろくてかわいいな……気を付けないと、わるい人に利用されちゃいそう――私みたいな、ね)」
またも後輩を利用して何事かを企むユキコ。
そんなことは露知らず、期待に目を輝かせるフブキの思考は色とりどりのドーナッツで溢れていた。
<システムメッセージ>
フブキを連れ出すという目標が達成されたため、【判定①】と【判定②】の詳細を開示します。
【判定①】 :
【判定②】 : トラブル発生の予見
<システムメッセージ>
【判定①】、【判定②】がともに成功したため、追加の判定を行います。
【発生するトラブル】
これから向かうシラトリ区では、
1 : 『美食研究会』の出現
2 : レッドウィンターのデモ部隊の大規模デモによる街道封鎖
3 : ヘルメット団による騒動
4 : 廃遊園地付近での謎の存在の出没
5 : ユキコの予想外のイレギュラー
6 : 上記のうち1d5つ
結果 : 5
ユキコの予想外のイレギュラーが発生します。
D.U.シラトリ区。
ラミニタウン入り口にて、フブキとユキコは立ち尽くしていた。
目の前には静寂――。
常ならば多くの人でにぎわい、活気と喧騒に包まれているはずの通りには人ひとり見受けられない。
道路に面する飲食店も、その全てが戸口を閉ざしている。
ひらり、と風に舞って足元に飛んできたのは『臨時休業』と書かれた張り紙。
それと同じような張り紙が、どの店にも張り出されていた。
「嘘でしょ……!――そうだ、ドーナッツは!?」
「ちょっと!フブキちゃん――!?」
焦燥の中、フブキは飲食店街を駆け出した。
もしかしたら、という微かな希望をかけて目的の店を探す。
ほどなくフブキの視線は目的の『ドーナッツ専門店』を捉えた。
しかし――
「閉まってる――」
無情にもその門戸は固く閉ざされ、扉に掛けられた『CLOSED』のプレートが来客を拒んでいた。
思わずその場にへたり込むフブキ。
「ここまで来たのに……そんなぁ……」
遅れて駆け付けたユキコ。
「びっくりしたぁ、急に走り出すんだもん、って……フブキちゃん、大丈夫?」
「うぅ。ドーナッツ……」
期待が大きかった分、それを失った反動も大きかったらしい。
打ちひしがれ、しおしおと蹲るフブキ――反して、何やら思案顔のユキコ。
「(――どういうこと?調べた限りじゃここまでの事態を引き起こせるような力なんて……ん?)」
ユキコは何かに気が付くと顔をあげ、先ほど駆け抜けてきたラミニタウンの通りを観察する。
「(――いくつもの視線、この感じは……警戒、かな?)――ねえ、フブキちゃん。ここまで来たんだし、ちょっと『お話』してみようか」
「……?先輩?」
「――ねえ、さっきからそこで私達を見ていますよね?お話を伺いたいのですが」
ユキコが話しかけた――閉ざされた扉の先で、物音。
まさか話しかけられるとは思っていなかったのであろう、慌てた様子で返答する男性の声。
「ひぇっ!?へ、閉店中だ!食べ物はないぞ!?」
動揺、それよりも怯えに近いだろうか。
声色から男性の警戒を感じ取ったユキコは落ち着いた声で話す。
「――落ち着いて。私はヴァルキューレ警察学校の者です。いったい何があったんですか?」
「ヴァルキューレ……?じゃあ、
トラ猫の男性は恐る恐る扉を開き、その隙間からユキコとフブキの姿を確認すると警戒を解いた。
「入ってくれ、中で詳しく話す。
男性――店主の案内に従い、二人は店の中に入った。
<システムメッセージ>
予見されるトラブルに『ユキコの予想外のイレギュラー』が選択されました。
トラブルの難度を判定します。
最小値を1、最大値を100とします。
試練(80)>困難(60)>普通(40)>容易(20) の四段階の等級に区分します
【トラブルの難度】
結果 : 1d100 = 54 普通
暖色系の壁、温かみを感じさせる木製の内装品、大きくとられた窓からは通りの日差しが取り込まれ、店内を明るく照らす――。
そんな情景が思い浮かぶ。
しかし、ブラインドを降ろし閉め切られた店内は薄暗く、常ならば居心地のいいはずの空間はどこか陰鬱で――店主の心情を表しているかのようだ。
「お話を聞かせていただけますか?」
店主に勧められテーブル席のひとつに座るユキコとフブキ。
その対面には眉間にしわを寄せ、どこかくたびれた様子の店主。
店主は「……水くらいしか出せる物が無くてすまないな」と、二人の前にコップを置き、一つ溜息を吐くと語り始めた。
「なあ、お嬢さん。あいつらを、『グラトニー・ムーブメント』を知ってるか――?」
「えっと、グラトニー……?」
フブキは聞き覚えの無い名前に小首をかしげる。
一方で、ユキコはわずかに眉をひそめた。
「(
事前にユキコが予想していた『不良集団』とは
ユキコは、『最近になって勢力を拡大している『パクパクヘルメット団』がシラトリ区に向かった』という情報と、彼女たちの行動パターンからの推測によって、ラミニタウンで食品をめぐってトラブルが起きるだろうという予想を立てていた。
しかし、それはせいぜい――キヴォトスでもよく見られる程度の――小競り合いレベルのトラブルで、それこそフブキ一人でも解決できる程度のトラブルであるはずだった。間違っても商店街全体が機能停止に陥るようなレベルの騒動にはならない、そう判断した。
実際、ユキコはフブキを連れ出して、おいしいドーナッツを食べて親交を深める、その
「――『グラトニー・ムーブメント』、ですか。聞いたことのない名前です。どのような団体ですか?」
だが、状況が変わった。
もはや自分の事前情報はほとんどあてにならないだろう。
情報を集め、事態を把握する必要がある。
重大事件の気配を感じ取り、一言も逃すまいと身構えたユキコに対して、店主は肩を竦めて見せた。
「お嬢さん、たぶん君が考えてるような団体じゃない。あいつらは――」
「――とんでもない大食いの集まりだ」
握り込まれた拳は、怒りによってか或いは恐怖によってか、小さく震えている。
「店にある商品を片っ端から喰らいつくしては次の店に移る、あいつらが通った後は米粒一つ、砂糖一粒すら残っちゃいない」
「あいつらが来るようになってから仕込みの食材も倍に増やした――それでもあいつらの消費には追い付かない!今じゃどの店も完全に食材切れ。おかげさまで俺たちは休業を余儀なくされた」
――どうやら随分と愉快な事件が起きているようだ。
「腹を空かせた客を満足させられないなんて――!」と、無念そうに唸る店主にユキコは確認の意を込めて尋ねる。
「その、問題行動等は起こされませんでしたか?無銭飲食とか……」
「いや?どの商品もちゃんと買って食べていたぞ。おかげさまで売り上げは大黒字だ。だが……」
店主は表情を歪める。
「通りを見ただろう?今じゃまともに営業できている店もない。これじゃあラミニタウンに食事を求めて客がやってきても、料理を提供することが出来ないんだ」
「それは――」
まさに、今の自分たちがそうだ。
ユキコは自分の隣を見る。
ドーナッツを食べられないと知って大きく失望していたフブキ。
もしも、あのように『求めていた食事を得られず失望する客』が増えていったら――。
「なるほど、少し不味いかもしれませんね」
「気付いたか、お嬢さん」
『我が意を得たり』と頷く店主は、ユキコの隣で話の流れがつかめずに頭に疑問符を浮かべているフブキに説明するように語り始めた。
「――今はまだいい。グラトニー・ムーブメントが俺たちの店で物を買ってくれてる内は売り上げは黒字、営業に問題はない。だが、あいつらがここから去った後はどうなる?あいつらが居なくなった後で、どれだけの客が戻ってきてくれる?『ラミニタウンに行っても食事できない』――そんな認識が広まってしまったら……」
「中にはグラトニー・ムーブメントさえいれば他の客はいらないなんて言うやつもいるが――とんだ大馬鹿野郎だ!俺たちが、ラミニタウンがここまで大きくなれたのは、他ならない、多くの客が支えてくれたからだ。それを蔑ろにして、一つの顧客だけに完全に依存するなんて間違ってる!」
店主はひと通り語り終えると店主をきょとんと見つめる視線に気が付いた。
「――っと、すまないな。ちょっと熱がこもっちまった」
「いいえ、大変参考になりました。ね、フブキちゃん……フブキちゃん?」
フブキはユキコの声に気が付いていないのか、店主の方を向いて固まっていた。
――今、フブキの脳内では急速に情報と情報が駆け巡っていた。
――『ラミニタウン』、『ドーナッツ』、『臨時休業』、『オールドファッション』、『ドーナッツ』、『グラトニー・ムーブメント』、『ドーナッツ』、『品切れ』、『限定フレーバー』、『全品完売』、『お腹すいたな……』、『ドーナッツ』、『品切れ』、『閑散とした街』。
やがてそれらは組み合わさり、そして一つの結論を導き出した。
「つまり、グラトニー・ムーブメントがいる限り、ドーナッツは食べられない……?」
思考の過程はともかくとして概ね合っている。
そして、その結論はフブキが決意を固めるには十分だった。
「――決めた。私がやる」
瞳に強い意志の輝きを宿し、フブキが顔を上げた。
【ユキコの反応】
【補正】
『かわいい後輩の決意』 : 判定難度 -20
『目的の合致』 : 判定難度 -5
好感度 : <ユキコ → フブキ> 75
結果 : 1d100 (-25補正値) = 52 - 25 = 27 ポジティブ
「(フブキちゃん……!立派になって……!)」
感激に肩を震わせるユキコ。
可愛い後輩の――それも、普段は面倒屋で自分から動こうとしないフブキの、貴重な決意。
これは先輩としてやるしかない、とユキコは決心する。
「――私も協力するよ!フブキちゃん、一緒に取り戻そう!ラミニタウンの日常を!」
フブキの手を握り、熱い視線を向ける。
後輩の宣言を『ラミニタウンの問題を背負う覚悟』として受け取ったユキコは、フブキがそのつもりであるのなら万全のサポートと共にその背を支えることを決めた。
「うぇ!?――っと、私は、その……うん……」
――一方で、あくまで『ドーナッツを食べるために頑張る』と言ったつもりのフブキ。
予想外のユキコの勢いと熱意に訂正することもできず、曖昧に頷いた。
「――あー、お二人さん。気持ちは嬉しいんだが、解決って言ってもどうするつもりだ?」
「そうですね、まずは――」
【行動選択】
まずするべきことは、
1 : グラトニー・ムーブメントについての情報収集
2 : ラミニタウンの各店舗に向けた現状の問題提起
3 : グラトニー・ムーブメントとの直接交渉
4 : シラトリ支部への応援要請
結果 : 3 : グラトニー・ムーブメントとの直接交渉
「直接会って、交渉してみます」
「えっ!?いきなり行って大丈夫かな……?」
ユキコの決断に対して、フブキは不安げに言う。
よく分かっていない集団に対していきなり交渉に出向くというのは、少しリスクが高いように思える。
もし、相手が危険な集団で襲いかかってきたら――。
そう考えると、もう少し慎重に――例えばラミニタウンの店舗や周辺の住人に情報収集を行って、相手についてもっと理解を深めてからの方が良いのではないか。
そんなフブキの不安を見取ってか、ユキコは
「いい、フブキちゃん?まず今回の相手――グラトニー・ムーブメントについて、わかっていることは何かな?」
「えっと、すごい大食い集団で、ラミニタウンの全店舗の料理を食べ尽くした……これくらいかな……?」
チッチ、と指を振るユキコ。
「まだあるでしょ?グラトニー・ムーブメントは今のところ『合法的』な活動に終始している――無銭飲食はしてないって店主さんも言ってたし、ここに来るまでの通りにも戦闘痕や破壊痕はなかったでしょ?つまり、『
「それだけじゃないよ。ラミニタウンのすべての料理――それってどれだけの値段になると思う?」
ユキコの言葉に、ハッとした表情を浮かべるフブキ。
例えばこれが、限られた数種類の商品を買い占めたという話であればまだわかる。
実際、過去に転売を目的としたキャラクターグッズの買い占めという事例があるのだ。
しかし、ラミニタウンの――少なく見積もっても数十以上の店舗が立ち並ぶ飲食街の、その全ての料理を購入するとなると話は別だ。
到底一般人に捻出できる金額ではない。
「もしかして、すっごいお金持ちが裏にいる……とか?」
「うん。あるいは、そういった財力に富んだ――例えば企業関係者、子息や令嬢がグラトニー・ムーブメントに在籍しているって線もあるね」
「じゃあ、連中の
店主は腑に落ちた表情で思い返す。
「そういえば、食事の所作なんかも妙に洗練されてたな……ありゃ、
「なるほど……ある程度のマナー教育も受けていた――となれば、ほぼ間違いないかな。そういった社会的地位や影響力を持った人間はトラブルを回避しようとする傾向が高い――武力に訴えて騒ぎを大きくすることは望まないだろうから」
脳裏に思い浮かべるのはトリニティのお嬢様。
ユキコも何度か足を運んだことがあるが、彼女たちは基本的に自分から手を汚す事を好まない。
もし、悪意を持って動くとしたらもっと陰湿で迂遠な手段を取るだろう。
少なくとも、グラトニー・ムーブメントにはそういった『悪意』の傾向は見受けられない。
それに、ユキコの予想が正しければ事態の解決は早い方がいい。
「あとは、できるだけ時間をかけたくないっていうのも理由の一つかな。もしこのまま料理の独占状態が続けば――そう遠く無いうちに、誰かが不満をグラトニー・ムーブメントにぶつけようとする。その争いが新たな火種になって、より大きな騒動に発展する可能性は、低くないよ」
これが、例えば不良学生同士の衝突レベルの小規模なものであればまだ良い。
しかし、グラトニー・ムーブメントの背後には間違いなく大きな資本――強力な後ろ盾がある。
強い社会的影響力を持った勢力が『本気』になるような事態が起これば、その被害がシラトリ区全体に及ぶ可能性もあるのだ。
ユキコの明解な解説を受けて、フブキも直接交渉という手段に一応の納得を見せる。
しかし、交渉と言ってもどうやって相手の『活動』を止めさせるのか――。
「話し合いができる相手だってことは分かったけど……どうやって『大食い』を止めるの?相手が合法的に活動しているなら、無理やり止めることもできないじゃん」
「それこそ『お願い』するしかないと思うよ?――でも、ちゃんと現状の問題点や将来的なリスクについて説明すれば、理解してくれると思う――相手に
「うわぁ……」
ユキコの含みのある言葉に頬を引きつらせるフブキ。
『悪意ある相手なら容赦しない』――そう言外に滲ませるユキコに対し、この先輩は敵に回さないようにしようと決めるのだった。
<システムメッセージ>
グラトニー・ムーブメントの勢力規模を決定します。
勢力規模は人数と財力によって決定されます。
まずは人数を決定します。
【人数】
1 : 少ない(10人程度)
2 : そこそこ(~50人程度)
3 : 結構いる(~100人程度)
4 : 大規模組織(100人以上)
結果 : 2 : そこそこ(~50人程度)
<システムメッセージ>
次に財力を決定します。
【財力】
1 : 少ない(活動だけでギリギリ)
2 : そこそこ(余裕をもって活動できる)
3 : 結構ある(だいたいのことは金で解決できる)
4 : 石油王(金で解決できないことが無い)
結果 : 3 : 結構ある(だいたいのことは金で解決できる)
<システムメッセージ>
勢力規模が決定されました。
勢力規模に基づいて、拠点を決定します。
【拠点】
1 : 市街地にある改造された一軒家
2 : 商業ビル
3 : 地下に作られた秘密基地
4 : 貸し切りにした高級ホテル
結果 : 2 : 商業ビル
二人は店主に見送られグラトニー・ムーブメントの本部へと向かう。
直接交渉に乗り出すことを決めたはいいものの、相手の所在を知らなかった二人が調査に乗り出そうとしたところで、店主から「あいつらの本部は第三業務地区郊外の商業ビルだぞ」と教えてもらった。
どうやら、普通に本部の所在を公開――なんならメンバーの募集もしているらしい。
店主に言われた場所まで移動すると――
「このビルが……?」
「うわぁ……でっか……」
――そこには巨大な高層ビル。
思わずあっけにとられている二人に、黒いジャケットを着た少女が話しかけてきた。
「おや――?ようこそ、グラトニー・ムーブメントへ!もしかして、加入希望の方ですか?」
黒いジャケットには
グラトニー・ムーブメントの構成員であることを示すジャケットを纏った少女――おそらくは案内係の構成員に、ユキコは軽く会釈すると来訪の目的を告げた。
「いえ、私達は加入希望ではありません。――ラミニタウンの名代として、あなたたちのリーダーにお話があります。お時間をいただけますか?」
「リーダーに……?って、ヴァルキューレ!?私たちに、な、何か問題が……?」
ユキコとフブキの服装――ヴァルキューレの制服に気づいた構成員は、不安そうな態度を見せた。
それに対して、あくまでにこやかな態度で言う。
「いえ、そうではありません。ただ、ラミニタウンで起こっている問題について、少しご協力をいただきたいだけです。少しで構いません、お時間を頂けませんか?」
緊張を与えないように、努めて冷静に、穏やかな声色を意識して話す。
ユキコの態度から、『大事ではないようだ』と判断してか、構成員はほっと息を吐く。
「そ、そうですか。それならば確認してきますので、中に入ってお待ち下さい」
二人は構成員のあとに続いてグラトニー・ムーブメント本部ビルへと入っていった。
<システムメッセージ>
ユキコとフブキの追加能力値として交渉を決定します。
【ユキコの交渉】
知性、情報、社交、洞察がいずれも高水準であるため最低値を優秀(60)等級とする
結果 : 1d100 (60 最低値) = 100 超越
【フブキの交渉】
原作での描写に基づき、普通等級から標準等級の間(20~59)を値域として決定
結果 : 19 + 1d39 = 19 + 16 = 35 普通
<システムメッセージ>
ユキコとフブキの心理状態を決定します。
交渉へのモチベーションと緊張度をそれぞれダイスロールで決定します。
【ユキコの心理状態】
【補正】
『最強のネゴシエイター』 : <モチベーション> 最低保証値 60、<緊張度> 判定値 -50
モチベーション : 1d100 (60 最低値) = 94
緊張度 : 1d100 (-50 補正値) = 52 - 50 = 2
【フブキの心理状態】
【補正】
『ドーナッツへの愛』 : <モチベーション> 最低保証値 40
モチベーション : 1d100 (40 最低値) = 45
緊張度 : 1d100 = 55
二人が通されたのは広い部屋――開放的なガラス張りの壁面、シンプルながら質の高いインテリア、そして壁に掲げられたエンブレム――おそらくは、普段から会議室として利用されていると考えられる一室だ。
「こちらでお待ちください」と告げて案内係の構成員が去ると、広い部屋にはフブキとユキコだけが残された。
「わぁー、いい眺めだね!ここからだと鐘崎港からラミニタウンの向こう側まで全部見えるんだ!」
暢気に景色を楽しむユキコ。
これから臨む交渉の席など気にしていないのか、自然体に――寛いですらいた。
対して、フブキは緊張で早まる鼓動を抑え込もうと深呼吸をしている。
「(まさかこんな場に立たされるなんて……!どうして私が……。でも、ラミニタウンの将来を考えたら……ドーナッツのことだって……。うぅ、緊張する……!)」
いつの間にか――ユキコに押し切られる形で――ラミニタウンの未来を掛けた交渉の席に臨むことになってしまった。
本来ならば絶対に自分からは関わろうとしない面倒事。
しかし、フブキの中の――普段は内に隠している正義感は、目の前で起こった事件を無視することを許さない。
何よりも、もしこのまま放置してラミニタウンに深刻な状況が訪れたら――。
「(そうだよ、頑張らないと!だって私、まだドーナッツ食べてない――!)」
未だに緊張で手が震えるし、正直なところ状況の全てをユキコに任せて逃げ出したい。
それでも、『ドーナッツのため』と自分に言い聞かせて、なんとか意思を固めた。
静かに目を閉じて、深呼吸をするフブキ。
そこにユキコが声を掛ける。
「あ、そうだ。フブキちゃん」
「え!?な、何?」
突然声を掛けられて肩をはねさせたフブキに対して、ユキコはとんでもない発言をかました。
「私、交渉の席では基本喋らないから。全部フブキちゃんに任せるよ」
「……ぇ?えぇ!?」
「いやいや、私が出張ったらこの件の功労者が私になっちゃうじゃん?それだと意味ないんだよね。ここはフブキちゃんに活躍してもらわないと!」
驚愕に見開かれるフブキの瞳。
一瞬の思考停止の後にユキコが何を言っているのか遅れて理解し、フブキは声をあげた。
「いやいや!無理だよ!ありえないって!私なんかにできるわけ――」
こと交渉で右に出る者はいない、そう確信できるほどに優れた
咄嗟に口から出た否定――それを打ち消すようにユキコの言葉が重ねられる。
「――できるよ。フブキちゃんならば、できる!」
確信に満ちた声で断言するユキコ。
その目にはフブキに対する深い信頼がうかがえる。
しかしフブキは、
「……無理だよ。だってユキコ先輩、『私』だよ?こんな面倒なこと、一人で解決できると思う?」
俯くように視線を下げるフブキ。
自分にできる訳がない――フブキには、自分がこの難題を解決しているビジョンが全く見えなかった。
ユキコは身をかがめてフブキと視線を合わせると、震えるフブキの手をそっと握った。
「わかるよ。緊張するよね、私も最初のころはそうだったし」
「ちがう。緊張はしてるけど――そうじゃなくて」
依然として下を向くフブキは、何事かをためらう様に口を動かし――
「――『不良警官』」
「ユキコ先輩も、私がなんて呼ばれてるか知ってるでしょ?」
フブキから告げられたのは、彼女の『蔑称』。
彼女の普段の不真面目な振る舞いから、ひそやかにヴァルキューレ内で呼ばれるようになったそれ。
「そんな私が、こんな大事な交渉を背負うなんて、できるはずないでしょ」
フブキの瞳には、深く、暗い、自己否定の影が映っていた――ユキコはそう感じ取った。
あるいは普段からその兆候は見て取れた。
気にかけている可愛い後輩の抱える心の闇。
いずれ解決してあげたいと――何かきっかけでもあれば、と思っていたのだ。
――故に、ここで一歩踏み出すことにした。
「そっか、
「なっ――」
別に怖がってなどいない、と言い繕おうとして、続くユキコの言葉。
「――誰かに期待されるのが怖い。誰かの未来を背負うのが怖い。失敗して、裏切ってしまった時に向けられる失望の視線が怖くてたまらない」
「ちがっ、私は――!」
「違わないよ。
ユキコの目が、フブキを捉えて離さない。
「だから、逃げる。逃げたがる。仕事から、責任から――逃げ続けていれば背負わなくて済むもんね?」
動揺からかフブキの息が浅く、速くなっていく。
次々と暴き立てられていく内心に、フブキは何かを言い返すこともできない。
ユキコは、フブキの様子を見て――精神的消耗を見取り、一度追及を止める。
一拍置いたのちに、先ほどとは一転、優しい声で言う。
「――でも、それと同じくらい逃げ出したくない。頑張りたいって思ってる――そうだよね?」
「っ――」
心の底まで見透かされている――そんな錯覚を覚えるほどに、ユキコの言葉は正鵠を射ていた。
普段から仕事をサボり、日々を自堕落に過ごす。
それは楽で、幸せだと、自分に合っていると――心からそう思っている。
その一方で、そんな怠惰な自分から変わりたい、誰かの役に立ちたい――そう言った普段は陰に隠れて――否、隠している思いもまた、フブキの中に存在する。
変わりたくて、でも変わりたくなくて。
フブキは自分自身を『不良警官』だと思っている。
サボり魔で、だらしなくて、不勉強。
ヴァルキューレでも度々自分から隠れたところでそのような陰口が交わされているのを耳にしたことがあった。
――誰かに言われるまでもない。
自分ですらどうかと思うダメっぷりを、自覚しているくせに、変えなきゃならないと、変わりたいと思っているくせに変われない――変わることができない。
そんな自分が『不良』でなくて何だというのか。
そして――
「できるわけ、ないじゃん!『不良』で、『落ちこぼれ』の私なんかに!」
――劣等感が。
「分かってる!本当は変わらなくちゃダメなんだって!でも!でも――!」
――葛藤が。
「ダメな私から変われない!ダメなままでいたいって、そう思っちゃう自分がいる!」
――挫折が、絶望が。
「そんな『不良』の私が、誰かの未来を背負う!?できないよ!そんな、無責任なこと!」
――不安が、恐怖が。
「人の想いを背負う資格なんて、私には無い……!」
――悲鳴のように、フブキの口から溢れ出た。
眦に涙さえ浮かべて、悲壮な苦悩が語られる。
『不良』でなんて居たくない/『不良』のままでいい。
相反する二つの感情が、フブキの中で軋みを上げる。
フブキ自身、自分の『本当』が何なのか分からない。
――支えてくれると言ってくれた先輩に対してすら、こんなことを言って困らせてしまった。
本当に自分のダメさ加減が嫌になる。
もうこのまま、耳も目も塞いでしまいたい――
「フブキちゃん。それでも君はヴァルキューレだ」
しかし、ユキコの言葉に、思わず聞き入ってしまった。
「――ぇ」
「逃げることだってできた、途中でやめて投げ出すことだって」
「それでもフブキちゃんは、君は、ヴァルキューレであり続けることを選んだ」
それは、一つの事実。
劣等生だと、不良だと、蔑まれても――あるいは自己否定に陥ってもなお、合歓垣フブキは
フブキの内面に深く刻み込まれた自己否定の念、自分自身に対する負の感情。
しかし、それと同時にフブキは一つ、己の内に信念を――揺らぐことのない『光』を持っている。
「諦めなかった、諦めたくなかった。だって、それはフブキちゃんの、君自身の本当の望みだったから」
その『光』は脆く、弱く、簡単に霞んでしまうほど小さい。
それでも、ただの一度として消える事だけはなかった。
それは信念――平穏を、穏やかで平和な日常を愛するというフブキの本質。
フブキの掲げる『正義』だった。
陽だまりのように暖かな、愛すべき日常を――守りたい。
――そのためにヴァルキューレになったのではなかったか。
「大丈夫、他の誰が――たとえフブキちゃん自身が否定したって、私が認めてあげる。君は誰かを背負ってもいい、救ってもいい――そう在ることが許される、立派な『ヴァルキューレ』だよ」
――『正義を掲げろ』。
ヴァルキューレとして最も最初に教わる心構えのひとつ。
それをフブキは貫き通してきた――貫き通すことが出来た。
多くの人を知り、それがどれほど困難な事かを知るユキコにとって、フブキの在り方は間違いなく『ヴァルキューレ』であると断言できる。
多少の素行不良が何だというのか。
そんなものはこれから積み上げた実績で覆していけばいい。
「だから――」
「――変わるなら、自分を変えたいなら!今、踏み出そう!ここから、一歩ずつ!」
ユキコの差し伸べた手を、フブキは――
【フブキの反応】
【補正】
『自己否定』 : 判定難度 +100
『不安』 : 判定難度 +10
『理解者』 : 判定難度 -10
『揺るぎなき正義』 : 判定難度 -50
『最強のネゴシエイター』 : 判定難度 -50
好感度 : <フブキ → ユキコ> 42
結果 : 1d100 (±0補正値) = 58 ネガティブ
「――無理だよ……怖いよ……」
――掴めなかった。
フブキに根差す自己否定はそうたやすく振り払えるものではない。
自分の在り方を変えるという決断を、今のフブキは下すことが出来なかった。
あと一歩で、ユキコの言葉は届かなかったのだ。
しかし、確かな手ごたえを感じて、もう一度フブキを説得しようと口を開き――。
――その時、コンコン、とノックの音が響く。
時間切れ。
相手が到着してしまった。
会談までにフブキを説得して交渉を主導させるという目的は失敗した。
「(仕方ない――交渉は私が――)」
ユキコは、当初の計画を放棄して自分が交渉を主導することを決めた。
扉の外で待つグラトニー・ムーブメントの代表者に返事を返そうと、フブキから離れる。
【フブキの反応】
【補正】
『自己否定』 : 判定難度 +100
『不安』 : 判定難度 +10
『理解者』 : 判定難度 -10
『揺るがぬ正義』 : 判定難度 -50
『最強のネゴシエイター』 : 判定難度 -50
『ドーナッツへの愛』 : 判定難度 -100
好感度 : <フブキ → ユキコ> 42
結果 : 1d100 (-100補正値) = 58 - 100 = -42 ポジティブ(ボーナス)
「――待って。私、やるよ」
踵を返したユキコの背に、声が掛かる。
それはどういう心境の変化か、フブキは顔を上げた。
「自分を変えるのは、怖いし、無理だけど――」
恐怖も不安も消えてはいない。
こんな自分が大役を背負ってしまっても良いのか、正直分からない。
自分自身を、自分の意志を理由にする事は、まだできない。
しかし――
「『ドーナッツのため』ならば、頑張れる!」
――好きな物のためにならば、立ち上がれる。
フブキの瞳には
「――」
絶句。
ユキコは自分の語ったあれこれよりもドーナッツがフブキの心を動かしたという事実に――表情にこそ出さなかったが――ショックを受けていた。
「(ドーナッツ……そっかぁ、ドーナッツに負けるかぁ……)」
それでもフブキがその気になってくれたのは好都合だ。
根本的な解決には至らないまでも、フブキの実績作りという意味では申し分ない。
――もう一度ノックされる扉。
『ねえ、入ってもいい?』
おそらくはグラトニー・ムーブメントの代表者の声。
ユキコはフブキを見つめ、軽く頷きでもって任せる。
「(あとは任せたよ、フブキちゃん)」
「――はい、どうぞ。お待たせしてしまってすみません」
フブキの声に迷いはない。
一歩後ろに下がったユキコに変わり、フブキが前へと踏み出す。
フブキの声を受けて、部屋に入ってきたのは――
<システムメッセージ>
グラトニー・ムーブメントのリーダーを決定します。
リーダーの種族を決定します。
【種族】
1 : 動物
2 : アンドロイド
3 : 学生(人間)
結果 : 3 : 学生(人間)
<システムメッセージ>
リーダーの種族に学生が選択されたため、追加で情報を決定します。
学年(年齢)と外見情報を決定します。
最初に学年を決定します。
【学年】
学年は年齢によって決定する
原作登場キャラの年齢を参照し、最小値を11歳 : 初等部6年とし、最大値を18歳 : 高等部3年 + 一年留年とする*1
結果 : 1d8 + 10 = 3 + 10 = 13歳 : 中等部2年
<システムメッセージ>
次に外見情報を決定します。
体形情報を作成します。
年齢から得られた平均身長155cm±30cmを値域として決定します。
【身長】
結果 : 124 + 1d61 = 124 + 8 = 132 cm
【胸部】
結果 : 1d5 = 2(小ぶり)
【腰部】
結果 : 1d5 = 5(大きい)
【脚部】
結果 : 1d5 = 1(細い)
<システムメッセージ>
次に容姿情報を作成します。
容姿情報は簡易情報として、髪色、髪型、瞳の色のみを決定します。
【髪色】
結果 : #a8ae85 ■■■
【髪型】
1 : ロング
2 : ショート
3 : ツインテ
4 : ポニー
5 : 三つ編み
結果 : 4 : ポニー
【瞳の色】
結果 : #309a49 ■■■
――くすんだ金髪に翠の瞳。
「――随分と長いおしゃべりだったみたいだけど、話はまとまった?」
そう言って小さく微笑むのは、小柄な少女だった。
長いので分割。
ネムガキエアプだから、解釈違いとかあっても許して。
内面の自己否定とか全部この小説内でのでっち上げだから原作のフブキがどう思っているかは分からない。