ブルアカダイスオリキャラもの 作:後方キヴォトス傍観者
前回登場させられなかった分、フブキちゃん分増し増しでお送りします。
激しい戦闘によって破壊された街路――その只中で相対する二人。
一方は傷を負いながらも余力を十分に残しているユキコ、対して意識こそ気合で取り留めているものの、立ち上がる力もない『小柄』。
「――勝負あり、だね」
ユキコの勝利宣言を受けても、もはや言い返す気力もない。
『小柄』は、ただ悔しそうに歯を食いしばり、俯くだけだった。
そんな『小柄』の姿を見て、ユキコは短く瞑目し――次に彼女が目を開いた時には、先ほどまでの異様な雰囲気は霧散していた。
ユキコは『小柄』へと穏やかに微笑みかける。
「楽しかったよ、ありがとう」
「ハッ!クソったれが。テメェの欲求の発散に付き合わされた、こっちの身にもなってみやがれ」
悪態をつく『小柄』。
しかし、そこに戦闘時に帯びていた覇気のようなものは感じられない。
「あはは、ごめんね?つい夢中になっちゃって」
「――ふん」
ユキコが軽く頭を下げると、小さく鼻を鳴らした『小柄』はそれ以上文句を言うこともなくそっぽを向く。
拒絶、というほど強いものではない。だがそこには勝者と敗者との距離という、立ち入り難い壁があった。
その背中に、なんと声を掛けるべきか――何を言えば快く情報を引き出せるか――悩むユキコ。
気まずい沈黙が二人の間に流れる――。
おもむろに――『小柄』は手足を投げ出して寝そべると、嘆息した。
『小柄』は悔しげに呟やく。
「あーあ、『ドーナッツ年パス』欲しかったなぁ……」
「――ドーナッツ、年パス……?」
ユキコの反応に、思わず「あ、やべっ」と顔をしかめる『小柄』。
しかし、彼女は短く思考を巡らせた後に――何を思ったのか、口を開いた。
「『
彼女の言う
そして、強調される『社長』というワード。
――『小柄』はわざとらしい口調で続ける。
「あー残念だなー。お前に負けちゃったせいで貰えないなー。このままじゃクソ社長の一人勝ちだなー」
『小柄』は依頼主――社長に掴まされたユキコに関する虚偽の情報――明らかな過小評価――によって、仲間ともども酷い目に合わされたことを腹に据えかねていた。
自分たちの依頼が失敗に終わった以上、もはや依頼主への義理立てさえもありはしない。
ユキコに情報を与えることであのいけ好かない腹黒が泡を食うさまを思い浮かべ、口角を上げた。
「(――
「あぁん?別動隊ぃ?何寝ぼけたこと言ってんだよ、
――やられた、とユキコは歯噛みする。
彼女たち程の実力者、キヴォトスでも上澄みに入るであろう優秀な駒を、まさか捨札にするとは――あまりにも大胆すぎる発想だ。
ユキコは間違いなくこちらが『本命』の部隊だと思って動いていただけに、完全に意表を突かれた形となる。
「数とか、分かる?」
「ざっと100ってところだ」
――かなり不味い状況である。
流石にこの場の4人ほどの実力者はいないとしても、少なくとも不良崩れのパクパクヘルメット団よりは数段手ごわい集団であるはずだ。
それが100人規模で本部ビルへと侵攻している――。
――逸る気持ちのままに、ユキコは咄嗟に端末を取り出すと、フブキにコールを送る。
数回の呼び出し音の後、通話が繋がった。
「――もしもし!フブキちゃん、いま大丈――」
『――ユキコ先輩!!大変なことになってる!助けて!』
出るや否や焦燥した様子でユキコに救援を求めるフブキ。
電話口からは銃声や爆発音が聞き取れる。
――既に戦端が開かれている。一刻を争う事態だ。
「すぐに向かう!何とか持ちこたえて!」
『あ、ちょっと待っ――』
フブキが言い終わるよりも先に通話を切る。
遠く見える本部ビル――その麓から黒煙があがっているのが見える。
ユキコは、一刻も早く後輩たちを救いに行こうと足を踏み出し――その背中に声がかかった。
「――行くのか」
「うん、可愛い後輩が頑張ってるんだ。助けに行かないと」
「そうか――お前にも仲間が……」
『小柄』は何かを言おうとして、口を閉じ。
そして、一言だけ告げた。
「――『次』は負けねぇ」
「――っ!うん!また戦おうね!情報ありがとう!」
――心の内が明るく色づくような感覚。
言外に、『もう一度戦ってくれる』と、そう彼女は言ったのだ。
再戦の約束を取り付けて、ユキコは
――ユキコが完全に離れたのを確認した『小柄』。
彼女の頬に、一滴、また一滴と涙が零れる。
「くそっ!くそっ!――悔しいなぁ!」
それまでこらえていた感情が堰を切って溢れ出した。
全力でぶつかって、何もかもを出し切って――それでも届かなかった。
仲間達との連携だって、これ以上ない出来だった、そのはずだ。
「ああ!次は!次こそは――!」
――絶対に勝ってやる、と彼女は固く誓った。
<システムメッセージ>
傭兵部隊本隊の練度を判定します。シナリオ難度を参照し値域を決めます。上限は60、優秀等級とします。
【傭兵部隊練度】
シナリオ難度を参照し、±10を値域とする。
シナリオ難度 : 54 普通
結果 : 1d21 + 43 = 1 + 43 =44 標準
<システムメッセージ>
練度がPH団の練度を下回っているため、PH団と同様に、ユキコとの戦闘描写はスキップします。
傭兵団の人数から部隊数が決定されます。
そのうち何部隊が本部ビルに到達しているかを決定します。
【部隊数】
人数 : 100人
部隊数 : 10部隊
到達部隊数 : 1d10 = 5
【残部隊との交戦結果】
ユキコの戦闘 : 89
結果 : 5d100 = 19 89 69 71 87
本部未到達の残存傭兵団は、全てユキコに殲滅されました。
<システムメッセージ>
グラトニー・ムーブメント(以下GMと表記)の戦力を開示します。
【GM保有戦力】
【練度】
BZF要人防衛班 : 60 優秀
GM構成員 : 40 標準
【部隊数】
BZF要人防衛班 : 1部隊
GM構成員 : 4部隊
――グラトニー・ムーブメント本部ビル。
ユキコが会談を抜け出してしばらく、フブキとハミの二人は――
「――それで、拠点をシラトリ区に移転したのだけれど、まだ本部機能が未完成で……」
「うーん、活動地域をもっと広げられればラミニタウンへの負担も減らせると思ったんだけど――やっぱりすぐに、とはいかないよね……」
「ごめんなさい。もうしばらく時間があれば、キヴォトス全域を円滑に行き来できるようになる予定なのだけれど――本部が完成するまでは、暫定的な処置として活動を自粛する。そうすれば目下の問題は解決できるはずよ」
「でも、それって何か月もかかるんだよね……?その間、ずーっとハミちゃん達が我慢し続けるっていうのも……そうだ!ラミニタウンと協力して何かイベントを企画するっていうのはどうかな?そう、例えばグルメフェア、とか。グラトニー・ムーブメントがイベントのPRをして参加者を集めれば、ラミニタウンの宣伝にもなるし――あらかじめイベント用に食材を用意しておけば、ラミニタウンへの負担も軽くできるんじゃないかな!」
「イベント……そういう方法もあるのね。確かに、問題の本質は食品不足が続くことによって起きるサービスの低下――それに伴うラミニタウンの評判の下落よね。それが解消できるなら、活動そのものを完全に止める必要はない――いいアイデアね。ありがとう、フブキ。私だけでは考えつかなかった」
「そ、そんなこと、ないよ……あはは」
時に意見を交わし――。
「――それでね、そこの店のオールドファッション!これがまたおいしくって……!冷たいコーヒーと一緒に食べると最高なんだよね……!」
「オールドファッション、いいわよね。シンプルだからこその素晴らしさがあるもの。――
「パッションフルーツドーナッツ……!いいなぁ、私も食べてみたい」
「確か出張店がD.U.にあったはずよ。そこで食べられるはずだから、気になるなら今度行ってみてはどうかしら」
「ほんと!?ありがとう、ハミちゃん。今度行ってみるね」
時に趣味を共有し――。
「ふふっ。あなたとのお話しはとても有意義ね、フブキ。こんなに楽しい時間を過ごしたのは久しぶりよ」
「こちらこそ、だよ。ハミちゃんが優しい子で良かったよ……最初に会った時はちょっと怖かったけど」
「あれは……悪かったわ。でも、わ、
「あー、分かる。ユキコ先輩って、一緒にいるときはいいんだけど、相手に回るとおっかないもんね……」
「――あ、あのね!フブキ、えっと、あの――」
「どうしたの?」
「そのっ、もしあなたが良ければ、だけど――今度一緒にお出かけしましょう?
「――っ!うん!私も、ハミちゃんと友達になりたい……!」
――そして、友情を深めていった。
しばしの談笑。
和やかな対談も終わりを迎えようかという頃。
――二人の耳に、爆発音が届く。
にわかに階下が騒がしくなったことに気が付いたフブキとハミ。
「あら?何かしら?」
「爆発……?」
遅れて飛び込んできたのは、ハミの警護に当たっている黒ジャケットのアンドロイド――BZFの要人警護班だ。
「お嬢様!襲撃です!直ちに避難を!」
「襲撃、ですって……!?一体誰が――」
「お嬢様、今は安全なシェルターに避難を――そちらのヴァルキューレのお嬢さんもご一緒に。ここは危険です」
ハミの疑問には応えずに、あくまでその身の安全を優先すべく動く警護班。
突然の状況の変化について行けず、唖然としていたフブキも声を掛けられたことで再起動する。
「(襲撃――って、可能性があるってユキコ先輩も言ってたけど――)」
まさか、その『可能性』が今やって来るなど予想外である。
緊急事態の行動手順――半分ほどうろ覚えのそれを、必死に思い出しながら――打開策になりそうな案を考え出す。
「――グラトニー・ムーブメントは民間組織、だよね?ヴァルキューレに通報すれば、警備局が助けてくれるかも――!」
ヴァルキューレはキヴォトス全域への干渉権――非常に強力な権限を保有する学園だが、その実情は異なる。
各学園自治区の運営組織からの承認、治安維持勢力との兼ね合い――とにかく制限が多く、その力が十全に振るわれる事はほとんど無い。
しかし、対象が民間組織――それもD.U.での案件であれば、多くの手順を省略して迅速に力を振るうこともできる。
不安そうに俯いていたハミもフブキの案に光明を見出したかに思われた。
しかし――
「それが、出動要請を出したのですが――『既に動員可能な部隊は展開済みのため、すぐには部隊を派遣できない。急いで近隣の支部に要請を出すが時間がかかるだろう』――と、言われてしまい……」
「そんな――」
ほんの数刻前に行われたユキコの援軍要請――それによってシラトリ支部の警備隊は軒並み動員されており、振り分けられるリソースは枯渇していた。
特に、表で騒ぎを起こしているパクパクヘルメット団の行動範囲が広範に渡っていることが悪く働いた。
本来ならば2、3部隊で事足りるはずだった援軍は、パクパクヘルメット団残党が市街地に散る危険性も考えて、数倍――実にシラトリ支部の保有する警備隊の全9部隊、その全てを動かす事態になっていた。
ヴァルキューレからの援軍が到着するまで、少なく見積もっても1時間。その間、グラトニー・ムーブメントは自力で襲撃に耐えなければならない。
「今のところ、我々BZFの防衛班と戦闘可能な構成員達で抑えに回っていますが――敵の数も多く、いつ防衛線を突破されるかわからない状況です。お二人の安全の為にも、ここは一度避難を」
フブキは状況を整理する。
ヴァルキューレの援軍はすぐには来られない。
防衛線を敷いているグラトニー・ムーブメントの戦力にも限りがある。
敵の目的は不明――しかし、隣で震えている友人が標的にされている可能性が高い、最優先は安全の確保だ。
「――分かった……ハミちゃん、この人の言う通り、ここにいたら危険だと思う。一回安全なところまで移動して、そこで援軍が来てくれるのを待とう?」
「……ええ、そうよね――貴方たち、案内を頼めるかしら」
「はい。お任せください」
「さあ、こちらへ」
BZFの護衛の先導に従って、二人は非常階段へと駆けていく。
断続的な爆発音、自動小銃による銃声、どちらの陣営のものともつかぬ叫喚――。
階を下るにつれて、しだいに耳に届く戦闘音が鮮明になっていく。
「――お気をつけて、ここから先は会敵の可能性があります。くれぐれも我々の前に出ないように」
そう言う護衛の声には緊張が滲んでいる。
目的のシェルターはさらに階下――戦域を突っ切っていかなければならない。
<システムメッセージ>
両陣営の衝突結果を判定します。
【各分隊同士の衝突結果】
衝突した2部隊の練度を参照し、その合算値でダイスロール
傭兵部隊の練度以下の数字で傭兵側の勝利
傭兵の練度 : 44
[傭兵分隊1 : BZF要人防衛班] : 1d104 = 82 GM側の勝利
[傭兵分隊2 : GM構成員部隊1] : 1d84 = 62 GM側の勝利
[傭兵分隊3 : GM構成員部隊2] : 1d84 = 76 GM側の勝利
[傭兵分隊4 : GM構成員部隊3] : 1d84 = 22 傭兵側の勝利
[傭兵分隊5 : GM構成員部隊4] : 1d84 = 34 傭兵側の勝利
――息をひそめ、足音を殺しながら、慎重に進んでいくフブキたち。
ときおり、すぐ壁の向こう側で銃声や悲鳴が聞こえ――そのたびに身を強張らせて息を飲む小さな友人を、フブキが抱きしめて落ち着かせる。
そして、あと少しで目的地にたどり着く、というところで――
――階下から駆け上がる足音。
咄嗟に引き返そうとして――目の前の扉が蹴り開けられる。
「――見つけたッ!ターゲットだ!」
「――っ!」
こちらに向けられた小銃。その銃口の先には――ハミが立っている。
何かを考えるよりも速くフブキが射線に割って入り――その更に前に、黒ジャケットが割り込んだ。
「させませんよ!」
黒いジャケットを翻し、護衛は一息に襲撃者の懐に飛び込むと、そのまま襲撃者の襟首をつかみ投げ飛ばす――襲撃者のヘイローが消えた。
護衛の的確な反撃によって襲撃者はすみやかに無力化されたが――
『聞こえたか!?ターゲットはあっちだ――!』
――しかし、先ほどの襲撃者の声が聞こえていたのか、次々と足音が近づいてくる。
「――防衛線が突破されたようです。これほどの数の侵入を許してしまうとは……」
「こうなっては仕方がありません――」
護衛の一人が階段を飛び降り、先にいる敵へと向かい――銃撃音の後に鈍い打撃音が2度。
間もなく階下から、敵を
「経路は拓きました――敵はどうやら傭兵のようです。ここで我々が引き受けます。ヴァルキューレのお嬢さん――どうか、お嬢様をお願いします」
貴女に託す、と告げられて――しかし、フブキは迷わなかった。
いや、ほんの一瞬だけ任された大役に怯みはしたが――それでも友の窮地を救うべく、フブキは覚悟を決めた。
「……分かった。やるよ、私。――ハミちゃん、行こう!」
「え、ええ……!……ありがとう、フブキ」
「――どうかご無事で」
護衛の言葉を背に、フブキはハミの手を引いて駆けだした。
<システムメッセージ>
傭兵分隊のうち2部隊がGMの防御を突破しました。
傭兵分隊の侵攻度を判定します。
【傭兵の侵攻度】
最終値100以上で傭兵側の目標(ハミの拘束)達成
傭兵の侵攻度 : 2d100 = 88 + 70 = 158
「(――あと少し!ここの通路を曲がれば――)」
目指していたシェルターまであと一歩――そこで、フブキは道の先で待ち構えている傭兵たちの姿に気が付いて足を止める。
「(先回りされてた――!?どうすれば……)」
胸中で高鳴る焦燥をどうにか抑え、この状況を突破する方法に思考を巡らせるフブキ。
幸いにも傭兵たちの数は少なく、こちらに気付いている様子はない。
不意を打てば、自分一人でも対処可能――そこまで考えて、フブキは隣のハミを見る。
不安そうにフブキを見つめるが――それでも彼女を信じると小さく頷くハミ。
その姿を見て、フブキは考えを改めた。
「(――ダメだね。戦闘になったらハミちゃんを巻き込んじゃう……。どうにか穏当にやり過ごす方法を考えないと――)」
優先すべきは友人の身の安全――それは変わらない。
ならば戦闘は避けつつ、どうにかやり過ごす手段を考えるしかない。
何か使えるものは無いか、フブキは周囲を注意深く観察し――
【フブキの行動】
フブキは傭兵をやり過ごすために
1 : 交渉
2 : 迂回
3 : 隠密
結果 : 1 交渉を試みる
【洞察判定】
フブキの洞察 : 51
結果 : 1d100 = 3 成功
<システムメッセージ>
判定に成功したので追加でさらに判定を行います。最大で5回まで失敗するまで追加判定が行われます。
【洞察判定】
フブキの洞察 : 51
追加① : 1d100 = 40 成功
追加② : 1d100 = 86 失敗
――あることに気が付いた。
よく見てみれば、傭兵たちには全くと言っていいほどやる気が感じられない。
座り込み談笑するもの、壁によりかかり居眠りするもの――真面目に武器を構えて警戒しているのは一人だけ。
それに、傭兵同士での連帯感――仲間意識のようなものが欠けているように思われる。
まるで、数を揃えるためだけに集められたかのような、『寄せ集め』という印象をフブキは持った。
「(これならば、もしかしたら――)」
横への繋がりも、縦への忠誠も無いただ集まったというだけの集団。
それならば、交渉によって揺さぶりをかければ寝返らせることもできるかもしれない、フブキはそう考えた。
考えた、が――
「(交渉なんてぜんぜん自信無い……!でも、他の方法も無いし……)」
――果たして自分の拙い交渉術で傭兵たちを説得できるだろうか?
こんな時にこそユキコに居て欲しかった、と思わずにはいられない。
この肝心な時にいないユキコを少しばかり恨めしく思い――しかしそこで、はたと気づく。
「(そうだ、ユキコ先輩だ!先輩なら、こういう時にどうする……?)」
いつも自信に満ちた様子で、どんな相手も説き伏せてしまう先輩の姿――フブキはその頼もしい姿を思い浮かべる。
何も完全に模倣する必要はない。この場を乗り越えられるだけの技術を真似できればそれで十分。
――深呼吸。
――意識する。姿勢、声、態度、視線、身振り――。
――想像する。そして自分自身に重ねていく――。
数度の深呼吸の後、フブキはハミに告げる。
「――ハミちゃんはここに隠れてて。私、あの人たちとちょっと
「ぇ、フブキ……?」
戸惑うハミを物陰に控えさせ、フブキは傭兵たちへと歩み出す。
「(堂々とした足取りで……背筋はまっすぐ、自信満々って感じで……)」
頭の中で描いた最強の交渉人の姿をなぞるように。
フブキは不敵な笑みを浮かべ、真っ直ぐに傭兵たちの前へと姿をさらした。
<システムメッセージ>
フブキの行動に交渉が選択されたため、交渉判定を行います。
交渉判定は三回行われ、成功一回ごとに傭兵の侵攻度から一定ポイントを差し引きます。
【交渉判定】
【補正】
『交渉人の模倣』 : 判定難度 -20
『低いモチベーション(洞察判定によるボーナス)』 : 判定難度 -10
『低い連帯感(洞察判定によるボーナス)』 : 判定難度 -10
フブキの交渉 : 35
結果 : 1d100 = 66 (-40補正値) = 26 成功
【侵攻度変動】
侵攻度 : 158 (-20) → 138
「――こんにちは。少しお話に付き合ってくれる?」
戦場には場違いな――明るく朗らかなフブキの声に、その場にいた傭兵たちは固まる。
自信に満ちた笑みを浮かべ、堂々と声を掛けてきたヴァルキューレの少女――フブキを見て、どの傭兵も咄嗟に反応を返すことが出来なかった。
「な、なんでこんなところにヴァルキューレが……?」
「一人だけ……?一体何のつもりで……」
「……」
傭兵たちの間に僅かな困惑と、不信の色が広がる。
少し間をおいて、その中の一人――唯一真面目に警戒に当たっていた傭兵が口を開く。
「何の用だ?迷子ならここから早く離れろ。私達には仕事があるんだ、邪魔するな」
にべもなく拒絶の意を伝える傭兵に、しかしフブキは余裕の態度を崩さずに続ける。
「まあまあ、そう言わずに。少しお話を聞かせてくれればいいから、ね?」
有無を言わせぬ雰囲気で話を進めようとするフブキに対し、傭兵は苛立たしげに返す。
「ダメだ。早く失せろ。私達はお前のような
お子様――小柄なフブキを揶揄するように言い放たれた言葉に、フブキは内心でムッとしながらも表面上の態度を変えることなく抑える。
「(――ダメ、冷静に。こんな見え透いた挑発には乗っちゃダメ。どうにか、こっちの話に聞く耳を持ってもらわないと――)」
そこで、フブキは先ほど観察によって得た情報――傭兵たちのやる気の低さ――を使って会話の主導権を握るべく切り出す。
「――暇じゃない、ねぇ……?それにしてはずいぶんとやる気が無さそうだったけど?」
「っ、それは……」
フブキが示した先には、壁に寄りかかって舟を漕いでいる傭兵の姿。
言葉に詰まった相手を見て、フブキはさらに情報――傭兵たちの連帯感の無さ――を指摘する。
「それに、別にあなたがリーダーってわけでもないんじゃない?――ねえ、そうでしょう?」
「えっ、私!?ま、まあ、そうだけど。別にそいつに従ってるわけじゃないし……」
話を振られた傭兵――座り込んで休んでいた傭兵は、フブキの言葉を肯定する。
「なっ!?この班の指揮は私が――!」
「えぇ?でもそれって勝手に『クライアント』が決めた事じゃん。私は納得してないし」
「んー、私もー。別に君に従ってここについてきたわけじゃないからねー」
「別に誰がリーダーとかどうでもよくね?報酬さえもらえればさぁ」
我も我もと口々に主張する傭兵たち。
やはりフブキの見立て通り、彼女たちは一枚岩ではないらしい。
ここぞとばかりに畳みかける。
「――それで、
あえて、代表者――班長ではなく、その場にいる傭兵たち全員に向けて問う。
「私達はお前の話なんて――」
「はいはーい、私は賛成でーす。いいじゃん、話を聞くくらいさ?」
「まあ、いいんじゃないかな?依頼内容にも抵触しないし、暇だったし」
「私も別にいいぜ?勝手にしゃべる分には聞いてやるよ」
「お前たち……!」
――その効果は覿面。
ただでさえ弱い結束をフブキが狙って突いた結果、傭兵たちはもはや完全に統率を失っていた。
班長も、他の傭兵たちの意見に押され――
「くっ……いいだろう!話を聞いてやるっ!」
最終的に自分の意見を折る形で、フブキの交渉を受け入れる。
「(やった、これでとりあえず話は聞いてもらえる……!次は――)」
とりあえずは第一関門。
交渉のテーブルに、相手を座らせることはできた。
しかし、本番はこれから――フブキは現時点で相手の情報をほとんど持っていない。ここからいかに相手の口から情報を引き出し、それを使って自分の要求を通していくか――。
「(――大丈夫、やれる。私だってできる……!)」
油断すると声が上ずってしまいそうになるほど、フブキは緊張していた。
しかし、ここで折れるわけにはいかない――フブキは自分の肩に友人の命運がかかっているのだということを、改めて認識する。
自分を鼓舞することで内心の不安を押し隠し――フブキの態度は、表面上には一貫して余裕と自信とを感じさせる、威風堂々たる佇まいとなっていた。
――フブキは次の一手へと動く。
「それじゃあ――」
<システムメッセージ>
社交判定を行い、相手からどの程度の情報を引き出せるかを決定します。
フブキの社交を決定します。原作での描写に基づき、上限を優秀等級の上限79とし、下限を標準等級の最小値40とします。
【フブキの社交】
結果 : 1d40 + 39 = 21 + 39 = 60 優秀
【社交判定】
フブキの社交 : 60
結果 : 1d100 = 94 失敗
「(まずは、相手の目的を知る必要があるよね……!ユキコ先輩もそう言ってたし――)」
フブキはユキコの言葉――『交渉事では、まず相手を知ることが重要だよ!』――を思い出し、それを実践するべく口を開いた。
「――あなた達はどうしてこの仕事を受けたの?この仕事にそんなに魅力があるかな?」
フブキの問いに傭兵たちは顔を見合わせ、口々にこの仕事について語る。
「うーん、どうしてって言われても、『生活のため』としか……」
「魅力、ねぇ……あるか?そんなの」
「いやー?むしろ仕事としてはあんまり『おいしくない』よねー」
「お前たち!忘れたのか!?私達は成功の暁には『年パス』を――」
そこまで言いかけて、フブキの視線に気づいた班長は口を閉じ、フブキをキッと睨みつける。
「――何でもない。仕事は報酬のために受けた。それが全てだ」
彼女の態度――これ以上語ることは無いという意志表示を受け、フブキも一度話を切る。
「(どうしよう……大した情報は聞き出せなかった。これ以上聞き出すのは無理そうだし……)」
――手持ちの札で場を乗り切るほかない。フブキは思考を切り替える。
得られた情報はそう多くない。
一つ目、傭兵たちにとってこの仕事は、あくまで『生活のために受けた仕事』であること――それに追加して『おいしくない』――つまり、仕事に対して報酬が魅力的ではない、ということ。
そして二つ目、『年パス』という単語。『年パス』――『年間パスポート』。それがいったい何のパスポートなのかまでは聞き出せなかったが、一つ目の情報と合わせて考えると、それほど良いものではない可能性が高い。
「(うーん……二つの情報だけじゃ、この人たちを納得させられる材料にはならないよね……)」
たりない情報を、説得材料をどう補うか、フブキは今一度思考を巡らせる――
【洞察判定】
【補正】
『冷静(交渉第一段階の成功によるボーナス)』 : 判定難度 -10
フブキの洞察 : 51
結果 : 1d100 (-10補正値) = 4 - 10 = -6 成功(クリティカル)
――瞬間、フブキの脳に電撃の如く閃きが迸る。
「(――そうだ、この人たちは『
彼女たちの発言から、その報酬が低い――ともすれば最低限のものしかないということは簡単に分かった。
しかし、それだと説明がつかない部分があることにフブキは気が付く。
――そう、この仕事はあまりにもリスクが高いのだ。
壱鬼ハミという、ゲヘナ名家の娘であり、同時に巨大企業BZFの令嬢でもある存在に危害を加えるということ――つまり、その報復の対象となるというリスクを負うには、『安い報酬』ではとても釣り合いが取れるとは思えない。
だとすれば、考えられるのは――
「(――ならば、もしかしたらこの人たちは『
そう、意図的な情報の隠蔽。
彼女たちの『クライアント』は、意図的にこの情報を伏せて傭兵を動かしている可能性が高い。
この仕事に関わることによって生じるリスク、それについての十分な説明もなしに彼女たちが動かされているのだとしたら――それは『クライアント』側からの重大な裏切り行為である。
「(待って、そんなことをするってことは――)」
当然、雇った傭兵に対してそのような不義理を働けば、その矛先が『クライアント』に向けられるであろうことは想像に難くない。
しかし、それを理解したうえで、そのような行為を働いているのだとすれば、それは――
「(――この依頼でみんな使い潰すつもりなんだ!『クライアント』は、この騒動の後に自分が報復されることはないって分かってて、それで――!)」
――点と点は繋がり、一つの筋書きとして形を成す。
『クライアント』――『黒幕』は、何らかの目的をもって壱鬼ハミの身柄を欲している。
その目的を果たすべく傭兵たちを集め――十全な説明も為さず安く買い集めた。
そして、事が終わればその責任の全てを傭兵たちに被せ、『黒幕』は素知らぬ顔で距離をとる。
――後に残るのは払われるべき報酬は踏み倒され、大企業に報復対象として追われる身の上となった傭兵たち。
まだ確定したというわけではない。
しかし、ここまでの情報や状況を鑑みるに、かなり確度の高い予想だとフブキは考える。
「(――許せない……!どこの誰がこんなことを企んでるのか分からないけど、絶対に好きなようにはさせない!)」
目の前の傭兵たち――フブキの予想が正しければ、彼女たちもまた被害者であると言える。
まずは、彼女たちを説得するべく、フブキは己の予想を元に口を開く――
【交渉判定】
【補正】
『交渉人の模倣』 : 判定難度 -20
『優位(第一段階の成功によるボーナス)』 : 判定難度 -20
『黒幕への洞察(洞察判定によるボーナス)』 : 判定難度-20
フブキの交渉 : 35
結果 : 1d100 = 48 (-60補正値) = -12 成功(クリティカル)
【侵攻度変動】
侵攻度 : 138 (-20) (-10クリティカルボーナス) → 108
――フブキの纏う雰囲気が変わった。その場にいた誰もがそれを感じ取った。
先ほどまでも自信に満ちた態度をとってはいたが、どこかその裏に迷いの様な揺らぎを感じていた。
しかし、逡巡の後に瞠目したフブキには――その迷いが一切見受けられない。
――何よりその目、強い意志の輝きを宿したその瞳に――傭兵たちは思わず見入ってしまった。
「――ねえ、さっき『年パス』って言ったよね?詳しく教えてくれる?」
まるで別人のように変貌を遂げたフブキの――有無を言わさぬ問い。
問いを投げられた班長は、フブキの纏う空気に飲まれ、それまでの意地を張ることもできずに答える。
「モ、
「――そう、『
告げられた内容を反芻するフブキ。
やはり予想通り、『年パス』も特別高価なものではない。少なくとも、彼女たちがその人生を賭すほどの価値がそれにあるとは考えられない。
おまけに出てきた
フブキは――一拍、沈黙を挟み――告げる。
「ねえ、それってあまりにも安い報酬だと思わない?まるで割に合ってないよね?――」
凛とした声が、静まり返った空間に反響する。
誰しもが次に告げられるフブキの言葉に耳を向けていた。
そして――
「――安すぎるでしょう?
――決定的な言葉を告げる。
傭兵たちの間に動揺が広がる。
聞き捨てならない――あまりにも不穏なフブキの言葉。
班長は、自分の鼓動が早鐘を打つのを感じながらも、フブキの言葉の真意を問う。
「な……何を、言って――」
「『BZF』――名前くらいは知っているんじゃない?」
問いを切るように告げられた名は――班長も知るゲヘナの大企業の名。
この時点で、彼女は――自分の傭兵活動で培ってきた『勘』が警鐘を鳴らすのを感じた。
焦燥のままに班長は叫ぶように言う。
「知っている……知っているが、それと、この仕事にどういう繋がりが……!」
「あなたたちの『ターゲット』――壱鬼ハミはBZFの令嬢だよ?」
「――ぇ」
「うそでしょ」
「はぇ?」
「マジ?」
――絶句する班長。他の傭兵たちもその表情を驚愕に――あるいは絶望に染めている。
彼女たちの反応を見て、フブキは自分の推理がほぼ確実なものであるということを、改めて確信した。
「やっぱり知らなかった――いや、知らされてなかったんだね?」
「う、嘘だ!そんな、馬鹿なことが……!?あ、あぁ……それじゃあ、私達は……!私達のしでかしたことは……!?」
「あなたたちは
――嘘だと言ってほしい。そう思わずにはいられない。
傭兵たちはだれもが、自分たちが『何をしてしまったのか』を知って、絶望した。
「あなたたちの『クライアント』は、きっとあなたたちとの関りを否定するでしょうね……そうしたら、この件の責任は――全部あなたたちが背負わされることになる」
落ち着いた口調で――平坦な声で、ただ事実のみを並べ立てるフブキ。
その言葉通り――傭兵たちには、『クライアント』が自分たちを切り捨てるであろう未来が容易に想像できた。
そうなれば、彼女たちに残されるのは――絶望的な未来。
「BZFを――それを率いる壱鬼家を敵に回して、これまで通りに安穏と暮らしていけると思う?――このままだと、あなたたちには破滅する未来しかないよ」
――静かに語り終えたフブキ。
傭兵たちはだれもが俯き、自分たちに待ち受ける暗い未来に絶望していた。
静けさが場を支配する――。
「――どうすれば」
静寂を割って口を開いた班長。
「私達は、どうすればいい――!?」
――甘味が好きで、ドーナッツの年間パスポートという報酬につられてこの仕事を受けた彼女にとって、突如として降りかかった絶望の未来は、到底受け入れがたいものだった。
彼女は藁にも縋る気持ちで、目の前のフブキに縋りつく。
それに対して、フブキは――
【交渉判定】
【補正】
『交渉人の模倣』 : 判定難度 -20
『掌握(第二段階の成功によるボーナス)』 : 判定難度 -30
『藁にもすがる思い(第二段階クリティカルによるボーナス)』 : 判定難度-20
フブキの交渉 : 35
結果 : 1d100 (-70補正値) = 42 - 70 = -28 成功(クリティカル)
「――今からでも遅くないよ!私達に協力して!」
崩れ落ちて跪く班長の手を取って、優しく微笑みかける。
その声色は先ほどまでの平坦なものとは一転し、明るく優しげなものに変わっている。
「協力してくれれば、BZFにも恩を売れるし――今回の犯罪行為だって、私から減刑できないか交渉するよ!」
――絶望的な道行に一筋の光が差し込む。
傭兵たちは、フブキの言に一筋の光明を見出した。
「お金が必要なら、私が払う!足りなかったら私からハミちゃんに報酬を支払ってくれないかお願いする!」
「だから」と、フブキは今度は傭兵たち全員に向き直り、手を差し伸べた。
「この手を取って、私達と一緒に戦って!この企みを――『黒幕』を一緒に倒そう!」
はたして、フブキのその手を――いの一番に座り込んでいた傭兵が取る。
「私は君に付くよ!――もともと気に食わなかったんだよね、この仕事」
続けて間延びした口調の傭兵が。
「うーん。悩む必要もないよねー?……私達を利用しようとしたツケを払わせてやらないと……!」
さらに、壁に寄りかかっていた傭兵が。
「乗った!私達をだまくらかしたクソ野郎は一発殴んねぇとな……!」
そして――
「――信じて、いいんだな?」
「もちろん!ヴァルキューレにとって、あなたたちだって『守るべき市民』の一人なんだから!」
「ああ、安心した――」
――班長が、その場にいたすべての傭兵が――フブキの手を取った。
【侵攻度変動】
侵攻度 : 108 (-20) (-10クリティカルボーナス) → 78 防衛成功
<システムメッセージ>
フブキの交渉が成功したため、傭兵たちが寝返りました。
侵攻度が100未満になったため、ハミの安全が確保されました。
「――もう、隠れていなくても大丈夫かしら?」
物陰から一連の流れを見ていたハミが、フブキの傍へとやって来る。
傭兵たちは、自分たちの近くにターゲットが――ハミが隠れていたことに驚くも、誰一人として敵意を向けることはない。
――彼女たちの心は既に決まっている。
「――知らなかったこととはいえ、ご迷惑をおかけしました」
班長が頭を下げ、それに倣うように傭兵たちも謝罪を告げる。
ハミはその謝罪を受け取ると、穏やかに笑った。
「ふふ、いいのよ。そういう『仕事』だったのでしょう?あなたたちを特別に責めるつもりはないわ。それに――」
今度は視線をフブキに向けると、瞳を輝かせて言う。
「フブキ!とっても格好良かったわ!――まるで、以前聞いた『
『
交渉という側面では最強の先輩の活躍を――まさか自分と重ねられるとは思っておらず、照れくさそうに言う。
「そ、そんなことないよ……。私はちょっと真似してみただけだし……」
その姿は、先ほどまで場の空気を掌握していたとは思えない――ごく普通の少女のものへと戻っていた。
しかし、ハミにとってはフブキは紛れもなく自分の窮地を救ってくれたヒーローであり――
「それに、とっても嬉しかった。フブキ、あなたが
「――!あー、ばれちゃってたかー……」
「それはそうよ。だって、彼女たちには隠していたけど――手が震えていたでしょう?」
「――うん。すっごい緊張した……!もう、今にも倒れそうなくらい……。でも、私が頑張らないとって思って」
「――だから、ありがとう。
そう、最高の親友なのだ。
この日、フブキは確かな一歩を踏み出し――かけがえのない親友を一人得た。
【能力成長】
大きな困難を単独で乗り越えたため、シナリオ難度の半分を対象能力に加算
シナリオ難度 : 54 (半分で27)
フブキの交渉 : 35 → 62 優秀
――立ち昇る黒煙。そこかしこで火の手が上がる。
――建物が崩れ落ち、瓦礫の山へと姿を変えていく。
――連続する銃声。複数個所で同時に炸裂する榴弾砲、そして――
『ガハハハハハ!矮小な塵芥の分際で、この私に逆らうからそうなるのだ!!』
哄笑する男の声と――倒れ伏す傭兵たち。
ハミをかばい、必死に攻撃の嵐から身を隠すフブキの懐で、着信。
『――もしもし!フブキちゃん、いま大丈――』
「――ユキコ先輩!!大変なことになってる!助けて!」
相手がユキコだと知るや否や、助けを求めて叫ぶフブキ。
寝返ってくれた傭兵たちはみな倒れ、隠れて回るフブキとハミに業を煮やし、広範囲を破壊して回る――『
この窮地を救ってくれるのは、もはやこの先輩を置いて他に居ない――。
しかし――
『すぐに向かう!何とか持ちこたえて!』
「あ、ちょっと待っ、て――切れちゃった……!」
詳細を説明する間もなく切られてしまった通話。
助言のひとつでも貰おうと考えていたフブキは、この『試練』を自力で乗り越えることを余儀なくされた。
――破壊をつづけながら『巨影』は――『
『ガハハハ!さあ、出てこい小娘ども!!私が更なる栄冠を手にする――その礎としてやろう!!』
――最後の試練が始まる。
ようやく黒幕までたどりついた……
嘘でしょ?このエピソード全体で5万字以上だって……?
一話7000字、3話完結くらいのノリで始めたはずなのに……