推しのボ   作:モドラナイッチ

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奥義:76今昔

 変化というものは万人に訪れるが、それに対し万人が等しい反応を示すとは限らない。

 

 

 

「うんうん、これなら『鞘姫』の解釈は私と合ってる!

 それどころか新しい一面も発見出来る脚本で...。

 ふふふ、これは考察のし甲斐が有りそうだなぁ。」

 

「演技全振りの脚本...、これは演るの難しいわよぉ...。」

 

「俺は問題ない。

 元々物足りないと思っていた位だからな...。」

 

「そりゃ『本職』はそういう反応でしょうけどね...。

 おじさん達は大丈夫?」

 

 『東京ブレイド』原作者_鮫島アビ子と脚本家_GOAの合作による脚本は、当初のそれとは全くの別物と化してしまった。

 なまじ優れた才を持つ者同士が結託してしまったが為に、一般的な舞台脚本の内容から逸脱した癖の強い内容に仕上がってしまったのだ。

 雷田が『怖いもの見たさ』と表現したのも、この状況を危惧しつつもそれが成功した時の効果の大きさを理解している故である。

 特に影響が出るだろう変化が、説明台詞が悉く削除されている点だろう。

 これらの台詞が省かれる事で、観客はより深く役者の演技や舞台の演出に集中し没入感を得られる。

 自身の演技で『語る』事を本分とする役者冥利に尽きる構成と言えるだろう。

 事実、あかねや大輝を筆頭に実力者揃いのララライの面々は皆、新しい脚本に対して好意的な反応を見せている。

 

 一方で、この説明台詞という存在が無用の長物とも言い切れない側面も有る。

 根本的に舞台演劇自体が、観客と役者の物理的な距離が大きく、観客に伝わらないリスクを孕んでいる上に、近年は観客の大多数を占めるであろう日本人の読解力の低下が問題視されている。

 参考までに、文部科学省が毎年実施している全国学力・学習状況調査というものが有るが、こちらの2024年度調査によると国語の読解問題の正答率が小学6年生は平均70.8%に対し、中学3年生のそれが平均48.3%にまで低下しており、同学年の前年度に当たる中学2年生時から15.7ポイントもの低下を記録したのだ。

 これらの情報から、学年が上がるにつれ読解力の伸びが停滞、または低下している可能性が示唆されている。

 こう言った観客に情報が伝わる『障壁』、更にキャストの一部には演技経験が浅い者達がいる事実を考慮すると、それらの台詞は『観客が理解出来る事』を担保しているとも考えられるのだ。

 その『一部』に当たる者達を、キャスト内でも屈指のキャリアを持つかなが心配するのも無理からぬ事だろう。

 

「凸・解‼︎‼︎」

 

「我はぁ、第六天むぁおぉう...、織田パチ長ぞぉぉ...。」

 

「吼えよ、青龍‼︎‼︎」

 

「...それ一個でもやったら締め出されるからね。

 私は忠告したわよ‼︎」

 

 

 

「鳴嶋君、大丈夫かい...?

 大分苦戦してる様だね...。」

 

「自慢のイケメンはどこ行ったよ。

 そんな顔じゃ、楽しくなくなってくるんじゃねぇか?」

 

「カミキさん...、おやっさんも...。

 その...、情け無い話っすけどこんなの俺に出来るとは...。

 本番迄あと半月ですよ...。」

 

 脚本の変化に、ララライの面々とは逆の意味で影響を受けているのが彼_ヒカルとボーボボに声を掛けられたメルトである。

 兎角役者の演技力が求められる事になった現脚本だが、それは当然ながら役者としてのキャリアの長さに依らずに全員に降り掛かる。

 逆説的に、彼は役者としては駆け出しの自分にも他の実力者達と同等のものを求められていると考え、萎縮してしまっているのだ。

 

「おいおい、やってねぇ内からそんなにビビってどうするよ。

 演技の経験が無いのは俺らだって同じだぜ。」

 

「いやおやっさん達は規格外って言うか、何ですんなりやれちゃってんですか...?」

 

「ははは、ボーボボさん達が凄いのは確かにそうだね。

 でも、最初からそんなに身構える事はない。

 こういう時は、一度他の人の演技を見て自分の頭の中を整理してみると良いよ。

 丁度いい、あれを見ててごらん。」

 

 本来自分と同じ立場である筈のボーボボ達の演技が、金田一達からも好感触を得ている事実に理不尽さを感じるメルト。

 そんな存在から『経験が無いのは同じ』と言われても、納得出来ないのが正直な感想であった。

 この点に関しては、ヒカルら本職の者達から見てもボーボボ達の適応力の高さに舌を巻いている程であり、少なからずメルトに同情する気持ちは有った。

 しかしながら、ただ弱音を吐いているだけでは現状が変わらないのも事実。

 彼の成長のヒントになればとヒカルが指し示した先では、アクアとあかねが金田一の前で演技を始める所であった。

 

 

 

「...ふっ...ぐぅぅ...、ふっ...はぁぁ...。

 はぁぁぁ...あっ...ああぁぁぁぁ‼︎‼︎」

 

「...OKだ。

 『刀鬼』、本番でもその感情をコントロール出来る様に仕上げていけ。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

 横になっていたあかねの上体を抱え起こし、まるで子供の様に感情を爆発させたアクアの演技に、金田一が静かに納得の意を示した。

 そんな彼の演技を見ていたメルトは、その姿と自身の知るアクアへの印象のギャップから感嘆してしまう。

 

「凄え...。

 アクアって、マジで何でも出来ちゃうんですね...。」

 

「本当にな...。

 あれで昔は寧ろ、ああいうのが苦手だったってんだから大したもんだ...。」

 

「...えっ、そうなんすか⁉︎」

 

 かつて『今日あま』の現場で見せられた狂気を感じさせる様な演技から、今見せられた感動や喜びを感じさせるものまで、彼の引き出しの多さを実感すると共に、それが彼の長い役者経験に裏打ちされたものなのだろうと考えるメルト。

 しかし、直後にボーボボが語った言葉から推察するに、以前はそういった感情を表出させる演技を苦手としていたのだろう事が窺える。

 経験の少ないメルトには、自身の記憶に残る演技との違いが今一理解出来ず困惑してしまった様だ。

 

「...まぁ、彼も色々有ってね...。

 所で鳴嶋君、今のアクアの演技、凄く感情が乗ってたよね。」

 

「は、はい!

 何というか、マジで『刀鬼』としてそこにいるみたいな喜び方で...。

 あっ、あれ...?」

 

 父親としてアクアが悩み苦しんできた様を長く見てきたのだろう、ヒカルが見せる曖昧な笑みの理由はメルトに察する事は出来なかったものの、続けられた先の演技に対する評価に強く同意しつつ、鞄から原作を取り出し該当するページを目にした所で違和感を感じてしまう。

 

「...さっきのって、こうやって原作と見比べてみると...。

 オーバーと言うか...、でも金田一さんはOK出してたし...。」

 

「うんうん。

 じゃあ、そうなった理由を考えてみようか。

 まず、ここはそもそも『どういうシーン』かな?」

 

「えっと、劇全体のクライマックスで...。

 アクア...、『刀鬼』にとっての一番の見せ場、ですか?」

 

 自身の問いに、自分の中の考えを少しずつ纏め、言語化していくメルトの姿に笑みを浮かべつつ、より詳細にシーンの要素を分解していくヒカル。

 その論理的な口調に、かつて自分達が初めて彼と会った頃からの教え方を思い出し、ボーボボもまた笑みを浮かべた。

 

「戦闘中に重傷を負い倒れた『鞘姫』と、絶望する『刀鬼』。

 その後、奇跡的に『鞘姫』は再び目を覚ます訳だけど、この時の『刀鬼』の感情はどんな感じになるかな?」

 

「うーん...、すっごいホッとして...、滅茶苦茶嬉しい...ですかね?」

 

「うん、そうだね。

 じゃあ次は、何でアクアは原作とは違う演技をしたと思う?」

 

「あー、確かにそうですよね...。

 アクアだったら、別に『こっち』を演る事も出来るだろうし...。

 やっぱり舞台だからって事ですかね...。」

 

「やっぱ目立つ為じゃねぇか?

 『刀鬼』って元々口調も静かだし、ここって所はアクアも気合い入れるだろ。」

 

「えぇ...、そんなおやっさん達じゃないんですから...。」

 

「それが意外にも当たらずとも遠からずなんだ。」

 

 続けてなされたヒカルの問いだが、これまでと違いメルトは解決の糸口を見つける事が出来ない。

 舞台演劇の経験が無い彼でも、舞台の構造上多少なりとも大仰な演技が求められる事は理解出来る。

 とは言え、原作における先の場面では刀鬼はアクアの演じ方程取り乱していた訳ではなかったのも事実だ。

 物語の山場、或いはボーボボが言う様に『刀鬼』として最も目立つ場面であるという理由も関係しているのだろうか。

 自分なりの答えが見出せない様子の彼に、教師の如くヒカルは彼の手元にある原作のページを指しつつ『指導』を再開した。

 

「確かに『原作通り』を目指すのであれば、もっと静かな演技になる。

 にも関わらず、アクアも金田一さんも原作から剥離する事を選んだ訳だ。

 そこには『刀鬼としての感情』だけでなく、この場面全体の流れを考えてああいう方向性になったんだと思うよ。」

 

「...あかねと話し合って、そっちの考察に合わせたみたいな感じか?」

 

「あっ、成程...。

 鞘姫との許嫁設定を強調する為って事か。」

 

「それもあるかもしれないね。

 でもそれだけじゃなく、君達『新宿クラスタ』の展開も影響しているんだ。」

 

 場面全体の流れ_つまり、『傷付いた鞘姫が奇跡的に目を覚ました』事を強調する場面であると考えれば、原作の『静かな喜び』よりも刀鬼と鞘姫の関係性を示す上で相応しいと考えられよう。

 或いは、相方役であるあかねが新たな脚本を受け取った事で、自身の役に対する考察を深め、それにアクアが合わせる事で彼ら『渋谷クラスタ』全体のハイライトと捉えたという線も、二人の実力を考えれば十分有り得る。

 そんなボーボボと共に進めた推察に対して、ヒカルは更に視点を拡げる事を促す様に、台本において鞘姫が傷を負ったシーンを指した。

 

「この演劇がクライマックスへと向かうターニングポイントがここだ。

 作劇的に言えば、それまでの『熱く激しいラストバトル』から一転、『戦いの終結に伴う静けさと悲しみ、そして傷付いた者達への救済』へと移る。

 ここで重要なのは、『敵であった筈のブレイド達の意志によって鞘姫が息を吹き返した事』、つまり刀鬼から見れば『完全に他力本願であり、願う資格すらない出来事』が起こった事になる。」

 

「...あっ、そうか...。

 さっきのアクアのシーンの直前は『ブレイドとつるぎが鞘姫を救う』シーンで...、姫川さんと有馬の見せ場ですね...。」

 

「二人もそこに気合い入れて臨む筈...、そしてアクアの方もそれに応える感情を出したって訳か...。」

 

「おいカミキ、次はお前らのシーンだ。

 それと...、新人だからと余り甘やかすな。」

 

 金田一からヒカル達に声が掛かった事で、メルトにとっての『特別講習』は終了した。

 小言を受けて苦笑いを浮かべるヒカルに申し訳無さを感じつつ、彼からの指導と自身に求められているものを考え始める。

 

(俺の...、『キザミ』の一番の見せ場は『ここ』だ...、だけど...。)

 

 先程とは違い、彼には自身が力を入れるべき場面が認識出来ていた。

 ヒカルの指導により、自身の役『キザミ』に観客の視線が最も集まるシーンを判別する方法_『最もキザミの感情が動いているシーン』を見つける事には成功したのである。

 同時に、そのシーンを演じるには、今の自分に決定的に欠けている要素が有る事にも気付きつつ。

 

 

 

「ふー!! ふー‼︎

 くっそ...、全然音鳴らねえ!」

 

「...何してんのか聞いた方がいいか...?」

 

「何してるって、アクアに相談する為に法螺貝吹こうとしてるに決まって...ってアクア⁉︎」

 

 稽古場の玄関口にて、何故か法螺貝の演奏に苦戦している様子の共演者_メルトに対し、その謎の行動の意図を問うアクア。

 稽古の最中、父が彼に対し何やら声を掛けていたのは横目に把握しており、それ以降何かしら考えている事は察せられたものの、それが何故法螺貝に繋がるのかが理解出来ない故だった。

 正味、理解出来る筈等無いのだから無視すればいいものを、態々奇行に反応してしまう辺りにそのお節介さが窺える。

 

「そのさ...、役作りの事でアクアに相談したい事が有って...。

 そしたら、パチ美さんが『アクアは宮崎生まれだから、この宮崎産の法螺貝を吹けば来てくれる』ってくれたんだ。」

 

(宮崎で法螺貝なんか作ってたか?)

「...いやまず、相談したいなら普通に稽古場で声掛けりゃいいだろ。

 そんなんで来る訳ないだろうに俺が先に帰ってたらどうして_」

 

「あれ、法螺貝の気配を感じたんだけどお兄ちゃん今帰り?

 お疲れー。」

 

「...。」

 

 メルト_より正確に言えば彼を唆した変人の言い分を否定しようとするアクアだが、その言葉は彼と同じく宮崎県で生を受けた存在_ルビーの登場によって中断させられてしまった。

 本当に法螺貝の存在を辿ってきたのか_

 メルトは演奏に成功していた訳ではないにも関わらず、何故彼女が呼び寄せられたのか_

 そもそも何故彼女がこの場にいるのか_

 様々な疑問が込められた彼の視線の先にいる妹の出現に、メルトもまた反応を示した。

 

「お兄ちゃんって事はアクアの妹...?

 えっ、マジで⁉︎

 この法螺貝、ちゃんと効くのかよ⁉︎」

 

「ルビー、急に走り出してどない...、何この状況⁉︎」

 

「...寿さんと一緒なら遊んでた帰り?

 何でここに来た訳...?」

 

 予想だにしなかった法螺貝の有用性に驚くメルト、そしてルビーに遅れてこの異様な状況に参加する事となってしまった彼女の友人_寿みなみを気の毒に思いつつ、アクアは妹へとこの場への来訪の理由を問う。

 友人と共にいた、それも二人共に私服姿であった事実から、彼女達が遊びに出掛けていたという線は十分考えられるだろう。

 他に考えられる説としては、この舞台に参加しているキャストの何れかに用事が有るという可能性か。

 電話やメッセージを使用せずに直接の来訪という手段を取っている事から、彼女やみなみが相手の連絡先を把握していない、もしくはみなみを同伴させている事から直接彼女を相手に紹介したいと言った理由は考えられる。

 その理由自体が定かでない以上相手の特定は困難であるが、或いは妹が以前彼女をアイドル活動に誘っていた事が関係しているのやもしれない。

 恐らく、これ程面倒な思考を行う程度に、法螺貝の有用性を否定したいのだろう。

 

「あっ、うん。

 近くを歩いてたから、ちょっとパパとお兄ちゃんの様子を見に来たんだ。

 またボッチになってるんじゃってママも心配してたよ。」

 

「余計なお世話だ。

 大体、関係無いのに連れ回したら寿さんにも迷惑掛かるだろ。」

 

「後、ママがおじさん達が何かやらかしてないか見てきてって。」

 

「参加させてる時点で手遅れだろ。

 稽古はもう終わりだから、用が無いなら早く帰れよ。」

 

(というか、何であの人法螺貝なんか持ってるん...?)

 

 ルビーの弁を聞き、納得出来る部分と出来ない部分を感じつつ、みなみに迷惑が掛からぬよう早期にこの場を去る事を促すアクア。

 彼らの母が、自身や父、或いは変人達の動向を心配する気持ちは理解出来るものの、それがルビーとみなみが関係無い現場に出張ってきていい理由とはならないだろう。

 百歩譲って、親族、及び同じアイドルグループの人間が参加しているルビーだけであれば、『気になっても仕方がない』と思われるだろうが、あくまでも部外者に過ぎない二人が顔を出したとて、悲しいかな『邪魔』にしかならないのが現実である。

 そしてこの芸能界において、他の現場の邪魔をし不興を買ってしまっては、その後の仕事に影響が出てしまうのが実情だ。

 ましてやこの現場には、通常の思考回路から外れた者達が参加しているだけに、彼がみなみだけでもこの場から安全圏へと退避させたいと考えるのも当然の事だろう。

 果たして偶然か必然か、アクアの懸念を実現させる様な存在の影が現れる。

 

「俺のこの手が真っ赤に燃えるぅぅぅ‼︎‼︎

 勝利を掴めと轟き叫ぶぅぅぅ‼︎‼︎

 『爆熱 LINEアカウント』ォォォォォォ‼︎‼︎」

 

「...。」

 

 非常に気合いの入った叫び声と共にその場へと乱入しつつ、スマートフォンの画面を突き出した存在_鴨志田の登場に、どう反応するのが正解なのかが見出せない一同。

 彼の事を知る由もないルビーとみなみは言わずもがな、役者としての経験が少ないメルトだけでなくアクアから見ても、彼の2.5次元俳優としての実力は高く評価されており、年上である事も相まってどうにか失礼のない対応をしたい所なのだが、この様な謎の行動に出る者が相手では何が原因で機嫌を損ねてしまうか分かったものではない。

 

「『爆熱 LINEアカウント』ォォォォォォ‼︎‼︎」

 

「...。」

 

「ばぁぁぉくね_」

 

「しつけーー‼︎‼︎」

 

「ボハァ‼︎‼︎」

 

 反応が無かった事を聞き逃されたと考えたのだろうか、同じ台詞を叫び続ける鴨志田の奇行は、三度目にして彼を横から殴りつけたボーボボによって中断させられてしまった。

 

「ったくよ、ナンパもしつけぇと迷惑になるに決まってんだろうが‼︎

 別のやり方用意してねぇのか‼︎」

 

(今のナンパやったん⁉︎)

 

「す、すいません、ボーボボさん...。

 でも、しつこい位の強引さも必要だって『ギョライスゴレン』のナンパ関係の記事に...。」

 

(『ギョライスゴレン』って何⁉︎)

 

「あの...、鴨志田さん?

 練習なのかガチなのか分かんないっすけど、この子らをナンパは辞めといた方が...。」

 

「あ...?

 モデル片手間のイケメンさんのありがたいご忠告ですかー?」

 

(態度悪...。)

 

(えっ、この人達何でこんなピリピリしてはるの...?)

 

「態度悪いんだよテメーー‼︎‼︎」

 

「ボハァ‼︎‼︎」

 

(また殴ったーー‼︎⁉︎)

 

 鴨志田なる男性と謎のアフロの男性の乱入から始まった一連の流れに困惑しきりな様子のみなみ。

 そもそも友人以外ではアクアのみしか知人がいない現状、この場にいる者達の人間関係はこの極々短い会話から推測するしかない。

 まず彼女からすると、最初に衝撃を与えられた法螺貝を持つ少年の正体も知らないのだが、雰囲気からして友人の兄とは知り合い以上と言っていいだろう。

 そんな彼が鴨志田の名を呼んだ事から、友人の父や兄が参加していると聞かされている演劇の共演者と考えるのが妥当か。

 連鎖的にアフロの男性とも同様の関係であると考えられるが、気になるのは鴨志田と法螺貝の少年の関係に緊張が見られる点だ。

 無論、人間である以上全ての相手と良好な関係となるのは難しいだろう。

 みなみ自身も口にこそ出さないが苦手な相手というものは存在するし、友人であるルビーでさえ好意的に感じる部分も有れば、今回の無関係な現場へ訪問しようとしたりと『それは如何なものか』と思わされる部分も有り、そしてそれはルビーから見た自分も同様である筈だ。

 互いの良い部分と悪い部分を認め合ってこそ、良好な人間関係が形成出来るのだ。

 

(ナンパ云々が本気かは分からんけど...、さっきのは『法螺貝さん』への嫉妬...やろうか...。)

 

 翻って件の二人の関係性を見るとどうだろうか。

 互いに一言ずつでは判断材料として貧弱過ぎるのは否めないものの、逆に言えばそれだけ明確な負の感情が鴨志田側から発せられたのは、近くにいたアクアですら一瞬顔を顰めた事からも明白と言える。

 そんな感情の正体について彼女が思い当たる節_それが嫉妬であった。

 モデル業という自身の容姿を武器に戦う世界に身を置く故に敏感になってしまった感情。

 何であの子が、私の方が、裏で絶対何かやってる_そんな醜い感情を仲の良い先輩から聞いた事も有れば、数こそ少ないものの彼女自身も感じた事が有る故に。

 少なくとも法螺貝の少年側からは特段悪い感情を感じなかった事実が、彼女のその推測を余計に助長させたのだ。

 すると、そんな疑問に答えんとばかりに何者かによって彼女の肩が叩かれる。

 

「そちらのお嬢さん。

 鴨志田の秘密、知りたいのかい...?」

 

「えっ...?」

 

 自身の肩を叩いた者の姿に、更に困惑してしまうみなみ。

 何とも紳士的な言葉遣いに振り返ってみれば、ゼリー状のヒトガタとしか言いようが無い謎の物体が立っていたのだから、その反応も無理からぬものだろう。

 

「ライチと共にアナタの知りたい情報を爽やかにお届け‼︎

 『ところてんインフォメーション』‼︎」

 

(あなたが何者なのかが、今一番知りたいです...。)

 

「あっ、天さんもお疲れー。」

 

(この人?も知り合い⁉︎)

 

 友人の交友関係が心配になりつつも、鴨志田の態度の要因については彼女も気になる所である為か、大人しく彼の話を聞く事とした様だ。

 すると謎の物体こと天の助は、ボーボボに殴られ地面に倒れたままであった鴨志田の前に枠を設置していく。

 中身の無い額縁と表現すればいいのだろうか、丁度枠の中に鴨志田の頭部が収まる様に調整すると、そんな彼に天の助が手持ちの目隠し棒を手渡した。

 

「『超人気漫画の舞台稽古の裏には何が⁉︎』。

 今回の現場は、現在キャストの皆様が懸命に稽古に励んでいる『舞台・東京ブレイド』の稽古場でーす!

 タレコミによりますと、作品に参加している一部のキャスト間で諍いが有ったとの事...。

 そんな問題のキャストに、天ちゃん突撃取材しちゃいまーす‼︎」

 

「おおー。」

 

「今から本人に聞くの⁉︎

 いや、ルビーもお兄さんも手叩いてる場合とちゃいますって‼︎」

 

「それでは、Kさん...。

 まずは取材にご協力いただきありがとうございます。

 今回、Kさんととある共演者の方との間でトラブルが発生したとの情報が複数寄せられているのですが、こちらは事実なのでしょうか?」

 

「ト...、あー、あー...。

 トラブルなんてそんな大袈裟ですよ...。

 確かに、私の言い方が悪かった部分は有りますけど...。」

 

(セルフ裏声⁉︎ えっ、これ真面目にやってるって事でいいんよね⁉︎)

 

 まさかの真相を本人に直接聞き始めるという荒技によって、鴨志田の涙ぐましい裏声と共に原因の解明が始まる。

 天の助の用意した小道具の効果なのか、鴨志田のノリがいいのかは定かではないものの、先程の態度から一転して落ち着いた口調で話し始めた故に、裏声である事を容認すれば冷静な分析が行えるだろう。

 

「まず内容を整理させていただきますと、稽古終了後舞台とは無関係のタレント二名にKさんが『シャイニングフィンガー』なる技を模した構えでご自分のスマートフォンを突き付け、連絡先の交換を迫ったとなっていますね...。

 こちらの行動をナンパだと判断した共演者のNさんが、Kさんに対して制止を行った事に対し、Kさんが悪態をついたと...。

 ここまでの情報に誤りは有りますでしょうか?」

 

「はい、正しくは『シャイニングフィンガー』ではなく『ゴッドフィンガー』を参考にしました。」

 

(そこそんな大事なん⁉︎)

 

「...成程、ここを訂正してっと。

 つまりKさんは、明確な理由も無くNさんを邪険に扱ったと...。

 それとも、この出来事以前に何かNさんとの衝突が...?」

 

 鴨志田の拘りは兎も角として、ここで本人によってメルトの指摘に対して褒められたものではない態度となってしまった事が認められた。

 メルト側の口調が多少なりとも乱暴なものであったならばまだしも、彼の指摘は常識的なものであった上に、客観的に見て他人に迷惑を掛けていると考えられるのは当人曰くのナンパを行っていた鴨志田の方だと言わざるを得ない。

 真っ当な意見に対して理不尽な逆ギレとなってしまった事を自覚した故か、鴨志田の表情は徐々にバツが悪そうになっていく。

 

「いえ...、これと言って特に...。」

 

「では何故その様な事態に陥ったのでしょう?」

 

「...ムカついたんだよ‼︎」

 

(...だ、ダメよみなみ、ここで笑たらあかん...、いやでも裏声が...ふふ。)

 

 天の助との問答によって少しずつ、だが確実に余裕を無くしていった鴨志田の叫びが木霊する。

 『ムカついた』というメルトからすれば余りにも理不尽な言葉に、周囲の面々も呆気に取られるか、或いは眉間に皺を寄せ始めた。

 大多数の人物と初対面であり、状況が掴みきれない筈のみなみですら僅かながら肩を震わせている事からも、彼の物言いがどれだけ一方的なものであるかを示していると言えよう。

 

「こっちは必死こいて、少しずつ実績積んで!

 曲がりなりにもそれを評価して貰える所迄やってきたんだ!

 それがどうだよ!

 片やちゃらちゃらモデルやりながら片手間でドラマ、今度はコネで舞台ときた‼︎

 そんなのがボーボボさんやおやびん達、挙げ句の果てにカミキさんにまで目を掛けられてんじゃ、やってらんねぇんだ‼︎」

 

(...今『おやびん』って...?)

 

「...何で俺なんかにそんなに...。

 鴨志田さんの実力考えたら、俺なんて無視してりゃいい存在ですよね...。

 現に今だって、その目隠し棒と裏声ずっとキープしたままだ...。

 俺なんかじゃ到底出来ないですよ...。

 その...、『キザミ』と『匁』は見せ場で対峙するから、下手くそと一緒にされて迷惑なのは申し訳ないっすけど...。」

 

 声を荒げながら溜め込んできたものを吐き出す鴨志田だが、その不満を聞いても尚、彼がここまで自分を目の敵にする理由に今一ピンと来ない様子のメルト。

 成程、本職の俳優から見れば、確かに超人気作品の舞台化という2.5次元俳優にとっての晴れ舞台に自分の様な『異物』が混じっている事を疎ましく感じるのは理解出来る。

 演技力が周囲のそれに比べ著しく劣っている事は彼自身認める所であり、それが原因なのだとしたら批判は甘んじて受けるつもりだが、ヒカルを初めとした先立からの指導を受ける事は許容して貰いたい。

 

「...別に役者としてお前にどうこう言うつもりは無えよ...。

 少なくとも真面目にやってんのは分かるし、誰だって最初は下手くそから始まるからな...。

 だけど...、ポッと出の奴におやびん達とのハジケを邪魔されんのは我慢ならねぇ...。」

 

「えっ...、俺おやっさん達が何かやってんの邪魔してないよね...?

 えっ、俺無自覚に何かやっちゃってた⁉︎」

 

「...強いて言えば、顔合わせの前に一緒に何かやってただろ。」

 

 ところが、鴨志田曰く悪感情の原因はメルトの役者としての姿勢ではないらしい。

 実際、どんな分野においても知識やノウハウが無い状態から始まるのは当然の事であり、それはメルトから見れば等しく『天才』と映るアクアやかな、あかね、大輝は勿論、ララライの役者陣や鴨志田自身もそうなのだろう。

 寧ろ彼の中で引っ掛かっているのは、ボーボボ達が繰り広げる彼曰くの『ハジケ』と言うらしい奇行の数々をメルトが邪魔している事だと言うのだ。

 しかしメルトからすれば、彼らの奇行を遠巻きに見てはいたものの、その奇行を阻害した覚えは無いのが実情である。

 一応、自身の心当たりの無い範囲での何かしらの問題行動の有無をアクアへと問うものの、少しばかりの思考の後に唯一出されたのが、劇関係者の顔合わせ日にメルトが参加していた謎の寸劇程度だったのだが。

 

「それだよ‼︎‼︎」

 

「えっ...?」

 

「『えっ』じゃねぇよ‼︎

 本来なら、あの『エナジーバスター』で俺は上原さんとの初共演を果たす筈だったんだ...!

 それがこんなポッと出の奴に...。」

 

「初共演って...。

 っていうか、俺あの時『人手が足りないから』って声掛けられたんですけど...。」

 

「...鴨志田さんって、あの日ボーボボさん達と離れて一人だけ別の所にいましたよね?

 その『エナジーバスター』?ってのに参加出来なかった理由が?」

 

 なんと問題視されていたのは、あの謎の寸劇だったというのだ。

 思い返してみれば、確かにあの奇行に『役者』という観点で言えば場違いな筈の大輝が参加しており、仮にあの場におけるメルトの立場が鴨志田であったなら、当人達にとっての初共演と認識されていたのかもしれない。

 しかしながら、あの場に鴨志田の姿が無かった事は紛れもない事実であり、逆に参加していたメルトにしてもボーボボ達からの『人手が足りない』というやむにやまれぬ事情を受けての行動である事から、仮にその場に鴨志田がいたならこの諍い自体が発生しなかった可能性すら出てくる。

 

「...確かに、そこを説明しなきゃ筋が通らないよな...。

 すいませんボーボボさん、手を貸していただけますか?」

 

「果汁グミ二袋で手を打ってやる。

 ほらよ。」

 

 アクアの問いに答えなければ、自らの怒りの根拠を示せないと判断したのだろう鴨志田がボーボボへと声を掛けると、彼もまたこの諍いの速やかな収束を望んだ故か、自らのアフロを蓋の様に開いた。

 開いた部分がそのまま画面の様に変化し、これによって鴨志田の事情を視覚的に他の面々へと伝えようと言うのだろう。

 

(何それ⁉︎ えっ、それどうなってんの⁉︎)

 

『今から6年前、鴨志田朔夜この時16歳である。』

 

(そんなとこから振り返んの⁉︎ っていうかウチらはもう帰ってもいいんとちゃう⁉︎)

 

『高校からの帰り道、楽しみにしていた漫画の単行本の新刊を求めて本屋へと急いでいた鴨志田少年にこの日、彼の運命を変える出会いが訪れる。』

 

『やばいキャモぉ...、走ったせいで心臓痛い...。

 大人しく歩いておけばよかったキャモぉ...。」

 

「いや誰あの人‼︎⁉︎」

 

 画面の中の鴨志田だというらしい少年の姿に、初対面であるルビーですら驚きの声を上げるが、それも致し方ないか。

 黒髪であるのは当時高校生であった事から理解が及ぶものの、髪型や服装、スキンケアに気を遣っている様子は全く無く、体型も体の肉付きを考えれば現在よりも大分ふくよかなものなのだ。

 

「これが昔の俺さ...。

 ただの漫画やアニメ、ゲームが好きな、所謂量産型のオタクってやつ。」

 

「...ですが、鴨志田さんの原作リスペクトの凄まじさが分かります。

 単純に『好きだから』...、研究意欲としてこれ以上のものは無いでしょう。」

 

(...えっ、あの変な語尾はスルーなん⁉︎)

 

 かつての自身の姿を自嘲気味に語る鴨志田だが、その姿にこそアクアは彼の2.5次元俳優としての水準の高さの要因を見出した。

 彼の過去がどんなものであろうが、役者としての実力を下方修正する要因とはなり得ない。

 寧ろ、2.5次元俳優として活動を始めた時、2次元のキャラクターの心情やキャラクター性を3次元の存在がストレートに演じる事に抵抗が無かった故に、今の地位を確立したのだろう。

 

『ふう、やっと落ち着いてきた...。

 慣れない事はするもんじゃ...ぬわーー‼︎⁉︎」

 

『ああん‼︎

 ちょっと、どこ見て歩いてんのよ⁉︎』

 

『おやびん⁉︎

 後ろから中身ちょっと出ちゃってますよ⁉︎』

 

 曲り角の向こう側_鴨志田から見れば死角になる道からやってきた者と彼が衝突してしまう。

 衝突の跡を残すかの様に、彼の制服の腹部には大量の茶色い物体が付着しており、ぶつかった相手が手にしていたものなのだろう事は予想されるが。

 

『何なんだ一体...。

 って、うわこれチョコ⁉︎

 あの、大丈夫でし_』

 

 自身の腹部に付着した物体_チョコレートの存在に顔を顰めつつ、ぶつかった相手の身を案じる言葉を掛けようとする鴨志田だが、その口は対象の姿を見た衝撃で固まってしまった。

 

 ラブコメ作品の古典的な展開として、『パンを咥えて走る少女』というものをご存知だろうか。

 学校に遅刻しそうになっている主人公やヒロインが、食事をしながら懸命に学校へ急いでいるというもので、今回の鴨志田達の様に曲がり角で衝突してしまった相手とラブコメ展開に発展するというのが大まかな流れとなる。

 ぶつかった衝撃で、咥えていたパンに付いていたジャム等が自分か相手の服にベットリ_という最初の会話の下地となっているのだろう。

 そう、普通なら『パンを咥えている相手』である筈なのだ。

 

『大丈夫じゃないわよ‼︎

 パチ美の「運命の相手と街角エンカウント」作戦が台無しじゃない‼︎

 アンタとぶつかったせいで後ろからもチョコ漏れちゃってるわよ‼︎』

 

 チョココロネに顔が付いている_そう形容するしかない謎の物体とぶつかる等と想像出来る筈が無いのだから。

 巻き貝の様な形状に巻かれたパン生地、中央の空洞に注入されたチョコレート_その存在の外見的特徴は間違いなく巨大なチョココロネと言えるのだが、チョコレートが入れられる大きな空洞の入口には顔が、そしてよく見ればパン生地の下や横から手足が出ているのが確認出来る。

 その後ろで、恐らくは細い口から漏れ出たチョコレートを必死に中に戻そうとしている男性は、この謎の物体の保護者か何かなのだろうか。

 

「一目で確信したよ。

 『コイツは凄え』って...。」

 

(まあ確かに凄いは凄いけど...。)

 

『全くもう‼︎

 ...あら、アナタちょっと顔を見せなさい。

 ...成程ね...、アナタ今時間有るかしら?』

 

 そんな謎のチョココロネこと首領パッチと破天荒への第一印象は兎も角、かつてのバカが鴨志田少年の顔を観察し、何やら考え込んだ様子だ。

 服がチョコレート塗れになってしまった為に本屋に行く事は諦めたのか、彼も大人しくバカの指示に従うが。

 

『じっとしてなさい。

 「アルティメット・メイクアップ」。』

 

 以前鮫島に対しても炸裂した彼の得意技_アルティメット・メイクアップが繰り出される。

 現在の鴨志田の姿を知る故に、その素材の良さを看破したという事だろうか。

 

『こ、これが...、俺...?』

 

「いやメイクでどうとかそんなレベルちゃうやん‼︎

 贅肉どこ行ったん‼︎⁉︎」

 

 そんな謎のメイクを施された鴨志田の姿たるや、髪の色が黒い以外は現在とほぼ同じ状態になっていたのだ。

 何やら騒いでいるみなみをルビーが必死に宥めているが、これはメイクと言ったらメイクなのである。

 

「こうして、俺は今の体型に変わって、おやびんからカミキさんを紹介して貰って役者を始めたんだ。

 ...まさかこんなに仕事が貰える様になるなんて思ってなかったけどな。」

 

「...しかしまぁ、こんな急に変わったら周囲の反応も相当変わったんでは?」

 

「...ああ、何か急に色んな人に声掛けられる様になって、人間不信になりそうだった...。

 そもそもクラスの上位カーストの奴らと話なんか合わねえよ...。

 それこそ鳴嶋、お前みたいなのって大体意味も無くダル絡みしてくんだろ。

 それで、上手く返せないと『ノリ悪い』とか言ってきやがって...。

 つまんねえのはテメェの話だろバカって心の中で思ってたわ。」

 

「...何か色々スンマセン...。」

 

 容姿の急激な変化によって、確かに周囲の見る目は変わったのだろうが、それを本人がポジティブに受け取れるとは限らないだろう。

 前日迄は全く交流の無かった者に声を掛けられた挙句、扱いがぞんざいなものであれば相手に嫌悪感を抱くのも無理はない。

 そんな鬱屈した思い出とメルトの経歴から連想したイメージを合わせて、彼に対する理不尽な対応へと繋がったという所か。

 

「鴨志田さん、あなたの外見は変わっても人間性は変わっていない。

 しかし、あなたをよく知らない人はそれをどう判断すれば良いのでしょう?」

 

「そ、それは...。」

 

「人を見た目で判断するなってよく言うけど、それはあなたの方もそうだったんじゃないかな。

 折角外見が良くなったんだから、自分の趣味の事を少し話してみたら、全然反応が違ったかもしれない。

 人に受け入れて貰う為には、まず自分が人を受け入れないとじゃない?」

 

「もっと自分に自信を持って下さい。

 あなたは既に、舞台の上で多くの人を魅了する力を備えています。

 周りの人は、既にあなたを受け入れる準備が出来ていると思いますよ。」

 

「くっ、俺の負けだ...。」

 

「見なよ、あの夕日を。

 世界はこんなに明るいんだって言ってるみたいだね!

 これにて、一件落着かな。」

 

 やっぱり、天の助とルビーが締めた。

 

 

 

「帰ろ、何かもう疲れた...。」

 

「...そうだよ、ちょっと待ってアクア‼︎

 俺相談したくて待ってたんだって‼︎」

 

「...そういや鴨志田、結局何でお前『エナジーバスター』の所にいなかった?」

 

「...飲み物買ってたら先に始まっちゃってて...。」

 

「テメェのせいじゃねぇかーー‼︎‼︎」

 

「ぎゃああぁぁぁぁ‼︎‼︎」




 裏設定ですが、拙作中の鴨志田さんは彼女いない歴=年齢、DTのつもりで書いています。
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