待て、それ以上近付くな! 俺の性癖が歪む!   作:POTROT

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ヤバすぎる服とヤバすぎる女

 ヤバい女と言うものは、得てして存在する。

 一様にヤバいと言ってもその方向性は様々であり、メンヘラであったり、ヤンデレであったりと多種多様に分類され、各地に点在するのだ。

 かく言う俺の中学校にも、ヤバい女と言うものは確かに存在した。

 

 そして、それはキヴォトスも例外でない。

 それどころか、キヴォトスにはヤバい女が溢れていると言ってもいい。

 俺が知っている中でも、やたらと銀行強盗をしたがる狼とか、気づいたら近くに居る看護師とか、勝手に人のベッドで寝てるメイドとか、油断してたらすぐに盗聴器を仕込むハッカーとか、隕石を降らせるメンヘラとか、煽動が大好きすぎて手段と目的が入れ違った奴とか……なんかもう多すぎて挙げ切ることが出来ないほどだ。

 

 そんな中でも、ゲヘナ学園風紀委員会の行政官である天雨アコは、トップクラスにヤバい女として認識している。

 その理由は幾つかあるが、やはりその最たるものは────

 

「服が馬鹿(ヴァカ)すぎるんだよなァァァァッ!!?」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああッッ!?」

 

 ドンドンと叩かれるトイレの扉を、背中で押さえながら叫ぶ。

 すると扉の外からヒステリックな叫びが返り、バンと一際大きく扉が叩かれた。

 

「何ですか! 何なんですか! 私の服のどこがおかしいって言うんですか!?」

「おかしいところだらけだわ(ヴァ)ァァァァァァァァァ鹿()!!」

 

 そう、彼女の服はおかしいところだらけなのだ。

 数日前にもチナツが彼女の服装を擁護しようとして、しかしどんな文句も思い浮かばず言葉を詰まらせてしまったように、彼女の服装は明らかに常軌を逸している。

 そんな常軌を逸している点は幾つかあるのだが、その中で最もヤバいものと言えば……

 

「まず何なんだその横乳はァ!? ふざけてるのかァ!?」

 

 そう、『横乳』。

 彼女の服で最もヤバいのは、やはりその『横乳』だ。

 

 順を追って説明しよう。

 まず、彼女は藍色の制服らしき物を纏っているのだが、その胸部分には大きく穴が空いており、そこから思いっ切り乳房が飛び出している。

 もちろんシャツは着ているので本当にヤバい部分は見えてはいないが、それでもしっかりと飛び出している。

 わかりやすく言えば、乳袋の袋部分が完全に取り払われている感じだ。

 

 ……しかし、ここまでは百歩譲ってまだ良いと言えるだろう。

 アコのそれはだいぶ大きいので、普通の制服だとキツすぎるから、と考えればまだ自然だ。

 いやまぁ、自然と言ってもだいぶ無理はあるが。

 

 しかし、そんなことは些細な問題である。

 ここで最も大きい問題は、乳房を覆うシャツの、その横部分が大きくカットされている、と言うことだ。

 おかげで、それはもうしっかりと横乳が露出している。

 

 もう意味がわからない。

 制服の胸部分を開けるだけならばまだしも、シャツの横を開けて横乳を露出させるともなると、本当にその意図が全くもって理解できない。

 あまりの意味不明さに、前の世界のネットでは、アコは横乳で排熱してるとか、横乳で呼吸してるとか言う訳のわからない仮説が通説として広まってしまうくらいには意味がわからない。

 ちなみに、キヴォトスでもその通説は広まっていたりする。流石のキヴォトス人もあの服装は流石に意味不明と感じるらしい。

 

 とにかく、本当に訳がわからないのだ。

 その上で破壊力が死ぬほど高いのだからやってられない。

 本当にマジで勘弁してほしい。

いきなり制服を変えろとは言わないが、せめて下着を着てほしい。

 

「はっ、はぁぁぁぁぁぁッッ!? なっ、何を言ってるんですか!? セクハラですよ!?」

「セクハラはどっちなんだ馬鹿(ヴァカ)! ってかそれだけじゃねぇぞ!」

 

 そう、これだけではない。

 この時点で既にお腹いっぱいなくらいにヤバいが、それだけではない。

 

「その脚は何なんだよ! 何でそんなに無防備なんだよ! もっと隠せよ!」

 

 そう、アコは脚もヤバい。

 膝10センチ上くらいまでタイツこそしているものの、そこからはしっかりと太ももが露出しているし、何なら尻も下の部分が露出している。

 それより上はスパッツのようなもので隠されてこそいるものの、明らかに出し過ぎである。

 普通ならタイトスカートでも穿くのだろうが、何故かアコはそのまま出して来た。

 ハスミやスズミ、ユウカですらこのレベルでは無いと考えれば、どれだけ異常なのかがよく分かるだろう。

 

「動きやすいんですから仕方ないでしょう!? 私は風紀委員ですよ!?」

「お前どっちかって言うとメインは事務作業だろうが! 実働じゃねぇだろうがァ!!」

 

 そう、アコのメインは事務作業なのだ。

 デスクに向かっている時間の方が、動いている時間よりも圧倒的に長いだろう。

 そのため、ハスミやスズミと違い、動きやすくする必要というものが殆どない。

 殆どない、はずなのだが…………

 

「まぁいい……いや良くねぇが! 全く良くねぇが一旦置いておく! んで、極め付けはその首のベルだ! 何のためにしてるんだそれはァ!?」

 

 そう、アコは首に何故かベルを装着している。

 いわゆるカウベルと言う、家畜を見失わないようにするため、家畜につける代物である。

 そんなものを首につけていると言うことはつまり……

 

「何だ!? 家畜か!? 私は家畜ですってか!? どうなんだよオイ!」

「はっ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!? だ、誰が先生の奴隷ですかっ!?」

「……はぁッ!?」

 

 あまりの意味不明な発言に、思わずほんの一瞬だが呆けてしまった。

 しかし、すぐに意識を取り戻し、反論する。

 

「いや誰もンな事言ってねぇだろうが!? 何でそのベル付けてんのかって俺は聞いてるんだが!?」

「五月蝿いです! とにかく私は傷つきました! 謝罪です! 謝罪を要求します!!」

「おかしい! おかしいだろうが!! 何で俺がお前の勘違いに対して謝罪せにゃならん!」

「さぁ早く! 早くここを開けて土下座してください! 私の足を舐めるでも良いんですよ!?」

「良くねェ!! 何にも良くねェ!! ちょっ、オイ! やめろォ!?」

 

 クソッ、コイツ、サッパリ話を聞きやがらねぇ!?

 ああもう、これだからコイツは苦手なんだ……!

 ええい、こうなったら……!

 

「オイ! オイ良いのかアコォ! 今すぐに止めねぇと、首輪に繋がれたお前の写真を、お前が敬愛してやまないヒナに見せる事になるぞッ!?」

「なっ、なななななっ……!?」

 

 絆ストーリーの時の首輪アコの写真はしっかりと撮ってある。何なら動画とかもある。

 アコに対する切り札として使えないかと用意していたが、まさか本当に役立つ日が来るとは。

 これが備えあれば嬉しいな*1、と言う奴か。

 

「……ッ、な、何が目的ですか! 私の体ですか!?」

「違ぇわ馬鹿(ヴァカ)! 特に何もしねェ! とにかくまずはそこを退け!?」

「違います!」

「『違います』!?」

 

 何で!?

 

「そんな事を言って、どうせ私の体なんでしょう!? くっ、やはり先生も所詮は性欲たっぷりの生殖猿! 私に酷いことするつもりでしょう!? ◯◯同人みたいに! ◯◯同人みたいに!!」

「しねェよ! しねェって言ってんだろうが! うおおおおおおおおお!? やめろやめろやめろやめろやめろ!? 開けようとするんじゃねェ!?」

 

 クソッ、この野郎! 本気で開けにかかってきやがる!?

 

「先生! ふざけないで下さい! 先生が私を襲おうとするなら、私も先生を襲おうとして何故駄目なんですか!」

「そもそも勘違いな上、論理が飛躍しすぎなんだよなぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

「私は年上ですよっ!?」

「知るかァァァァァァァァァッ!? うおおおおおおおおおおおおおおおッッ! 誰かァァァァァァ! 何とかしろォォォォォォォォォッッ!?」

 

 

 ※この後助けに来たトキのおかげで何とか事なきを得ました。

*1
ミスにあらず




 トキは常駐組の一人です。
 BDで授業を受けつつ、シャーレ傘下の不良受け入れ所の管理をしています。
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