「リンネさん!公式から企画の招待きたんですけど参加します?」
「へ?そんな話あったっけ?」
「ありましたよ?」
「……あ、通知オフにしてたっ!」
「ふふっ、相変わらずドジですね?」
まぁそこが可愛いんですけどねっ!!
あのアイス屋さんとのコラボは最終的に大成功を収めた。
売り上げも当初の予定以上に上がり、リンネさんが追加で支払っていた。
あれからも店主さんはご健勝らしい。
よかったぁ……
「だってゲーム中に邪魔が入るのって嫌じゃないっ?あ、右きてるよ〜?」
「確かにわかりますけどね……あ、右やりました」
「りょうか〜いっ!じゃあさっさと残り二人やって……やったぁあああっ!!」
「ナイスですリンネさんっ!!」
そして現在リンネさんと社内にある部屋でゲーム中。
……推しとゲームできる関係になるなんて人生何があるかわからないね?
「……で、なんの話だっけ?」
「公式企画の話ですよ!私も内容まだ聞いてないんですけど……」
「じゃあ一緒に確認しよ?栞ちゃん携帯見せてー!」
「えっと、企画部連絡で参加者は司会の私とリンネさん、それにクドさんとトリトさんですね……企画内容は……へ!?」
「どうしたの?」
「い、いやこれ……参加するんですか?」
「えぇっと?……あっは!企画部の人面白いね?参加しよっかっ!」
「参加するんですか!?ていうかクドさんなんて人間ですよ!?」
「クドくんは人間のバグだから平気平気っ!」
いや、これは誰もが私と同じ反応をすると思う。
だって企画が……
「そ、そもそも電気椅子人狼ってなんですか!?」
* * *
「公式地獄企画っ!?電気椅子人狼っー!」
「「「「いぇーいっ!!」」」」
始まってしまった……まぁ私は司会だから大丈夫だけど。
ちなみに私は異例の速さでできた3Dの体で動いてます。
黒目に茶髪のロングヘアー。そんなザ、日本人みたいな体にOLさんがよくきてるスーツ。
私というイメージがそのまま具現化したような感じだろう。
まぁリアルだとトラッキングスーツだから全身黒タイツなんだけどね……
入ってきたとこから気づいていたけど撮影会場には椅子が4つ並べられている。
あれは電気椅子なのだろう。
あと司会用の椅子が一つ、腰が痛くなるから結構助かる。
「それじゃあ挨拶をみなさんっ!お願いしますっ!」
「じゃあ私からっ!みんなこん琴ー!琴吹リンネだよー!はい次クドくんっ!」
「みんな敬礼!騎士団のクド・ブルームだ!じゃあ次!」
「え、あ、どうもトリです」
「おい真面目に挨拶しろよぉ!?これ公式企画だからな!?大先輩もいるからな!?」
「あっはっは!ハイみんなハロトリトっ!!トリトールです!」
紹介が遅れたが、彼女は不死鳥の末裔という設定のVtuber。
あと珍しく苗字がない。
破天荒な性格も相まってよくぶっ飛んだことをしている特徴がある。
……あとご存知の通り配信クラッシャー御三家の一人でもある。
残りはクドさんと……
「ハロっ!雷電ボルトだっ!」
急遽参加した雷の神という設定のVtuber、雷電ボルトさんである。
金髪に黒のメッシュ、それでいて少女みたいな可愛いお体……俗にいうロリである。
そしてトリトさんが破天荒、クドさんがビビりだとしたら彼女はポンコツである。
ゲームもよわよわ、機械音痴、という配信向けじゃないところがあるが、上手いトークにポンコツ+少女のガワによって生み出される庇護欲はやばい。
ただお口は少し悪めなため煽り愛は見どころしかない。
ちなみにボルトさんの配信名物、アリスさんとの煽り愛は一度見た方がいい。
絶対後悔はさせない……!
そして昔、経営苦だったらいぶとーく!を支えた一人でもある。
「そして司会のリンネさんのマネージャー、杏です!」
私がここに並んでることが夢みたいだが、これは仕事。
しっかりしないと……!
「ルールを説明しますっ!みなさんが座っている椅子には電流が流れる仕掛けが施されております。そして電流は人狼の方のみ流れます!そして人狼の方はラウンドが終わるまで人狼であることを隠してください!」
「え、それって倫理的に大丈夫?絶対痛いでしょ?」
「参加するかは自主性だから痛いのをわかってるクドくんはドMですよっ……!騎士団のみんな……!」
「とーくらいぶ!豆知識その1、クドくんはドMっ!」
「ちょっとボルト先輩!?何言ってるの!?僕はドMじゃないよ!?」
「でもクドくんってビビりなのにホラゲーやるよねっ?」
リンネちゃん痛いとこつくなぁ……あ、説明しなきゃ!?
「説明を続けてもいいですかね?会議ラウンドは五分間で、その間に人狼にはランダムで電気が流れます。それに対して反応しないで村人を騙してください!わかりましたか〜?」
「わかったよ杏!ありがとねっ!」
「いやぁ……後でいっぱい褒めてください!」
まぁ社長から言われたことだしやらないとだよね……ノルマ達成!
これ以上は私の心臓が持たないっ……!
「後でお部屋戻ったら一緒にゲームやろうねっ!」
「あたし最近この二人のカプいいと思うんだけど……クドくんはどう思う?」
「複雑以外にあると思う……?」
「あ、この二人ってやっぱりこういう感じなんだな……いいなぁ、それに比べてあいつときたらよぅ……!」
「先輩には愛しのアリス先輩がいるじゃないですか?僕いいと思いますよ?煽り愛……」
「はぁ!?なぁんであいつとだぁ!?けっ!あいつ血ぃ吸ってくるからやなんだよぉ……」
「まぁアリスさん吸血鬼ですもんね……じゃなくて進めないと!?現在カンペで進めるよう急かされましたので、ゲームをスタート……へ?私の椅子を並べろ?」
ディレクターさんが指示を出したカンペをめくり次の指示を出す。
そこには私の椅子も隣に並べるという旨の指示だった。
「……もしかして私も参加ですか?嘘ですよね?」
カンペは……参加を指示してきた。
嘘だぁ……私は司会だから参加したのに!?私人間だよ!?
……え、なになに?電圧は調整してるしてぇてぇが多い方が再生数が伸びる?
再生数は命より上なのか……
「参加ですかぁ……?」
「私杏と一緒にやりたいなっ!だめ?」
「やりましょうっ!!さ、ゲームマスターを私できないんで……クドさんのマネージャーさんお願いできますか?」
「え、はいっ!」
「僕この変わり身の速さが怖いんだけど……」
「いやぁ……てぇてぇっ!」
「ボルトもそう思う……トリトっ、これから私とお前は仲間だっ!」
「はい先輩っ!」
「そ、それじゃあ電気を流します。人狼の方はバレないようにお願いしますよ?」
怖いなぁ……
空気に緊張が走る……あ、これ自分じゃない場合は周りの反応も見なきゃいけないのか。
「電気を流しました、それでは5分間の会議をお願いします」
今回の私は人狼じゃないみたい……よかったぁっ!
周りは……特に反応はないみたい。
「それじゃあ……リンネさんはとりあえずないですね」
「ま、マネちゃん?それはどうしてだい……?」
「私がリンネさんの表情の機微に気づかないと思います?」
「杏すごいね……さっすが私を初配信から追ってくれてるだけあるねっ!」
「そこで引かないリンネちゃんもすごいよ……?」
「ボルトの後輩……つ、強すぎっ!?」
「説得力しかないね……さっすがあたしの弟子だよ!!」
「私弟子入りしてませんよ!?」
さて現在経過時間3分、残り2分で人狼を見つけなきゃ行けないわけだけど……
これ本当にいるのかな?さっきから会話してるけど誰も違和感がない。
一人ずつカマをかけてみるか……ってなにガチになってるんだ私!?
「そういえばこれ企画案にはボルトさんの名前が無かったんですけどどうして参加をしようと?」
「いやボルトは雷の神様だし参加しないのは威厳に関わるからな!」
「……ん?てことは雷効かないのでは?」
「流石にバリアは切ってる!せっ、正々堂々と戦わなきゃ神の名が廃るってもんよっ!」
「そうですか……」
なんかさっきから吃ってたり言葉が跳ね上がったりしてるな……?
結構怪しいかも……
「トリトさん、あの後クドさん大丈夫でしたか?」
「あの後?……あー案件配信の時の?恐怖でぶっ倒れてたから私が看病したよっ!」
「はぁ!?汗を拭くって名目でいろんなとこ触ったくせになぁにが看病だ!?」
「あれを目の前にして触らぬのは無作法というもの……」
「とーくらいぶ!豆知識その2、クドくんは巨乳!ふざけんにゃっ!」
「そういうボルトさんも結構ありますよね?」
そうガワこそ少女だがお胸は結構ある。
ぱっと見Dくらいかな……?
「隠れ巨乳だからいいんだろうがっ!」
「そ、そこ……?」
「あ、アリちゃんは小さいどころか無いけどねっ!」
「「「「あ」」」」
「な、なに!?なんでみんな固まってるの!?」
次の瞬間、撮影部屋の扉が力強く蹴り開けられた。
あれ結構重たいのに……!?
扉があった場所には一人の人影が……あ、ボルトさんご愁傷様です。
「なぁボルトぉ……私がなんだってぇ?」
クドさんとはベクトルが違うかっこいい声が響く。
「あ、アリちゃん!?なんでここに!?というか今撮影中だぞ!?」
「んなもん関係あるかぁ!!」
「あぁ!?本当のことだろうが!?というかなんで聞こえてんだよ!!防音だろうがこの部屋!?」
「生まれつき耳がいいんだよ!!苦労するくらいにな!!」
彼女は不死川アリス、吸血鬼のVtuberである。
青紫色のポニテに赤紫の目、イケメンな顔立ちも相まって女性のリスナーも多い。
そして経営苦だったらいぶとーく!を支えた一人でもある。
……今日説明してばっかじゃない?
「今撮影中なんだからでてけよ!!こっちゃあ公式番組だぞ!!」
「え……あ、まぁ知ってましたけど!?」
と言いながら申し訳ないというジェスチャーをこちらに向けてくる。
実はらいぶとーく!でも数少ない常識人で、なんだかんだまとめ役だったりもする。
「じゃ、じゃああたしはもう行くけど後で覚えてろよボルトっ!!」
と言って撮影部屋を出て行った。
さてお分かりいただけただろうか、実はこの二人。
煽りあっている最中ずっとニッコニコだったのだ。
この時の二人を誰が言ったか煽り愛といい、それがカップリング名になった。
ちなみに当人たちはリスナーにこれは社長に言われたから仕方なくやってるだけと言っている。
これが相まっててぇてぇのだ。
「さて、色々ありましたが……投票のお時間です!」
「精査する要素無いでしょっ!?時間延長してー!僕のマネちゃんでしょー!」
「今はここのゲームマスターですので、では指を指してください!」
結果は……トリトさんとリンネちゃんと私がボルトさんに指を差し、ボルトさんとクドさんは私を差した。
私疑われる要素あったっけ……?
あ、リンネちゃんに即白出ししたことかな?
「ちなみに、吊られた人狼は最後に大きく電流が流れます!」
「え、私の台本にそんなこと書かれてないんですが!?」
ディレクターさんたちをみるとニヤニヤしながらこちらを見ていた。
そう、つまり計られたのだ。
「最初からドッキリでしたね……?やりましたね!?本当は終わったら飲み物でもと思って皆さんに買ってきてたんですけど……後でリンネさんと一緒に飲むことにしますっ!」
お、カンペが更新されて……それはそれでてぇてぇから良しぃ!?
「サラッとリンネちゃんと一緒にいる前提なのがまた……いいっすねこれ」
「トリト、やっぱり杏琴てぇてぇしか勝たんのよ……ボルトはクールにさるぜ……」
「人狼は……ボルトさんでしたっ!!(ヤケクソ)」
「ぴぎゃぁああああああああああああ!?」
「ちょっ、ボルトさぁああああああんっ!?」
人狼はボルトさんだったみたい……って電圧強くない!?
大変遅くなってしまい申し訳ありませんでしたっ!
普通に展開に迷いに迷って……気をつけますっ!
さてここで告知なのですが、明日の14時に最近書いた新作を出させていただきます。
内容的に結構人を選ぶ作品だと思いますが、興味のある方はぜひ見にきてください!
ちなみに主人公は狂ってます(ここ大事)