「ちょ、大丈夫ですか!?」
目の前でボルトさんの体がビクビクッと跳ねて椅子から崩れ落ちた。
落ちた後も体を震わせて痺れている。
え、これ大丈夫?
「だ、だいじょうぶいっ!だって雷神だもんっ!」
「よ、よかったぁ……」
「まぁボルト先輩だし大丈夫だろうなってのは思うよね……」
「クドくんそれあたしも思うなぁ。ボルト先輩はギャグ補正かかるタイプだしさ?」
「それだっ!トリちゃんありがと!おかげて言語化できたっ!」
「おい後輩s!?ボルトは先輩やぞ!?なのになんで先輩だし大丈夫でしょうみたいになるん!?」
そうしてスタッフの間に笑いが起こる。
不憫枠の座でありながら反応が面白いのってボルトさんの強みだよなぁ……
煽り愛の時とか顕著だけど……てぇてぇからよしっ!
「それじゃあボルトさんも復活したことですし2回戦目やりますか!」
「まだやるの!?ボルトのお尻焦げちゃってるんだけど!?」
そう言ってお尻をカメラに向けてわかりやすく振る。
これでセンシティブにならないのも才能だよなぁ……
「雷神なら治してください、それじゃあ座ってくださいね〜!」
「ひどくない!?ちょっとクドくんのところのマネちゃんどうなってるの!?」
「すみません後できつくいっておきますので……」
「さて、クドさんの配信ペースどうしよっかなぁ〜、多くしたら騎士団の皆さん喜ぶだろうなぁ〜」
「すみませんでした……そのままお続けください……!」
「クドくんっ!?負けちゃダメだよっ!?」
「あっは!クドくん弱み握られてるじゃん!そんなに配信やなの?」
「違うよ!?僕の配信日程みたい!?毎日だよ!?」
「え、普通じゃない?私杏にお願いして毎日にしてもらってるよ?」
「え?」
「そうですね……まぁ休んで欲しいのが本音ですが」
「あたしもほぼ毎日だし違和感ないけど……まぁクドくん人間だし!ね?」
「あれもしかして味方いない……?」
「だ、大丈夫だクドくんっ!ボルトは味方だぞっ!私なんて毎日やってて壊れてBANされたこともあるから休みたいのわかるぞっ……!」
「いやボルト先輩のは平常運転でBANされてるでしょ?」
「あれぇ、私フォロー入れたはずなんだけどなぁ!?」
流石ボルトさん……神様に好かれてるのでは?
あ、雷神様だった……!?
「……あっは!」
「リンネちゃん耐え切れずに笑っちゃってるし……ボルトって先輩だよね?」
「お手本になるいい先輩だと思いますよ!ま、まぁ反面教師としてですが……」
「おいトリト!?お前ひどくない!?」
「でもボルト先輩のおかげで私たちも一層気が引き締まったんだよ!前例を残したいい先輩だと私は思うけどなぁ……」
「それはそうかも……僕もあの一件から一層気をつけてるし」
あの件というのは、前にボルトさんが配信を切り忘れてしまい結構な爆弾発言かましてしまったという事件のことだ。
配信では載せられない言葉と音が当たり前の如く乗ってしまったためアーカイブは削除されてしまい伝説の放送事故となった……ちなみに配信が終わったのは翌日の早朝である。
さて説明はさておき……
「……先輩?これどうします?」
「これがらいぶとーく!ですよ杏ちゃん……待って杏ちゃんって言っちゃった!だ、大丈夫ですか?」
「私後輩なんで呼び捨てでもなんでも!あと敬語も大丈夫ですよ!」
「じゃあ杏ちゃんって呼ぶね!杏ちゃんはどうする?」
「私は変わらず先輩って呼びますっ!先人は敬意を払うべきなので!」
「わかったよ!今度一緒に飲みに行こうね!」
「わかりましたっ!」
クドさんのマネージャーさんと仲良くなれた……やったっ!
「マネージャーの二人が意気投合してる!これはボルトのおかげだなっ!」
「そうですね!ありがとうございます!さ、次のラウンドに参りましょうか!」
「い“やだぁあああああっ!ボルト焦げてるしもう帰るぅううっ!」
「わかりました、それでは次のラウンドへ参ります!今から人狼の方のみ電気が流れます!」
「おいぃいいい!?」
さて誰が……あばばばばばっ!?
び、びっくりしたぁ……!?
いきなり電気マッサージレベルの15くらいの電気がお尻に流れてきた。
それは私が人狼ということを表しているが……でも意外と良心的?
ボルトさんの時と比べたら弱い電流だしスタッフさんの言ってたことは本当みたい。
ば、バレないように頑張ろう……!
「電気を流しました、それでは5分間の会議をお願いします」
こういうのは早いもん勝ちっ……!
でもリンネちゃんに嘘をつくのは心が痛い……けど仕事っ!
「今回もリンネさんはシロですね……あってますよね?」
「そうだよ!……あ、杏が人狼かな?」
「……へ?ど、どういうことですか?」
「り、リンネちゃん?どういうこと……?」
「あたしもわからないけど……?」
「わかった!……ん?どゆこと?」
一同困惑……そりゃあ仕方ないよねいきなりクロ指名来たんだし。
ちなみに私もどうしてかわかってないよ!
「ちょっと先輩PONしないで!?じゃなくって、理由を聞いていい?」
「理由は杏と一緒!私も杏のことしっかり見てるんだよっ!」
そ、それは嬉しいけど……あばばっ!?なんでぇ!?
ランダムで流れる電流がちょうど流れた。
強さは変わらないがいきなりはびっくりしてしまう……
「実は杏ってね?何か決心した時に右手を握り直す癖があるんだよ!」
「そ、そうなんですか!?一切自覚なかった……」
理由は自分でもわからなかった癖のせいだそうだ。
確かに右手が強く握られている……なんで気づけたの!?
「らいぶとーく!豆知識その3、杏マネは決心すると右手を握り直す!」
「その豆知識いります!?あと私は人狼じゃないですよ!?」
「あと嘘つくときもだね!」
「えっと……あぁ!!握り直してるっ!!」
多分もうこれは吊られちゃうだろうし……一つ面白シーンでも作ろうかな?
「……リンネさん、一つお願いがあるんですがいいですか?」
「いいよ……」
「な、なんか始まったけど……」
「クドくんしーっ!」
「わぷっ!?」
寸劇が始まったことにクドさんが何か言おうとしたがトリトさんに口を封じられてしまった。
まぁ正直助かる……!
「正直に白状します……私は人狼です。ですがっ……!もし吊られるならリンネさんの手で吊って欲しいんですっ……!」
「そっか……わかったよ!ねぇクドくんのマネージャーさん、ボタンを貸してくれる?」
「は、はい……上から2番目のボタンです!」
「ありがとう……じゃあね、杏……!」
「ありがとうございます……では、また来世で……!」
リンネちゃんの細い指がボタンを押すと……先と比べて強烈な電流が流れてきた。
「あばばばばばばばばばばばばばぁああ!?」
「えっ!?ちょっ、杏!?大丈夫っ!?」
「い、生きてはいますが……けほっこほっ……な、なんで強く……?」
「大丈夫!?マネちゃん!機械に不備とかあった?」
「さっきボルトさんの時は普通に動いたのでないですね……ちょっと見せてもらっても?」
「う、うん……どう?」
「……リンネさん、つまみ回しました?」
「押した時に回ったけど……それがどうしたの?」
「えっと、言いづらいんですが……それ、強弱設定のつまみです……!」
「え、嘘、わたし杏を……!?」
自分のミスが原因と分かった瞬間、リンネさんの翠の瞳からハイライトが消える。
体が震えて息が荒くなってきている……これはトラウマの時の症状?
「ま、まぁリンネちゃん?失敗なんて誰でもあることだよっ!」
「そうだよ!へっ、それならボルトは何回やらかしてるのって話さっ!」
「それは誇らないでください?私は大丈夫ですよ!ほらこの通りピンピンしてます!」
「そ、そっか。そうだよね……よし、じゃあこれ返すね!早くつぎのラウンドにいこう!」
そうして元気を取り戻したかのように見えるリンネちゃん……でもそれは見せかけだろう。
私は初配信からのファンっ!気づかないわけがないっ!
お互いの表情や言動で気づけちゃうの愛じゃないですか?
私はこういうシチュが大好きですね!
皆様はどう言ったシチュが好きですか?感想欄で教えてください!