※誤字脱字等ありましたらご報告のほどよろしくお願いいたします
※原作第1話~第8話までスキップしております。ご了承ください
はっはっはっはっ…
休日の町中、人通りがそれなりの中マスクをつけながらのランニング
オフの時でも汗を流す意識の高い俺の名前は宵越竜哉
能京高校に入学して中学生までにやっていたサッカーから卒業して生配信ライフを送ろうとするも、半ば脅される形で『カバディ部』へ入部することを余儀なくされた不幸な男子高校生だ
断じて!カバディを面白いと思ったわけではない、強いて言うなら勝たなきゃつまんねーからだ。勝つために必要だって言うなら今のようにスタミナを付けるためのランニングも決して嫌ではない
カバディという競技では
人が数人行き交う道での人の流れを読みながらのランニングは攻撃、
…とは言え、このくらいの人じゃ、ぶつかる事はないー…
ドッ
「やべっ!!」
「マーくん!?」
途中考え事をしていたからか、脇道から突っ込んできた男に反応できずぶっ飛ばしてしまった。すげー飛んだな…
いや、そんな事考えてる場合じゃねえ!
「わ…悪い!!大丈夫か!?」
「あたた…あ、大丈夫…!!僕は大丈夫です…こちらこそすみません…」
俺は慌ててぶっ飛ばした男の元へ駆け寄る。腕を掴んで立たせようとしたが、想像以上に力を入れないまま男を立たせることができた事に驚いた。軽っ!!!?
「病み上がりなものでフラついてしまって…あなたこそお怪我ありませんか…?」
「…いや…」
男のこちらを気遣う質問に軽くこたえながら観察する。一目で見て思ったのは『細くて死にそう』というもの。ジャージから覗く腕や脚、胸元すべてが細かった。この外見でランニングしている所を目撃しても俺みたいなスポーツの為というよりかは健康維持の為という方に思われるだろう
「マーくん大丈夫!?…あれ?あなたは…」
そうずけずけと内心目の前の男について考えていると男が出てきた脇道から
「ご、ごめんなさい!マーくんがなんてことを!!お怪我はありませんでしたか!?」
「あぁ、平気だ。気にしなくていいぞ」
女が慌てて俺に向かって謝ってくる。男と一緒にランニングをしていたのだろうか、ジャージを着用していた。身長も150cmくらいだろうか、ジャージから見える指と脚はこの男ほどではないが細かった。まあ女であれば別におかしくもないが
「…じゃあ僕たち、行く所があるので失礼します…」
女に返事をしていると男の方から別れを切り出してきた。だが男がそう言いその場を離れようとするや否や男の体がフラ~とゆらめく。いつ倒れてもおかしくない、とても大丈夫だとは思えなかった
「ちょっ…ちょっと待て!!!」
慌てて男へ肩を貸しながら周囲をみやる。どこか適当な休めるところはないか、よし公園だ!俺は女に断わりながら公園へ向かい男をベンチに座らせる。流石にこの状態の男を野放しにしてなにか事故にあわれでもしたらと思うと動かずにはいられなかった
「ほら、水だ。それとあんたももらっとけ、ランニング後なんだろ」
「すみませんお金…」
「いらん。俺のせいで倒れられたら困るだけだ。」
「ボクの方ももらっちゃってすみません…」
「水の1本や2本、大差ないから気にすんな。俺も飲みたかったからな」
2人に水を手渡しながら俺も水分補給する。男に水を与えた理由は言ったとおりだが、流石に女相手になにも渡さないのも具合が悪い。追加で俺の分も買って女の気を遣わせないこのムーブ、ふっ、なかなかイケてるのではないか
にしても、ボクか。そんな自称をする女は初めてだな。女は「わたし」とか「あたし」、「ウチ」と男と比べて色んな呼び方があるというのにあえてそれを選ぶのか、これが俗に言う「ボクっ娘」というやつなのか
「あの…、ボクら2人だけ座るのもアレなので、あなたも座りませんか?今スペースあけますので…」
「い、いや、気を遣わなくて大丈夫だ。その気持ちだけもらっておく」
そう、どうでもよいことを考えていると女の方が声をかけてきた。見ず知らずの俺相手にも気を遣うその礼儀の良さ、中学までの女の知り合いにはなかったものだ。これまでつるんできた女と言えば試合や練習中にキャーキャーやかましく邪魔しにくるやつか、「サッカークラブのエース」というスペック欲しさに声をかけてくるやつらばっかりだったから驚きだ。
ここで調子に乗ってジョギング明けで汗をかいている女の隣に座ったりしたらそれこそイケてる男とは言えないだろう。ここは相手にならって丁重にお断りしておこう
「それにしても、あんたの連れのその男大丈夫か?どっか痛めてたり」
「あぁ、本当に大丈夫ですよ。マーくんいつもこんな感じなので…」
「いつもあんなにフラついてんのか!?」
女の返答は信じられないものだった。どんだけ体弱いんだよ!?なんかかわいそうになってきたな
にしても、『マーくん』か、考えたくもないがこいつら
女から男への呼称はカップルのそれだと言われてもおかしくないが、2人の間にそんな甘ったるい空気みたいなものは感じない。きっと幼なじみとかそんなのだろう、俺は無理矢理そう納得することにした
男は渡した水を飲んである程度回復したのかぽつりぽつりと声をしぼり出す
「そうですね…一応高校で部活…スポーツやってるんですけど、どうも体を強くできなくて。昨日までケガで入院してたし…」
「ほ…ほう…部活…」
おれはなんとか返事をすることができた。マジかスポーツやってるのか、その体で。にわかには信じられないな
「今日、やっと部活に復帰するんです。…すごい新人が入部したって聞いてるんですよ
その新人…僕とポジションが同じみたいなので焦りもあって
ちょっとこの子と走り込んでたらフラフラしちゃいました」
なんか大変そうだなこいつ…
…励ますべきか?俺がどう返答しようか悩んでいると男が二の句を継げていく
「その新人さん、写真でしか見た事ないんですけどすごい大きくて…他のスポーツで有名な人なんですよ」
…なんか急に親近感湧いてきたぞその大型新人。この近くに俺みたいなやつがいるのか
だが、これで俺にも話しやすくなった
「俺の
だっ…だからお前も大丈夫じゃねーの?」
少し体がピクピク震える気がするが気にしない。こう返しながら頭の中に浮かぶのはカバディ部での思い出したくない記憶。
半ば脅された状態でのタイマン勝負で
少なくとも俺と男の言う新人が同じくらいの実力だとしたら、そんなに緊張しすぎなくても大丈夫だろう。俺のこの言葉に全く嘘はなかった
「そうですかね?あ、そういえば…あなたも走ってましたけど何かスポーツされてるんですか?」
「あ?俺は__」
男が軽く笑みを浮かべて俺に問いかける、そういえば言ってなかったな。なんなら男も何のスポーツをやっているのかも聞いてねえ。まぁいいか、この男がカバディを知っているのかは分からんが雑談程度ならデキるだろうとその質問に答えようとすると
「歓迎会の道具これで足りるかな~?」
「肉も買おう、骨付きのやつ」
妙に浮かれている様子の
「何してんだお前ら…?」
2人に声をかけるとなにやら慌てた様子でいる。何ならげぇ!!と明らかに俺がここにいることが想定外だといわんばかりの反応だ
「ナンデモナイヨ…」
この期に及んで隠しきれると思っているのか水澄はカタコトで反応する。せめて隠す努力をしろ
「いいんじゃないか言っても…」
伊達も呆れているようだった。その伊達の言葉を受けて水澄もようやく観念したようで頭をかきながら俺の方へ向く
「…今日は練習じゃなくて、
「畦道が来た時もやったんだ。遅くなったが、部長ともう1人が帰ってくる時にやろうと思ってな」
ふん、
ん?もう1人?俺と畦道以外にも1年がいたのか、ここ最近全く顔を見なかったがどんなやつなんだ?
俺はそのもう1人が誰なのか興味が湧いた。それとなぜここ最近部活に顔を出していないのか、2人に聞いてみると
「マジメなやつでさ、中学を卒業してすぐ
「部長と井浦さんとは小学校からの付き合いだそうでな、小学生の頃からカバディを一緒に習って『高校では一緒にカバディをしましょう!!』って約束もしていたそうなんだ
後、
話を聞く限り水澄の言う通りマジメなやつって感じだな、そのマジメさが祟ってケガした所はいただけないが。俺の頭の中では井浦の従順な下僕になっているメガネ(マジメと言ったらメガネだろ?)をかけたガチムチの姿が浮かぶ。いや、ガチムチかどうかは分からないんだったな
「ちぇっ!ビックリさせようと思ってたのに…」
水澄は未だにサプライズが失敗したことに未練があるようでグチグチこぼしている。だったらせめてとんがり帽は被るなよと言おうとしたがその時、水澄と伊達が俺の奥にいる2人を見て驚愕していた(伊達にいたってはちょび髭を落としていた)
「「ちわす!!お帰りなさい!!部長!!
「京平と真司!?」
「あ、ありがとうございます、お2人とも…」
奥にいた男の方はなんでここに水澄と伊達がいるのかについて驚いているようだった。女の方は2人の急な大声にやられたようで両手を耳に当てている
いや、待て待て!この見るからにか弱そうな男女の2人が話に聞いていた部長と1年生なのか!?
「ぶっ、部長ォ!!?」
慌ててマスクを外しながら2人を見やる俺、その俺の顔を見て男…部長はやっと気付いたかのように
「宵越、なんで一緒にいんの!?」
「よッ…『宵越』君!!?」
水をくれた上に話を聞いてくれた親切な人がまさにその大型新人だったことに驚くその様は俺と水澄、伊達にも引けを取らないほどだった
この時俺は確実にパニックに陥っていた。頭の中に思い浮かべていた部長と1年生が現実の姿と違いすぎていたからだ。だから選択を誤った。俺はこの選択をカバディ部に入ってからの思い出したくない記憶と同様に悔いることになるだろう
「おいおい、待て待て!!
俺は女を指さしながら2人を大声で非難する。いやダメだろどう考えても、タダでさえ接触が多い競技なんだ。小中学校のサッカーだったら人数の関係上男子に混じって女子がプレイすることはあると聞くが、カバディではそうもいかないだろう。ましてや俺たちは高校生なんだ。そういう
そう言った俺は決して間違ってないはずだ、そう思っていたのに周りはそうでなかったようで、部長は俺の指摘を未だ理解しきれていないようで頭をかしげ、水澄と伊達はかわいそうなやつを見るように俺を見る。なんでだ!?俺がおかしいのか!!?
「あー、そういう事か。マーくん、これお願い」
「あ、うん」
そう部長にスマホを渡して女が近づいてくる。女は俺の指摘を受けても全く動じず、なにやらニヤニヤとどこかで見たこの場にいない最上級生のような笑顔だった。
女は俺の元にたどり着くと俺の右腕を両腕で掴み自らの胸元へ…!!??
「バッ!!?」
「ボク、
導かれた先の感触は確かに女ならあるあの双丘は無かった、微かにもだ。
だが、俺や畦道などとも違いゴツゴツした胸板のような感触でもない。
どちらでもない、なんとも表現できない感触ではあったが、確かにこの女…
「お○ぱいはないけどちんちんなら付いてるよ、そっちも確認する?」
「するかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
この時御年15歳、宵越竜哉は『男の娘』を知った