※この度皆さんのおかげで、この作品の評価が赤ゲージにまで達することができました!!
本当にありがとうございます!!
☆9評価をしていただいた『豚バラ煮込み』さん
☆8評価をしていただいた『きたのさん』さん、『わけみたま』さん
評価して頂きありがとうございます!!
※この調子でこの1週間の内にもう1話、できれば2話上げたい所ですね
※オリ展開、オリキャラが登場します
※8/12 19:10 誤字呼称修正
――風呂場前廊下――
「あっ、
「ん、久しぶり叶」
「「「「……」」」」
――風呂場――
「カユい所は無い?いつも通り、前は自分でやってよね」
「ん、くるしゅーない」
「「「「……」」」」
――寝室(能京)――
「薫のマッサージするのも久しぶりだね。痛かったら言ってね~」
「ん~、ゴクラクゴクラク」
「2人の世界に入ってんじゃねぇ!!おい、姫沢ァ!なんでコイツをここまで連れて来てんだ!!」
「あ、宵越くんマッサージ?あとちょっとで終わるから良い子にして待っててね」
「マッサージはいらねぇし子ども扱いすんじゃねぇよ!!ってか、質問に答えやがれ!!」
ボクが横になった薫の上に乗ってマッサージをしていると、宵越くんが先程まで嫌に静かだったのを振り払うかのように爆発していた。そういえば皆にまだ薫のこと紹介していなかったね。ホントは風呂場で紹介しようかなって思ってたけど、薫と一緒に風呂に来ていた英峰1年生に連れ込まれて質問攻めにされたせいで出来なかったんだよね。
ま、おかげで英峰の1年生とは大分仲良くなれたんだけども。聞いてみれば、面倒くさがりの薫に大分振り回されていたみたいで同じ苦労を負った同士として最後には握手するぐらい仲良しになった。ボクの周囲にすごく湯気が立ってたから皆の顔は見れなかったんだけど、アレなんだったんだろうね?何か強い意志を感じたよ。ま、個々人の筋肉のクセは
とりあえず、あと少しだけ残していた薫に対しての施術を終わらせて能京の皆にも薫のことを紹介することにした。
「紹介が遅くなってごめんね。こいつは
ほら、薫も挨拶して」
「ん」
実はボク、来家家には立ち入らないようにってなっていたみたいなんだよね。薫と仲良くなったって帰ってきた両親に話してやっと知ったんだけども。来家家としては生きてるボク自身が黒歴史そのものだからあんまり関わりたくないらしい。
ま、薫がゴネたら解消される程度の杜撰な決まりだったんだけど。ま、ここでこじらせて
来家は父ちゃんの実家ってよりも薫の家族って印象が強かったからね。ま、来家家に遊びに行くよりもボクの家に遊びに来ることが多かったから今更どうでもいいか。
皆の誤解を解くためにどう切り出そうかと悩んでいると、宵越くんが声を上げた。
「『ん』じゃねぇよ。ちゃんと挨拶ぐらいしろ」
「……」
「黙ってんじゃねぇ!」
「ごめんね宵越くん。こいつ極度の面倒くさがりで挨拶もたまにしか返さないんだ」
「人としてどうなんだよそれは!!お前も甘やかしてんじゃねぇよ!!」」
「『人として』なんて言葉、宵越君から出てくるとは思わなかった…」
「どういう意味だ人見コラァ!!」
薫の無愛想な対応に思う所があったのか宵越くんが突っかかるも薫は相変わらずだった。宵越くんの方が正しいのに人見含む皆から弄られる始末。
…うん、本当にごめんね。帰ったら好物たらふく作ってあげるから許してください。
「宵越……人見……」
そう宵越くんに対して心の中で懺悔していると上の方からボソボソッと声が聞こえてきた。おずおずと上を見上げてみると、ぼーっとした表情のまま騒がしい宵越くんたちを物珍しそうに見つめていた。
久しぶりに薫のそんな様子を見たのでジッとしていると、ボクの腹に回されていた右腕が前方へと伸びて宵越くんを指した。
ってコラ、人を指さしちゃダメだよ。
「『不倒』宵越竜哉…一時期叶が五月蠅く推すほどのスター。確か今は叶が毎日押しかけ女房してるんだっけ。いつも叶がお世話になってる、ありがとう」
「おっおう…んだよ、ちゃんと話せんじゃねぇか」
先程までとは違いボソボソとはあるがしっかりした挨拶と共に頭を下げられたこともあり、噛みついていた宵越くんも慌てたように少しだけ頭を下げた。
ボクとしては少し突っ込みたい内容ではあったけどもせっかく良い空気に鳴りそうな所を邪魔する趣味も持っていない為『人に指さしちゃダメ』と軽く注意するに留めた。
頭を上げた薫は次に宵越くんの隣にいた人見の方を向いてまたもやボソボソと呟く。
「人見祐希…体育祭の時チアガールの服を着ていたと叶から聞いていたけど、こうして見ると納得だね。写真に残っていないのが心残り。今度撮らせてもらってもいい?他にもいっぱい着て欲しい衣装あるんだけど」
「ひっ!!」
「やめんかバカたれ」
人見に詰め寄ろうと立ち上がりかけた薫の左腕を抓る。あぁもう、人見怖がってんじゃん。サングラスかけてて表情が隠れている上に無駄に背が高いんだからもうちょっと気をつけてよね。しかも言っている内容がほぼ変態不審者のそれだし。
「ごめんね人見。この変態実はオタクでさ、ゲームのキャラの格好を人に着させるのが趣味の傍迷惑なヤツなんだ。ボクもよく着させられてね」
「叶は最初嫌々だったけど途中からノリノリになった。人見もきっと楽しくなること間違いなし」
「ボクはボク、人見は人見だよ。勧誘するにしても、もっと人見と仲良くなってからにしなさい」
とりあえず薫が暴走しないように注意しておくけど、実はそんなに心配していない。薫がそもそも積極的に人と絡みたがらないのもあるけど、こう見えて結構人を見てるからね。人見がそういうのが苦手なのも大体把握したことだろうし。
それから伴と関にも絡み始める薫。
そんなどうでもいいことを考えていると、案の定伴の声は薫に聞こえてなかったので伝言係として間に立つことにした。
2人の協力を取り付けた薫は上機嫌に残りの1人に声をかけようとした。が、ピクッと薫の身体が震えたのを膝の上に座ったままのボクも感じた。どうしたんだろうか?
「…畦道相馬。今年の4月からカバディを始めたばかりとは思えないほど伸びてきている。叶からもよく聞いたよ。仲間を大事にするその姿勢と献身には叶も大いに助かっているって」
「おぉ…、そんなこと言ってくれてたのかヒメサワ。いやぁ、そこまで褒められると照れる…」
「憎い?」
「は?」
突然の薫の問いにボク等は何が何やら分からなかった。
憎い?誰が誰を?まさか畦道が?あんな誰にでも優しい、お人好しすぎるとさえ思っていた畦道が誰かを憎むなんて天と地がひっくり返っても想像できなかった。
「英峰の皆が憎い?今日のミニゲーム中も時々俺たちに対して鋭い視線を向けていたから何事かと思っていたんだよね。
能京生とおしゃべりしていた時は積極的に会話に入っていたのに、今の会話ではまったくと言って良いほど入ってこなかったことから考えると、俺という
「い、いや。憎いだなんておらそんな事全然…」
「短パンにシワが出来るほど強く握っておいてよくそんなことが言えるね」
薫の言葉にハッとして慌てて両手を短パンから離す畦道。両手から解放された短パンは未だ畦道の怪力もあってしわくちゃのままだった。どうやら畦道も無意識だったらしい。
薫の言っていることが正しいと頭で理解できたボクだけど、未だその内容に頭が付いていかなかった。
英峰生が憎い?どういうこと?畦道は誰にでも優しいやつだから、初対面から嫌ったりすることなんてあるとは思えなかった。よっぽど相手がヤなやつなら例外だろうけど、少なくとも今日の英峰生がそんな対応をしている場面があったようには見えなかった。
じゃあ今日よりも前?いや、いくら英峰がカバディの強豪校とはいえ練習中わざわざ名前が出るほどではない。それこそ英峰の名前が出るくらいなら先日勝てずに終わった奏和の名前が出てくるはずだろう。そもそも奏和を憎く思っている人はいないけども。
それこそ、今日に至るまで英峰の名前が出たといえば、ボクが乃子さんの助言を受けて練習前に夏の大会が終わったら英峰へ転学することを伝えたぐらいか。乃子さん達に話したのと同じ内容を伝えたから、世界戦が終わってから引きこもっていたことも伝えた訳でかなり恥ずかしかったけれども。本当に情けない。だから話したくなかったんだ。
本当なら大会が終わった後バタバタしているときにピューって英峰に行く予定だったんだから。まぁ、事前に言った方が確かに義は通しているよなと思ったから今としては後悔してないけども。
…え?もしかしなくても、ボクが原因?
ボクが脳内で自分会議している間に薫の追求はまだ続く。
「仮にも叶とは何年も一緒だったからこいつを手放したくない気持ちは分かる。能京に行かせない為に自他共に認める面倒くさがりの俺が勝負吹っかけたぐらいだから。
ちっこい身体でちょこちょこ動き回る様は癒やされるし、外見も西洋のお人形みたいで可愛らしいし。今みたいに膝の上に乗せて無防備な所を見る度に『本気出せば頭ひねり潰せるんだよな』って加虐心がくすぐられるし」
「ちょっと待って!薫そんなこと考えてたの!!?」
前2つはともかく最後のやつに身の危険を感じたボクはその場から離れようとするも、腹に回った両腕がさせまいと邪魔してくる。
くそ!!ガリガリの癖してなんてパワーだ!!
ボクが非力だからそう感じるだけだって?うっさい!!
「いや、流石にそこまで思ってねーべよ…」
「ん、じゃあ俺たちを憎いと思っていたことは認めるんだ」
薫のカミングアウトに半ば引きながらそう答える畦道にファイナルアンサーを突きつける薫。畦道は追い詰められた訳だけどもその顔から悲壮感は感じられなかった。むしろ薫に対して半ば呆れている様子。
あぁ、目の前の変態よりはマシだと思ったのかな?正解だよコノヤロー、いいから早く助けろください。
だけどボクの助けを求める顔から目をそらしてその場にいる全員が話を進めた。ねぇ!無視しないで!!
「…別に憎いだなんて思ってた訳じゃねーべよ。でも、ヒメサワから大会が終わったら能京からいなくなるって急に言われて。いざ合宿に着いたらその英峰が一緒だって聞いて、ちょっと嫌な気持ちになったのは確かだ。
…ライケたち英峰の人たちには悪い事した。すまねぇ」
畦道があぐらのまま頭を下げる。確かに英峰の人たちと会った後から畦道の様子が少しおかしいことには気付いていたけれどそういうことだったんだね。
うん、これ畦道が拗らせた原因はボクと事前に英峰が合宿参加することを伝えなかったヒロちゃん先輩だね。異論は認めない。
だけど
未だボクのお腹に巻き付いている腕をツンツンとつつく。のぞき込んできた薫にもう大丈夫だとジッと見つめる。それでやっと薫からの拘束が解けた。
立ち上がって畦道の元へ。未だ下げたままの頭にポンと手を置く。おぉ、スキンヘッドってこんな触り心地なんだ。ツルツルしてる、ずっと触っていたい。
いや、切り替え切り替え。
「ごめんね畦道。ボクが急に英峰に行くって言ったからだよね。こうなるって分かってたら歓迎会の時に前もって言っておくべきだったね」
「!!…ヒメサワは悪くねーべよ。悪いのはまだ切り替えられてねぇおらだ。皆はもう切り替えられているってのに…情けねー」
「それボクに言う?あの日から切り替えられないまま
ま、マーくんたちは優しいからこんなボクにも能京に居場所を用意してくれたわけだけど」
「!!?」
今の言い方はズルかったかな。でも事実そうなんだよね。
英峰へ入学する準備を進めていた両親にまず悪い事をしたし、英峰にいるいっくんやたっくんに不義理を働いた訳だし、突然招き入れる形になったマーくんと慶さんに多大な迷惑をかけ続けているわけだし。
こればかりは誰に何を言われようとも異論は認めない。
「だから畦道が今日ずっと嫌な気持ちになっていたのはボクが原因なんだから、畦道はボクに怒っていいんだよ。殴っても罰を与えてるでもなんでもいい。それぐらいの権利は畦道達にはある」
頭を撫でながらなるべく優しい声音でそう畦道に伝える。
これはボクの本心。皆に伝えた時はそうじゃなかったけど、今になって英峰だけじゃなくて能京の皆にも大分不義理を働いているなってやっと気づけたから。
能京で3年間ずっといるはずだと思っていた仲間が他校に行くって急に言い出したんだ。今生の別れという訳ではないが騙されたと思っても仕方ない。
しかも畦道は他の皆とは違って同い年が1人しかいない田舎を出て東京に来たという希有な経歴を持っている。同級生が転校でいなくなった経験も無かったろうからこうなっても別におかしくはない。むしろなって当然だと思う。
仲良くしている相手が急に自分から離れると聞いたら、ボクも同じぐらい取り乱す自信があったから。
「…ヒメサワ。もう大丈夫だ。あんがとな」
畦道に声をかけられたので手を頭から離す。頭を上げた畦道は何かを決心したみたいで畦道の顔からはもう憂いは見られなかった。
「もういいの?正直殴られるかもってちょっと身構えてたんだけど」
「ヨイゴシならともかく、ヒメサワを殴るなんて絵面が悪すぎてできねーべ」
「俺ならともかくってなんだ」
ボク等の会話に宵越くんが割り込んできてからはさっきまで緊迫していた空気が緩むのを感じた。ちらっと顔を動かせば伴たち3人もホッとした様子。何はともあれこれで解決かな?
「あ、そうだヒメサワ、さっきなんでもしていいっつってたけど。それ、大会後でお願いしても構わねーか?」
「あーうん。内容如何によっては簡単に頷けないけれど、なるべく叶えられるように善処するよ。でも、そんな後でいいの?」
いいんだ!と晴れやかな顔になりながら応える畦道。
何をお願いするのかは分からないけれど別に断わる理由も無いからOKする。まぁ、この合宿中に叶えろって言われても難しいし、大会後ならある程度融通も利きやすいからこちらとしても好都合だ。
とりあえず放置していた薫の元へと戻る。当たり前のように膝の上に座るように両腕を広げられるが、まださっきの発言の怖さがあるため横に座るだけにとどまる。薫は不満そうにしているけど知らない。自業自得だ。
「ありがとね。わざわざ
「正直合宿なんて面倒なだけだと思っていたけど、これを放置して叶と一緒にいられなくなったらそれこそ面倒だったから」
「あーそう。理由はどうあれ助かったよ」
薫の返答に少しだけ引きながらお礼を言う。薫ボクのこと好きすぎない?ま、ボクも薫と同じ立場なら同じ事していただろうからお互い様か。
それから薫を交えて1年の皆と談笑していると、ボク等より早くに風呂に入りに行っていたにも関わらずボク等よりも上がるのが遅くなった水澄先輩と伊達先輩が戻ってきた。
それから少しして薫の不在を怪しんだ若菜さんが薫を引きずって英峰の寝室へとドナドナしていった。中々英峰の所へ戻らないなと思っていたけど、戻るように言わなくてすいません若菜さん。
それから部長会議に出ていたマーくんとデータの整理の為に別室にいた慶さんが戻ってきたので就寝することに。あ、そういえば今日抱き枕ないんだった。どうしよう。ま、適当に余った枕を抱けば大丈夫かな?正直期待薄だけど今日はこれで我慢しないとね。
――オマケ――
「そういえばさっきライケが『叶に勝負を吹っかけた』って言ってたけど、何の勝負をしたんだ?」
「あぁあれ?英峰の入学試験でどっちが上かの勝負をしたんだよね。結果ボクが勝った訳だから無事にこうして能京に入学できた訳だけども」
「
「え?そういうのって入学前に教えてくれるものだっけ?」
「実際に点数教えてもらった訳じゃないよ。でも合格した後に『姫沢さんは首席の為入学式の際スピーチをお願いします』って電話で言われたから少なくとも薫に負けなかったのは確実。
ま、その後入学しないって伝えたら驚かれたけども」
「趣味悪ぃな。どうせ英峰に入らねえなら入試受けなかったら良かっただろ」
「いや、爺ちゃんからの条件でね。『能京に行きたいのであれば、今の時点で英峰で
だからボクは必死だったし、ボクと一緒に英峰に行きたかった薫も必死だったって訳」
「先生に入学後聞いたら1点差だったらしい。おかげで叶の代わりにスピーチするハメになった。訴訟も辞さない」
「次席だったんだね来家君…。2人ともすごいなぁ」
「…………」
「『能京の入学式のスピーチは戸鳴さんだったけど、そっちはどうだったのか?』って?うん。本当はボクがスピーチする予定だったんだけど、その時はケガで入院中だったから次席の乃子さんがスピーチしたみたいだね。乃子さんからその話聞いたときは驚いたよ」
「テメー等2人のせいで
※畦道は本人の性格+田舎で人の流動が少なかった環境も相まって、仲間を大事にする傾向が他のキャラよりも高いと自己解釈しています。
※以下オリキャラのプロフィールです
名前:来家 薫 (らいけ かおる) 元世界組2番
身長:200cm 体重:80kg 右利き
生年月日:9/27(15)
血液型:AB型
好きな色: 黒色
好きな季節:梅雨
得意科目: 現代文、古典
外見:針金細工の人形
髪型:ピョンピョンと至るところに髪が跳ねている。オリ主がいくら直そうとしてもすぐ戻る程クセが強い
目:黒目で少し垂れ目。学校や部活以外の時は室内でもサングラスを着用
好きなもの:読書、食事(特に中華)、コスプレ(見る専)、世話をしてくれる人
嫌いなもの:面倒
好きな言葉:怠惰