ボクがキミを王にする   作:モーン21

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※お気に入り登録、感想等ありがとうございます。

※VS英峰決着です。前回のVS奏和と同じくらい話にかかりました。これから先の書き置きが無いので私でも分かりませんけど大体6、7話ぐらいかかるのかな?私でも分かりません。

※12日13時10分頃 誤字修正


第42話 VS英峰 気持ち 

『たった数十分など、他愛(たわい)もない』

 

 その言葉通り神畑くん(いっくん)の動きは(かげ)らないまま、それに触発されるように精細さを増した英峰(えいほう)守備。

 マーくんの攻撃でも1、2得点しか取れなくなってしまった。

 

 対し英峰、引き続いていっくんの攻撃。スピードで勝る能京メンバー(みんな)は何度かキャッチに成功するけれど、次の攻撃に備えて不用意に接触できないマーくん。絶対にコート外へ出たくない宵越くんの支援が遅れたこともあって、落ち着いて点を取り返される。そして点差は変わらないまま…

 

「前半終了!!ハーフタイム!!」

 

 17対14

 

「ドリンクです!」

 

「ありがとう人見、関も」

 

「叶、出血の方はどうだ?」

 

「うーん、まだもうちょっとかかりそうですね」

 

 ベンチに戻ってくる皆を出迎える関と人見。ボクは1人それを座りながら眺めていた。

 

「くそっ、3点差か…」

 

「畦道の活躍で全滅(ローナ)回避できたのもあるだろうな、点差がそこまで開いていないのは」

 

「…うすっ!ありがとうございます…。だけど…」

 

「ジリ貧だ。このままじゃどんどん点差を開かれるだけだぞ」

 

 水澄先輩が悪態を吐く傍で伊達先輩が前半MVPの畦道を労う。それに返す畦道だけどその表情は芳しくない。畦道自身が慣れない攻撃(レイド)で疲れているのもあるだろうけど、宵越くんと同じ事を考えていたんだろうね。

 

「コート内の守備が常に3、4人。神畑を倒せる状況が揃わねぇ。せめて7人にならねえ限りアイツを守備で追い出すのは無理だ。

 となると、攻撃で追い出すしかねー訳だが、神畑(エース)を狙うにしろ守備人数を揃えるにしろ相手が相手だ。…正人、どうだ?」

 

「…今の神畑はノリに乗っている。下手に手を出すと逆に倒されかねないね。認めたくないけれど」

 

「!!、部長がそう言うんなら俺が…」

 

「宵越くん、落ち着いて考えて。()()いっくん相手に無事に帰陣できるイメージもてる?」

 

「…………クソっ!!」

 

「宵越が出るのはアリだ。が、相手からしたら今日の試合で唯一神畑(エース)を追い出したのも宵越だ。正人以上に警戒していてもおかしくない。開始早々のアレがもう一度出来ると思わない方が良いだろう」

 

 ……だけど、これ以外に策が無いのも事実。他の攻撃手であるボクは試合に戻れないし慶さんも難しい。畦道は慣れない攻撃(レイド)に出たからか体力の減りが他の皆よりも大きい。大量得点(3得点)したあの時もギリギリだったんだ。今の状態で攻撃に出ればすぐに捕えられるだろう。

 

 結局このハーフタイムで出来たことといえばボクが抜けて伴が入ったセンター3人の守備の確認とある程度の方針の周知と徹底だった。

 

 攻撃手はこれまで同様マーくんが出ること。いっくんを追い出すことと他のメンバーを追い出して守備人数を揃えることを天秤に掛けながら攻撃に出るとすれば、宵越くんよりもマーくんの方が経験に長けている以上適任だからね。

 

 後はボクの出血が終わり次第伴と交代。未だ出血は続いているけれど量は大分落ち着いてきた。多分後5分前後で完治すると思う。ベストメンバーになれば守備は今以上にやりやすくなると思いたい。若菜さんは倒せたけれどいっくんはまだ倒せていないからね。今のいっくん相手じゃ難しいかもだけど、それでもやる前から諦めることだけはしたくないから。

 

 出来ることはやった。やる事がはっきりしたからか前半終了直後と比べたらコートへと戻る皆の表情も多少明るくなったのも確認できる。

 

 けれど、具体的に逆転する作戦を練られたかと言われればそうではなかった。何か『奥の手』があれば皆の士気はもっと上がっていただろうけれど、考え出せなかった以上どうしようもなかった。

 

 

 

 

 

 後半が始まった。

 

 マーくんの攻撃(レイド)から始まったけれどマーくんが2点を取ればそのお返しにいっくんも同じく2点を。1点を取れば1点の繰り返しでタイムアップが刻一刻と迫る中点差は縮まらず、後半を折り返した今もそれは変わらなかった。

 

 コート内の皆は好転も悪化もしない今の試合展開に対しても士気を落とすことなく何とか食らいついている状態。それは向こうも同じだったようで攻撃に出続けているいっくん以外の面々も息を切らしている。

 

 唯一好転したことといえばボクの出血が治まったことぐらい。ボクだけじゃなくて辻さんに見てもらってOKが出たから間違いない。伴が今コート外にいるから交代できないけどいつ戻ってきても大丈夫なように軽くアップをしている。

 

 無論アップ中も試合を見るのは忘れない。今はマーくんの攻撃の番。マーくんは後半に入ってからずっとキレを落とすこと無くいっくんを狙い続けているけれど、それを避け続けてるいっくん。2人とも流石だね。

 

 いっくんを狙い続けるマーくんだけど、周りを見ていない訳が無かった。少し離れた所で場所を変えようと息を少し入れた君嶋くん(たっくん)に左腕のフェイントでタッチ。この時マーくんはたっくんの方を見る事すらしなかった。

 

 いっくん以外のたっくんを始めとした他の英峰メンバーが決して弱い訳では無いけれど、マーくんといっくんと比較すれば頭数個落とすぐらいのレベル差があるのは事実。

 だから読めないではなくわかっていても(かわ)せないんだ。駆け引きの要らない実力差。気持ちが入った程度ではどうしようもなかった。

 

 だから、目の前の自体にボクは目を疑った。

 

 帰陣しようと後ろ向きに後退していたマーくんの視界にいっくんと若菜さんの2人が移る。押し返しに来た訳ではないらしいからこれは追撃(ついげき)なんだろう。2人同時というのは最近見なかったから少し驚いた。

 

 これは不意を()かないタイプの追撃。2人の追撃者に対して対峙できるのはマーくん1人。いっくんの相手をして戻れば空いたスペースから若菜さんが攻撃。逆ならいっくんが。どちらにしろ2人同時に対処できない以上マーくんが守備に戻れない状態でかき回されるのは必至。

 

 であれば、ここで選ぶべきはどちらの方が守り易いか。マーくんが選んだのは…

 

 いっくんだった。

 

 当然の選択だ。ボクがマーくんでもそうしていただろうし、きっと他の皆も同じ選択をしていたはず。

それが分かっているのになぜいっくんがこの追撃の構えを取ったのかについて頭を回すともしや…とある1つの答えに至る。

 

 何故後半開始からずっといっくん()()が攻撃に出続けていたのか。

 

 それと、若菜さんが他のメンバー、いっくんよりも優れている面(スピード)があることに。

 

「待っ…」

 

「能京攻撃成功!1点―…」

 

 思わず出たボクの声はヒロちゃん先輩の声で掻き消された。が、その声が終わるよりも先に()()が能京コートに侵攻するのが速かった。

 

 

 

ドッ

 

 

 

「カバディ…」

 

 若菜さんが畦道へタッチ。駆け引きも何もない。それでもコートの皆もボクも若菜さんを目で追いきれなかった。

 

 理屈は分かる。が、分かった所でボクでも対応できなかったと思う。後半の半分をかけていっくんの速度をボク等に刷り込んだ。スピードの落差に驚いている間に全滅(ローナ)を狙う。これがハーフタイムで英峰が考え出した策。ボク等が産み出すことが出来なかった『奥の手』だった。

 

 慌てて捕らえようとする畦道。が、それを躱した若菜さんは躱した動作から連動して戻ってきたばかりの水澄先輩のタッチにも成功する。水澄先輩も畦道同様反応することができなかった。

 

 そのまま残った宵越くんを視界に入れ突撃する若菜さん。

 

 が、

 

 この3人以外に選手はまだ1人いた。

 

 

 

ドッ

 

 

 

 マーくんだ。

 

 この試合初めて、次の攻撃に備えて不用意に守備時に接触しなかったマーくんがこの時初めて守備に力を入れた。

 

 思わぬ人物からのタックルに若菜さんは宵越くんを狙うのを止め帰陣しようとする。

 

「部長!!」

 

「止めろォォ!!!」

 

 避けようとしていた宵越くんの驚いた声よりも大きい声でマーくんが叫ぶ。若菜さんは軽い攻撃手だ。人を1人引き吊りながら帰陣するにはパワーが足りない。後1人誰かの支援が間に合えば止めるのはいっくんと比べても容易のはずだった。

 

 

 

 惜しむらくは若菜さんが中央の2人を狙った後にコート端の宵越くんを狙った為に畦道、水澄先輩と距離が開いていたこと。

 唯一近くに居た宵越くんが回避の体勢だった為に支援に行くのに遅れたこと。

 タックルをした張本人であるマーくんの体重も若菜さんに引けを取らず軽かったこと。

 

 そして、

 

 

 

 前半全滅(ローナ)直前の3人守備に対して攻撃失敗してしまったこと。

 他校とはいえ、1年2人に攻撃で大量得点(3点)取られたこと。

 後半に入ってから1度も攻撃に出られていなかったこと。

 先程の追撃でいっくんと比べてとはいえ自分を脅威だと思われていなかったこと。

 この時のボクは知るよしも無かったけれど、1度も全滅(ローナ)を取れないまま終われるかという若菜さんのプライド。

 

 

 

 若菜さんの気持ちがこの上なく入った攻撃だったからだろう。

 

 

 

「うおおお!!!」

 

 

「ここで王城追い出した!!!」

 

 

 

 26対21。

 

 後半に入ってようやく均衡が崩れた。ボク等(能京)にとっては嫌な形で。

 

 畦道、水澄先輩、マーくんが追い出された今コートに残るのは宵越くんただ1人。

 

「能京…残り1人…」 「一気に厳しくなったな…」

 

 ザワザワと周りから声が聞こえてくる。誰がどう見ても点差でも人数でも負ける能京が劣勢なのは確実。それに次の守備のことを考えればボーナスや少しのタッチじゃ立て直せない。

 

 ここで3点取らなきゃ終わる。

 

「3点…嫌な点数ですね…」

 

「2回目の攻撃で宵越に獲られた点数だからな」

 

 7人守備と万全の態勢で待ち構える英峰コートの中で口を交わす八代(やしろ)さんといっくん。全滅(ローナ)直前であろうと決して油断していないのは2人が交わす内容からして明かだった。

 

「付け焼き刃ではあるが…この対抗策を試す」

 

 いっくんが言った対抗策が果たしてなんなのか分からなかったけれど、宵越くんが攻撃開始した直後それは分かった。

 

「な…なんだあの守備は…!!?」

 

 ボク等と紅葉、英峰メンバー以外の全員が思わず声を上げる。当然ボクもだ。

 うわー、さっきの2人追撃は珍しいとはいえ見た事があったけれど、これは本当に初めて見た。いっくんが考えたのかな?これがいっくんの対抗策(対カット)か。

 

 1人パイプイスに座りながら思わずそうひとりごちる。

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

【宵越side】

 

「なんじゃありゃ…!?」

 

「1―6の鎖…!?普通は2―3―2だぞ…」

 

 英峰は(チェーン)を固めてきた。普通なら3組に分かれるハズのそれを2組に。しかも1人と6人というどう考えてもアンバランスなものだった。

 

 審判の右藤と佐倉が何やら言っているのが耳に入った。経験者のはずの2人が仰天しているっていうなら、よっぽどこの守備はあり得ないものなんだろう。

 

「カバディ…」

 

 とにかく最初は情報を集めねえと。

 

 そう思って照準を神畑から移しがてら思いっきり逆サイドへ移動する。すると、

 

 端の若菜が(チェーン)を解除する。俺からは見えねえがきっと対角の神畑の方で(チェーン)を組んでいるんだろう。

 

 俺が狙う人間だけ孤立…あくまで6人組は保つ気か…

 

 それなら…!!

 

「カバディ…!!」

 

 (チェーン)のど真ん中を狙う…!

 

 2回目の攻撃ではカットで2―3―2のチェーンの隙間を縫うことで3点を奪取することができた。この守備はそれ対策でこしらえたんだろうが。

 

中央(センター)って見てて大変そうだべ。ヒメサワよく避けれんなぁ』

 

『まぁたしかに両手が塞がっているわけだからいつも以上に小回りが利かないね。こればっかりは経験でどう来るか分かるからとしか言えないかな』

 

 以前畦道と姫沢がそう言っていたのを思い出す。そうだ。(チェーン)はたしかに強力だが万能じゃない。あくまで道を塞いだり、単独で倒せない力のある相手に数で対抗するものだ。その為に少しの自由を犠牲にしている。

 

 両手を使えなくなるやつは普通の守備なら1人だけだが今の英峰にはごまんといる。わざわざカットやバックを使うまでもねぇ。

 

 中央(センター)の4番に突っ込んでタッチを狙う。(チェーン)を狙ったタッチを躱すために4番は即座に(チェーン)を解除する。ふんっ、今更解除した所で遅え…

 

 瞬間、視界の右端で俺の後ろ足を狙う神畑の姿が見えた。

 

 それを捉え次第すぐに照準を4番から神畑へ変え牽制をする。2番との(チェーン)を狙ったタッチはさっきの4番と同じくパッと(チェーン)を放す。

 

「カバディ…」

 

 牽制を終えて首を前に戻すと何やら嫌な予感が。

 

 こいつら…もしかして

 

 サッと後ろへ下がる。と、慌てたように後退する神畑と若菜の姿がそれぞれあった。こいつら、俺の後ろで鎖を繋げようとしやがっただと…!?

 

 しかも信じられないのはそれだけじゃなかった。

 

 俺が切り離したはずの4番の(チェーン)がもう再生していた。

 

 切り離しても…一瞬で再生しやがるだと…。

 

 バックはともかく、カットはこの試合初めて見せた。しかも1回だけだ。

 

 いくらハーフタイムを挟んだとはいえ所詮付け焼き刃の対応だと思っていた。もちろんその対応の練習なんて積んでいる訳がない。

 

 だっていうのに、なんで(チェーン)まで一動作(ワンアクション)でできんだよ…!

 

「カバディ…」

 

 相変わらず異常な守備だ…。

 

 井浦と姫沢いわく1回目の攻撃(バック)は観察の意味が強かったらしいし、2回目の俺の攻撃は不意打ちみてーなもんだ。ハーフタイムにも言われたがきっと部長じゃなきゃここまで攻撃で点を奪えなかっただろう。

 

 だが、そんな部長も追い出されてコートには俺しかいない。

 

 サッカーをやっていた時と変わらない。夢中になって気付けば俺1人しかいない。それが常だった。別にプレッシャーなんて欠片もかかっちゃいねえ。

 

 だけど、

 

 慣れない攻撃にプレッシャーもあったはずの畦道は英峰相手に3点も取りやがった。

 

 俺が回避に夢中に徹している間ずっと果敢に戦った先輩達や伴…。

 

 誰よりも小せぇ身体のクセに様子が急変した神畑相手にも臆することなく身体を張って突っ込んだ姫沢。

 

 ここまでのプレーは間違いじゃなかったと

 

 証明してやる!!

 

 俺にはブレーキとバック、カットの3つの選択肢がある。

 

 が、今カットは英峰の特殊な守備陣によって封じられている。であれば実質使える技は1つだけ。

 

 

 

 バックだ。

 

 

 

 ハーフタイムで姫沢に言われた通り今の神畑相手にバックを使って帰陣できるイメージが湧かねえ。そもそも奏和との練習試合後から取り組んできた技だがそれでも完成度は高いとは言えねぇ。

 

 だが、この技は俺1人のモノじゃねえ。

 

 部長が発案して姫沢が実現したバック。2人がケガしたことによって封印されたこの技を俺は受け継いだんだ。失敗する訳にはいかねぇ。

 

 直線距離にして約5m。

 

 照準は神畑から動かさない。後ろに若菜たちが回り込もうと関係ない。むしろ回り込んでくればくるほど大量得点しやすくなるのがこの技(バック)だ。

 

 1回目の攻撃が俺の動き(バック)を見る為の観察だろうと関係無ぇ。分かった所で対応できないのがこの技だ。対応できるならしてみやがれ…!!

 

 

 

 神畑の左肩に触れてすぐにバックする。視界が180°入れ替わる。後ろに回り込んできている若菜と6番の姿を確認。この2人もタッチして俺は帰陣を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カットは1回しか見ていない以上分からないが、バックはこの合宿で何回も見ていたからな。データに困ることは無かった」

 

「付け焼き刃とはいえカットは封じた。ならバックを使ってくるのは当然」

 

「自陣に戻ろうとすれば守備の近くに足が来る。普通なら対応するのは難しいだろうが前もって来ると分かっていれば難易度は下がる」

 

「本当は1回目のバックで倒すこともできた。が、万全を期して倒せる確率を少しでも上げる為には実際に俺の目で見ることが必要だった。…屈辱だったがな」

 

「1回目の攻撃で上手くいったから俺を狙ってきたんだろうが…」

 

英峰(おれたち)無礼(なめ)るなよ」

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

【姫沢side】

 

「能京攻撃失敗!!!」

 

 

 

「ここで全滅――!!!」

 

29対21

 

 宵越くんが倒された。

 

 ボク等の技(バック)が倒された。

 

 完全に対応された。さっきの若菜さんと同じかそれ以上に気持ちは入っていたはずなのに。宵越くんは中央線(ミッドライン)どころかボークラインで倒された。粘ることすら許されなかった。

 

 宵越くんが立ち上がる。が、その動きはとても緩慢(かんまん)で宵越くんらしいとは言えなかった。

 

「ヨイゴシこっから…」 「ドンマイだよ!」

 

 畦道とマーくんがそれぞれ声を掛ける。そうだ、まだ試合は終わっていない。終わっていない以上諦めることはできない。

 

 ボクも何か声を掛けようかと思ったけれど、未だにベンチにいる身であることに気付いて慌てて口を閉ざした。

 

 

 

「…すみません……でした…」

 

 

 

 …え?

 

 宵越くんが謝った…?

 

 伴との交代の為に準備していたボクは信じられない光景に思わず動きを止めた。慶さんとヒロちゃん先輩に声を掛けられるまでの記憶が少し飛んでいた。

 

 

 

 

 

 その後、タイムを取って伴と交代したボクは切り替えて試合に集中した。ボクが入ってベストメンバーに戻ったからか、いっくん相手でも無得点で帰陣することが何回かあった。けれど、倒すことは1度も出来なかった。

 

 その機会に何とか点差を縮めようと攻撃に乗り込むマーくんだけど、集中しているのは向こうも同様でこちらも同じぐらい無得点で帰らされてしまった。

 

 関東2位、英峰高校対弱小・能京高校。

 

 英峰8点リード。

 

 この差が…

 

「最終結果!32対24!!勝者!英峰高校!!!」

 

 (くつがえ)る事は無かった。

 




※原作の最終結果が33対24。オリ主が入ったことで1点縮めることに成功しました。まぁ負けは負けなんであんまり意味はないんですけれど。
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