この俺様、空の大怪獣ラドンが生き抜いてきた波乱万丈の激動人生。そのハイライトといったらやっぱり『怪獣大戦争』だろう。
時期は『怪獣黙示録』の末期。地球の怪獣王ゴジラと、その王座を狙って飛来した宇宙超ドラゴン怪獣キングギドラ。そんな二大怪獣の覇権争いに端を発した、怪獣同士による世界大戦。それが『怪獣大戦争』だ。
かたや地球の怪獣王、ゴジラ。かたや宇宙からやってきた超ドラゴン怪獣、キングギドラ。ゴジラ勝つかギドラ勝つか、世紀の怪獣大戦争。
このイケてる空の大怪獣な俺様がどっちについたかって? そりゃあ、もちろん、
「ぐへへへっ、キングギドラさん、一生ついていきやす!!」
……ゴジラやモスラと共に侵略者へ立ち向かって『三大怪獣 地球最大の決戦』をするんじゃねえのかって? バカヤロウ、俺様は強い方につくんだよ。メキシコのイキリ翼竜ことラドン様をなめんなよ。
それにゴジラの奴、巷じゃあキングオブモンスターだのとチヤホヤされてるけどな、あのデカブツの性根が背鰭の先っちょよりも狭量でみみっちいのは俺様昔からよーく知ってる。あんな器の小さいしみったれ野郎なんかと誰がつるむかってんだい。
……とはいえ巷じゃあ、俺様と似たようなことを考えた奴はそこそこいたらしい。モスラの妹で戦闘破壊獣として高名だったバトラを筆頭に、シートピアの守護神メガロ、最強のサイボーグ怪獣ガイガン=レクス、カマキラス、ヘドラ、ダガーラ、ムートー、スカルクローラー、ベヒモス、スキュラ、メトシェラ、カマソッソ、ティアマト、ヤマタノオロチ、アムルック、モケーレ・ムベンベ……単なる数だけで言えばむしろキングギドラ陣営に与した怪獣の方が多かったくらいだ。
かくして一大勢力を築き上げ世界規模で猛威を奮い始めたキングギドラ陣営、そんな俺様たちが人間どもを追い落とし世界征服を成し遂げるのも間もないことだろう……かに思われた。
……まあ、俺様にとって計算違いだったのは、新しいボスと見込んでついていったキングギドラの本性が『ゴジラに輪をかけた器の小せえ、最低御下劣の黄金野郎だったこと』でな。
怪獣大戦争におけるクライマックス、ゴジラとキングギドラの両巨頭による壮絶な一騎討ち。決戦の舞台は人間の大都会、人間の軍隊Gフォースもキングギドラが差し向けた怪獣軍団で疲弊しきり、ゴジラ陣営は完全な劣勢だったはず。
誰がどう考えてもキングギドラが勝つ、そう見込んでいたのだが。
――こんにゃろこんちくしょー!
――覚えてやがれえ!!
そうやって小物感満載の捨て台詞を吐きながら尻尾を巻いて逃げてゆく、キングギドラ。
そしてそんなキングギドラを見送りながら、瓦礫の山と化した荒野のど真ん中で満足げに唸っているゴジラの勇姿。どっちが勝ったかは言うまでもないが、あえてそれでも評するのなら。
ゴジラが勝ったのだ。
……その光景を目の当たりにしたときの俺様たちの表情ときたら、さぞやマヌケでケッサクだったろうな。『ゴジラとキングギドラが最終決戦する』っていうから、軍団のナンバー2である俺様も手下の怪獣ども率いて駆けつけてやったのに、いざ到着したらとっくのとうに決着ついてやがるんだもの。
俺様たちはゴジラが勝つと思って駆けつけたわけじゃない。むしろ逆で、キングギドラに加勢しようと参戦したのに間一髪で間に合わなかったのだ。かくいう俺様でさえ、ゴジラが負けることは無いにせよここで勝っちまうとまでは思っても無かったから、あのときばかりは流石に呆然としちまったね。
ちらと周りを見てみれば、他の怪獣どもも同様らしかった。
「ど、どうしたもんだわさ……」
「ゴジラと戦うか……?」
「いやしかし……」
「かといってこのまま逃げるわけには‥‥…」
スキュラ、メトシェラ、ベヒモス、ムートー……どいつもこいつもどうしたもんかと皆互いの顔を見合わせていやがる。そりゃそーだ、キングギドラに勝たせようと思ってたらいつの間にか形勢逆転、キングギドラの奴が叩き出されてんだもんな。そりゃビビるわ。
勝者のゴジラと、それを囲む敗者の俺たち。
……さて、このあとどうするか。このまま誰かがキングギドラの意思を継いでニューリーダーになって、ゴジラへ挑むか? いや、誰もそんな気概なんざさらさらない。かといって、このまま逃げて収まる状況でもない。ゴジラの奴ときたらそりゃもー器の小せえ根に持つネチネチ野郎だからな、絶対あとが怖い。
誰もが躊躇する中で先んじたのはやはりこのクールな俺様、空の大怪獣ラドンよ。
「……ちっ、しゃあねーな」
そうやって一歩前に出た俺様に、周囲の目線が集まった。引き連れてきた怪獣どもはもちろんのこと、当のゴジラまでも俺様の方を真っ直ぐ見つめて様子を窺っている。
……フフン、どいつもこいつも俺様に注目してやがるな。いいか見てろよ有象無象の怪獣ども、これが一流の怪獣、男の生き様ってもんよっ!
そして堂々と両翼を拡げて咆哮を挙げながら俺様は、
「すいませんでしたァァァ~~~~ッッッ!!」
その場で頭を下げた。ゴジラの足下で地べたへ這いつくばって跪く、そりゃもー見事なまでに完膚なきジャンピング土下座スタイルの敢行であった。
……なんでぇなんでぇ。どいつもこいつも一斉に『えぇぇ~~~~!!??』ってアホヅラ晒してやがる。うるせえな、俺様は勝つ方につくんだよ。だいたい相手はキングギドラを一対一で打ち負かしたゴジラ様だぜ、勝てるわけねえだろうが。俺様だって早死にしたかぁねーんだよっ。
ま、それはともかく、どうかゴジラ様、どうか、どーか命だけはっ、何しろ俺様には6つのセガレに5つのカカアが……
「意味不明だわさ」
「そもそもラドン、おまえ独身だろ……」
「うわっ、サイテー……」
「このゴマすりクソバード、プライドとかないのか……?」
だまらっしゃいっ!!
横から余計な茶々を入れてきやがるモブ怪獣どもを黙らせつつ、俺様はゴジラに対する弁明を続けた。
「いやいやいやいや俺のはアレっすよ、ほら、いわゆる“メンジューフクハイ”ってやつッスよ、あの金ピカ黄金野郎に従ってたのは飽くまでフリ、フリですってば、それとも本気にしちゃったんスか~? 俺だってホントにマジで内心じゃあやっぱり最後にゃゴジラ様が勝つと信じてたんスよぉ~! いよっ、ここぞというとき期待を裏切らないっ、流石はキングオブモンスター、怪獣王、王の中の王、King of Kings!……」
そうやって手揉みならぬ翼を揉み揉みしながら媚びへつらう俺様に対し、ゴジラの野郎は心底呆れ果てたような顔をしていやがったが、やがて溜め息をひとつ。
「……ふんっ」
それからゴジラは、周りで立ち竦んでいる怪獣たちへ目線を向けた。細めた双眸に灯る光はまさに不屈の闘志、『他に文句がある奴いるか、あるならこの場で掛かってきやがれ』と言わんばかりの強烈な一瞥。
「ひ、ひぃっ……!」
途端、他のモブ怪獣どもは、まとめて全員一斉に震え上がった。
まずベヒモスがひれ伏し、スキュラとメトシェラも
凄みたっぷりの風格で怪獣どもを捩じ伏せたゴジラは、世界の中心で天へ向かって堂々吼えた。
「――――――――――――……ッ!!!!」
神羅万象に響き渡ったそれは大号令:アルファコール、堂々たる王の帰還。
ゴジラがまさしく怪獣王、キングオブモンスターとしてこの世界に君臨した瞬間だった。
……とまあ、怪獣大戦争をそんなこんなでなんとかかんとかやり過ごし、シン・ゴジラ動乱、シヴァ紅塵破局事件、魔女の子と聖戦事件、メカゴジラ=シティ事変、ロリ化ジェンデストロイヤー事件、スペースゴジラの来襲、メカゴジラ初號機暴走事件、その他諸々なんかもひと段落ついて、かのキングオブモンスター:ゴジラを頂点として
そしてその流れの中で、俺様ラドンもまた立場が定められることになった。怪獣大戦争においてはキングギドラ陣営のナンバー2を務めたこの俺様だが、戦争終結後は人間どもの対怪獣国際機関:モナークの監視下に置かれることとなったのである。
監視と言っても、定期的な調査を除けば別に何をされるわけじゃあないし外出も自由。それまで家なき子のフーテン無宿者だった俺様からすれば、都合の良いホームスイートホームと無料健診サービスをゲットしたにも等しい破格の待遇だ。
人間どもから宛がわれた棲処の場所はベーリング海の無人島、そこに築かれた対怪獣防衛前哨基地第93号、暗号名:アドノア。人間の尺度で何LDKだかは知らねえが、敷金礼金はもちろん無し。近海は海流の都合で餌も豊富! オマケに火山島なので俺様にぴったりの溶岩風呂まで完備! まさに麗しのマイスイートホームって奴である。
ちなみに新たなる支配者:ゴジラによる新世界秩序の統治はとても寛大なものだった。
この期に及んでなおもゴジラを追い落とそうなんて考えるムートー一家みたいな野心家もいないことはなかったがそんなのは少数派、俺様の処遇に限らず『怪獣大戦争』でキングギドラ陣営に加担した連中も人間たちと協調路線に則るかぎりにおいては基本的に御咎めなしだった。
たとえばヘドラはゴジラから散々ぶちのめされた挙句に屈服、今はゴミを喰う能力を活かしてゴミ処理場で働いているらしい。他にもキングギドラ陣営の中核だったメガロは腕っぷしを買われて海底シートピア王国の用心棒へ再就職、ガイガンに至っては国連直下の超常災害対策機動部タスクフォースで
……そして現在。まいったね、これは。
言っておくが、別に怪獣プロレスの話じゃあないぜ。
こう見えても俺様は百戦錬磨の空の大怪獣なのでそんじょそこらの雑魚怪獣、たとえばメガニューラやカマキラスくらいなら軽く捻れる自信がある。メガギラスやクモンガ辺りになると多少骨は折れるが、まーなんとかならんこともない。
俺様を“参らせてる”のは他でもない、目の前にいる“こいつ”である。
「ねえねえラドンおじさん、ラドンおじさん!」
そう言ってぴょこぴょこついてきやがるこいつは先日流れ着いた卵から生まれたゴジラの子供、ベビーゴジラ。何を隠そう、そのベビーゴジラに俺様ラドンは懐かれてしまったのだ。
岩山の高台から飛び立とうとする俺様に、ベビーゴジラは今日も食い下がってきた。
「ねえねえ今日はどこ行くの、どこ行くの!?」
「ちょいと散歩に行ってくら」
俺様は敢えて素っ気なく答えてやったのだが、しかしそんなことでめげるようなタマじゃねえのがベビーゴジラである。
「散歩? お散歩? ねえねえ、いつ帰ってくる? いつ帰ってくるの??」
「さあな、おまえの知ったことじゃねーよ。ついでにメシを獲ってくらぁ」
「そっか、じゃあ火山のおうちで待ってるね!」
「……ふん、勝手にしな」
「いってらっしゃーい!……」
……さーて、どうしたもんかねぇ。アドノアを離れて近海の空を適当にぶらつきながら、俺様はじっくり思案する。
完璧な計画のつもりが実に厄介なものを背負い込んでしまったことに俺様が気づいたのは、ベビーゴジラの奴を助けてまもなくのことだった。軽く恩を売るだけのつもりが、よもやこんな風に居着かれちまうとは。やっぱアレだね、善意ってのは無責任に施すもんじゃあないね。
とはいえ、である。
ここでベビーゴジラに下手な傷でもつけたら、同族に目が無いゴジラのヤローに何されるかわかったもんじゃない。そんなに同族想いならとっとと迎えに来いよと思わないでもないのだが、あの背鰭野郎もキングオブモンスター就任から間もないからか今は忙しくてそれどころではないらしい。
いっそ『ベビーゴジラを置き去りにして、俺様だけ他の島に移住しちまう』って手も無くはない。それも恨まれるかもしれんが此処アドノアの環境は決して悪いもんでもないし、たとえ今は子供でも立派なゴジラの端くれなんだから大きくなればまさに敵無し、島で慎ましく暮らしてゆく分にはまあ困らねえだろうとも思う。
が、それはそれで今度は『俺様が困る』んだよな。
このアドノア以上に条件の良い棲処なんてそうそう無いし、それに俺様が勝手にアドノアを離れたりしたら人間どもがパニックを起こすのが目に見えてんだよなァァ~……
「第一次警戒体制発令、第一次警戒体制発令!」
「パターン青ッ、ゴマすりクソバードです!」
「うわアア~ッ、怪獣だアア~ッッ……!」
……みたいな?
ヤダぜ、たかが引っ越しでまた空中戦艦ランブリングだの次世代戦闘機ガルーダだので付け狙われんの。あんなしょーもないガラクタオモチャどもに負ける気はしねえが、余計なケンカは敢えて売らねえのがスマートな俺様流よ。
「ただいまー……っと」
「あっ、おかえりなさいラドンおじさん!」
……ってなもんで、結局どうするでもなくずるずると面倒看ちまってんだよな。
しかも何が困るってベビーゴジラの奴、刷り込み本能で俺様を親か何かだとでも思い込んでるのか、この島から離れようとはしない。「俺様はおまえの親じゃねー!」って言ってやったら「じゃあラドンおじさん!」とかえって懐いてすり寄ってくる始末である。
島の中ならどこへでもついてきやがるし、そのくせまだ自分で餌がとれないもんだから俺様の飯のおこぼれを分けてやるしかない。ほっとけばいーじゃん、って? ばーか、下手にネグレクトめいたことして目の前で野垂れ死なれたりしたら寝覚めが最悪だろってんだ。
しかし、子供の面倒を看るのもそれはそれで大変なのだ。
「……ああ。今日の飯だぜ」
「わあいマグロ! ぼく、マグロだいすき!」
「おまえ、そう言ってなんでも食うじゃあねえか」
「えへへ。いただきまーす……!」
たとえば食事。ベビーゴジラは厳密に言えばゴジラ=ザウルス、つまりゴジラではない。ゴジラ=ザウルスは本来おとなしい雑食性の生き物だから変な好き嫌いをしないのはありがたいのだが、裏を返せば栄養バランスも考えないといけないということでもある。肉食の俺様と違って肉ばっか喰わせるのもダメだし、かといって雑草を喰わせておけばいいってわけでもない。
ゴジラの同居人、それも『子供』ってやつの世話がこんなにも面倒なもんだとは思わなんだ。というかなんで俺様なのよ。こういう『子供と触れ合い』的なのは、母性の怪獣モスラとか子供の味方ガメラさんあたりの役回りじゃあねーのか。ひるがえってこのラドン、優雅な独身怪獣貴族サマだぜ。ガキの面倒なんかみられね~っつーのよォォ~~~~ッ。
こう見えても俺様はまだまだピチピチの若鳥、『自分でこさえたでもない、ゴジラの子供の面倒を見る』なんてのはまっぴら御免だ。まだまだ独身ライフを満喫したいもんね。
「……あー、美味しかった。ごちそうさまでした!」
そんな俺様の苦悩懊悩なんて露ほども知らないベビーゴジラは、いつの間にか食事を終えていた。見ればベビーゴジラの奴、俺様が用意したマグロの山をぺろりと平らげてやがる。
……まあ、しゃーないな。ゴジラ=ザウルスがどれだけ喰うかは知らんが、子供にゃあいっぱい食わせねば。
「おう、片付けもちゃんとしろよ」
「はい、ラドンおじさん!」
飯が終わり食休みのあと、続いて『鍛練』の時間である。
「『タンレン』? タンレンってなにするの、なにするの?」
興味津々、つぶらな瞳を輝かせて訊ねるベビーゴジラに、俺様は威厳たっぷりに教えてやった。
「鍛練ってのは特訓のことだ」
「トックン……?」
ああ、そうとも。俺様は大仰に頷きながら言う。
「おまえだって、いつまでも弱いベビーではいられねぇ。渡る世間は鬼ばかり、こんな世知辛い世の中を生き抜いてゆくためにゃあ特訓して強くならにゃならん。おまえも強くて立派なゴジラになりたいだろう?」
「うん!」
俺様の言葉にベビーゴジラは威勢よく応えた、けれど。
「だけどぼく、強いゴジラよりも、ラドンおじさんみたいな空の大怪獣になりたいなあ……」
……馬鹿言っちゃアいけねえぜ。
たしかにこの俺様ラドンは最高にイケてて超クール、ナウなヤングたちならば誰もが憧れること間違いなし、まさに空の大怪獣である。
だがベビー、おまえは違う。おまえはゴジラ=ザウルス、つまりゴジラだから俺様みてぇにはなれんのだ。この俺様がゴジラやギドラみてぇにはなれんのと同じように。
……そんなことがチラと頭をよぎりつつ、俺様はベビーゴジラに本日の特訓を課すことにした。
「今日の特訓はだな、歴史の勉強だ」
「レキシのベンキョー??」
首をひねるベビーゴジラに、俺様はさらに教えてやる。
「昔のことを学ぶのさ。そうすりゃあ、昔に他の誰かがした失敗をしないで済むだろう?」
「……なるほど! ぼく、レキシのベンキョーだいすき!」
『レキシのベンキョーが好きなベビーゴジラ』というのもなかなか酔狂な話だが、まぁ殊勝な心掛けである。俺様は指導を続けた。
「よし、じゃあ遥か昔の偉大な先人たちによるありがたーい御言葉を俺様が暗唱するからベビー、おまえもあとに続けて声に出して言うんだぞ。良いな?」
「うん、わかった!」
……んんっ、んー、おっほん。
喉の調子を整えた俺様、さっそくアドノア島全域にも聞こえるくらいの声量で偉人の言葉を読み上げた。
「やったぜ! 流石のナイトバードも、これで永遠にGOOD☆NIGHT!」
俺様が発した歴史上の偉人の有難いお言葉が、アドノア島の火山地帯でこだまする。それに続けて、ベビーゴジラも後を追うように声を上げた。
「さすが の ないとばーど も、これで えいえん に ぐっどないと!」
よしよし、その調子である。
俺様とベビーゴジラはそれからも、アドノア島中心の雄大な火山地帯に向かって遠吠えを続けた。
「『一番よりNo.2!』 これがホル・ホースの人生哲学、モンクあっか!」
「もんく あっかー!」
「私は常に強いものの味方だ」
「みかた だー!」
「俺はな、もの凄く弱いんだぜ、舐めるなよ!」
「なめるなよー!」
「プロングホーン様~!」
「プロングホーンさま~! ……ところで、プロングホーン様ってだぁれ?」
……なに? 『なんだかんだ文句言いながら、ベビーゴジラの面倒をちゃんと見てやってるじゃあねーか』って??
だからさあ、勘違いするんじゃあねーってのよ。別に俺様、ベビーゴジラが可愛くて面倒を見てやってるわけじゃあない。
考えてみろよ、こいつは次代の怪獣王になるかもしれねえんだぜ? ベビーゴジラにいい加減な教育をしてたら、あとでゴジラが引き取りに来たとき俺様が怒られるだろうがよ。それくらいの先読みくらい出来ずにこの地獄の怪獣黙示録、生き延びられるかってんだいバーローチキショーめ。
……という塩梅に、ベビーゴジラと団欒を囲んでいたときのことだった。
島の外から、何かが近づいてくる気配がした。
「隠れろ、ベビー」
「えっ……?」
「いいから、早く!」
すぐさま、ベビーゴジラを火山の巣穴へと押し込み、俺様は迎撃の体勢を取った。
……飛んでくるのは島の外から、気配は二つ。このスピードと軌道、人間の飛行機とかじゃあなさそうである。方角は南から、ってことは……?
アドノア島の火山の麓で待ち構える俺様、その眼前に“奴ら”は舞い降りた。
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