光と闇   作:通りすがりの猫。

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☆10がきたので投稿。

「千秋」様、ありがとうございます。


※本小説のタイトルを変更しました、ご了承ください。


所謂、送別戦というやつ

ジャバウォックとの試合から約半年が経ち、長くて短かった1年のスペイン生活も終わりを迎え、いよいよ明日出発という時期になった。

 

「よくきたなきょー。」

 

いつものコートへ行くと、皆がいた。

 

「それで?どんなお見送りをしてくれるの?」

 

俺は少しおちゃらけてマイケルにそう言う。

 

「フッ…。そんなのここにいるやつらとの1on1に決まっているだろう。負けたらとっとと日本へ帰れ。」

 

「なるほどね、面白いじゃん。」

 

ザっと見ただけでも30人程居る。

 

「…え?全員と?」

 

「当たり前だ、もうお前はとっくに家族だ。仕事とかで来れないやつもいたが、きちんと気持ちは貰ってきてる。」

 

マイケルがそう言ってこれなかった皆の寄せ書きを渡してくれた。

 

「…わかった、受けよう。ルールは?」

 

「人数が人数だからな、5点先取だ。」

 

そう言って早速、俺vs30人の1on1が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからなんとか26連勝をして、残るは4人。

ルーカス、ハンク、レオ、マイケルの4人だ。

 

「これがお前との最後の1on1か。」

 

ルーカスがそう呟く。

 

「最初は手も足もでなかったわ。」

 

「よく言うぜ、すぐにうまくなりやがって。」

 

その後お互い沈黙が流れる。

 

「…よっしゃ、行くぞ。」

 

「おう。」

 

これ以上のやり取りはいらないとお互いがお互いを理解し、1on1が始まる。

最初は俺からの攻撃、数度ドリブルを突き早速縦に仕掛ける。

ルーカスがしっかりついてくるので1度止まり、チェンジオブペースで剝がしにかかる。

しかしそれでも抜ききれない。

 

「俺の土俵で勝負しよってのか?」

 

流石に気が付いたのか、やや煽り気味でくる。

 

「ならこれならどうだっ…!」

 

今度は俺が初めてルーカスと1on1をした際にやられた技で仕掛ける。

あの日にやられてからずっと脳裏から離れない技を見よう見まねでなんとか形にはなったので披露する。

 

右手で前から後ろにレッグスルーをして、ルーカスの重心をみる。

その後左手でドリブルを突きルーカスの左側を縦に仕掛ける。並走してくるルーカスに対して途中でボールを置き、そのままドリブルしてるフリをする。

数歩進んだところで反転をしてボールがあるところまでダッシュ、ボールを取りながら体をゴールへと反転させながらフェイダウェイをしてシュートをする。

 

これにはルーカスも途中で驚きがあったのか立ち止まってしまう。

本人の中では簡単なレベルなのだろうが、これを実践で使用するための速度、ドリブルをしているフリ、反転しながらフェイダウェイを決める、この三点のスキルを上げて一連の流れで成功させるのがとても難しかった。

 

「…おい!いつの間に俺の技できるようになったんだよ!?」

 

1on1の最中で決められたというのに喜んでこっちに向かってくる。

 

「密かに練習してたんだよ、驚かせたくてな。」

 

「驚いたさ!さすがだなきょー!」

 

ルーカスがそう言うと拳を差し出し、グータッチを求めてくるのでそれに応える。

 

「っしゃ、次は俺の番だ。」

 

そう言うと早速変則ドリブルをしてくる。ほぼ毎日1on1やって目が慣れているとはいえ、止めるのは難しい。

左右に大きく振り揺さぶりをかけてくる、少しの間俺の様子を見てからいくつかフェイクを仕掛けてくる。

しかし俺がかからないとみるといきなりスピードをあげドリブルを仕掛けてくる。

いつもだとここからゆっくりになってチェンジオブペースを仕掛けてくる…!?

そう読んでいたが、ルーカスはそこから更に速くなった。

まさか、最初のスピードがゆっくりだったというのか?

俺を抜いたルーカスはレイアップで決める。

そのまま戻ってきたルーカスは何も言わずに俺にボールを渡す。

 

次の攻撃で3pシュートを決めれば俺の勝ちなので、ルーカスは勿論警戒をしてやや詰めてくる。

そこを利用して抜かそうとしドリブルを開始するが、ルーカスは即座に詰めていた距離を離して警戒する。

それを見た俺は3pラインから、レッグスルーをしながらバックステップを挟み、そこから更にフェイダウェイをしてルーカスとの距離を一気に開かせてシュートを打つ。

そのシュートはそのままゴールへと入り、5点先取した俺の勝利となる。

 

「あの体勢でスリー決めるのかよ…嘘だろ。」

 

ルーカスは最初のバックステップまではついてきたがその後のフェイダウェイには遅れてしまい、間に合わなかったのだ。

 

「最後スリーで終わらせるとは思わなかったぜ、やられたよ。」

 

そう言ってルーカスが握手を求めてくる。

 

「だろうと思ったからスリーでいったんだよ。」

 

そう言って握手を返す。

 

これで残り3人。

 

「次は俺だな。」

 

そう言うとハンクが前に出てくる。

 

改めて見ると大きいな、どう攻略するか迷うな。

そう考えていると、ハンクからボールがくる。

 

「先手はやるよ。」

 

背が高い分、しっかり振り切らないと生半可なシュートは容易くブロックされるだろう。

なら初手は…。

 

いつもよりドリブルの姿勢を低くして、速攻でゴール下に向かう。

しかし、それでもしっかりと並走してついてくるので、一度戻り立て直しをする。

そして、ノーフェイクで3pシュートをするもブロックされてしまう。

 

「侮るなよ、その程度の不意打ちはきかない。」

 

ハンクの攻撃ではゴリゴリにセンタープレイで俺に背を預けパワープレイをしてくる。

そして、ゴール下までくるとフックシュートで確実に俺に止められないように決めてくる。

俺の攻撃になったのでとにかくフェイクを入れてどうにか振り切ろうとする。

そのうちの1つにかかったのを捉えて即座に動く…振りをする。

俺がドリブルで仕掛けると思ったハンクは動いた俺に対してつられてしまう。

二度フェイクにかかったハンクはその後の俺のシュートに間に合わずこれで同点とする。

しかし、ハンクはまたもセンタープレイで俺を軽々と押すと、今度はダンクで決めてきた。これでリーチをかけられてしまった。

フェイクで後手を数回踏ませることができればハンクのブロックも搔い潜ることができるのでそれを使うしかないが、問題はDFだ。

あのパワーに勝てるビジョンは全くみえなく、次の攻撃も防ぐのは厳しいだろう。なら…。

俺はハンクからパスが来た流れのまま3pシュートを打ち、沈める。

 

「んな…。」

 

あまりのスムーズさにハンクはブロックに跳ぶのが遅れてしまい俺のゴールを許してしまう。

 

「悪いなハンク、普段ならしっかりとぶち抜くんだが今回は負けられないからな。ちょっとずるいけどこの手をとらせてもらったよ。」

 

「…いいや、警戒していなかった俺が悪い。なによりお前の1回目の攻撃を防げていたらここで負けていることもなかった、お前の勝ちだ。」

 

そう言って俺はハンクと握手をする。

ただ次の相手にはこのような奇策は通用しないだろう…。

 

「うん、まさかハンクまで倒すなんてね。驚いたよ。」

 

そう言ってレオが出てくる。

奇策やフェイクといった搦め手は一番効果がなさそうな相手。なら…。

 

「へぇ…真っ向からくるか…。」

 

身長差が一番ない、むしろ俺の方が高く有利なマッチアップ。

初手でレオの左側を最速で抜けるとそのままレイアップに…あぶねっ!

あっさりと抜けるから何事かと思えば、レオが後ろから俺のレイアップを狙っていた。

その為、俺はレイアップからダブルクラッチへと即座に変更をしてゴールを決める。

 

レオからボールがきたのでパスで返却、どういった攻撃をみせるか…しまった!

レオは俺から貰ったパスをそのままシュートにして決めてきた。ハンクを相手に最後にやったものをそのままやられた。

 

「まさか自分はやられないだろうと思った?次からは注意しなね。」

 

にこりと向けられた笑顔にはしてやったりといった感じがした。

そうして次の俺の攻撃、DFでも何をしてくるか分からないレオに警戒しながら揺さぶりをかける。

しかし、どれにもかからないので先ほどと同様にフルスロットルでドリブルをして抜きにかかるが今度はついてくる。

左手でロールを行い、ボールを右手で持ち替えてダンクをする。…あまりにもあっさりと決まる。…何を企んでる?

 

続いてのレオの攻撃ではいきなりドリブルで突っ込み無理矢理レイアップをしようと…違う!これは…!

そう思った時には遅く、レオはフローターシュートでゴールを決める。これで4-4、互いにリーチとなる。

 

…ここで決める。

一呼吸おいて俺はレッグスルーからクロスオーバーでレオを抜く。…レオを抜く?おかしい、このままだと俺が決めて負けるのに簡単に抜かせる?あのレオが?

そう思いながらも抜けたのでそのまま決めるためゴールの方を見直した瞬間に手元からボールが離れた。

 

「うん、この新しい『眼』の使い方は何かに使えそうだね。」

 

そう後ろから聞こえたのでボールが離れた手元をみるとレオの片手が伸びてきていた。これでボールを弾いたのか。

…ってこれ鷲の鉤爪(イーグルスピア)!?!?

そう驚くのもつかの間、ボールの行方を見ると前に転がっていた。走って拾い直して、冷静にボードに当ててゴールを決める。

 

「…ありゃ、それはそうなるか。咄嗟の思いつきにしてはよかった気がするんだけどな…。」

 

…え?鷲の鉤爪(イーグルスピア)って練習して準備してきた新技とかじゃなくて今この場で発想して試して成功させたの?

 

「…いつからこの技を?」

 

「ん?きょーがハンクに不意打ちでシュートをしたときにアイデアで浮かんでね。後はいつもより簡単に抜かせて同点のタイミングでボールを奪う。最後に動揺している隙をついて決めようと思ったんだけどね。前に零れたらそりゃボールに近い選手が有利なのを失念していたよ。」

 

瞬時に鷲の鉤爪(イーグルスピア)を思いつき、そのための布石をしっかりと張り巡らす。やっぱりこの人は上手い。

 

「日本で活躍したニュースがこっちまで届くことを願ってるよ。」

 

そうしてレオとも握手をして、29連勝。

次で最後か…。

 

「まさか、全員に勝つとはな。ここでの最後の1on1だ、全力でいくぞ。」

 

「よろしく…ボス。」

 

俺は敬意を込めてマイケルをボスと呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにせ、ボスも明日アメリカへ帰国するのだから。

 




感想でヒロイン言及されてそういえば決めていなかったなと思いアンケートを追加しました。

一応思い当たる女性キャラを一通り並べてみました。
ストーリーへの組み込みやすさなどもキャラによって違うので、いつ登場して発展していくかなどは明言できないのは申し訳ないです。


次話以降少し時系列が乱れます。
時系列でいくと

次話→次々話→今話

となっております、ご注意ください(一応本文にも記載しています)


最後に次話から少し文字数が減ります。ご了承ください。

ヒロインについて

  • ヒロイン無し
  • 桃井 さつき
  • 相田 リコ
  • 荒木 雅子
  • アレクサンドラ・ガルシア(アレックス)
  • 土田の姉
  • 水戸部の妹
  • オリキャラ
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