お待たせいたしました。
時が経つのも早いもので、入学してから1ヶ月が過ぎた。
青峰は練習には来ないが、練習後のフリーの自主練習には来て俺との1on1をして一緒に寮に帰るのがルーティーンとなっている。
桐皇は1軍と呼ばれる大会登録人数の上限である12人とそうでない者の18名の計30名で構成されている。
しかし大会までの期間は全員合同で練習を行っている。その中で監督がメンバーを選ぶ形になっている。
スタメン組はほとんど固定化されており、
PGに今吉さん、SFに諏佐さん、PFに青峰、Cに若松さんの4名は練習最後に行うミニゲームで同じメンバーで行っているのだ。
まぁ青峰は練習に来ていないので、実際には入れ替わり立ち代わりで青峰の代役を行っているのだが。
SGはまだ固定化されていなく、候補は恐らく3人。
俺と桜井とそれまでスタメンで出続けていた3年生の先輩。
毎日の練習の中でそれぞれがスタメンと組み、ミニゲームを行っている。
そんなスタメン争いが白熱する中、IH東京都予選前最後の練習試合が組まれることになった。
その発表が行われたのは練習試合1週間前の練習終了後、監督から「最後に。」という言葉から始まった。
「来週の練習試合の相手が決まりました。相手は正邦高校です。」
まさかの三大王者の一つだった。
予選の組み分けは既に発表されており、原作通りの組み合わせとなったのでトーナメントで当たることはないのだが、まさかである。
「相手は三大王者の一角ですが、私たちの力を試すにはちょうどいい相手でしょう、ここが最後のアピールの場です。頑張ってください。」
「それと明日は急遽ですが休みとします、体育館は開けておくので好きに使っていただいて構いません。それでは解散とします。」
明日休みなのか…。あれ?そういえばこの時期って。
「桃井、ちょっといいか?」
「?どうしたのきょー君?」
「知ってたらでいいんだけど、神奈川の海常の日程ってわかる?」
「海常ってことは…きーちゃん…じゃなくて黄瀬君のところだよね?どうして…。」
そう言って桃井はペラペラとノートを捲る。
「明日は…テツ君…じゃなくて誠凛高校と練習試合だね。」
「どこでやるかわかる?」
「んーっと…海常高校だね。」
「ありがとう。」
「きょー君観に行くの?」
「あぁ、他のキセキの奴らがどんなのか知りたいなって。」
「そうなんだ。…折角なら私もいこっかな。」
まさかついてくるとは…っていうか
「青峰はいいのか?」
「いいの!どうせ寝てるだけだから!」
「…なんかあったのか?」
「お休みだし、宿題見てあげるって言ったのに大ちゃん「だりぃ。」とか「めんどくせぇ。」としか言わないんだもん!どうなっても知らないんだから!」
あぁ、いつものやつか。
「それじゃあ行くか、明日正門前に8:00集合でいいか?」
「わかった!また明日ね!」
そうして俺は桃井と別れて寮へと帰った。
次の日。
「お待たせ!」
正門で待っていると桃井が来た。
「おはよう、それじゃあ行くか。」
「うん!」
桐皇から海常への移動は電車を乗り継ぎ、行った。
道中は主にバスケの話と俺のスペインの話をしていた。どうやら帝光バスケ部で色々とあったようで俺の動向や大会のことまでは把握できていなかったようだ。
そうこうしている内に海常に着き体育館に向かうと、中からボールの音が聞こえる。
どうやらアップしている最中のようだ。
「丁度いいタイミングだね。」
「そうだね…あれが黄瀬か?」
ベンチに座って不貞腐れている黄瀬を俺はみつけた。
「そうだね、あれがきーちゃん。中学2年生からバスケを始めたんだけど凄く上手いんだよ。」
黄瀬の他にも笠松や早川、森山などのレギュラーメンバーも見えた。
今度は誠凛に目を向けると、火神が目立っていた。
「誠凛は確かあの影が薄い人がいるんだっけ?」
「そう!テツ君!あれ?中学の時対戦した時にマッチアップしてたよね?」
「…そういえばしたな、あの時は曲がるパスみて驚いたな。」
「私もまさかテツ君と同じ視線誘導を使う人がいたなんて驚いたよ。」
「お互い様だなそれに関しては。…おっ試合始まるみたいだぞ。」
コートに視線を戻すと整列をしていた。
「…きょー君はどっちが勝つと思う?」
「誠凛のメンバーの実力がわからないけど、概ね海常の勝ちだろうな。」
「なんで?」
「海常のメンバーがスタメン組なのもあるけど、経験の差が大きいだろうな。終盤で接戦になったとしたらそこからの耐えや勝ちに繋げるための執念は並みのレベルではないだろうしね。」
「そっか…。」
桃井にとって、帝光という絶対的強者のチームでマネージャーをやっていたが故に大接戦になった時のチームの勝ち方や雰囲気作りなどそういった経験がないので実感が湧かないのだろう。
そうしたやり取りをしているとジャンプボールが行われ、試合がスタートした。
笠松がボールを運ぼうとした所を黒子がスティールして、火神がダンクでゴールをぶっ壊すという離れ業を初っ端にかまして、黄瀬が登場。
原作通りの流れで試合が始まる。
「…あの10番凄いな。」
「えっと…。あ、あった!火神 大我君。中学の時はアメリカに居て日本での試合ビデオはないからあまりわからないかな…。」
「高さもあってパワーもジャンプ力も申し分ない。面白い試合になりそうだな。」
火神に目がいきがちだが、今夏の試合の個人的なお目当ては黒子と黄瀬だ。
黒子については少しでも慣れておくため、黄瀬は練習試合の時からどのくらい成長しているかを見るためである。
火神も見るべきなのだろうが、IHで当たる時には怪我を、WCの時には最早別人になっているためあまり参考にはならない。
強いて言うのであれば、実物をこの目で見てサイズ感や身体能力を知ることができたことくらいだろう。
試合は進んでいき、1度目のタイムアウトがとられる。
そこで海常側は黄瀬が黒子の
「やっぱり黒子に対する対策とかあるのか?」
「うん、それは勿論あるよ。今聞く?」
「いや、戦うことが決まって対策会する時にきこうかな。」
「わかった。」
対策のことを桃井にきいて思い出したが、黒子のミスディレクション・オーバーフローについての対策考えとかないとな…。
そんなことを考えながら試合をみていると第1Qが終了した。
そこからの流れも原作通りで、火神が黄瀬の弱点は黒子だと言い当て連携で黄瀬を崩していく。
しかし黄瀬もそれに負けじと得点をしていく。
途中、黒子の負傷退場になった場面では桃井が慌てていたが、第3Q終盤から再出場をして再び点を取り合う展開となる。
決着は火神がやり返しを絶対にされないブザービーターでダンクをして誠凛の勝利となる。
「テツ君勝った!」
黒子が勝ったことで桃井がはしゃいでいる。
「おい、俺たち一応偵察で来てるんだからな?」
「そうだった!ごめんごめん。」
幸いにして周囲からは俺たちが桐皇の人間だとはばれていないようだった。
「…黒子と黄瀬に挨拶して帰るか?」
「そうだね!ちょっと行ってくる!」
「わかった、校門で待ってる。」
「きょー君は行かないの?」
「俺はいいよ、帝光の人間でもないし1回しか練習試合したことないんだぞ?
「いいじゃん!一緒に行こうよ!紹介してあげる!」
桃井はそう言うと俺の手を引っ張って黒子と黄瀬の元へと連れていかれた。
「テツくーん!」
桃井がそう叫びながら黒子に突進をする。
黒子は吹っ飛ばされ地面に倒れる。
「…痛いです桃井さん。」
「ごめん、ごめん。」
誠凛と海常の人もいる中で突っ込んでいくの勇気あるな…。
「桃っち!なんでいるんすか!?」
黄瀬が驚いて声をあげる。
「そりゃあ二人が試合するってきいたからだよ!」
「ってことは青峰っちも…?」
「ううん、大ちゃんは来てないよ。」
「一人で来たんですか?」
黒子が桃井に尋ねる。
このやり取りをしている最中に誠凛と海常の人はこそこそと話している。
大方桃井のことだろうとは容易に想像できるが。
「ううん、同じチームの人と来たよ!」
そう言って俺の手を引っ張り黒子と黄瀬の前に出す。
「…どうも、桐皇学園1年の藍野 京介です。」
「…どっかで会ったことあるっすか?見覚えはあるんすけどねぇ…。」
「…黄瀬君、彼とは1度練習試合で戦っていますよ。」
「え!?そうなんすか!黒子っちよく覚えてるっすね!」
「…よく俺のこと覚えてたな、1回しか戦ってないぞ?しかも練習試合で。」
「...2年生の頃、青峰君が悔しがっていたのでそれでですね。」
「あ~、確かに。青峰っちあの時不機嫌だったっすね。」
そんなにだったのか、それはなんだが悪いことをしたな。
「そうだったのか。まぁ俺が今日来たのはただの付き添いだよ。」
「…っていうか桃っちと一緒にいるってことは青峰っちと同じ学校ってことっすか!?」
「いや、自己紹介で桐皇って言ったろ。」
黄瀬の驚くタイミングの遅さにビックリだ、何を聞いていたんだ?
「…青峰君は元気ですか?」
「あぁ、練習には来ないが元気だよ。」
俺は敢えて毎日1on1をしていることは言わなかった。聞かれてないしな。
桃井に目を合わせて黙っているようにアイコンタクトをする。
「大ちゃんね、毎日きょー君と1on1してるんだよ!大ちゃんが勝つ日もあれば負ける日もあるんだよ!」
言うのかよ…。どうやら桃井には伝わらなかったようだ。
「青峰っちが負ける!?」
「…それは本当ですか?青峰君が1on1で負けるなんて正直考えにくいですが…。」
黒子と黄瀬が信じられないというような顔をしている。
「誰なんだよ、その青峰ってやつは?」
事情を知らない火神が話に入ってきた。
「本当になんも知らないんすね。…青峰 大輝、わかりやすく言えば帝光のエースで最強って言葉がよく似合う人っすよ。俺も毎日1on1挑んでたんすけど全然勝てなかったっす。」
「黄瀬が勝てない!?」
「そうっすよ、だから信じられないんすよ。青峰っちが負ける所なんて…。」
黄瀬はそう言って俺をみてくる。
「…いや、まぁずっと勝ててるわけじゃないんだけどな?寧ろ負け越してるくらいだし。」
「それでも凄いっすよ!ねぇ黒子っち!」
「…そうですね。本当は…。」
黒子からその先が呟かれることはなかったが、なんとなく言いたいことはわかる気がする。
「そちらさんも試合終わりで疲れてるだろうからそろそろ帰るぞ桃井。」
「…そうだね!じゃあねテツ君!きーちゃん!次は大会で会おうね!」
「あ!そうだ!折角なら連絡先交換しないっすか?」
そう言って黄瀬はスマホを出してくる。
「オッケー、1on1したくなったら呼んでくれ。時間合うならやろう。」
「勿論っす!」
「それでは僕もいいですか?」
黒子が次いでと言わんばかりにスマホを出してくる。
「勿論、同じ東京都同士の高校だしね。」
黒子とも連絡先を交換する。
「それじゃあ失礼します。」
そう言って俺と桃井は帰る。
暫くして桃井から話かけられる。
「どうだった?今日の試合をみて。」
「どっちも対戦するとなると手ごわそうだな。」
「そうだね、勝てるかな?」
「勝つさ、桐皇には俺だけじゃないんだ。エースがいる。」
「…そうだね!」
学校に帰ってきて桃井は青峰の様子を見に行くといって解散となった。
原作の試合を生でみることができたからなのか体がムズムズしている。
走り込みでもしてくるか…。
「これより、桐皇学園 対 正邦高校の練習試合を開始します!礼!」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」」
1週間後、IH予選前最後の練習試合が始まった。
1週間振りの投稿大変お待たせ致しました。
普通に仕事が忙しく、執筆がまるでできておりませんでした。
ストックは偉大や。
まったり更新、お許しください。
それでは次のお話でお会いしましょう。
ヒロインについて
-
ヒロイン無し
-
桃井 さつき
-
相田 リコ
-
荒木 雅子
-
アレクサンドラ・ガルシア(アレックス)
-
土田の姉
-
水戸部の妹
-
オリキャラ