飯マズ脱却の為ならサブカルを布教する【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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地球サイド

 

 

 

ここは天の川銀河にある惑星の一つ、水の惑星地球。

 

その日本にある政府機関施設。

 

そこに数人の大人達が首を傾げていた。

 

詳しくいうと、ゼクシィという星に交流を頼まれた時から始まっている。

 

ゼクシィの生態も規模も謎に包まれているが宇宙技術に関しては地球が逆立しても敵わない程、遠くかけ離れているほどの差がある。

 

それに関しては感嘆しか生まれない。

 

が、謎の星から望まれたのは何故か日本生まれの漫画キャラクター、ノラえもん。

 

「やはり我々が頭を使ってもノラえもんの人気には謎がある。あそこまで熱狂的に好かれるなど」

 

「しかし、地球でも海外の人気は凄いですから。ノラえもんが宇宙人にも人気になってもなんら可笑しくないのでは」

 

「他の漫画やアニメにも興味を抱いてますが、ノラえもんは抜きん出てます。あまりにも多すぎます。なんですか、漫画が300億万部って。桁可笑しいっす」

 

「アニメも大変だ。工場がフル稼働らしい」

 

「リサイクルショップがノラえもんのグッズを高額で売買も始めてます。総理の指示ですから。早期にグッズを一つでも多く渡した方が印象は良いのだろう」

 

「中古で良いんですかい?」

 

「なんでもゼクシィで新品同様に出来るから構わないと。しかも、新品と同じ値段でも構わないそうだ」

 

「なんちゅう太っ腹」

 

公務員は仰天する。

 

「我々は例の子達について考えねば」

 

リーシャ、アルメイ、ジャニク。

 

ゼクシィ大統領に渡されたプロフィールと、アメリカ首相と日本総理大臣の言葉も伏せてプロファイルされている。

 

「リーシャちゃん、いや、彼女達は15歳だったか。見た目に引きずられるな、どうしても」

 

見た目は小学生低学年なのだ。

 

「リーシャさんは丁寧で真面目な性格。他の2人と比べてアニメなどの視聴に夢中にはなってない。だが、食べ物に関しては誰よりも好む」

 

次のプロファイルへ行く。

 

「アルメイさん。見た目は優等生で、中身も優等生。敬語で話すという2人にはない言語。頭の回転は早い」

 

プロフィールにはゼクシィ内では天才なのだという。

 

今の所冷静というだけで天才の片鱗も見られてない。

 

アニメに感して並々ならぬ興味を抱き、食にも驚いていた。

 

「ジャニクさん。唯一の男。言動はやんちゃな男の子だが、乱暴なところはない

 

。アニメにかなりハマっている。3人は幼少からの親友、幼馴染」

 

3人に共通、いや、ゼクシィの星の住人で全員が共通してアニメに執着している。

 

ゼクシィ大統領とやりとりをする際に撮影を許可させてもらった時のノラえもん関連のグッズを渡した時の光景は、子持ちなら見覚えのあるはしゃぎ方だ。

 

あんなに喜ばれて嬉しがらぬ地球人が果たしているのか。

 

「あの喜びっぷりは近年あまり見ない程だ。あの動画を日本や海外が見たら親近感を覚えてしまう」

 

「良い事です。エイリアン映画は悪いものや良いものなど、様々な種類がありますが、わたしは良いエイリアンだと思いたい」

 

「私もです。しかし、私達は地球を守らねばならない立場なので公平かつ中立でおらねば。そういうところは民間人に頼むとしよう」

 

政府公務員達はほっこりする。

 

我らが星の生み出したサブカルにここまで喜ばれると、やり甲斐も生まれるというものだ。

 

リーシャに関しては食を楽しみにしているので、毎回リクエストを送ってくれている。

 

ちゃんと現金で払ってくれているので損はしていない。

 

ゼクシィのことをいつ公表するべきかと上と話し合っているのだが、なかなか決まらない。

 

ゼクシィと交信し始めたのは半年前なので時期が早いかもしれないと、許可が出ない。

 

しかし、ゼクシィ大統領から提案されたとあることで、頭を悩ませているのだが。

 

「ノラえもんミュージアムの建設、か」

 

「否やは無理か」

 

「場所の問題を提示したのだが、圧縮技術により外からコンビニ一軒分で、中は東京ドーム程ですら簡単に出来るとのことです」

 

「技術力が凄いな。地球ではそこまでいくのにどれほどかかるのか」

 

「場所も使わないとなれば、もう断る理由もないです」

 

「元々断れないさ。星間の発注数といい、大手の企業なんかでは比べものにならない買い手。今の地球を好転的にするには必要な外交となる」

 

300億部と発注をされているが、更に追加を頼むことになるとゼクシィ大統領がニコニコと言っていた。

 

ノラえもんもグッズの注文をもらっていて、数が数で大変である。

 

ゼクシィは揃えるのが無理ならこちらで数を補うと言われているのでそういう技術もあるのだと人員らは察した。

 

折角取引出来る機会を逃すつもりはないと慌てて生産している。

 

今すぐと言われておらず、時間をかけてもらって良いと言われていて、威圧的ではない。

 

「リーシャさんからのリクエストはどうだい」

 

「大型発注ですね」

 

「一人で食べる量じゃないよな」

 

「かといって、家族と食べる量でもない」

 

一国を相手にする量だ。

 

こちらも少しずつでいいと言われている。

 

リーシャさんは2人の幼馴染の分も頼んでいるのかもしれない。

 

「それにしても、ノラえもんだけなぜこんなに」

 

「大統領には聞けない。リーシャさんに聞いてみよう」

 

日本の総理大臣に頼んでみよう。

 

ノラえもんを布教した存在と最強のサポーターの存在により、いつも何度でもブースト状態だ。

 

「なぜこんなに大人気なんだ」

 

「いつまで続くんですかねえ」

 

ノラえもんブームは星全体故にかれこれ5年以上経過しているが、漫画とアニメにより更なる加速と増加が見込まれる。

 

ちょっとファンが普通のファン。

 

普通のファンが大ファンに、大ファンが特大ファンに。

 

大統領ガチファンが大統領殿堂入りファンになる。

 

大統領がガチファンなので、釣られて皆んなもドンドン好きになる。

 

布教を一番しているのは大統領だと思われる。

 

おまけに皆は、大統領が大好きな星民。

 

大統領があんなに好きならば好きにならないはずも無し。

 

秘密の夢道具を毎日のように語り、シナリオの素晴らしさを語る大統領に誰もが笑顔で視聴する。

 

リーシャの家族も大統領並みのファンなので同調しかしてない。

 

そんな理由を知らない職員は謎を解明する為にリーシャの来訪を待つのであった。

 

 

 

***

 

 

 

「今日の〜ご飯〜は〜るるるるるるる〜」

 

何でも美味しく食べられる調理器具へ投入。

 

両親も地球食を楽しみに待っている。

 

「カレーパン!メロンパン!ソーセージパン!」

 

と、ホクホク出来立てにする。

 

飯まずから脱却したわたしに不可能はないのだ。

 

食べる度に両親は病院に連れて行っていたなんて時期もあったが、それも過去のこと。

 

(名医のところに連れ回されたけど、どんな医者にも治せないんだよ)

 

環境のせいだったから。

 

あと、味覚の違い。

 

兎に角この星の主食が口に合わぬと説明したので連れて行かれることもなくなり、両親と離れて食べてから2人の悲しげな顔を見ずとも済んで、凌いでいた。

 

「美味しそうに食べるね」

 

「良かったわ」

 

「地球食を食べるとゼクシィの食べ物が口に合わなかったと納得したが、本当に良かった」

 

「今後の憂いはなくなったわね」

 

と、和気藹々してパンを食べる。

 

「まあ!ふんわりして、甘いわ」

 

「こっちはカレー味だ。とても美味しい」

 

「ソーセージパン最高。至高」

 

味わう。

 

3人で食べていると大統領ちゃんねるが始まる。

 

今日は重大発表があるという。

 

「今日はなんの発表なのかしら?リーシャ知ってる?」

 

「仮に知ってても言わないよ。娘からネタバレを知ろうとしちゃだめだめ。楽しみ半減だから」

 

「やっぱりそう?」

 

知りたい気持ちは分かるけど、娘から垂れ込みをもらおうなど、誘惑に負けすぎである。

 

『ノラえもんミュージアムを大型拡張したよ。なーんと!ノラえもんにはアニメの他に長編アニメといって1時間以上のものがあるんだ。それを今から放送するからね。そのアニメ映画の作品に出てくるミュージアムを再現したブースがノラえもんミュージアムに新たに登場。入園開始は1週間後。質問は明日の放送で答えるよ。ミュージアムの予告もあるから楽しみにね』

 

両親は映画を見ているので、内容を知っている未来にあるノラえもんの道具のミュージアムのことだと理解しているだろう。

 

ちらっと親をみれば。

 

「号泣!?」

 

ぐずぐずと涙の滝が。

 

「観た時からミュージアムがあれば良いのにと思ってた」

 

「夢なの?これは夢なの?」

 

(感受性の強い人達だからここまで感動出来るのか。ということは各家庭に今、同じ事が起こってるのかな)

 

などと考えているとジャニクらから連絡が来て声が聞こえてくる。

 

『うう、ぐす、ぐす、ぐすっ』

 

『観ました。流石は大統領です。需要を満たしてくれます』

 

アルメイの泣きかけの声が聞こえる。

 

ジャニクは嗚咽しか聞こえない。

 

モニョモニョなにか述べているものの、翻訳機能を使っても訳さない。

 

「良かったね。ミュージアム一緒に行こっか」

 

『『うん』』

 

2人は話して落ち着いたのか通信が切れる。

 

両親はまだ号泣しながら放映中のノラえもんを観ていた。

 

感情豊かである。

 

それを眺めて、私はそっと部屋を抜け出す。

 

棚からスッと原稿を出して、それを眺める。

 

書いても世に出さなかった作品は幾多もあるのだ。

 

これもその一つ。

 

明日はこれを私専用の作品会社に持っていく。

 

 

 

 

 

編集者に渡すと、私の担当者は腕をぶるぶる震わせてからデータから顔を上げる。

 

その顔色は非常に悪い。

 

「ど、どういう事ですか、リーシャさんっ。こ、これ、は、いつから」

 

「5年前には書いてましたよ」

 

「ごっ!?ええ!」

 

編集者はガタン!と立ち上がる。

 

1969年にアニメが始まった作品。

 

アニメもギネス記録に登録されるという超超大作。

 

「こんな大作!どこに隠し持っていたんです?」

 

「でも、日常の話なので派手なバトルシーンもありませんが大丈夫ですか?」

 

「リーシャさんが書いたものがヒットしないわけがないです」

 

「そうですか」

 

顔を下に向けて目線を文字になぞる。

 

『ササエさん』

 

家族の日常アニメである。

 

それを小説として書いたのだ。

 

今になって出すのは、地球が見つかってホッとしたからだ。

 

今ならリーシャが書いたものでも考えたわけではないと言っておけば、皆しっかり分かってくれる。

 

過剰に持ち上げられずに済む。

 

ササエさんに関しては食事のシーンがとてもあるので説明もしやすい。

 

編集者さんは興奮して再度読み始める。

 

出版するなりなんなり、好きにしてくれと伝えておく。

 

「出版します!重版決定ですから!」

 

ササエさんの小説の最後の後書きページには、どら焼きについて書いた。

 

 

 

 

 

 

 

〜後書き〜

 

どら焼きの名前の由来は、打楽器のドラに形が似ているという説がある。

 

膨らんだ円状のカステラ風な生地2枚に小豆の餡を挟み込み、色々入れて焼き上げる事で出来る、まったりもっちりなカステラ生地。

 

カステラがどんな食べ物か知りたい読者の皆、大統領にリクエストしてみよう。

 

最後の最後に大統領へぶん投げた。

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