飯マズ脱却の為ならサブカルを布教する【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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地球人が異星人を止めるのも難しいだろうから、私が適切に対応する他ない。

 

「アルメイはアニメ布教をする私の仲間なのですが、布教をするくらいアニメが好きなのです。私がジャニク達に小さな頃からアニメについて懇切丁寧に説明したり、読み聞かせ、言い聞かせてきたので」

 

今や立派なアニメオタクである。

 

「勿論、ノラえもんの大ファンです」

 

「そうですか。聞かせられたアニメに体が自然と動く。深く共感します」

 

アニィメイトに連れて行ったら帰ってこないと言える自信がある。

 

「山田。アニメ好きに人種は関係ないのだな。アニメの名台詞に間違いはない」

 

「そんなアニメのセリフあったっけ?」

 

山田氏、思い出せない。

もしくは、膨大なアニメがあるからそういうセリフがあるような気がしているだけかもしれない。

 

「レンタルしましょう。必ず観れますから」

 

宥めるように言い含める。

アルメイはいつもの冷静さを持ち直して、椅子に座った。

 

「すみません。冷静さを失いました。私としたことが。流石はアニメ。魔力が桁違いです」

 

魔力などゼクシィにはないので、アニメや漫画からの受け売りだろう。

アルメイも楽しそうだ。

ユーモアもあるし、流石はアニメ布教隊の隊員だ。

 

「おお!やはり魔力が」

 

「いやいや、マイクさん。今のは比喩ではないかと」

 

「そうですか。魔法学校シリーズを私は彼女らに推したいのだが」

 

「アニメではないですよね?」

 

「アニメではないが……小説ならどうだい?」

 

「小説でも、アニメでないなら今後の輸入品としてかなり順位が低くなりますが」

 

「そ、それでも良いですっ。十分です。ありがとうございます」

 

うわー、マイクさんすっごい笑顔ー。

でも、大統領の手は動かなさそうなんだよね。

大統領はノラえもんで満たされていて、ササエさんもいたく気に入ったみたい。

 

そういやササエさんを発売して一週間後くらいだったかな。

大統領がいつもの突撃我が家訪問をして、ササエさん素晴らしかったよと開口一番にねぎらってくれた。

 

「大統領、もしかして……7徹しました?」

 

徹とは徹夜のことなので150時間起き続けているということだ。

大統領、寝ろ。

そなたは働きすぎだ。

 

ササエさん読み続け大統領の仕事と掛け持ち状態か〜。

死ぬぞ大統領。

ゼクシィ人は基本スペック高いけど、7徹は倒れても可笑しくないです。

徹夜を連続しても平気なのは動かない生命体くらいで、大統領は大統領業を行っているので当てはまらない。

 

「ササエさんについて語りたい。あとササエさんのアニメ!あれはなんだい?大統領何も知らされてないよ?アニメもあったなんて、大統領悲しい」

 

悲しみは本物らしく、本当に落ち込んでいるが、直ぐにピンッと背筋を伸ばす。

 

「でもっ、でもでも!」

 

元気ハツラツ。

 

「ササエさんを読み終えた私に死角はなくなった!7徹した私にはない!ハッハッハッー」

 

あの大作読み終えたのか、そっかあ。

 

「大統領、感想を言いに来たんですか?大変嬉しいことなのですが……」

 

ササエさんのアニメを配信し始めて、ノラえもんのグッズも増えて、言いたいことに制限がなくなるので、キリがない。

 

「アニメのことも語りたいのだ〜」

 

ホクホク顔でペラペラ、ペラペラと止まらぬ。

大統領、大統領。

止まりなさい大統領。

 

「キツオくんのあのずる賢さは見習いたいね!ササエさん三兄弟はかなり年齢が離れているからシナリオの幅をいつでも広げられるのが楽しい。ミスオさんは──」

 

喋る大統領に私は読んでいた漫画の続きを読み出す。

相手は気にせず話し続ける。

無限ループの完成。

 

袋に入ったポテトチップをパリッと口にし、シュワシュワした最高なコーラを口直しに飲む。

いつの間にか彼の語りは停止していて、手元にあるコーラとポテチに目が釘付けされていた。

 

「リーシャくん。それは、なんだい?大統領始めてみたよ」

 

和菓子と駄菓子を調べている大統領の項目にはまだ目にされていないのか。

私はスッと居住まいを正して真顔で告げる。

 

「漫画やアニメを更に楽しむことが出来る食べ物です」

 

大統領は飛び上がる。

 

「な!そ、そんなものが!地球にあると、言うのかい……!?」

 

ゼクシィにだって食べながら視聴している人も居るだろう。

しかし、彼らはまだコーラ、または好きなジュースと好きなお菓子を組み合わせた究極のメニューを知らない。

 

「しかも、地球にはポテトフライという至高の食べ物を売るお店がありましてっ。それはそれは、私を銀河という幸福へ連れて行ってくれます」

 

「ううう、ううう、なんだそれはぁ!それ早く大統領に教えてくれよぉっ」

 

大統領が地面に仰向けでジタバタし始めた。

私はこんな大統領しか知らないので、大統領ちゃんねるや仕事をしている大統領をする度に、仕事する大人の大変さを自動的に理解させられている。

 

「大統領、立って立って。ほら、ね?地球に行けばあるんですから。今はもう地球と友好を結んでいるのです」

 

「欲しいものが増えるなぁ」

 

ゼクシィの政治家はフラフラと部屋から出ていく。

と、彼が声を張り上げる。

 

「君が今食べているものの名前、メールで送ってね」

 

と、男達は帰っていく。

護衛なら最初から最後まで当然居たよ。

 

「大統領、もう地球の食べ物とか文化大好きになったなー」

 

今日も天気が良くてなによりだという感じで、漫画に再び向き合った。

 

という過去を思い出しマイクらにミュージアム建設についてどうなっているのか聞いた。

 

「まだ上が許可しなくて。貴方達の存在はごく一部の人たちしか知らないのです」

 

山田は申し訳無さげにいう。

 

「うーん。でも、建設は回避できないですよ?」

 

「そうなんですよね」

 

山田とマイクは胸を痛めていたが、私達に出来ることはない。

公開してくれとか言いようがないもんなあ。

 

「地球の人達がミュージアムに押しかけても余裕で収容可能な広さとミュージアムを案内する要員も居るので、ミュージアム建設後に政府の方がてんやわんやになることなどないです」

 

「先に我々だけでミュージアム施設を視察する事は出来ないのでしょうか」

 

「うちの大統領はリークとかネタバレを酷く嫌いますから。情報は渡したがらないです」

 

「そうですか……困ったな」

 

山田は上をせっついた方が良いのでは。

 

ミュージアムは待ってくれない。

 

「恐らくミュージアム自体は出来上がっていて、そろそろ設置を宣言すると思いますので」

 

「えっ、思っていたよりも早い」

 

マイクらは顔を青くする。

 

もう本当に問答無用で、各国のアチラコチラへ配置するから。

 

「大々的に発表して、有効の証としてノラえもんミュージアム建設と唱えば皆いつか慣れます」

 

「入場料は……?」

 

「入場料は──円です」

 

「意外と安かった」

 

「大統領はノラえもんとミュージアムを自慢したいだけなので」

 

ノラえもんグッズをドヤ顔でいつも見せに来るからあの人。

大体思考が読める。

 

 

 

***

 

 

 

ミュージアム建設まであと僅か。

地球はどうするのか?

リーシャが知らぬ間に決断を迫られる政治家トップ達はざわつくだけで、結局決められることもなく、突然その日、大統領はミュージアムを全世界へ建物をぶっ刺した。

 

「なんだこりゃあ?」

 

農村を営む白髪混じりの男の困惑は、全国各地に同じものを与え、沈黙を保つ政府にやきもきしたゼクシィ大統領。

その日、地球にも大統領ちゃんねるを配信する。

 

『初めまして地球の人間達。私はゼクシィ星大統領だ。ゼクシィ星は地球と友好を結ぶことになったので挨拶しに来たよ』

 

大統領の後ろにはボディガードの2人が見える。

 

『友好の一歩として私から地球へ私の好きなものを詰めた施設をプレゼントした。是非楽しんでくれたまえ。ノラえもん最高!』

 

漫画やアニメ、漫画を手に踊って配信は終わる。

尚、大統領は地球の配信コンテンツにも投稿していて、削除不可能。

 

『大統領ちゃんねる』

 

この日、地球はゼクシィを公式に知ることとなった。

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