飯マズ脱却の為ならサブカルを布教する【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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大統領ちゃんねるにて、スカーレット・エヴァーガーデンのアニメが配信された。

 

私もリアルタイムで視聴した。

よし、見ようとなって大統領が映ると大統領は義手風に身を包み、スカエヴァの主人公の服装をしていた。

大統領は男性なので男性服に変化させてコスプレなるものを披露していた。

 

「なあに?あの服?不思議ね?」

 

母が摩訶不思議そうに大統領の服を観察している。

スチームパンクって感じになる。

 

『やっほー!大統領だよっ。この服装、最高じゃない?この服はね、今から配信するアニメ、スカーレット・エヴァーガーデンという素晴らしい作品に出てくる主人公の服装に似せて作ったよ。女の子だから私用に作り変えているけど、素敵だよねえ』

 

「大統領の服装、私も欲しいな」

 

父がとても興味を抱いたみたい。

 

『大統領、着たとき三日三晩着続けたんだよね!パジャマみたいに寝るときもね。アニメを見たらなりきりたくなるから、ついつい、また踊ったよ。ボディガードくん達もきっと心の中では一緒に踊ってくれたよ?ね?』

 

ボディガードの方に振り向く大統領にボディガード達は無言で微動だにせず。

きっと自宅に帰って真似したかもしれませんね。

特に反応がないので大統領はカメラワークに戻って、再びアニメを配信することを宣言。

 

「お、遂に!」

 

皆のテンションは高まる。

始まるアニメソング。

 

「このアニメ曲、良いわ」

 

母さんも気に入ったよう。

アニメ曲もこの後配信されるだろうから、ランキングトップになるかもね。

 

「作画綺麗ね」

 

家族達は作画の良さを理解しつつある。

スカエヴァはリアルタイムとか、初めて見る感動を共有させたくて、アニメも漫画も隠していた。

父も母も読んでない。

 

「この服、リーシャに合いそう」

 

母が私とヒロインの服を見て、思案しだす。

アニメプロローグが始まり、会話は自然となくなる。

 

見終わったら2人は号泣していた。

彼らがこうなら、全家庭、全星民がそうなっている、同義。

 

「なんて悲しくて儚いの」

 

「それでいて、胸が締め付けられる……愛というものの再確認をさせてくれる」

 

レビュアーしてた。

なにげにこれを聞くために一緒に見てるんだよね。

 

「ゼクシィツイに感想をアップね」

 

2人は早速良かったというウマの言葉を投稿。

大統領のちゃんねるにもコメントがズラッと並ぶ。

よく全米が泣いた。

全米が歓喜したというCMを見るが、ウチの場合、全星民が感動したと文字打ち出来るんじゃないかと1人で笑みを浮かべていた。

面白くってつい。

 

「明日からなんの企画あるんだろ」

 

1話は見たので2話かな、順当に行けば。

次の日、いきなり大統領へ呼び出された。

大統領の自宅だ。

ここはノラえもん宝庫と言っても差し支えない。

 

「なんですか、大統領。忙しいのに良く私と話せる時間を捻出出来ますね」

 

寝ろ、大統領よ。

コメントがまたこれで埋まるぞ。

 

「いやあ、実はね……君に星民たちへ手紙を書いてほしいんだ」

 

えっ。

 

「無理ですよ。過労死か、手が使い物にならなくなるか、ブラックな作業に私が失踪するか、どれかになります」

 

「あーいや!違うんだ。誤解だ、落ち着いてくれ」

 

慌てたように言い募る彼に私は聞く体制になる。

 

「まず、これを食べてみてっ」

 

大統領が手を叩くと使用人がわざわざ持ってくる。

そして、銀色のお皿の上にある蓋を取ると、出てきたのは魚料理。

 

「なんですか、これ」

 

「ええ!スカエヴァに出て来た魚料理だよ」

 

まるで、知らないのかとこちらを疑っている顔なのでちょっとこちらが疑いの眼差しを向けかけた。

いや、私ライトユーザーですから!

 

「料理の描写は見る時に意識してません。料理のメインアニメとかなら別ですが」

 

「料理の、メインアニメ??なにそれ!なにそれ、初めて聞いた!」

 

「食べ物を作ったり、食べるアニメです」

 

大統領が震えて停止した。

彼にはまだ早かったようだ。

惜しい人を無くした。

 

「まだアニメには無限の可能性があるということか……ふふ、私もまだま

だだ」

 

大統領復活した。

早いな。

 

「それで、大統領。本当の要件を」

 

「いや、だから手紙を」

 

「大統領。私の大航海、知ってますね?」

 

「うん?ああ」

 

「大統領、とても強くてもなくすときはなくすんですよ」

 

「なにをだい!?」

 

私が真顔で言うと大統領は自身の体を抱きしめた。

 

「大統領は無垢だからそういうお願いは聞けないな」

 

「なに言ってんだこの大統領」

 

で、改めて聞くと手紙を書いたという企画で、全員に同じ手紙を書くという、過労死を覚悟する必要もなさそうで安心した。

全員に違う手紙を出せと言われたら雲隠れも辞さなかったもん。

 

「スカエヴァの手紙と配達員を兼用するんですね」

 

「うん。内容は君に任せたい」

 

簡単に見えて難しい。

 

「分かりました」

 

「期限はアニメ最終回」

 

「納期短い!」

 

「ごめんごめん」

 

「大統領のごめんって毎回鮮度がなくて、悪いと思ってなさそうなんですよ。あと、配信見てない人には届かないんですか?」

 

「私の配信を見てない人なんて居ると思う?」

 

「ルナティックナルシスみたいなこと言い出した」

 

「ははは、冗談冗談」

 

リーシャがその0.1%になってあげようか?

出された魚料理を食べながら会話を続け、最終回の後に小説発売告知と手紙が届くよ、というサプライズらしい。

良かったー、社畜再来になるかもと私は考えずに済む。

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