飯マズ脱却の為ならサブカルを布教する【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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声優になれると聞いて3

話している間にスタジオへ着いた。

そこはノラえもん制作会社。

 

「ここが、ノラえもんのっ」

 

「うおー!聖地ってヤツだな!」

 

幼馴染2人がはしゃぐ。

 

「ここから入ってスタジオへ」

 

「はい」

 

リーシャ達は会社の中へ。

 

「あ!原寸大!」

 

「ノラえもんです」

 

2人はダーッと小走りにノラえもんの物体へ近付く。

予め、宇宙人達の行動を聞いていた人達は、驚きながらもこういう意味だったのか、と微笑ましい光景に、目元を緩ませる。

 

ノラえもんの会社なだけあってグッズが溢れている。

 

「ノラえもんパネルが、あそこには映画版のパンフレットも」

 

アルメイがふらふらと近寄りパンフレットを見る。

 

(このままじゃ軽く2時間は居座る)

 

二人をギュウッと抱きしめて回収する。

アルメイの手にはいつの間にかパンフレットが。

離すように伝えるが無言で離さない。

 

「アルメイ、離そ?後で見せてもらえばいいよ」

 

「在庫があるので、あとで同じものをお渡ししますよ」

 

担当者らはこれも山田からの説明があったので、用意はしていた。

こんなに欲しがるなど予想外だった。

というより、思っていた5倍は喜んでいた。

 

「アルメイ、あとでくれるって!いや、ジャニク!さすがに原寸大ノラえもんは無茶があるから」

 

台本の方に気を取られていたとはいえ、ジャニクが科学能力のアイテムボックスにノラえもんのフィギュアを持ち帰ろうとしている。

思わず私も入れないように阻止した。

そのやり取りに目をありありと開ける男達。

科学だけど魔法に見えるのだ。

 

「科学が進むとああなるのですかっ」

 

アイテムボックスの仕様に周りがザワつく。

興奮したように質問してくるが、山田は苦笑する。

ゼクシィ星大統領曰く、科学が行き着いてもこうなる可能性は果てしなく低いと聞いている。

 

「ゼクシィを追うように科学を進めていった星は尽く星ごとなくなっていると聞いてますね」

 

ゼクシィがなにかやっているわけではない。

大統領が言うには、科学の失敗の末だという。

 

「エネルギーの管理に失敗してしまって、星丸ごと飲み込まれてしまうという結末らしいです」

 

「なんと……」

 

「ゼクシィはエネルギーを管理をやめて、違う方法を実現可能にさせたとか」

 

「その方法を知りたいですね」

 

「地球では無理だとか」

 

「ゼクシィだけ実現させられるということですかな」

 

「大統領さん曰く、地球でやろうとしても空気がそれを阻害するだろうとのことです」

 

ゼクシィはなにもない。

草も樹も自然もない。

生物っぽいものすら居ない。

スライム(?)と石(?)のような飾りにしかならないものと、ゼクシィ人だけ。

ゼクシィ人とて、過酷過ぎて今の幼児姿に保つよう進化して住んでいる。

過酷という環境が先ず必要だし、ゼクシィは今や安定してエネルギーに似た何かで宇宙の中で稀有な科学力を有している。

 

勿論、過酷ゼクシィの科学力を奪おうとする者達は居たが、色々無理なコトがあり過ぎた。

一番は強すぎてボコボコにされる。

その次は奪えてもゼクシィで過ごせない。

今、ゼクシィ人が住めているのはその環境に適応したから。

 

他の星人が居れるのは、科学のおかげ。

奪っても奪えない。

それと、そのエネルギー物質はゼクシィでしか活かせない。

よって、自分達の星で使いたくても使えなくなる。

空気のないところで火を着けようとするようなものだよ、と語る大統領をヤマダは思い出す。

 

地球が奪うかもしれないという可能性を示しながら、大統領はニッコニコで説明する。

つまり、ゼクシィの星を欲しても無理だと断言。

嘘かもしれないが、嘘じゃないかもしれない。

 

いや、ゼクシィのことよりも地球がどこかの星の生物に奪われる心配をした方が良いよと忠告される。

確かに、その場合、地球は抗えれるのかアヤシイ。

 

「では、スタジオへどうぞ」

 

ハッとヤマダは現実へ戻って来る。

女性のスタッフがゼクシィ人達を案内していく。

 

「見てください。アニメが流れてますよ」

 

「今は今年の映画の広告やPVが流れてるんですよ」

 

「ほお!映画ですか。夏に公開ということはもうすぐですね」

 

「楽しみだよな。お前何回見る?」

 

ジャニクがアルメイに映画を何周するか聞く。

 

「そうですね……10、20……む、やはり40はいけます」

 

「よ、40っ!?」

 

案内役の女性がびっくりする。

リーシャは苦笑を浮かべて女性の為にフォローする。

 

「あ、DVDも入ってるので」

 

「そうでした。そちらも。では、測定不可ですね。私としたことが、うっかりでした」

 

アルメイはグッと手を握って言い切る。

 

女性はやべー女児が現れたという目をしながらも接客を頑張っていた。

 

「おれも無限に見続けるな」

 

「ノラえもんのアニメ、映画、ゲームはもうゼクシィの一年を延々と見続けられる程の質量を得てます。そんな生活が送れるようになるなど、なんと夢のような生活でしょう」

 

無表情でありながら、溶けたアメのように蕩けた顔をする幼馴染。

 

「しかも、これからも増えていくんだよ」

 

リーシャは追加で加える。

なんという幸福だろうかと2人のノラえもんファンは、ふんわりとその生活を思い浮かべ、溜まらないとお互い頷き合う。

 

「今回の年末スペシャルは映画と繋がってるんですよ」

 

アニメ担当のスタッフが3人に改めて説明。

 

「私達も映画に出たかったです。大統領は職権乱用したのでは?ジャニク、今から大統領の座を奪えば我々が映画の出演を奪えるかもしれません」

 

だからこそ、アルメイは闘志を燃やしだした。

 

(映画の声優でトップを蹴落とすって聞こえた)

 

スタッフ一同が耳を疑いつつ、スタジオに付き、声の吹き込み方を教えてくれる。

 

遂に練習、リハーサル。

私は普通の練習しかしてない。

スタッフがリハーサルでゴーサインをすると、3人は声を出す。

 

『見て、あれが地球だって』

 

『本当だね。青くて、まるで宝石みたい』

 

『もうすぐ寝る時間よ。あと数時間で地球に着くから、寝たほうが良いわよ』

 

(凄い!ジャニクさんたちの声質が)

 

(初心者じゃないのか??)

 

棒読みや、緊張による声が出ないという事態を覚悟していた面々。

一足先にゼクシィ3人に会っていた代表たちがセリフ増強と、プロ並みだと褒めていた事を加味しても、そこは宇宙人だからなと当てはまらない等ということで、スタッフ達は緊張してた。

しかし、やってみたらそんな不安は吹き飛ぶ。

声優の初体験とはいえないような迫力に彼らは嬉しい目のやり取りをする。

 

『ゼクシィの大統領が地球に行くんだって、いいなぁ』

 

『僕達も行こうよ』

 

『駄目よ。大統領はお仕事で地球に行くの。遊びに行くんじゃないわ』

 

そんなやり取りがなされ、年末スペシャルは彼らとノラえもん達の出会いと少しの冒険が繰り広げられる。

 

その関係で大統領は映画のノビノビくん達を知り、助けを求めるというのが流れ。

ゼクシィに招かれるので、ゼクシィの風景を大統領は公開する。

 

正直縮小されている建物のせいで狭しというわけじゃない。

 

寧ろ結構スカスカ。

 

「これは、本番扱いで良いんじゃないか」

 

「待て待て、本番を撮ってみて比べりゃ良い」

 

「まさかここまでとは」

 

「実力派ってやつか。これは思わぬお宝」

 

「皆さん、彼らに休憩を入れても宜しいですか?」

 

「あ、すみません」

 

山田が興奮する録音スタッフ達に流されず己の仕事と役割を全うする。

 

 

彼らはスタジオや収録などしたことがないので段取りを決決めていても、いつ休めばいいのかも分からなくて、やめ時を失っている。

リーシャも初めてのジャンル故にどうすれば良いのかなんて、知らない。

 

 

山田が口を出してくれて助かった。

 

「お疲れ様です。本番は30分後となります」

 

普通はそんなにくれないと思うから、破格な扱いだろう。

ノラえもんは大手だから自前だろうが、自前じゃないレンタルならば時間制限があるから、呑気に休憩なんてやれないと思った。

 

「お疲れ様です皆さん。飲み物を用意してありますよ」

 

山田がスタッフが話しかけてこないように3人をガードする場所に移動して、3人を労る。

 

「すみませんね。皆さん生の宇宙人っていうのも相まって熱が些か上がってるようでして」

 

「いえ。そういうのも込みでお話を受けましたから」

 

「ありがとうございます。寛大さに驕らずこちらも最大限に協力しますね」

 

ヤマダは公務員だからか責任感が強い。

いや、もしかしたら上から何人たりとも傷付けるな、的な指示を受けているのかもしれないな。

 

「う!美味い!桃味だってよ」

 

ジャニクが用意されていたジュースを飲んで飛び上がる。

 

「こちらはバナナです。濃厚というものなのでしょうね。ねっとりした甘さに私は虜です」

 

2人は美味しさにお変わりを5回。

ヤマダは得意げに各味を20本用意していると豪語している。

お金を払うから持ち帰りたいと私達は願った。

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