遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第11話 フォーチュンカップ閉幕 紫のアザ

「いいデュエルだった。」

 

遊星は来人に声をかけるが、聞こえていないのか来人はカードを見たままだった。

 

「? 来人?」

 

「・・・ん、ああ。そうだな、いいデュエルだった。」

 

カードをしまい、二人は握手を交わした。

 

「ついにけっちゃーーく!! キングへの挑戦権を獲得したのは、不動遊星ーー!!」

 

「しかしどうせなら、キングとやってみたかったな・・・。」

 

「すごいデュエルだったな~! 俺もあんなデュエルしてみたい!」

 

「うん! うん!」

 

 

 

 

 

 

デュエルを終えた二人は客席に移動した。

 

「みんな! 早くこの会場から出るんだ!」

 

「しかし、あんちゃんはキングとの対決があるだろう?」

 

「この会場にはシグナーが4人いる。」

 

「シグナー・・・ん、龍可。腕にアザなんかあったか?」

 

龍可の袖がめくれた腕には竜の手の形をしたアザがあった。

 

「うん・・・。」

 

「とにかく、早く出るんだ。十六夜とのデュエルを見ればわかるだろう。」

 

準決勝のアキの攻撃によってくずれた客席を見る。

 

「まあ、お前が言うならさっさと出ていくが・・・サテライトの仲間が人質に取られてるんだろ?」

 

「ゴドウィンとは俺が話をつける。みんなは早くここから離れろ。」

 

そう言うと、遊星はゴドウィンのもとに向かった。

 

「・・・さて、んじゃあ、とっとと出るぞ。面倒になる前にな。」

 

「ちぃっと残念だけどね。」

 

来人たちは会場から出ようとする。しかし・・・

 

「イ~ヒッヒッヒ。」

 

「あんた、確か・・・。」

 

ピエロのメイクをした男、イェーガーが部下を連れ、行く手をふさいだ。

 

「残念ながら、あなたたちを帰すわけにはまいりません。ヒッヒッヒ。」

 

「なら腕づくで通らせてもらう!」

 

氷室はイェーガーの胸倉をつかみかかる。

 

「遊星のお仲間がどうなってもかまわないのですか?」

 

「! てめえ・・・。」

 

「イ~ヒッヒッヒ。仲間想いのあなた方のことだ。そんなことはできませんね。さあ、早く席にお戻りください。」

 

「・・・くそ。」

 

来人たちは渋々客席へと戻った。

 

 

 

 

 

 

そして、決勝戦が始まり遊星、ジャックのエースモンスター。スターダスト・ドラゴンとレッド・デーモンズ・ドラゴンが姿を現し、激突する。

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

レベル8/風属性/ドラゴン族/ATK2500/DEF2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

①:フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースして発動できる。その発動を無効にし破壊する。②:このカードの①の効果を適用したターンのエンドフェイズに発動できる。その効果を発動するためにリリースしたこのカードを墓地から特殊召喚する。

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

レベル8/闇属性/ドラゴン族/ATK3000/DEF2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

①:このカードが相手の守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。②:自分エンドフェイズに発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、このカード以外のこのターン攻撃宣言をしていない自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

 

2体の竜が激突すると、デュエルをする二人の近くに赤き竜が現れた。そして、デュエルの決着が近づく。しかし、赤き竜によって二人は光の中に包まれていく。

 

遊星 LP400 手札1 SPC8

【モンスター】

スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)

【魔法・罠】

シンクロ・ブラスト

 

ジャック LP800 手札1 SPC1

【モンスター】

レッド・デーモンズ・ドラゴン(ATK3000/レベル8)

【魔法・罠】

 

「Sp-ファイナル・アタック!」

 

Sp-ファイナル・アタック(アニメオリジナル)

通常魔法

自分のスピードカウンターが8つ以上ある場合に発動する事が出来る。自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力を2倍する。この効果で攻撃力を2倍にしたモンスター1体は、相手プレイヤーを直接攻撃する事は出来ない。

また、このターン終了時に破壊される。

 

「スピードカウンターが8以上の時、モンスター1体の攻撃力を2倍にする!」

 

スターダスト・ドラゴン ATK2500→5000

 

「攻撃力・・・5000だと・・・!?」

 

「これでファイナルだ! 俺たちの絆はだれにも負けはしない! スターダスト・ドラゴン! 響け、シューティングソニック!!」

 

スターダスト・ドラゴンの攻撃がレッド・デーモンズ・ドラゴンを飲み込んだ。

 

「ぐああああ!!」

 

ジャック LP800→0

 

衝撃によって、ジャックのDホイールが転倒する。

 

「何が起きた!?」

 

「赤い竜が現れて、目の前が光になっちまったよ!」

 

「・・・終わったな。」

 

「え?」

 

「あれ見ろ。」

 

来人は会場のディスプレイを指さす。遊星のライフは400。ジャックのライフは0と表示されていた。

 

「このデュエル、遊星が勝ったわ。」

 

「「「えぇ!!?」」」

 

「つ、ついにけっちゃーーーく!!! ウィナー、不動遊星ーーー!! キング、ジャック・アトラスの無敗神話は打ち破られ、ここに新たなキングの誕生を我々は見る!! 新たなるキング、その名は不動遊星!! ニューキングは不動遊星!! サテライト出身のキングの誕生だぁーーー!!!」

 

「「「「「「遊星!! 遊星!! 遊星!!」」」」」」

 

この言葉に、会場は今までで一番の盛り上がりを見せる。観客による遊星コールが起こる。

 

「このサテライト野郎!! どんな反則使いやがったー!!」

「マーカー野郎め!!」

「認めないぞ! サテライト出身のキングなんて!!」

 

一部からはサテライト出身でマーカーのある遊星に対し、不満の声が上がる。

 

「遊星!」

 

来人、龍亞、矢薙、氷室が駆け寄る。

 

「来人! 龍亞!」

 

「あんちゃん、このまま逃げるぞ!」

 

「え?」

 

「あれ見ろ、あれ!」

 

来人が指さした先には、多数の記者が詰めかけようとしていた。

 

「遊星、早く!」

 

氷室は急いで遊星のDホイールを押す。

 

「あ、ああ・・・。」

 

遊星たちはどうにか会場から抜けだした。

 

 

 

 

 

 

地下通路

 

「よし、ここならうまく逃げられそうだ。」

 

来人は携帯電話を取り出し、地図を確認する。

 

「ここはスタジアム作るときに使っていた通路だ。今じゃ使ってるやつはだれもいない。」

 

「さすが、情報屋だな。」

 

「この程度は朝飯前だ。」

 

「にしてもすごいぜ、あんちゃんよ。本当にキングになっちまうんだからなぁ。」

 

「遊星なら必ずキングになるって信じてたよ!」

 

「そんなのんきなことも言っていられないぞ。遊星の仲間を誘拐するような連中だ。何をしてくるか知れたもんじゃねえ。」

 

「氷室の言う通りだな。・・・おっ、全員ちょい待ち。」

 

来人の言葉通り、全員は足を止める。

 

「こっちの出口なら、俺の隠れ家に近い。そこで身を隠すぞ。龍亞と龍可もしばらく俺らといろ。その方が安全だ。」

 

「ほんと!? やった! また遊星や来人と一緒にいられる!」

 

喜ぶ龍亞の隣で、龍可は不安げな顔をしていた。

 

「遊星・・・私、見てた・・・。サテライトが・・・。」

 

「!」

 

二人は光の中で、サテライトが崩壊していく光景を見ていた。

 

「あれはいったい・・・。」

 

「わからない。だがあの光景がサテライトの未来なら、絶対に阻止する。」

 

「ま、とりあえず話は俺の隠れ家に着いてからだな。よし・・・そろそろだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

来人の隠れ家

 

「もう、ずいぶん昔に見たもんだからなぁ・・・。」

 

矢薙は紙に昔自分が見たという紋様が描いていた。

 

「うろ覚えだが、こんな感じだ。」

 

紙には簡略化したような竜の絵が描かれている。

 

「!」

 

遊星はその竜の尻尾の部分を見ると、自分の服の右腕の袖をまくる。絵によく似た形のアザが腕にあった。

 

「ふむ・・・確かに、よく似ている。龍可は手の部分・・・。何か意味があるのか?」

 

「わしが聞いた星の民の伝説では、赤い竜の頭、翼、手、足、尻尾の五つの部分がそれぞれ分かれ、シグナーと呼ばれる人たちにアザとなって封印されたということじゃった。」

 

「待てよ、今わかってるシグナーは遊星、ジャック、龍可、そして十六夜アキの4人。でもあの赤い竜が現れたってことは・・・。」

 

「案外、5人目も近くにいたのかもな・・・。」

 

「どっかにアザ、ないかなぁ~。」

 

龍亞は服をめくって、アザを探している。

 

「いや、みんな腕にあるんだから腕見ろ、腕。」

 

そんな中、龍可は倒れてしまう。

 

「おっと・・・!」

 

なんとか来人が支えた。

 

「龍可!」

 

「龍可、どうしたんだ?」

 

「大丈夫・・・ちょっと、疲れただけ・・・。」

 

「無理もないな。この二日、いろいろなことがありすぎたからな。」

 

「だな。今日はもう休んどくか。客用の布団取ってくる。」

 

 

 

 

 

 

 

深夜

 

「・・・んん・・・・・。」

 

床で寝っ転がっていた来人がゆっくりと起き上がる。

 

「・・・・。」

 

目をこすり、部屋の様子を見る。

 

「・・・こんな人多いと寝づらいな・・・。」

 

いつも自分が寝ているソファには龍可。他のソファには矢薙、龍亞、氷室が寝ている。

 

「・・・あれ?」

 

ふと見ると、遊星の姿がなかった。

 

「こんな時間にどこ行ったんだ・・・・?」

 

寝ぼけまなこながらも、部屋の外に出る。

 

「・・・・・ん?」

 

外には黒いフードを被った男が立っていた。男の右腕は紫色のアザが輝いていた。

 

「・・・あんた、なにもんだ?」

 

「・・・・・。」

 

「悪いが、ここにはアポなしじゃ入れないぜ? そもそもいるのは双子一組、爺さん一人、ウニ坊主一匹だ。あんた、一体・・・」

 

(・・・目的はシグナーか・・・? あのアザ・・・。)

 

「・・・・・。」

 

男は何も言わず、立ち去る。

 

「! 待て!」

 

来人は逃げた怪しい男を追いかけた。やがて、男は使われていない倉庫の中に入り、足を止める。

 

「もう一度聞くぜ。あんた、なにもんだ?」

 

「・・・ふふふ。闇のデュエルに聞けばいい。闇はすべてを知っている。」

 

「闇のデュエルだ? 上等だ。相手してやる。」

 

二人はデュエルディスクを展開する。

 

「「デュエル!!」」

 

「! これは・・・?」

 

二人の周りを紫色の炎が囲む。

 

「ふふふ・・・我らは闇の祭壇に捧げられし生贄。もう逃れることはできない。」

 

「何言ってやがる・・・悪趣味な奴め。」




幕間短編

『寝るとこ』

「んじゃあ、龍可。このソファに布団敷いとくぞ。」

「え、でも、このソファ・・・。」

「いつもは俺が寝てるんだが、まあ、寝心地は保証できる。」

そう言いながら、来人はソファに布団を敷く。

「で、でも・・・。」

「いいからいいから。他の布団取ってこなきゃな。」

布団を取りに部屋を出る。

「・・・・・。」

龍可はゆっくり布団の中に入る。

「・・・はっ。な、何考えてるんだろ・・・。」

布団にくるまった龍可の顔は少し赤かった。
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