「・・・このモンスター・・・。」
来人は目の前のエンシェント・フェアリー・ドラゴンに当然見覚えがあった。倉庫に入った時に落ちていたカードだった。
『未谷来人。あなたはまだ死んではいません。』
「・・・・・モンスターが喋った!?」
記憶のない来人にはとってはモンスターが言葉を話したことに驚きしかなかった。
『『『『『兄貴~!』』』』』
「!?」
起き上がった来人におジャマたちが飛びついた。あまりの状況に来人は頭を抱えた。
「・・・やっぱり死んだのか・・・?」
『・・・・・。』
「!」
エンシェント・フェアリー・ドラゴンはゆっくりと来人に近づく。
『未谷来人・・・本当に、これでいいのですか?』
「・・・え・・・。」
『あの者が、龍可の命を保証するとなぜ思うのですか?』
「・・・俺がいないほうがいいんだよ。どうやら、ろくでもない人間だったようだしな。」
来人はエンシェント・フェアリー・ドラゴンから目を逸らす。
『・・・確かに、初めはあなたは大変なことをしようとしていました。』
「・・・! 俺の記憶を知っているのか?」
『ええ。龍可と一緒に見ていましたから。』
「・・・・。」
『あなたは龍可や龍亞たちと過ごすことで、変わることができました。人の可能性を見たことで、あなたもそれを信じるようになった。』
「・・・可能性・・・。」
『これが、あなたの見た可能性です。』
そう言って、エンシェント・フェアリー・ドラゴンが宙に浮かぶ。そして、来人に向けて強烈な光を放った。
『『『『『うわ~!』』』』』
「ぐ・・・!!」
(眩しい・・・目がくらみそうになる・・・! ・・・でも・・・暖かい・・・。)
次第に来人の目から涙が流れ出す。
「・・・俺は・・・俺は・・・!」
『今、龍可を助けるにはあなたの力が必要です。お願いします。どうか、龍可を・・・!』
「・・・・・。」
来人は静かに目を閉じる。すると、様々な記憶が頭の中に流れ込んでいく。
「・・・任せておけ。」
『・・・!』
(この雰囲気・・・記憶が・・・?)
「あの野郎・・・・焼き入れてやる。」
来人がにやりと笑うと、辺りは光に包まれた。
「・・・!」
倉庫を包んでいた光が徐々に消え始める。
「ちっ・・・妙な小細工を・・・! 時間稼ぎは終わりだ!」
「・・・そうだな、終わりにしようぜ。」
息を切らせながら、来人が立ち上がる。
「んんぅ!!」
(来人・・・・!!)
「ふっ・・・目を覚ましたか。そのままでいれば、楽になれたものを!」
「うるせえぞ。とっととターンを進めろ。」
「何・・・?」
(この感じ・・・来人、もしかして・・・!?)
「ならば期待通り終わらせよう・・・! ハイパーサイコガンナーでスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンを攻撃!!」
「速攻魔法、サイクロンを発動! フィールドのマジック、トラップカード1枚を破壊する! 俺が破壊するのは・・・安全地帯!!」
「な・・・!?」
《安全地帯》のバリアが消えると、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが苦しみだし、破壊された。
「安全地帯がフィールドを離れたことで、対象となったスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが破壊される! そしてこの瞬間、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの効果発動!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが破壊の間際に毒を吐き出し、その毒を浴びたハイパーサイコガンナーは朽ちていき、破壊される。
「どういうことだ・・・!?」
「スターヴヴェノムは融合召喚した状態で破壊されたとき、相手が特殊召喚したモンスターを全て破壊する!」
「ちぃ・・・! ならばメインフェイズ2! 緊急テレポートを発動! デッキからチューナーモンスター、メンタルシーカーを特殊召喚!」
メンタルシーカー ATK800/レベル3
「レベル2のサイコ・プランナーにレベル3のメンタルシーカーをチューニング! 心の深淵に燃え上る我が憎しみの炎よ! 黒き怒涛となりて、この世界を蹂躙せよ! シンクロ召喚! 現れろ、マジカル・アンドロイド!」
マジカル・アンドロイド ATK2400/レベル5
「テレキアタッカーを召喚!」
テレキアタッカー ATK1700/レベル4
「さらに二重召喚を発動! もう一度モンスターを召喚できる! テレキアタッカーをリリースし、サイコ・エンペラーをアドバンス召喚!」
サイコ・エンペラー ATK2400/レベル6
「サイコ・エンペラーの召喚に成功した時、私の墓地のサイキック族1体につき、ライフポイントを500回復する! 私の墓地のサイキック族は7体! よって3500ポイント回復する!」
ディヴァイン LP9900→13400
「カードを1枚伏せ、ターンエンド! エンドフェイズ、マジカル・アンドロイドの効果発動! 私のフィールドのサイキック族1体につき、600ポイント回復する!」
ディヴァイン LP13400→14600
「まだだ! トラップ発動!
ディヴァイン LP14600→18600
「ライフポイント・・・18600・・・・・。」
(何がきっかけで闘志を取り戻したかは知らんが、貴様はダメージを与えることはできない・・・! 私の勝利に揺るぎはない・・・!!)
「俺のターン!!」
来人 手札2→3
(龍可を人質にとったから、勝てると思ってんのか?)
来人は自分のデュエルディスクを見る。
(記憶がなくなってた俺が何をしたかは知らんが、いい改造してくれた・・・!)
ディヴァインに気づかれないよう、デュエルディスクの裏にあるスイッチを押した。
「スタンバイフェイズ、墓地のコーディセップスの効果を発動!」
「! サイキックジャマーで捨てられていたのか・・・!」
「このカードを除外することで、墓地のレベル4以下のプレデタープランツモンスター2体を特殊召喚する! サンデウ・キンジーとテッポウリザードを特殊召喚!」
捕食植物サンデウ・キンジー ATK600/レベル2
捕食植物テッポウリザード(アニメオリジナル)
効果モンスター
レベル3/闇属性/植物族/ATK1200/DEF1200
①:このカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分はデッキからカードを1枚ドローする。
「テッポウリザードの効果により、カードを1枚ドローする!」
来人 手札3→4
「墓地の置換融合の効果発動! このカードを除外し、墓地の融合モンスターをデッキに戻すことで、カードを1枚ドローする! スターヴヴェノムを戻し、1枚ドロー!」
来人 手札4→5
「トラップカード、おジャマトリオ! 相手フィールドにおジャマトークン3体を特殊召喚する! 行け、お前ら!」
『こんにゃろ~!』
『絶対許さねぇぞ~!』
『見てろよ~!』
おジャマトークン DEF1000/レベル2
「サンデウ・キンジーの効果発動! 融合カードなしで融合召喚を行う! サンデウ・キンジーとテッポウリザードを融合! 魅惑の香りを持つ二輪の華により、飢えた牙を持つ毒竜を解き放つ! 我が道を阻む敵をその牙で破壊せよ! 融合召喚! 降臨せよ、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン ATK2800/レベル8
「スターヴヴェノムの効果発動! 融合召喚に成功した時、相手の特殊召喚したモンスター1体の攻撃力分、攻撃力をアップする! マジカル・アンドロイドの攻撃力、2400を加算する!」
スターヴヴェノム ATK2800→5200
「ほぉう・・・攻撃するつもりか?」
「そこまで挑発したんだ。後悔するなよ? トラップカード、捕食計画! デッキからプレデタープランツモンスターを墓地に送り、フィールドの全てのモンスターに捕食カウンターを置く! ビブリスプを墓地に送る!」
スターヴヴェノム 捕食カウンター0→1 レベル8→1
サイコ・エンペラー 捕食カウンター0→1 レベル6→1
マジカル・アンドロイド 捕食カウンター0→1 レベル5→1
おジャマトークン×3 捕食カウンター0→1 レベル2→1
「ビブリスプが墓地に送られたことで、デッキからスキッド・ドロセーラを手札に加え、発動! 自分のモンスターは捕食カウンターが乗ったモンスター全てに攻撃できる!」
「何!?」
(馬鹿な・・・本当に攻撃するつもりか!?)
「装備魔法、メテオ・ストライクを装備! バトル! まずはサイコ・エンペラーを攻撃! 紫毒のヴェノムショット!!」
「ぐああああ!」
ディヴァイン LP18600→15800
「ダメージを与えたな・・・さあ、苦しむがいい!!」
「!!」
痛みに耐えるため、龍可はぎゅっと目をつぶった。
「・・・・・?」
「な!?」
龍可の体に電流が流れなかった。
「馬鹿な! どうなっている!?」
「これだよ。」
来人はデュエルディスクを指さした。
「こいつにジャミング機能がついてんだよ。ソリッドビジョン以外の機能は使えなくなっている。」
「な・・・!?」
「機能が使えるようになるまで数ターンかかるが・・・問題なかったな。さあて、デュエルを続けろ。」
「ま、まだだ! トラップカード、カース・サイキック! サイキック族モンスターが戦闘で破壊されたとき、攻撃したモンスターを破壊し、破壊されたサイキック族モンスターのレベルかける300ポイントのダメージ与える!」
「カウンタートラップ、レッド・リブートを手札から発動!」
「手札からカウンタートラップだと!?」
「ライフを半分払うことで発動! トラップを無効にし、再セットする!」
来人 LP500→250
「そして相手はトラップを発動できない!」
「!!」
「行くぞ! 2回目の攻撃! マジカル・アンドロイドを攻撃!」
「ぐああああ!!」
ディヴァイン LP15800→13000
「3回目! おジャマトークンを攻撃!」
「うぐ、ぐあああ!!」
ディヴァイン LP13000→8800
「4回目! おジャマトークンを攻撃!」
「ぐわあああ!!」
ディヴァイン LP8800→4600
「最後だ! おジャマトークンを攻撃!」
「ぐ・・・ああああ!!」
ディヴァイン LP4600→400
「うぐ・・・・なんとか、残ったか・・・!」
「いいや、これで終わりだ。おジャマトークンの効果! 破壊されたとき、コントローラーに300ポイントのダメージを与える!」
「なんだと!?」
『『『くらえ~!』』』
おジャマトークンが現れ、ディヴァインに蹴りをくらわせる。
「馬鹿な・・・こんな、ぐああああ!!」
ディヴァイン LP400→0
WINNER 来人
LOSER ディヴァイン
『今です!』
エンシェント・フェアリー・ドラゴンの号令で、龍可の精霊たちがディヴァインにとびかかる。
「な、なんだ・・・! く、がああ!!」
ディヴァインは精霊の力に押され、柱にたたきつけられる。
「勝った・・・・・。・・・龍可・・・!」
激しい痛みに襲われながらも、来人は龍可に駆け寄り、手足の縄をほどいた。
「龍可、だいじょ・・・!?」
縄がほどかれた龍可は来人を強く抱きしめた。
「よかった・・・・! 来人・・・!!」
「ちょ、龍可、苦しい・・・!」
「・・・~~!!」
来人の記憶が戻った嬉しさからさらに抱きしめる力が強くなる。
「・・・・・。」
来人はぎこちなく龍可を優しく抱きしめた。
「・・・!!」
何かを察した来人は龍可を強く抱きしめる。
「うぐ!!」
「!? 来人!?」
「・・・こんな・・・こんなことがあるか・・・!!」
来人の背後でデュエルディスクを構えたディヴァインがいた。懐から《ファイヤー・ボール》を取り出し発動する。火球は来人を何度も襲う。
「う・・・ぐあああ!」
「来人!!」
「このまま殺してやろう・・・!! 最初からこうすればよかったんだ!!」
ディヴァインは《サイコ・ソード》を実体化させ、じりじりと二人に迫る。来人の前で立ち止まり、《サイコ・ソード》を両手で振り上げる。
「・・・死ね!!」
その時、ディヴァインの手にカードが突き刺さった。
「・・・な・・・!?」
「鉄砲玉のクロウ様、参上だぜ!」
倉庫の中にクロウが飛び込んできた。
「クロウ・・・!? なんで・・・」
「俺だけじゃないぜ!」
クロウがそう言うと、大勢のセキュリティが乗り込んでディヴァインを取り押さえた。
「ぐ・・・! 放せ・・・!!」
「ディヴァイン! やっと見つけたぜ!!」
牛尾がディヴァインに手錠をかける。
「セキュリティまで・・・どういうこと?」
「来人のデュエルディスクから緊急連絡が入ってたんだよ。俺たちやセキュリティにな!」
「まったく、世話をかけさせおって・・・!」
遊星やジャック、アキが入ってくる。
「龍可ーー!!」
龍亞が龍可と来人に駆け寄る。
「龍可、大丈夫!?」
「う、うん・・・少し、痛いけど・・・来人が、守ってくれたから・・・!」
「来人、ありが・・・」
来人にお礼を言おうとした龍亞の言葉が止まる。来人が気を失い、地面に倒れてしまったのだ。
「・・・来人? 来人! しっかりして、来人!!」
「早く病院へ!」
「おい、急げ!」
遊星、牛尾が入れた救急隊員が来人を担架に乗せる。
「・・・来人・・・。」
運ばれる来人を龍可は心配して見つめていた。