遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第121話 告白

「・・・・へ?」

 

「いや、話があるって言ってなかったか? アーククレイドル行く前。」

 

「アーククレイドル・・・行く・・・前・・・・」

 

次第に龍可の顔が赤くなる。

 

『///・・・か、帰ってきたら、話したいことがあるから・・・。』

『///だ、だめ! 帰ってから!』

 

アーククレイドルに行く前の自分の言葉が何度も頭の中で響いた。

 

(/////わ、忘れてた・・・! あ、いや、言うつもりはあったんだけど、いろいろありすぎて、それどころじゃなくなっちゃって・・・!)

 

「・・・? 龍可?」

 

「/////・・・・・。」

 

「? なあ・・・」

 

「////へ!?」

 

考え事をしていた龍可は思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。

 

「?? 大丈夫か?」

 

「/////う、うん・・・。」

 

「・・・・・。」

 

(これは話したくない感じか?)

 

「あ~・・・話したくないなら別に・・・」

 

「////・・・あ・・・。」

 

離れようとした来人の服をぎゅっとつかむ。

 

「?」

 

「////・・・ちょ、ちょっと・・・そこ、座って。」

 

いつも座っているソファを指さす。

 

「ん? いや、でも・・・」

 

「/////い、いいから! 座って!」

 

「・・・・・はい。」

 

勢いに押され、来人はソファに座る。その隣に龍可も座る。

 

「「・・・・・。」」

 

しばらく、部屋は沈黙に包まれる。

 

「・・・・・。」

 

沈黙を破るため、来人はテレビのリモコンを取ろうとする。それを龍可は来人の手首をつかんで止める。

 

「・・・? 龍可?」

 

来人の手をつかんだまま離さない。

 

「・・・えっと・・・」

 

「/////・・・・最初は、少し怖いのかなって思ってた・・・。」

 

「?」

 

「/////でも・・・たまに見るやさしさが、うれしくて、楽しくて・・・」

 

「・・・??」

 

(・・・さっきから何の話だ・・・?)

 

自分の話をしているとは全く思っていない。

 

「/////アルカディアムーブメントの時も・・・。」

 

 

『こんなろくでもないとこでも、親切な奴がいるもんでな。』

 

 

「/////ディマクとのデュエルの時も・・・。」

 

 

『なら、俺も付き合いますかね。』

『・・・気にするな。お前はお前のデュエルをすればいい。』

 

 

「/////わ、私が、心を閉ざした時も・・・。」

 

 

『起きてとっとと帰るぞ。』

『・・・気にするな。なんか、俺にも原因があったんだろ?』

 

 

(あ・・・これ、俺の話か?)

 

龍可の話が続く中、来人は今更合点がいった。

 

「////・・・でも・・・アーククレイドルの時は・・・違った。」

 

「!」

 

アーククレイドルでのことを思い出し、来人の顔が険しくなる。

 

「////違ったって・・・・・思った。」

 

「・・・龍可・・・。」

 

「/////けど、それは・・・来人の・・・優しさ、だったんだよね・・・?」

 

「・・・・・そんな体のいいものじゃない。」

 

来人は自信なく首を横に振る。

 

「結局のところ、自分で決めるのが怖かっただけなんだよ。お前らにも、ゾーンにもついて、どっちつかず。ただただ卑怯なだけ・・・それが、本当の俺なんだ・・・。」

 

「・・・・来人?」

 

龍可は両手で来人の顔を挟んだ。

 

「! 龍可?」

 

「/////・・・・・。」

 

ゆっくり顔を来人に近づける。

 

「・・・え・・・あの・・・」

 

「////・・・・。」

 

戸惑う来人を気にせず、そのまま顔を近づける。そして・・・

 

「・・・・・!? !?」

 

「/////・・・・・。」

 

二人の唇は静かに重なった。さすがの来人も驚きを隠せなかった。しばらくし、二人の唇は離れた。

 

「・・・・・。」

 

呆気にとられた来人は龍可の顔をぼーっと見る。

 

「/////それでも・・・・・私は、好きだよ。来人。・・・大好き!」

 

龍可はとびきりの笑顔を来人に見せた。

 

「・・・・・。」

 

その顔を来人はじっと見る。

 

「・・・・ふふっ・・・。」

 

「/////・・・ら、来人?」

 

なぜか来人から笑みがこぼれる。

 

「まさか、ここまでされるとは思わなくて・・・それに・・・趣味が悪い。」

 

「////・・・・。」

 

来人の言葉を聞き、龍可は来人を抱きしめる。

 

「/////・・・悪い?」

 

顔を赤くし、ふくれっ面で来人を見る。

 

「・・・・・。」

 

ぎこちなく、龍可の頭をなでる。

 

「・・・・いいのか? こんなやつで。」

 

「/////・・・うん・・・!」

 

龍可が答えた瞬間、来人は龍可を強く抱きしめる。

 

「/////・・・!!」

 

龍可の赤かった顔がさらに赤くなる。

 

「・・・・・好きだよ。」

 

「////!?」

 

「俺も、好きだよ。龍可。」

 

「/////~~~~!!」

 

嬉しさから抱きしめる力が強くなった。

 

「・・・・・。」

 

「////・・・!」

 

「・・・さすがに苦しいぞ・・・。」

 

「////もうちょっとだけ・・・。」

 

「・・・・・。」

 

なぜか来人はリビングのドアをちらちらと見ていた。

 

(・・・さすがに言うか・・・。)

 

「・・・で、いつまで見てんだ?」

 

「/////・・・・・え?」

 

恐る恐るリビングのドアが開かれる。

 

「・・・・・。」

 

申し訳なさそうな顔でソラが顔をのぞかせた。

 

「/////!!?」

 

ソラの顔を見て、龍可は急いで来人から離れた。

 

「あ~・・・その、邪魔するつもりはなくって・・・あはは・・・。」

 

「////ど、どどどこからですか・・・!?」

 

「・・・・・告白して、キス・・・したところ?」

 

龍可は恥ずかしさから両手で顔を覆った。

 

「/////うぅ・・・! ・・・! ほ、他の人はいないですよね!?」

 

「だ、大丈夫大丈夫! まだみんな来てないから! ・・・龍可ちゃん!」

 

ソラは龍可の頭を嬉しそうになでる。

 

「・・・おめでとう!」

 

「/////あ、ありがとう・・・ございます・・・。」

 

「・・・・・。」

 

いたたまれない来人の耳は若干、赤くなっていた。

 

 

 

 

 

 

数日後

 

来人はセキュリティにて、アーククレイドルで起こったことをすべて話していた。話を聞くのは事情を把握している牛尾と狭霧だけだった。そして二人は上層部と協議し、来人の処分を伝えていた。

 

「・・・・・思ったより軽いな。」

 

処分の内容を見た来人はそう零した。

 

「この街を救った遊星たちの嘆願があったのがデカかったな。そうでなきゃお前、とっくに・・・」

 

「わかってる。・・・そういう奴らだよ、あいつらは。」

 

「まあここまで譲歩したんだ。くれぐれも問題を起こすんじゃないぞ。」

 

「だからわかってるって。」

 

会話の間、来人は何度か時計を確認する。

 

「・・・もういいか?」

 

「え? んまあ、話は終わったっちゃ終わったんだが・・・」

 

「ならとっとと出るわ。」

 

「なんだ、なんかあるのか?」

 

「ああ・・・これからデートなんだ。」

 

「なんだそう・・・・はぁ!?」

 

驚きの表情を見せた牛尾に軽く手を振り、来人は部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

「はあ・・・はあ・・・!」

 

(準備してたら遅くなっちゃった・・・!)

 

来人と待ち合わせをしていた龍可は急いで走っていた。

 

「・・・!」

 

当の来人はなにやら数人の女性に話しかけられていた。

 

「ねえねえ、お兄さん。今暇してる?」

 

「ああいや、人待ってるんで。」

 

特に表情を変えず、龍可の姿を探す。

 

「・・・!」

 

龍可を見つけた来人は顔を明るくし、駆け寄った。

 

「///! ご、ごめんね、待たせちゃって・・・。」

 

「いや、さっき来ただから大丈夫。行こうぜ。」

 

「///う、うん!」

 

二人は手を繋ぎ、近くのカフェに入った。

 

(///きゅ、急にあんな顔見せるなんて・・・しかも、手・・・!)

 

龍可が心臓をバクバクさせる中、席に着いた。

 

「やっと話が終わってな。最初に報告しとくわ。」

 

「////・・・うん・・・。そ、それで、どうだった?」

 

「こうなった。」

 

来人は自分の処分が書かれた紙を龍可に見せた。

 

「・・・え・・・? こ、これって・・・!」

 

書かれた内容を見て、龍可の顔が青ざめる。

 

「これでもかなりマシだろ。むしろこんなもんで済んでラッキーくらいだ。」

 

「で、でも・・・!」

 

書かれた内容はこうだった。

 

『未谷来人の処分内容』

 

(1):チーム5D’s除名処分

 

WRGP優勝チーム チーム5D’sを除名する。今後、チームの一員としては名乗れないものとする。

 

 

(2):フォーチュンカップ、WRGPの公式記録抹消

 

未谷来人の参加したフォーチュンカップ、WRGPでの記録を全て抹消する。フォーチュンカップの準優勝は十六夜アキとする。

 

 

(3):ネオドミノシティ追放処分

 

現在在学する、デュエルアカデミア卒業ののち、未谷来人はネオドミノシティから追放し、無期限の入場禁止とする。

 

「正直、一生檻の中かと思ったけどな。」

 

「・・・来人・・・。」

 

(2年経ったら・・・来人は・・・。)

 

目の前でストローでアイスコーヒーを口に運ぶ来人を龍可は見る。

 

「・・・どうした? さみしそうな顔して。」

 

「! だ、だって・・・。」

 

見つめてきた来人から思わず目を逸らす。

 

「///・・・や、やっと付き合えたんだもん・・・。」

 

「・・・そうか。」

 

龍可の言葉に来人は静かにほほ笑んだ。

 

「なら2年間、しっかり堪能しとくんだな。」

 

「///・・・た、堪能・・・。」

 

恥ずかしさから龍可は顔を赤くし、うつむいてしまう。

 

「・・・ふふ。」

 

そして、ここから2年の月日が流れた。




幕間短編

『距離感』

告白の翌日

リビング

「・・・・。」

来人は若干眠そうに食パンをほおばった。

「///・・・・。」

隣に座る龍可は椅子を来人に限りなく近づけ、一緒に朝食を食べる。

「・・・・?」

何か違和感のあった来人は首を傾げる。





朝食を食べ終えた来人はソファでくつろいでいた。


「////・・・・!」

それを見た龍可は来人の隣に座り、来人に体をくっつけるように寄せる。

「・・・・・なあ、龍可。」

「////な、何? 来人。」

「・・・近くね?」

「////え!?」

来人の言葉が思いもよらなかったのか、体が飛び跳ねたのかのように驚いた。

「いつもこの感じじゃなかったような・・・。」

「////そ、それは、えっと・・・」

(///つ、付き合えたことに舞い上がりすぎちゃった・・・!)

「////つ、付き合ったらみんなこんな感じだよ?」

「・・・・・。」

来人は龍可をじっと見る。

(////え・・・も、もしかして、怒ってる・・・?)

「・・・そうか、そういうもんか。」

「////・・・え?」

「そういうことなら、もうちょっと寄っていいぞ。」

来人はニコッと笑い、手招きする。

「////う、うん・・・。」

龍可はさらに寄り、腕に抱き着いた。

(付き合うとこういう感じなのか・・・勉強になる。)

(///あ、あっさり信じられると罪悪感が・・・。)

来人と龍可。二人はまだ付き合ったばかり・・・。
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