遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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オリキャラの進路

亨・亘 『プロデュエリスト』

ソラ 『デュエルカレッジに進学』

翔一 『セキュリティ』


終章
第122話 卒業デュエル


アーククレイドルの一件から2年が経った。来人の通うデュエルアカデミアでは多くの生徒が進路を決め、それぞれの道を歩もうとしている。そして・・・

 

デュエルアカデミア

 

教室

 

「はぁ~・・・。」

 

ため息をついたソラは机に突っ伏していた。

 

「何ため息ついてんだよ。進路決まってんだろ? たしか、デュエルカレッジに進学だったけか?」

 

「そうなんだけどさ・・・卒業が近づくとしんみりしちゃうじゃない?」

 

「そういうもんか?」

 

「そうだよ来人。・・・と・こ・ろ・で・・・。」

 

ソラは起き上がり、ススス・・・と来人に近づいた。

 

「どうなの? 龍可ちゃんとは。」

 

「どうって?」

 

「いやだからその・・・・・ね?」

 

「何が言いた・・・」

 

ピリリリ!

 

来人の携帯が鳴る。

 

「・・・ちぇ。」

 

「・・・・・。」

 

届いたメールの内容を見て、来人は椅子から立ち上がる。

 

「? 何かあったの?」

 

「校長からだ。いったい何なのか・・・。」

 

「・・・来人がまだ進路決まってないからじゃない?」

 

ソラはジト目で来人を見る。その通り、他の生徒が進路を決める中、来人はいまだに進路決定をしないでいた。

 

「特にやりたいことがないしな。」

 

(・・・それに、何になろうがこの街を出なきゃならないしな。)

 

「んじゃあ、ちょっと行ってくる。」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ん。」

 

「来人、お前も呼ばれていたか。」

 

校長室に向かっていた来人は亨と鉢合わせした。亨が代表してドアをノックする。

 

「「失礼します。」」

 

「二人とも、忙しい所すまないね。」

 

「いえ。」

 

「で、用件っていうのは何です?」

 

「二人に来てもらったのは・・・・卒業デュエルについてです。」

 

「卒業デュエル?」

 

来人は首を傾げる。

 

「ああ・・・未谷君は高等部からの編入だから、知らなかったですねえ・・。」

 

「ようは成績首位の生徒が卒業を記念してのデュエルということだ。」

 

校長の代わりに亨が軽く説明する。

 

「成績首位・・・亨はわかるが、なんで俺も?」

 

「本来は丸藤君が言った通り、成績首位の生徒に行ってもらうのですが・・・未谷君はWRGPでの活躍がありますからね。特例で今年は二人に白羽の矢を立てたというわけです。」

 

「・・・そう、ですか・・・。」

 

来人のWRGPの記録が抹消されたことは公にされていることではない。記録を消されても、人々の記憶から消えるわけではなかった。

 

「てことは・・・俺たち二人でデュエルしろと?」

 

「いえ。卒業デュエルでは君たちがそれぞれデュエルしたい相手を指名していただきたいのです。」

 

「指名・・・。」

 

亨は目を閉じ、考えを巡らせる。

 

「相手って誰でもいいんで?」

 

「もちろん。過去にはプロデュエリストに来てもらったりもしましたね。」

 

「・・・なるほど。」

 

「では二人とも、対戦相手を考えて・・・・・」

 

「います。」

 

校長が言い終わる前に、亨は言い切った。

 

「戦いたい相手・・・います。」

 

「はえーっての・・・。あの、俺まだ決まってないんで・・・一応部屋出ときます?」

 

「お願いします。代表といえど、対戦相手はシークレットにしたいので。」

 

「了解。んじゃあな、亨。」

 

「ああ。」

 

来人は腕を組んで、校長室を出た。

 

「・・・卒業デュエルかぁ・・・。」

 

壁に寄り掛かり、目を閉じる。

 

(・・・俺が、デュエルしたい相手・・・。)

 

罪を犯し、街を去る自分が誰とデュエルするのか・・・来人の頭の中で様々な考えが巡る。

 

「・・・・・。」

 

来人は思考から今までのデュエルを思い出していく。

 

「・・・・・・!!」

 

(・・・そうだ・・・まだあの時、デュエルしてなかったな・・・。)

 

「・・・・よし!!」

 

来人は教室に戻り、自分の荷物を持つと急いで教室を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

「すっかり夕方になっちまった・・・。ったく、アポ取ってないとはいえ、ここまで待つとはな・・・。」

 

ある人物への交渉を終え、来人はDホイールで龍可との待ち合わせ場所に向かっていた。2年という月日をしっかり過ごすため、少しでも長く一緒にいたいという龍可の願いだった。

 

(ま、後悔のないように・・・な・・・。)

 

Dホイールを停め、龍可と合流しようとする。

 

「・・・んん?」

 

待ち合わせ場所では龍可が一人の男に話しかけられていた。

 

(・・・2年前と逆だな・・・。)

 

2年前は自分が話しかけられていたところに龍可が来ていたらしい。

 

「・・・・・。」

 

一瞬、むすっとした顔をし、龍可のもとに駆け寄った。

 

「待ったか?」

 

「! 来人・・・! ううん、大丈夫だよ。」

 

「行くぞ。」

 

龍可の手を取り、その場を後にする。

 

「・・・・・。」

 

隣を歩く来人の顔を龍可はじっと見る。

 

「? どうした?」

 

「・・・ひょっとして、妬いてくれた?」

 

「さあ、どうだろうな。」

 

「そこはそうだって言ってほしいんだけど・・・。・・・!」

 

龍可は来人がしっかりと手を握っていることに気づいた。

 

「・・・~♪」

 

「どうした、嬉しそうに。」

 

「え? 何でもないよ。でも、来人もなんだか嬉しそう。」

 

龍可は手を放してもらい、腕を絡める。

 

「・・・先の楽しみが一つできたんだよ。」

 

「楽しみ? 何かあるの?」

 

「・・・秘密。」

 

来人はいたずらっ子のような笑みを見せた。

 

「///・・・!」

 

龍可は顔を赤くし、顔をプイッと逸らした。

 

「? なんだ、どうした?」

 

「/////な、何でもない!」

 

(/////・・・ふ、不意打ちはずるいよ・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

数週間後

 

卒業デュエル特設会場

 

『さあ、いよいよこの日がやってまいりました卒業デュエル!! 司会・実況は放送部が務めさせていただきま~す!』

 

司会の掛け声に多くの生徒が歓声を上げる。

 

『今年の卒業デュエルは異例の二人が選出! 一人目は、来年度からプロリーグに入る、丸藤亨さん! そして二人目は、フォーチュンカップ、WRGPで華々しい活躍をした未谷来人さん!』

 

来人、亨の名前と顔が大型スクリーンに表示される。

 

「はぁ・・・はぁ・・・お待たせー!」

 

飲み物を買ってきた龍亞が龍可、アキに手渡した。

 

「ありがとう、龍亞。」

 

「いよいよ始まるんだ・・・。」

 

(来人、一体だれとデュエルするんだろ?)

 

離れた席ではソラ、亘、翔一が座っていた。

 

「う~ん・・・龍可ちゃんたちと席が離れちゃったか~・・・。いろいろ話したかったのに・・・。」

 

「ソラの場合、話したかったではなくいじりたかったのでは?」

 

「う・・・! そ、そんなことは・・・。」

 

わざとらしく口笛を吹きながら目を逸らす。

 

「まったく、何をそんなに聞きたいのか・・・。」

 

翔一は呆れ気味にソラを見る。そんな翔一をソラはジト目で見る。

 

「・・・翔一のせいでもあるんだけど?」

 

「何か言ったか?」

 

「べっつに~?」

 

 

 

 

 

 

控室

 

「で? そろそろ教えてくれよ。誰とデュエルすんだよ。」

 

来人は亨の肩を組んで、対戦相手を聞き出そうとしていた。

 

「何度も言わせるな。じきにわかるんだから教えないぞ。それを言うなら、来人から言え。」

 

「・・・いいよ。教えるよ。」

 

「!?」

 

来人は亨の耳元である人物の名を囁いた。

 

「・・・・な!? 本当か・・・!? なぜ!?」

 

「なぜ? ・・・あえて言うなら、あの時、まだ戦ってなかったから・・・だな。」

 

「あの時・・・? 一体何の・・・」

 

ピリリリ!

 

来人の真意を聞こうとした時、亨の携帯が鳴る。

 

「時間じゃねえのか?」

 

「・・・どうやら、そのようだ。行ってくる。」

 

「ああ。いってらっしゃい。」

 

亨はデュエルディスクを装着し、ステージへ向かった。

 

 

 

 

 

『さあ、お待たせしました! これより卒業デュエル第一戦! 丸藤亨さんのデュエルです!』

 

「お、始まった!」

 

『まずは丸藤亨さんの入場です!』

 

司会に合わせて、亨がステージに姿を見せる。多くの女子生徒から黄色い声援が飛び交った。

 

『丸藤さん! 今回の対戦相手を選んだ理由をお願いします!』

 

「・・・今回は、ここしばらくデュエルする機会のなかった相手を選びました。その相手は、最初にデュエルした時、自分がデュエルを始めたてのころを思い出すようなデュエルでした。そして2年が経ち、どこまで成長したのか。それを確かめたくて、今回選びました。」

 

亨の語る言葉を会場は静かに聞いていた。

 

『丸藤さん、熱い言葉、ありがとうございます! それでは、選ばれたデュエリストを紹介しましょう! お願いします!!』

 

司会の紹介に亨の対戦相手は若干緊張の面持ちで現れた。

 

「・・・来たな。」

 

『丸藤さんの対戦相手・・・同じデュエルアカデミア中等部! 明莉・アンデルセンさんです!!』

 

「はい・・・来ました!」

 

「「明莉!?」」

 

観客席の龍亞と龍可は驚きから思わず立ち上がった。

 

「え、明莉ちゃん・・・!?」

 

ソラも同じように驚いていた。

 

「・・・そういえば、あの二人、しばらくデュエルしてませんでしたから。」

 

亘の言う通り、二人はこの2年、団体戦、個人戦ともに巡り合わせが悪く、またデュエルすることは叶っていなかった。

 

「けど・・・私で、よかったんでしょうか・・・?」

 

「ああ。話を聞いた時点で、お前しかいなかった。」

 

「ふえ・・・あ、ありがとうございます・・・。」

 

「お互い、全力を尽くそう。明莉・・・!!」

 

「それは、もちろんです!」

 

互いにデッキをセットする。

 

『両者、準備完了! それでは・・・いよいよ始まりです!!』

 

「「デュエル!!」」

 

(これが・・・私の、最後のチャンス・・・!)




書き忘れてました。

オリキャラプロフィール

名前:明莉・アンデルセン

性別:女

年齢:12歳→14歳

身長:152cm→155cm

デッキ:【宝玉獣】

亨に出会ったころはアメリカから転校してきたばかりで緊張しっぱなしだった。それ以前に人見知りで自身のない性格だったため、デュエルもおどおどしていた。しかし、亨に好意を抱いた時から性格が明るくなった。(亨の前では未だにおどおどすることが多い。)デュエルでも自信をつけるようになった。デュエルではGXのヨハンのように破壊するカードはほとんど入れていない。
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