遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第125話 来人の相手とは

決着の瞬間、会場は静寂に包まれる。しかし直後に大きな歓声が会場を包み込んだ。

 

『け、決着ーーー!! 勝ったのは、明莉・アンデルセンさん!! 凄まじい攻防を制して、卒業生、丸藤さんを見事に倒しました!!』

 

「・・・ふっ、そうか・・・負けた・・・か!?」

 

亨が驚きの声を上げたのも無理はない。勝った明莉が目からぽろぽろと涙を流していたからだ。

 

「ふ・・・ふぐっ・・・! ふえぇ・・・!」

 

手や腕で涙を拭うがおさまる気配はない。脱力し、明莉はその場に座り込んでしまう。

 

「ちょ・・・え・・・!」

 

まさかの事態に亨はアタフタしてしまう。亨は片膝を地面に着け、明莉に目線を合わせた。

 

「お、落ち着け明莉・・・!」

 

「は、はいぃ・・・! ・・・ひぐ!」

 

亨に諭されるが、涙は止まらない。

 

「わ、私・・・ま、丸藤さんと、デュエルして・・・じ、自信をつけられるように・・・な、なったんです・・・! 丸藤さんがいたから、わ、私・・・!」

 

「・・・そうか。・・・そうか・・・。」

 

何かに気づいたような笑みを浮かべ、亨は優しく明莉の頭をなでた。

 

「!? えぇ・・・!?」

 

「いいデュエルだった。明莉。」

 

「////・・・ありがとう、ございます・・・! ・・・丸藤さん。」

 

「ん?」

 

「卒業・・・おめでとうございます・・・!」

 

「・・・立てるか?」

 

「////・・・ち、力が、入らなくて・・・その・・・」

 

明莉は顔を赤くし、うつむいてしまう。

 

「・・・わかった。」

 

頷いた亨は明莉を優しく抱きかかえる。

 

「////え・・・・・えぇ!?」

 

客席からは『おぉ~!』という声が多く上がった。ごく一部では嫉妬の声も上がっている。

 

「////あああの、そこまでしてもらうのは・・・!」

 

「立てないんだろう?」

 

「/////そそ、それは、そう・・・なんです、けど・・・」

 

「よし、行くぞ。」

 

「/////・・・は、はいぃ・・・。」

 

明莉は恥ずかしさから手で顔を隠す。亨は明莉の体が揺れないよう、優しく、静かにステージから離れていった。

 

「・・・! 俺の負けたところ見ていたのか。」

 

「見るだろ。相手気になってたからな。」

 

入場口では来人がDホイールとともに待機していた。

 

「お前のデュエル・・・楽しみにしているぞ。」

 

「しっかりその目に焼き付けておけよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十分の休憩をはさみ、来人による卒業デュエルが始まろうとしていた。

 

「は~・・・いきなりすごいデュエルだったなぁ・・・。」

 

「うん、そうだね。」

 

(・・・明莉・・・この後本当にするのかな・・・?)

 

「・・・! 龍亞、龍可、いよいよ始まるわ。」

 

「「!!」」

 

『さあ、いきなり壮絶な幕開けとなった卒業デュエル! 例年ならば、ここで終わりですが・・・今年はもう一つデュエルがあります!!』

 

客席から大きな歓声が上がる。

 

「いよいよ来人が・・・!」

 

「来人、誰とデュエルするんだろ・・・?」

 

「龍可も知らないの?」

 

「うん・・・昨日も一緒に寝る前に聞いてみたけど、教えてくれなくて・・・」

 

「・・・・一緒に寝てるのね?」

 

「・・・あ!?」

 

龍可は自分の口を押えるが時すでに遅し。

 

「・・・なんだったら、付き合う前から一緒に・・・」

 

「龍亞~!!」

 

涙目で龍亞の肩をポコポコと叩く。

 

『それでは、登場していただきましょう! 未谷来人さん! お願いします!』

 

登場を促されると、会場にエンジン音が鳴り響く。やがて入場口から来人がDホイールに乗って現れた。一周した後、Dホイールを停め、降りる。ヘルメットを取ると、亨同様、多くの女子生徒から黄色い歓声が上がる。

 

「・・・・・。」

 

とある一名は嫉妬混じりのムスッとした顔をしていた。そんな中、来人は目を閉じ、自らを落ち着けるように大きく深呼吸をした。

 

『未谷さん! 今回の対戦相手を選んだ理由をお願いします!』

 

「・・・・・。」

 

来人は目を開けるが、理由を語ろうとしない。

 

『・・・? 未谷さん?』

 

「・・・俺の相手は、亨のように大層な理由があるわけじゃない。俺の・・・懺悔と後悔・・・。最後にそれをあとかたもなく消し去るために、あと腐れなくするために、この男を選んだ。忙しい中、付き合わせて申し訳ないと思っていたが、あいつは快く引き受けてくれた。・・・感謝する。」

 

静かな言葉とともに、来人は丁寧に頭を下げた。

 

『ち、力強いお言葉ありがとうございます! ・・・それでは、選ばれたデュエリストを紹介しましょう! お願いします!!』

 

その瞬間、一台のDホイールが姿を現した。それを見た客席の生徒たちがざわつき始める。なぜならそのDホイールは多くの人が見たことがあったからだ。

 

『え・・・あの・・・えぇ!?』

 

放送部の司会も進行がおろそかになるほどの驚きだった。そのDホイールは、WRGPを優勝し、果てにはネオドミノシティを救った英雄のものだった。

 

「ま、まさか・・・・・!」

 

「・・・・・。」

 

やがて、来人の近くで止まり、Dホイールから降りる。ヘルメットを取ると、亨や来人以上の興奮や歓声が会場を覆った。

 

『み、未谷さんの対戦相手・・・・・・ふ、ふふ不動遊星さんです!!』

 

司会の緊張の中、紹介された遊星はぎこちなさそうに頭を下げた。

 

「すっかり人気者だな、遊星。」

 

「未だにこの反応にはなれないな・・・。・・・!」

 

遊星に対し、来人は手を差し出す。

 

「いいデュエルにしよう。」

 

「・・・ああ!」

 

二人はがっちりと握手を交わした。

 

「・・・今は、握手するタイプなんだな。」

 

「・・・!」

 

遊星は来人との最初の会話を思い出した。

 

『・・・握手しないタイプか。んで、確か、保管庫に入るんだったな。』

 

「・・・ふっ。」

 

二人はヘルメットをかぶり、Dホイールに乗る。

 

『い、いよいよ運命の一戦が始まります!』

 

「「スピードワールド2、セット!」」

 

『『デュエルモード、オン。』』

 

会場にカウントが鳴り響く。

 

「さあ・・・行くぞ不動遊星!!」

 

「ああ・・・互いに全力を尽くそう!」

 

スタートのコールが鳴る。

 

『ライディングデュエル、アクセラレーション!!』

 

二人のDホイールが一斉に飛び出した。

 

「・・・・!」

 

次第に遊星のDホイールが前に出る。

 

「くそ・・・!」

 

そのまま遊星が第一コーナーを取った。

 

『第一コーナーを先取したのは遊星さん! 先攻は遊星さんからです!』

 

「「デュエル!!」」

 

遊星 LP4000 手札5 SPC0

 

来人 LP4000 手札5 SPC0

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札5→6

 

「マックス・ウォリアーを攻撃表示で召喚!」

 

マックス・ウォリアー ATK1800/レベル4

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

「俺のターン!」

 

遊星 SPC0→1

来人 手札5→6 SPC0→1

 

「SRバンブー・ホースを召喚!」

 

SRバンブー・ホース ATK1100/レベル1

 

「バンブー・ホースを召喚したとき、手札からレベル4以下のスピードロイドモンスター1体を特殊召喚できる! チューナーモンスター、SR赤目のダイスを特殊召喚!」

 

SR赤目のダイス ATK100/レベル1

 

「レベル4のバンブー・ホースにレベル1の赤目のダイスをチューニング!天空へ駆けあがる双翼よ、我が敵を地平の彼方へ吹き飛ばせ! シンクロ召喚! いでよ、HSRマッハゴー・イータ!」

 

HSRマッハゴー・イータ ATK2000/レベル5

 

「マッハゴー・イータでマックス・ウォリアーを攻撃!」

 

「く・・・!」

 

遊星 LP4000→3800

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊星 LP3800 手札4 SPC1

【モンスター】

【魔法・罠】

伏せ1

 

来人 LP4000 手札3 SPC1

【モンスター】

マッハゴー・イータ(ATK2000/レベル5)

【魔法・罠】

伏せ1

 

『まずは未谷さんが先制! ここからどのような展開になるのでしょうか!!』

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札4→5 SPC1→2

来人 SPC1→2

 

「Sp-エンジェル・バトンを発動!」

 

Sp-エンジェル・バトン(アニメオリジナル)

通常魔法

自分のスピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。自分のデッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。

 

「スピードカウンターが2つ以上あるとき、デッキからカードを2枚ドローし、手札を1枚捨てる!」

 

遊星 手札4→6→5

 

「そして、ジャンク・シンクロンを召喚!」

 

ジャンク・シンクロン ATK1300/レベル3

 

「ジャンク・シンクロンの効果により、墓地からレベル2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚する! さっき捨てたボルト・ヘッジホッグを特殊召喚!」

 

ボルト・ヘッジホッグ DEF800/レベル2

 

「・・・!」

 

(くそ・・・やられた・・・!)

 

「・・・さすがですね。」

 

「? ・・・あ!」

 

「マッハゴー・イータはリリースすることで、相手モンスターのレベルを1つ上げる効果がある。来人はこれでシンクロ召喚を妨害するつもりだったんだろう。だが、今使ってもシンクロ召喚をされてしまう。」

 

(ここは効果を使わない方がいいな・・・。)

 

「レベル2のボルト・ヘッジホッグにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング! 集いし星が新たな力を呼び起こす! 光さす道となれ! シンクロ召喚! いでよ、ジャンク・ウォリアー!」

 

ジャンク・ウォリアー ATK2300/レベル5

 

「ジャンク・ウォリアーでマッハゴー・イータを攻撃! スクラップフィスト!」

 

ジャンク・ウォリアーの拳がマッハゴー・イータをたたき割った。

 

「く・・・!」

 

来人 LP4000→3700

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

「俺のターン!」

 

遊星 SPC2→3

来人 手札3→4 SPC2→3

 

「SRダブルヨーヨーを召喚!」

 

SRダブルヨーヨー ATK1400/レベル4

 

「このカードが召喚したとき、墓地からレベル3以下のスピードロイド1体を特殊召喚する! 赤目のダイスを特殊召喚!」

 

赤目のダイス ATK100/レベル1

 

「赤目のダイスの効果発動! ダブルヨーヨーのレベルを3に変更!」

 

ダブルヨーヨー レベル4→3

 

「レベル3となったダブルヨーヨーにレベル1の赤目のダイスをチューニング! 名を捨てた怪盗よ! 暗き闇を切り裂き、敵を討て! シンクロ召喚! いでよ、HSR快刀乱破ズール!」

 

HSR快刀乱破ズール ATK1300/レベル4

 

「! このモンスターは・・・!」

 

「バトル! 快刀乱破ズールでジャンク・ウォリアーを攻撃! 快刀乱破ズールは特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うとき、攻撃力を倍にする!」

 

ズール ATK1300→2600

 

「ぐあああ!」

 

遊星 LP3800→3500

 

「ターンエンド!」

 

遊星 LP3500 手札3 SPC3

【モンスター】

【魔法・罠】

伏せ2

 

来人 LP3700 手札3 SPC3

【モンスター】

ズール(ATK1300/レベル4)

【魔法・罠】

伏せ1

 

『お互いにシンクロモンスターで削りあっていきます!』

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札3→4 SPC3→4

来人 SPC3→4

 

「・・・俺は、スピード・ウォリアーを召喚!」

 

スピード・ウォリアー ATK900/レベル2

 

「バトル! スピード・ウォリアーで快刀乱破ズールを攻撃!」

 

「ちっ・・・!」

 

「スピード・ウォリアーは召喚したターンのバトルフェイズ、攻撃力を倍にする!」

 

スピード・ウォリアー ATK900→1800

 

「行け! スピード・ウォリアー! ソニックエッジ!」

 

「ぐあああ!」

 

来人 LP3700→3200

 

『ここでスピード・ウォリアー! 特殊召喚されたモンスターに強いズールに対抗しました!』

 

「ターンエンド!」

 

(ここまで削りあいになるとは思わなかった・・・! ・・・俺は・・・。)

 

激闘を繰り広げる中、来人の心の中は迷いに満ちていた。

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