(遊星のターン中)
遊星 LP1200 手札2 SPC3
【モンスター】
シューティング・スター・ドラゴン(ATK3300/レベル10)
【魔法・罠】
伏せ1
来人 LP2900 手札3 SPC3
【モンスター】
クリスタルウィング(ATK3000/レベル8)
【魔法・罠】
伏せ1
『出ましたぁ!! スターダスト・ドラゴンの進化、シューティング・スター・ドラゴン!!』
「すごい・・・あれがアクセルシンクロ・・・。」
「どうなっている?」
ソラたちの席に亨と明莉が現れる。
「状況は来人が悪くなってますね・・・。」
「どうする・・・来人・・・!」
「ご登場のところ悪いが、クリスタルウィングには勝てないぞ!!」
「わかっているさ。トラップ発動! シンクロ・オーバーヒート!」
シンクロ・オーバーヒート(オリジナル)
通常罠
①:自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を選んで除外し、自分フィールドのSモンスター1体を対象に発動する。このターン、そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで除外したモンスターのレベル×100アップし、除外したモンスターと同じレベルになる。②:自分フィールドのSモンスターが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、墓地のこのカードを除外して発動できる。戦闘を行った相手モンスター1体を選んで墓地に送る。
「墓地からレベル4以下のモンスターを除外することで、このターン、シューティング・スター・ドラゴンはそのレベルかける100ポイント、攻撃力をアップし、同じレベルになる! 俺はレベル4のマックス・ウォリアーを除外する!」
シューティング・スター・ドラゴン ATK3300→3700 レベル10→4
「レベル4・・・。 !! しまった・・・!」
「そうだ。クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果はレベル5以上のモンスターと戦闘するときしか攻撃力は上がらない! レベル4となったシューティング・スター・ドラゴンとの戦闘では上がらない! そして、シューティング・スター・ドラゴンは複数回の攻撃が可能だ!」
「そうは行くか・・・! 永続トラップ、ディメンション・ガーディアン! クリスタルウィングを対象に、戦闘と効果で破壊されなくなる!」
「これで遊星が勝つには・・・」
「チューナーモンスターを5枚めくるしかない・・・!」
遊星は指をデッキの上にかける。
「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動! デッキの上のカード5枚を確認し、その中のチューナーの数まで攻撃できる!」
「・・・・・。」
来人、会場の観客は固唾を飲んで見守る。
「・・・・めくられたチューナーは4枚!!」
めくられたカード
《ハイパー・シンクロン》
《ニトロ・シンクロン》
《エフェクト・ヴェーラー》
《くず鉄のかかし》
《アンノウン・シンクロン》
「ふぅ・・・。」
「ぎりぎりだったわね・・・。」
「シューティング・スター・ドラゴンでクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!!」
シューティング・スター・ドラゴンは4体の色違いの分身を出現させる。
「行け! スターダストミラージュ!!」
「ぐあああ!!」
来人 LP2900→2200→1500→800→100
『来人さん、ライフポイントをわずかに残しましたぁ!!』
「バトルフェイズ終了時、墓地のシンクロ・オーバーヒートを除外し、戦闘を行ったクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを墓地に送る!」
「く・・・!」
「ターンエンド!」
遊星は自身の手札にある1枚のカードを見る。手札には《Sp-アクセル・ドロー》があった。
(次の俺のターン、スピードカウンターは5になる。来人が何もできなければ・・・。)
「・・・・・なあ、遊星・・・・。」
「? どうした、来人。」
「・・・マイク切って、ちょっと話せるか?」
そう言って、来人は服についているマイクのスイッチを切った。
「・・・ああ、わかった。」
何かを察した遊星もスイッチを切る。
『・・・? あれ、二人とも、マイクのスイッチ・・・』
「・・・来人・・・?」
龍可は心配そうに様子を窺っている。
「・・・来人、いったい・・・」
「・・・・わからないんだ・・・・。」
「・・・え?」
「俺がこの先・・・どうやって生きていけばいいか・・・わからないんだよ・・・。」
来人の声が震え始める。
「・・・来人・・・。」
「わかってんだよ。こんなこと言ってたってどうしようもないって・・・。でも・・・あんなことしでかしておいて、のうのうと生きて・・・今わかった・・・。」
「・・・・・。」
「・・・俺には何もなかったんだ・・・。未来を生きようとする力も・・・覚悟も・・・。笑えるよな・・・。」
「・・・来人!」
遊星は来人に並走し、拳を突きだした。
「・・・? 何を・・・」
「あの時も言ったはずだ! お前も、ブルーノも俺たち、チーム5D’sの仲間だ!」
「・・・・・。」
「お前に何もないはずがない! お前には俺たちと過ごした時間や記憶がある! それらがあった無数の事実を忘れるな!」
「・・・遊星・・・! ・・・!」
来人のエクストラデッキのカードが光り輝いていた。
「・・・これは・・・」
「来人!!」
来人を呼ぶと、遊星は自分の上を飛ぶシューティング・スター・ドラゴンを見る。
「・・・・・!! そうか・・・そうか・・・!」
来人の目から一筋の涙が流れると、一気にDホイールのスピードを上げた。
(アンチノミー・・・いや、ブルーノ・・・だからお前驚いたのか・・・!)
来人はゆっくりと目を閉じる。すると、スピードをさらに上げ、姿を消した。
「!!」
『み、未谷さんが・・・き、消えました・・・!』
「「来人!?」」
「・・・ここは・・・。」
(さっきまで俺は遊星とデュエルしていたはずじゃ・・・。)
「それに、ここ・・・は・・・」
来人が驚くのも無理はない。この部屋はアーククレイドルでジャックたちとデュエルした部屋によく似ていた。
「・・・・・!」
来人の目の前に1枚のカードが現れる。
「・・・これが・・・俺の・・・」
「・・・! 来人!」
消えた来人が遊星の後ろに現れる。来人の顔を見た遊星は一瞬、笑みを見せた。
「・・・見つけたのか、来人・・・!」
「・・・ああ・・・遊星・・・! 見せてやる! 俺の未来を!!」
二人は切っていたマイクのスイッチを入れる。
「俺のターン!!」
遊星 SPC3→4
来人 手札3→4 SPC3→4
「SR吹持童子を召喚!」
SR吹持童子 ATK1000/レベル4
「墓地のマッハゴー・イータの効果発動! フィールドにスピードロイドチューナーが存在するとき、墓地から復活する!」
HSRマッハゴー・イータ ATK2000/レベル5
「レベル9のシンクロ召喚か・・・?」
「まだだ! 墓地のSRデュプリゲートの効果発動! スピードロイド1体のレベルを1つ下げることで、このカードをレベル1のチューナーモンスターとして特殊召喚する!」
「!? チューナーになるトラップカードだと!?」
「マッハゴー・イータのレベルを1つ下げ、現れろ、SRデュプリゲート!」
SRデュプリゲート ATK0/レベル1
マッハゴー・イータ レベル5→4
「レベル4となったマッハゴー・イータにレベル1のデュプリゲートをチューニング! 光輝ける双翼よ! 未来に向けて駆け上がれ! シンクロ召喚! 羽ばたけ、HSRグライダー2!!」
HSRグライダー2 ATK1600/レベル5
「グライダー・・・2・・・?」
(あのモンスター・・・アーククレイドルの時でも見せたことはなかった・・・。)
「グライダー2の効果発動! シンクロ召喚に成功した時、墓地からレベル7以下の風属性シンクロモンスターを特殊召喚する! 甦れ! クリアウィング!」
クリアウィング ATK2500/レベル7
「ここでクリアウィング・・・。」
遊星は来人がシンクロ召喚した2体のモンスターを見る。
「・・・・・!! まさか・・・!」
「行くぞ、遊星!!」
来人はDホイールのスピードを上げる。
「・・・! 来人・・・?」
(これが・・・俺の・・・!!)
「クリアマインド!! レベル7のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンにレベル5のシンクロチューナー、グライダー2をチューニング! 破滅の未来は消え去った! 光の速度を超え、新たな未来を切り開け! アクセルシンクロ!!」
「!!」
「最高地点、クリスタルクリアウィング・オーバー・シンクロ・ドラゴン!!」
クリスタルクリアウィング・オーバー・シンクロ・ドラゴン ATK3500/レベル12
「レベル12のアクセルシンクロだと!?」
「あいつめ・・・まだあんな切り札を・・・!」
二人のデュエルを亨は羨ましそうに見ていた。
「すごい! あれが来人の・・・!」
「行け! クリスタルクリアウィング・オーバー・シンクロ・ドラゴン!! シューティング・スター・ドラゴンを攻撃!!」
「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動! 相手ターンに1度、除外することで、モンスターの攻撃を無効にする!」
攻撃されそうになったシューティング・スター・ドラゴンが白い穴を作り出し、その中に姿を消した。
「させるか! クリスタルクリアウィング・オーバー・シンクロ・ドラゴンの効果発動! 他のカードの効果が発動した時、その発動を無効にする!!」
「な!?」
姿を消したシューティング・スター・ドラゴンを追い、クリスタルクリアウィング・オーバー・シンクロ・ドラゴンが同じ穴の中に入る。白い光を放ち、シューティング・スター・ドラゴンを消滅させた。
「く・・・!」
「これで攻撃は無効にならない・・・! クリスタルクリアウィング・オーバー・シンクロ・ドラゴンでダイレクトアタック!! 神風のクリスタルストリーム!!」
「ぐああああ!!」
遊星 LP1200→0
WINNER 来人
LOSER 遊星
決着の瞬間、会場は一番の興奮に包まれた。
「はぁ・・・はぁ・・・!」
息を切らせ、来人はDホイールを停めた。
「・・・来人が・・・勝った・・・!!」
「遊星に勝った・・・!」
「すごい・・・すごいよ! 来人!!」
「・・・俺が・・・勝った・・・。」
来人は自分の勝利を噛みしめる。
「・・・来人・・・!」
Dホイールを停め、遊星は来人に駆け寄った。
「いいデュエルだった。来人。」
「・・・ああ、俺もだ。」
「また・・・デュエルしよう!」
「・・・ああ!」
二人は拳を突き合わせた。観客から無数の拍手が鳴る。こうして、熱狂の卒業デュエルは幕を閉じた。
デュエルアカデミア
屋上
「ふぅ・・・。」
亨は目を閉じ、静かに風を感じていた。
「・・・・あ、あの、丸藤さん・・・。」
おずおずとした様子で明莉が歩いてくる。
「お前も来ていたか。大変だったろう。」
「え、えぇ・・・。」
卒業デュエル終了後、明莉は観戦に来ていた多数のプロのスカウトから声を掛けられていた。
「しょ、正直、実感があまりなくて・・・。」
「まあ、そう焦ることはない。ゆっくり考えて決めればいい。先はまだまだ長いからな。」
「は、はい・・・。」
明莉は何かを言いたそうに、亨を見つめる。
「・・・? どうした?」
「/////はぅ・・・! え、えっと・・・その・・・!」
明莉は顔を赤くし、制服のスカートの裾をぎゅっとつかんだ。
「/////そ、その・・・あの・・・!」
「?」
「////・・・・・です・・・・」
「ん?」
「/////・・・・す、すす好き、です!!」
「・・・・・え・・・。」
亨は手で口元を隠した。
「////さ、最初に、デュエルした、あの時から・・・ずっと・・・!」
「・・・・・参ったな・・・。」
「/////え・・・?」
明莉は目に涙をためる。断られると思ったのだろう。
「・・・・・先に言われた・・・。」
「////・・・・・え・・・え・・・それ・・・って・・・!」
明莉の目に溜まった涙が溢れだした。亨は明莉に駆け寄った。
「・・・ああ。俺も好きだよ。明莉。」
「////・・・・!!」
涙にぬれた顔を隠すように、明莉は亨に抱き着いた。
「////・・・・やった・・・・!」
「・・・・ふふ・・・。」
明莉の見せた嬉しさに亨は穏やかな笑みを見せた。