数十分後
「・・・龍亞・・・。」
この部屋に入れられる少し前、龍亞はディヴァインとデュエルさせられていた。善戦したものの、敗北し、サイコデュエルの力で気絶させられてしまった。今は、龍可の隣の部屋に寝かせられている。
「助けて・・・龍亞・・・来人・・・!」
両手を合わせて、不安な声で祈る。その時だった。
「・・・!」
電子音がして、龍可の部屋のドアが開かれ、一人の男が入ってきた。
「え・・・。」
「・・・・。」
男は静かに、部屋の中を見ながらゆっくりと龍可に近づく。
「い、いや・・・」
「しっ。」
男は目線を龍可に合わせるように屈む。
「俺だよ、俺。」
そう言って、男はニヤリと笑う。
「・・・・・来人?」
入ってきた男とは、アルカディアムーブメントの団員の服を着た来人だった。
龍亞とディヴァインのデュエル中、来人は団員の男に運ばれていた。
(・・・そろそろだな。)
「・・・んん・・・?」
「! ま、まずい・・・・・!」
来人が起きたと思い込み、男は焦る。
「ん・・・ああ、悪いね。運んでもらって。」
「・・・え?」
運ばれていた来人は、自分でゆっくりと、床に立つ。
「・・・こいつ、まだ俺たちが味方だと思ってんのか? 随分のんきな野郎だ。」
男はひそひそと話す。が・・・
(聞こえてんだよ。)
「あ~悪いけど、トイレどこ?」
「え、あ、ああ・・・そこだ・・・です。」
「お、近かったのか。んじゃあ、せっかくだし・・・」
来人は男と肩を組む。
「・・・くそ、めんどくせえな・・・。」
(だから聞こえてんだよ。)
二人でトイレに入ったところで・・・
「・・・!?」
来人は即座に男の背後に回り、腕で首を締め上げる。
「ぐげ・・・あが・・・!」
「ちょっとこっち来い。」
そのままの状態で、二人は個室の中に入る。そして、腕を離した後、頭をつかみ、便器の中に顔を突っ込ませた。
「がぼ・・・! ご・・・!!」
急に入れられたので、当然男は息が続かず、手足をバタバタし始める。来人は男の顔を便器から出す。
「今から質問する。正直に答えな。」
「あ・・・あぁ・・・!」
「でなきゃ、最後の晩餐は、便器の水で終わることになる。いいな!?」
「は、はい! はい! はい!」
来人への恐怖から、男は何度もうなづいた。
「まず一つ目。お前らは俺らを騙したのか? どうなんだ?」
「そ、そうです・・・! でぃ、ディヴァイン様は、龍可という子を我らの仲間にすべく、それで・・・!」
「二つ目。俺の連れは今どこにいる?」
「そ、それはぁ・・・!」
男は来人から顔を逸らす。
「・・・そうか。じゃあな。」
来人はもう一度、男を便器に突っ込ませようとする。
「ま、まま待ってください! 言います! 言いますからぁ!」
「なら早く言え。俺は気が短いからな。」
「は、はい・・・! る、龍可という子は7階の部屋に・・・。兄のほうはその隣にいます。の、残りの二人は、地下に、閉じ込めてます・・・!」
「・・・よし。質問は終わりだ。」
「しょ、正直にこ、答えました・・・! だ、だから、助け・・・」
「悪いな。俺はダークヒーロー系が大好きなんだ。」
そう言い残し、男を何発か殴り、気絶させた。
「・・・さて。」
来人は男の服を脱がし、それを着た後、団員用のIDパスをポケットにしまう。気絶させた男は、掃除用のホースで縛り上げ、掃除用具ロッカーの中に閉じ込めた。
「これでよし。行くか。」
「・・・来人?」
「この部屋だったか。すぐ見つかるもんだな。」
「・・・その服・・・。」
「ああ、これ? こんなろくでもないとこでも、親切な奴がいるもんでな。」
床に座り、安心した表情を見せる。
「・・・!」
「うおっと。」
龍可は安心から、来人に抱き着いた。
「よかった・・・よかったぁ・・・!」
「・・・・。」
震える龍可の体を来人はそっと抱きしめる。安心させるよう、何度か背中を優しくたたいた。それは何分間か続いた。
「・・・・・///あ、そ、そろそろ・・・。」
「ん、おう。」
龍可に言われ、来人はゆっくりと離した。
「さて、あとは龍亞だな。この部屋の隣だ。」
「氷室さんと矢薙のおじいちゃんは?」
「そっちもさっき行ってきた。残りは龍亞だけだ。龍亞拾って、とっととここ出るぞ。」
「うん!」
二人は部屋を出て、隣の部屋のドアの前に立つ。来人はIDパスを取り出し、パネルに当てる。
「・・・ん?」
何度も当てるが、反応がない。
「あれ、おかしいな。」
「何もおかしいことはない。」
「!?」
二人の後ろから誰かの声がした。二人が振り返ると、団員二人が一枚のカードを見せながら立っていた。
「そのドアは、このカードじゃないと開かない。」
「まあ、当然渡すはずないけどな。」
ニヤニヤ笑いながら、二人はデュエルディスクを来人と龍可に投げる。
「ちっ、わかりやくてありがたいが・・・。」
来人は龍可を心配そうに見る。
「どうする? 俺一人でも問題は・・・」
「・・・ううん。私も戦う。」
「だが、相手はサイコデュエリスト。そうなると、十六夜と同じように・・・。」
「大丈夫。それに・・・龍亞を・・・大切な人を傷つけた人達を許せないの。」
「・・・。」
龍可の覚悟を決めた顔を見て、説得を諦める。
「そこまで言われたら、仕方ねえな。よし、いっちょやるか。」
「・・・うん!」
「くくく・・・。」
「さあ、始めるぞ・・・!」
「「「「デュエル!!」」」」
男1&2 LP4000
男1 手札5
男2 手札5
来人&龍可 LP4000
来人 手札5
龍可 手札5
*フィールド、ライフ、墓地を共有。ターンの順番は男1→来人→男2→龍可→男1→・・・・と続く。
「僕のターン!」
男1 手札5→6
「永続魔法、サイキックブレイクを発動! サイキック族モンスターの召喚に成功した時、500ポイントのライフを支払うことで、召喚したモンスターのレベルを1つ上げ、攻撃力を300ポイントアップさせる。そして、電送擬人エレキネシスを召喚!」
電送擬人エレキネシス ATK1800/レベル4
「サイキックブレイクの効果発動! ライフを500支払い、電送擬人エレキネシスを強化!」
男1&2 LP4000→3500
電送擬人エレキネシス レベル4→5 ATK1800→2100
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
「俺のターン!」
来人 手札5→6
「SR バンブー・ホースを召喚!」
SR バンブー・ホース ATK1100/レベル4
「このカードを召喚した時、手札からスピードロイド1体を特殊召喚する! 赤目のダイスを特殊召喚!」
SR 赤目のダイス ATK100/レベル1
「レベル4のバンブー・ホースにレベル1の赤目のダイスをチューニング! シンクロ召喚! いでよ! HSR チャンバライダー!」
HSR チャンバライダー ATK2000/レベル5
「チャンバライダーで電送擬人エレキネシスを攻撃!」
「電送擬人エレキネシスの方が攻撃力は上だ!」
「チャンバライダーの効果! ダメージ計算時、攻撃力を200ポイントアップさせる!」
チャンバライダー ATK2000→2200
「く!」
男1&2 LP3500→3400
「やった!」
「甘い! トラップ発動! 念導力! サイキック族モンスターが戦闘で破壊されたとき、破壊したモンスターを破壊する!」
カードから発せられた力で、チャンバライダーが粉々に砕け散った。
「く!」
「さらに破壊したモンスターの攻撃力分、ライフを回復する!」
男1&2 LP3400→5600
「カードを2枚セットして、ターンエンド!」
男1&2 LP5600
男1 手札3
男2 手札5
【モンスター】
【魔法・罠】
サイキックブレイク
来人&龍可 LP4000
来人 手札2
龍可 手札5
【モンスター】
【魔法・罠】
伏せ2
「俺のターン!」
男2 手札5→6
「サイコ・ウォールドを召喚!」
サイコ・ウォールド ATK1900/レベル4
「サイキックブレイクの効果!」
男1&2 LP5600→5100
サイコ・ウォールド レベル4→5 ATK1900→2200
「さらに速攻魔法、緊急テレポート! デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター1体を特殊召喚できる! 来い! サイコジャンパー!」
サイコジャンパー ATK100/レベル2
「レベル5となったサイコ・ウォールドにレベル2のサイコジャンパーをチューニング!
シンクロ召喚! サイコ・ヘルストランサー!」
サイコ・ヘルストランサー ATK2400/レベル7
「サイコ・ヘルストランサーでダイレクトアタック!」
「トラップカード、ガード・ブロック! ダメージを0にし、1枚ドローする!」
来人 手札2→3
「ならば、サイコ・ヘルストランサーのモンスター効果! 墓地からサイキック族1体を除外することで、ライフを1200回復する! サイコジャンパーを除外する。」
男1&2 LP5100→6300
「カードを2枚伏せ、ターン終了!」
「私のターン!」
龍可 手札5→6
「フィールド魔法、エンジェル・リングを発動!」
エンジェル・リング(漫画オリジナル)
フィールド魔法
フィールド上に存在する天使族モンスターの攻撃力は200ポイントアップする。
フィールドが優しい光に包まれる。
「そして、エンジェル・アーチャーを召喚!」
エンジェル・アーチャー(オリジナル)
効果モンスター
レベル3/光属性/天使族/ATK800/DEF800
①:このカードは直接攻撃できる。②:このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。このカードを守備表示に変更する。
「エンジェル・リングの効果で、攻撃力が200ポイントアップする!」
エンジェル・アーチャー ATK800→1000
「エンジェル・アーチャーは相手にダイレクトアタックできる! エンジェル・アーチャー! ダイレクトアタック!」
「ちっ!」
男1&2 LP6300→5300
「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
男1&2 LP5300
男1 手札3
男2 手札2
【モンスター】
サイコ・ヘルストランサー(ATK2400/レベル7)
【魔法・罠】
伏せ2 サイキックブレイク
来人&龍可 LP4000
来人 手札3
龍可 手札3
【モンスター】
エンジェル・アーチャー(ATK1000/レベル3)
【魔法・罠】
伏せ2 エンジェル・リング
「僕のターン!」
男1 手札3→4
「トラップ発動! リビングデッドの呼び声! 墓地からサイコ・ウォールドを攻撃表示で復活!」
サイコ・ウォールド ATK1900/レベル4
「サイコ・ウォールドの効果発動! ライフを800支払うことで、自分のサイキック族モンスター1体は2回攻撃ができる!」
男1&2 LP5300→4500
「さらに魔法カード、最古式念導を発動! サイキック族モンスターがいるとき、相手のカード1枚を破壊する! エンジェル・アーチャーを破壊!」
サイコ・ヘルストランサーの念力によって、エンジェル・アーチャーが破壊される。
「ただしその後、僕は1000ポイントのダメージを受ける。」
男1&2 LP4500→3500
「これで、お前たちの場はがら空き。2回攻撃を決めれば、僕らの勝ちだ!サイコ・ヘルストランサーでダイレクトアタック!」
「トラップ発動! 攻撃の無力化! これで、バトルフェイズを終了させるわ!」
「カウンタートラップ、サイキック・バースト!!」
サイキック・バースト(オリジナル)
カウンター罠
このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。
①自分フィールドにサイキック族モンスターが存在し、魔法・罠カードが発動した時、発動できる。その効果を無効にし、破壊する。その後、自分フィールドのサイキック族モンスター1体を選び、その攻撃力分のダメージを相手に与える。
「相手のマジック、トラップを無効にし、僕のサイキック族モンスターの攻撃力分のダメージを与える!」
「まだだ! カウンタートラップ、魔宮の賄賂! 相手のトラップを無効にし、代わりに1枚ドローさせる!」
男1 手札3→4
「く! 攻撃の無力化で、バトルは終了・・・。ならば、メインフェイズ2! サイコ・コマンダーを召喚!」
サイコ・コマンダー ATK1400/レベル3
「サイキックブレイクの効果により、レベルと攻撃力をアップ!」
男1&2 LP3500→3000
サイコ・コマンダー レベル3→4 ATK1400→1700
「そして、緊急テレポート! デッキからカバリストを特殊召喚!」
カバリスト ATK100/レベル1
「レベル1のカバリストにレベル4となったサイコ・コマンダーをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ! マジカル・アンドロイド!」
マジカル・アンドロイド ATK2400/レベル5
「そして、サイコ・ヘルストランサーの効果! 墓地からカバリストを除外し、ライフを1200ポイント回復する!」
男1&2 LP3000→4200
「カードを1枚伏せ、ターンエンド! そして、マジカル・アンドロイドの効果! エンドフェイズにサイキック族1体につき、ライフを600回復する! フィールドには3体。よって、1800ポイント回復!」
男1&2 LP4200→6000
「またライフ回復・・・。」
「くそ、ダメージを与えてもほとんど意味がねえ・・・。」
(思ったより時間かかるな・・・。)