夕食を取った来人たちは、サテライトから人々が姿を消したこと。その中には遊星のサテライトの仲間がいたことが。旧モーメントを止めるには、4つの制御装置を作動させなければならないことが判明した。そしてついに、ダークシグナーとの対決の火ぶたが切って落とされた。
「それでっと・・・」
来人たちはテーブルの上に地図を広げる。
「4つの制御装置ってのはどの辺にあるんだ?」
「大体の地点は長官から伺ってます。制御装置は、Ccapac Apu、Ccarayhua、Aslla piscu、Cusilluで、これらはケチュア語で巨人、トカゲ、ハチドリ、猿を意味しています。そして、旧モーメントはUru、蜘蛛を指します。」
狭霧がそれぞれの地点をペンで記す。
「全員で回るのは時間の無駄だ。所詮デュエルは1対1。俺は一人で行かせてもらう。」
それぞれ話し合いの末、遊星はCcapac Apu、アキはCcarayhua、ジャックはAslla piscu、龍可はCusilluに向かうことになった。龍亞は龍可の応援で龍可と一緒に行く。
「なら、俺はここで待機しとくわ。何があるかわからないし。ま、なんかあれば連絡くれればすぐに行くぜ。Dホイールもあるし。」
来人はにやりと笑う。
「なら、龍亞と龍可ちゃんは俺の車で運ぶぜ。」
「アキさんは私の車に。」
「よし、明朝一番に出発する!」
早朝
遊星たちは制御装置に向かい、出発した。だが、それから数十分後のことだった。
「ほいよっと。」
来人は子供たちとトランプをして遊んでいた。
「? あれ何?」
「え?」
子供の一人が窓の外を指さす。その先には、巨大な光の柱が出現していた。
「!? なんじゃありゃ・・・。雑賀さん! ちょっと出てくる!」
「ああ、気をつけろよ。」
来人は急いでヘルメットをかぶり、Dホイールに乗り、光の方向へ走らせる。しばらくして空を見る。
「・・・! あれは・・・!」
紫色の巨大な猿の地上絵が見えていた。
「あの地上絵・・・。」
来人にはあの地上絵に見覚えがあった。以前デュエルした男に腕にあったものと同じだったのだ。やがて、牛尾から連絡が入る。
「牛尾? 何かあったか?」
『あったどころじゃねえ! 龍可ちゃんがいなくなっちまうし・・・龍亞が・・・!』
「龍亞がどうした?」
『ダークシグナーとデュエルを始めちまったんだよ!』
「はぁ!?」
あまりの驚きに、Dホイールを止める。
「なんで龍亞が戦ってんだよ!」
『わからねえ! いきなりで悪いが、こっち来てくれるか?』
「今向かってるっての・・・!」
さらにDホイールのスピードを上げる。
制御装置 Cusillu
「牛尾!」
来人が制御装置に着くと、遊星の姿もあった。
「遊星! なんでお前も?」
「光を見て引き返してきたんだ。」
「そうか。それで牛尾、状況は!?」
「それが・・・。」
牛尾は龍亞のいる方向を指さす。
「・・・! 龍亞!」
龍亞 LP2800 手札2
【モンスター】
パワーツール・ドラゴン(ATK2000/レベル7)
【魔法・罠】
巨大化(パワーツール・ドラゴン)
??? LP2800 手札4
【モンスター】
猿魔王ゼーマン(ATK2500/レベル-7)
【魔法・罠】
吠え猛る大地 伏せ2
「ライフは互角だが・・・龍亞の方が少し不利か。龍可はどうした?」
「おそらく、自分が使うドラゴンの力を解放しに行ったんだろう。」
「遊星! お前そんなおとぎ話を・・・」
「いや、遊星の言う通りだな。急に消えたのがいい証拠だ。」
(急げ・・・早くしないと、最悪の場合・・・。)
その後、龍亞とダークシグナーの一進一退の攻防が続いたが・・・
「精霊の魂を生贄に! 降臨せよ! 地縛神Cusillu!!」
空中に巨大な心臓のようなものが現れ、光に包まれる。そこから巨大な猿のモンスターが現れた。
地縛神Cusillu(アニメ効果)
効果モンスター
レベル10/闇属性/獣族/ATK2800/DEF2400
このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、
「地縛神」と名のつくカードを召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができない。フィールド上にフィールド魔法が表側表示で存在しない場合、
このカードの以下の効果は無効となり、このカードはエンドフェイズ時に破壊される。
●このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
●相手モンスターはこのカードを攻撃対象にする事ができない。
●このカードは相手の魔法・罠カードの効果を受けない。
●自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードが戦闘によって破壊される場合、代わりに自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースし、相手のライフポイントを半分にする。
「これが、地縛神・・・! あんな大きさだったのか。」
一部分しか見ていなかった来人はその巨大さに圧倒される。その後、デュエルは進んでいき・・・
龍亞 LP800 手札1
【モンスター】
パワーツール・ドラゴン(ATK3000/レベル7)
【魔法・罠】
ダブルツールD&C
??? LP1200 手札1
【モンスター】
地縛神Cusillu(ATK3500/レベル10)
【魔法・罠】
クローザー・フォレスト
吠え猛る大地 伏せ1
「神々の戦いに土足で踏み込んだ己が愚行を呪うがいい! 地縛神Cusilluでダイレクトアタックだ!」
Cusilluの巨大な拳が龍亞に向かって振り下ろされる。
「龍亞にもう防ぐ手はない。これじゃあ、もう・・・。」
「龍亞ーー!!」
「うぅ・・・!」
龍亞は少しでも遠くへ逃げようとする。
「もう遅い!」
「うわあああ!!」
龍亞 LP800→0
あまりの衝撃に龍亞は吹き飛ばされ、炎の壁にたたきつけられる。
「龍亞!!」
来人はDホイールに乗り、龍亞の元に駆け寄った。
「・・・! あれは・・・。」
「龍亞! しっかりしろ! 龍亞!」
「ぅ・・・ら・・・いと・・・?」
「龍可が・・・戻ってくる、までに・・・あいつ、やっつけようと・・・思ってた・・・のに・・・。」
「龍亞、お前・・・・。・・・ん?」
来人がふと空を見上げると、光の球体が徐々にこちらに近づいてきていた。
やがて、球体が地面に着き、光が消える。そこに龍可の姿があった。
「・・・! 龍亞!?」
ボロボロになった龍亞を見て、龍可は急いで駆け寄る。
「龍可・・・ごめん・・・俺、やっぱり・・・ヒーローに・・・なれなかった・・・」
「そんなことない!」
涙を浮かべながら龍亞の手を取る。
「龍亞は・・・龍亞は私にとって、最高のヒーローだもん・・・!」
「・・・・・。」
「くくく・・・これで役者はそろった。地縛神Cusilluの餌食となってもらうぞ! シグナーの娘!」
男がそう言うと、龍亞の体から紫色の球体が抜け出る。その球体は、Cusilluの中に取り込まれた。
「ら・・・いと・・・。」
「! 龍亞・・・!」
「こ・・・れを・・・。」
龍亞は震える手で1枚のカードを来人に渡した。
「あと・・・は・・・」
龍亞はゆっくりと目を閉じ、手足が力なく垂れる。
「龍亞・・・? 龍亞! 龍亞!」
龍可は何度も龍亞の体を揺らすが、返事がない。
「・・・そんな・・・龍亞・・・!」
龍亞の体をぎゅっと力強く抱きしめる。
「少年の魂は、地縛神の糧となった。今更一人増えたところで、どうということはないがな。くくく・・・ふははは!!」
「・・・許さない。私の、大切な人を・・・龍亞を傷つけたあなたを、絶対に許さない!」
龍可は龍亞のデュエルディスクを自分の腕につけ、自分のデッキを装着させる。
「・・・! 龍可・・・。」
男と対峙した龍可の体が震えていることに来人は気づいた。来人は龍亞に渡されたカードを見る。
「・・・・・ああ、わかったよ。龍亞。」
渡されたカードを自分のデッキに入れる。
「なら、俺も付き合いますかね。」
デュエルディスクをつけ、龍可の隣に立つ。
「来人・・・。」
「また邪魔が入るか。」
男は来人を睨む。
「どこの誰だか知らないが、たった一人増えただけでその態度とは、ダークシグナーってのも大したことないな。」
「・・・ふっ、まあいい。ならば、このディマク、二人まとめて相手をしてやろう。」
「来人・・・ありがとう。」
「気にするな。乗りかかったなんとか、ってやつだ。」
3人はデュエルディスクを展開する。
「さあ・・・始めるぞ!」
「「「デュエル!!」」」
「頼むぞ、龍可、来人・・・!」
「くそ・・・!」
遊星、牛尾は3人のデュエルを見守る。
龍可 LP4000 手札5
来人 LP4000 手札5
ディマク LP8000 手札5
「私のターン!」
龍可 手札5→6
「ジェルエンデュオを守備表示で召喚!」
ジェルエンデュオ DEF0/レベル4
「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
「俺のターン!」
来人 手札5→6
「SR 三つ目のダイスを召喚!」
SR 三つ目のダイス DEF1500/レベル3
「さらにフィールドに風属性モンスターが存在するとき、手札のタケトンボーグを特殊召喚できる! 来い! タケトンボーグ!」
SR タケトンボーグ DEF1200/レベル3
「レベル3のタケトンボーグにレベル3の三つ目のダイスをチューニング! 風を纏う魔剣がここに現れる! シンクロ召喚! 貫け! HSR 魔剣ダーマ!」
HSR 魔剣ダーマ ATK2200/レベル6
「魔剣ダーマの効果発動! 墓地から機械族モンスター1体を除外することで、相手に500ポイントのダメージを与える! 俺はタケトンボーグを除外!」
魔剣ダーマから十字形の風が放たれ、ディマクを切りつける。
「ぐ!」
ディマク LP8000→7500
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
「よし! 1ターン目から、奴にダメージを与えたぜ!」
「・・・私のターン!」
ディマクは来人を一瞥した後、カードを引く。
ディマク 手札5→6
「私は
怒れる類人猿 ATK2000/レベル4
「カードを2枚伏せ、手札から永続魔法、呪縛の腕輪を発動!」
ディマクの発動したカードから黒い手錠が現れ、ディマクと来人の右手首がそれに繋がれた。
「来人!」
「なんだ? これは。」
「すぐにわかる・・・。ターンエンド!」
繋がれた鎖を見て、ディマクは気味悪く笑った。