第27話 編入試験
龍亞・龍可の家
来人の部屋
「ああ・・・んじゃあ、その金額で。文句言うなら、この情報はなしだ。」
来人は本来の情報屋稼業に戻っていた。この日、龍亞と龍可はデュエルアカデミアの編入試験を受けに行っていた。
「おお、わかればいいんだよ、わかれば。じゃあな。」
依頼人との電話を切った。来人は大きく伸びをする。それと同時に腹の虫が鳴る。
「・・・もうこんな時間か。ひとまず昼にするかね。今日は何にしようかな・・・。」
昼食の準備のため、来人が席を立つ。
ピリリリリ!
「っと、電話か。誰だ誰だ・・・?」
リビングに行き、電話に出る。
「はい、もしもし。」
『ん、君、未谷来人君?』
「はぁ、そうですが。えっと、どちら様で?」
『私は・・・龍亞と龍可の父親です。』
「ああ、そう・・・・・え?」
思わぬ人物の連絡に来人は驚いた。
『龍亞と龍可がいつもお世話になってます。』
「ああ、いやいや、そんな。住まわせてもらってるのこっちなもんで・・・。それで、えっと、何か・・・?」
『お世話になっている来人君に何かお礼をと思って。』
「いやぁ、礼なんてそんな・・・。」
『君はそう言うと思ったよ。まあ、こちらもあまり大したものは用意できなかったんだが・・・・・デュエルアカデミアは知ってるかな?』
「そりゃもちろん。」
数日ほど前、龍亞と龍可が入るという話を聞いたばかりだった。
『来人君。君もデュエルアカデミアに通わないかな?』
「・・・は?」
まさかの内容に来人は呆けた顔になる。
『お金のことは心配しなくていい。』
「あ、いや、そういうことじゃ・・・。」
『まあまあ、そう言わずに。』
「いやいやいや。」
『いやいやいや。』
(この押しの強さ・・・・遺伝だったのか?)
何度も断るが、全く退く気配を見せない。
「・・・・・・。」
腕を組み、考え始める。
『どうかな? 来人君は16歳、だったかな? 君も通ってみてもいいと思ったんだが・・・。』
「・・・・・。」
『・・・・・。』
龍亞・龍可の父は来人の返事をじっと待つ。
「・・・・・わ・・・わかり、ました・・・! お、お願いします。」
電話の向こうで来人は丁寧に頭を下げた。
『ああ、よかった! では、編入の手続きはこちらで進めておくよ。これからもあの子たちをよろしくお願いします。』
「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします。」
互いにお礼を言うと、電話が切られた。
「・・・デュエルアカデミアねえ・・・。」
夜
来人は二人の父親との会話について話していた。
「へ~、それで来人もデュエルアカデミアに入るんだ。」
「編入試験これからだけどな。」
来人は味噌汁を冷ますため、何度も息を吹きかける。
「大丈夫よ。来人のは最初に入れてしばらく冷ましてるから。」
「ああ、悪いね。」
恐る恐るゆっくりとすすった。
「ま、受かるかどうかだわな。」
(まだちょっと熱い・・・。)
数日後
来人は編入試験を受けるため、デュエルアカデミアの会場にいた。
「未谷来人さん、こちらにお願いします。」
「あ、はい。」
筆記試験を終え、これから実技試験に入る。
「こちら、試験用のデュエルディスクです。」
「どうも。」
係の人に渡されたディスクを腕に着け、試験場に入る。
「ではこれより実技試験を始めます。試験管を務めます、加納です。よろしくお願いします。」
「え~未谷来人です。今日はお願いします。」
来人は軽く頭を下げる。
「・・・では、始めます!」
二人はデュエルディスクを展開する。
「「デュエル!!」」
来人 LP4000 手札5
加納 LP4000 手札5
「俺の先攻! ドロー!」
来人 手札5→6
「カードガンナーを守備表示で召喚!」
カードガンナー DEF400/レベル3
「カードガンナーの効果! デッキの上のカードを3枚まで墓地に送ることで、1枚につき攻撃力を500ポイントアップさせる! 3枚のカードを墓地に送る!」
墓地に送られたカード
《烈風の結界像》
《怪粉壊獣ガダーラ》
《緊急同調》
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
「僕のターン!」
加納 手札5→6
「いでよ、ハイドロゲドン!」
ハイドロゲドン ATK1600/レベル4
「ハイドロゲドンでカードガンナーを攻撃! ハイドロブレス!」
茶色の水にカードガンナーが飲み込まれる。
「カードガンナーの効果発動! 破壊されたとき、カードを1枚ドローする!」
来人 手札4→5
「こちらもハイドロゲドンの効果発動! 戦闘でモンスターを破壊した時、デッキからハイドロゲドンを特殊召喚できる!」
ハイドロゲドン ATK1600/レベル4
「二体目のハイドロゲドンでダイレクトアタック! ハイドロブレス!」
「トラップカード、カード・ディフェンス!」
カード・ディフェンス(アニメオリジナル)
通常罠
手札のカード1枚を墓地へ送って発動する。相手モンスター1体の直接攻撃を無効にし、デッキからカードを1枚ドローする。
「手札1枚をコストに、ダイレクトアタックを無効にし、1枚ドローする!」
「カードを1枚伏せ、ターンを終了!」
来人 LP4000 手札5
【モンスター】
【魔法・罠】
加納 LP4000 手札4
【モンスター】
ハイドロゲドン(ATK1600/レベル4)
ハイドロゲドン(ATK1600/レベル4)
【魔法・罠】
伏せ1
「俺のターン!」
来人 手札5→6
「SRバンブー・ホースを召喚!」
SRバンブー・ホース ATK1100/レベル4
「このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のスピードロイドを1体特殊召喚できる! SR赤目のダイスを特殊召喚!」
SR赤目のダイス ATK100/レベル1
「レベル4のバンブー・ホースにレベル1の赤目のダイスをチューニング! 昔より伝わりし剣劇よ、立ち塞がる敵をその身で切り払え! シンクロ召喚! いでよ、HSRチャンバライダー!」
HSRチャンバライダー ATK2000/レベル5
「バトル! チャンバライダーでハイドロゲドンを攻撃! チャンバライダーの効果発動! ダメージ計算時、攻撃力を200ポイントアップする!」
チャンバライダー ATK2000→2200
「く!」
加納 LP4000→3400
「チャンバライダーは1度のバトルフェイズで2回攻撃できる! もう一体のハイドロゲドンを攻撃!」
チャンバライダー ATK2200→2400
「うぐ!」
加納 LP3400→2600
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
「僕のターン!」
加納 手札4→5
「装備魔法、リビング・フォッシル! 墓地のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンさせ、特殊召喚しこのカードを装備する! ハイドロゲドンを復活!」
ハイドロゲドン ATK1600→600/レベル4
「速攻魔法、地獄の暴走召喚を発動!」
「あの伏せカードはブラフだったか・・・。」
「攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚されたとき、デッキ・手札・墓地の同名カードを攻撃表示で特殊召喚できる! ハイドロゲドンはリビング・フォッシルの効果で攻撃力は600! デッキと墓地からハイドロゲドンを特殊召喚!」
ハイドロゲドン×2 ATK1600/レベル4
「この時、相手も自身のモンスターと同じ名前のモンスターを特殊召喚できるが・・・。」
「チャンバライダーは特殊召喚できない・・・。」
「僕はさらにオキシゲドンを通常召喚!」
オキシゲドン ATK1800/レベル4
「手札よりマジックカード、ボンディング-H2Oを発動! ハイドロゲドン2体とオキシゲドン1体をリリースし、デッキからウォーター・ドラゴンを特殊召喚する! いでよ、ウォーター・ドラゴン!!」
ウォーター・ドラゴン ATK2800/レベル8
「さらにマジックカード、レンダリング・チューニングを発動!」
レンダリング・チューニング(アニメオリジナル)
通常魔法
①:手札のチューナーモンスター1体を特殊召喚する。
「手札からチューナーモンスター1体を特殊召喚できる! フィッシュボーグ-アーチャーを特殊召喚!」
フィッシュボーグ-アーチャー ATK300/レベル3
「レベル4のハイドロゲドンにレベル3のフィッシュボーグ-アーチャーをチューニング! シンクロ召喚! いでよ、極氷獣アイスバーグ・ナーワル!」
極氷獣アイスバーグ・ナーワル ATK2700/レベル7
「バトル! 極氷獣アイスバーグ・ナーワルでチャンバライダーを攻撃!」
チャンバライダー ATK2400→2600
「く!」
来人 LP4000→3900
「ウォーター・ドラゴンでダイレクトアタック! アクアパニッシャー!」
「トラップ発動! 緊急召喚!」
緊急召喚(オリジナル)
通常罠
相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。自分の墓地のレベル3以下のモンスターを1体選んで、攻撃表示で特殊召喚する。その後、攻撃モンスターは特殊召喚したモンスターと戦闘を行う。
「墓地からレベル3以下のモンスターを特殊召喚し、そのままバトルさせる! ベイゴマックスを特殊召喚!」
ベイゴマックス ATK1200/レベル3
「ベイゴマックスの効果発動! デッキからスピードロイドモンスター、SRパチンゴーカートを手札に加える!」
「そのまま行け! アクアパニッシャー!」
ウォーター・ドラゴンから放たれた巨大な波にベイゴマックスが流されていった。
「ぐぅ!」
来人 LP3900→2300
「これでターンエンド!」
来人 LP2300 手札4(1枚パチンゴーカート)
【モンスター】
【魔法・罠】
加納 LP2600 手札0
【モンスター】
ウォーター・ドラゴン(ATK2800/レベル8)
極氷獣アイスバーグ・ナーワル(ATK2700/レベル7)
【魔法・罠】
「俺のターン!」
来人 手札4→5
「手札からスピードリバースを発動! 墓地からスピードロイド1体を特殊召喚する! 戻れ! チャンバライダー!」
チャンバライダー ATK2000/レベル5
「さらにパチンゴーカートを通常召喚!」
SRパチンゴーカート ATK1800/レベル4
「そしてマジックカード、ミニマム・ガッツを発動! 自分のモンスター1体をリリースすることで、相手モンスター1体の攻撃力を0にする! パチンゴーカートをリリースし、ウォーター・ドラゴンの攻撃力を0にする!」
ウォーター・ドラゴン ATK2800→0
「チャンバライダーでウォーター・ドラゴンを攻撃!」
「ぐあああ!」
加納 LP2600→400
「ミニマム・ガッツの効果! 攻撃力を0にしたモンスターが破壊されたとき、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」
「く、ぐああああ!!」
加納 LP400→0
WINNER 来人
LOSER 加納
「ふぅ~・・・。」
「お疲れさまでした。さすが、フォーチュンカップを準優勝しただけはありました。」
加納は握手のため、右手を差し出す。
「あ、どうも・・・。」
一瞬、出そうとした左手を戻し、右手を出し、握手を交わした。
「試験の結果ですが、数日以内には通知されますので、よろしくお願いします。」
「あ、了解しました。」
数日後、来人のもとに高等部編入の合格通知が届いた。
幕間短編
『寝ぼけて』
「来人・・・おはよ・・・。」
大きく欠伸をして、龍亞が部屋から出てくる。
「ん、おはようさん。」
「来人またソファで寝てたんだ。」
「あぁ~・・・またやっちまった。・・・って、龍可が起きてないな。」
「え、珍しい・・・! ・・・!」
龍亞は何かを思いつきニヤニヤする。
「来人、起こしてあげなよ。」
「? 俺が?」
「いいからいいから。」
「まあ・・・うん。」
意図が分からないものの、来人は龍可の部屋にそっと入る。
「龍可?」
「・・・・んん・・・。」
「龍可、朝だぞ。」
何度か体を揺らす。
「・・・ん・・・・か・・・」
「ん?」
「おかし・・・とって・・・。」
「・・・??」
(・・・ん? 寝ぼけてた?)
「・・・え?」
龍可がパチッと目を開ける。
「・・・///ら、来人・・・! い、いつから・・・」
「い、いや、さっき・・・プッ。」
笑いをこらえきれず、思わず吹き出してしまう。
「///え、な、なにか言ってた!?」
「い、いや、べ、別に・・・ふふっ・・・!」
「///ちょ、ちょっと! ほんとに何言ってたの!?」
「だ、だから・・・ま、待って・・・!」
しばらく来人のツボに入り、何度か思い出し笑いをした。