遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第3話 フォーチュンカップ開幕

翌朝

 

「いなーい!!」

 

起きてきた龍亞はいなくなっていた遊星の姿を探す。

 

「いない! いない! いない! いない!」

 

「龍亞・・・なんなの?」

 

眠い目をこすりながら、龍可が部屋から出てくる。

 

「龍可! 遊星と来人がいなくなってる!」

 

「龍亞、何言ってるの?」

 

「だからぁ~遊星と来人がいないんだよ!」

 

「来人ならそこにいるわ。」

 

「え?」

 

龍可が指をさした先にはソファで寝息を立てていた来人がいた。

 

「あ・・・ら、来人! 来人!」

 

「んがっ。」

 

龍亞に体を強く揺さぶられ、来人はゆっくりと起き上がる。

 

「んだよ、人がいい夢見てるときに。」

 

「来人! 遊星は!?」

 

「お前らが寝た後に出てったよ。ま、止めてもどうせ出てっただろうけど。ああ、それと・・・じゃっじゃじゃーん。」

 

テーブルの上の2台のデュエルディスクを手に取る。

 

「あ~、軽くなってる! 俺のサイズにピッタリだ!」

 

「私たちに合うようにしてくれたの?」

 

「ああ。龍亞のは遊星が。龍可のは俺がやった。」

 

「すっげぇ~なんでもできるんだ・・・。」

 

ピッタリになったデュエルディスクを装着し、腕をぶんぶん回してはしゃぐ。

 

プルルルル!

 

テレビ電話の通信が入る。

 

『おはよう! 龍亞、龍可!』

 

画面に蝶ネクタイに眼鏡をかけた少年が映し出される。

 

「おぉ、天兵! 早いな!」

 

『約束今日だぞ! 忘れてないよな! ・・・あれ? お客さん?』

 

龍亞と龍可の後ろにいた来人の存在に気づく。

 

「ん、ああ、俺のことはお構いなく。いないものと思ってもらって。」

 

『はあ・・・。』

 

「ま、まあ、そういうことで! で、え~っと・・・なんだったけ?」

 

『黒薔薇の魔女だよ!』

 

「そ、そうだった! 魔女を倒しにダイモンエリアに行くんだっけ!」

 

(魔女・・・ああ、確かそんなんいたな。)

 

「二人とも大丈夫? 魔女ってすっごいデュエルが強いんでしょ? ウワサだとデュエルした人はみんな・・・」

 

『大丈夫だって! 俺、魔女を倒す最強デッキ考えたんだ!」

 

「俺もやるぜ!」

 

自分のやる気を見せるように、龍亞は腕のデュエルディスクを見せる。

 

『あれ? そのディスク、いつもと違くない?』

 

「まーねー。カスマタイズしてもらったんだ!」

 

「それを言うならカスタマイズ。」

 

『ていうか、龍亞ってそんなことできたっけ?』

 

「へへ、実はすごい人に会っ・・・」

 

「ちょ、龍亞!」

 

遊星の名前を出そうとした龍亞の口を龍可が手でふさぐ。

 

「何考えてんのよ! 遊星追いかけられてるのよ!?」

 

「あ、そ、そうだった・・・。」

 

龍可は急いで電話を変わる。

 

「ご、ごめんね! 私達、朝ごはんまだだから、またあとで電話するね!」

 

早口で言い、テレビ電話を切った。

 

「遊星のことは、私達だけの秘密よ!」

 

「・・・うん。俺、もう一度遊星に会いたいなぁ・・・。」

 

「何、心配するな。」

 

「え?」

 

「なんか、すぐ会えるような予感がする。予感だけどな。」

 

ピンポ~ン

 

「あれ? 荷物かな。」

 

「どれ、俺が出るかね。」

 

あくびをしながら、玄関に向かう。

 

「は~い。・・・ん?」

 

ドアを開けると、ピエロのメイクをした男が立っていた。

 

「イ~ヒッヒッヒ、わたくし、治安維持局のイェーガーと申します。」

 

「はあ・・・。」

 

「こちらを。」

 

イェーガーは1枚の封筒を取りだし、来人に渡す。

 

「ああ、どうもどうも。」

 

「では、失礼。」

 

渡すと、すぐに去っていった。

 

「・・・なんだあのどんぐりピエロ。」

 

ぼそっとつぶやくと、ドアを閉め、リビングに戻る。

 

「来人~。何だった?」

 

「なんかピエロみたいなやつが来てた。ほい。」

 

受け取った封筒を龍亞に渡す。

 

「・・・あれ? これ、来人宛だよ?」

 

「はあ? なんでここに俺宛の手紙が来るんだよ。」

 

もう一度封筒をちゃんと見た。

 

「・・・本当だ。俺宛だ。なんでここが・・・?」

 

「・・・え、ていうか、それって・・・・・!」

 

龍亞が何かに気づき、わなわなと体を震わせる。

 

「・・・フォーチュンカップ・・・?」

 

「え!?」

 

龍可も驚き、封筒を覗き込む。

 

「来人も選ばれたんだ! 実は、龍可も選ばれてるんだよ!」

 

「へえ・・・。」

 

「私、出る気ないから。」

 

「聞いた? 龍可いっつもこうなんだ。だから、当日は、俺が龍可の格好して出ようと思うんだ。」

 

「龍亞に私の真似は無理だから。」

 

「無理じゃないって! 同じ顔してるんだから!」

 

来人を忘れ、言い合いを始めてしまう。

 

「ったく・・・。しかし、フォーチュンカップね・・・。」

 

 

 

 

 

数日後

 

フォーチュンカップ会場

 

来人、龍亞、龍可は予感通り、遊星と再会した。その遊星の後ろには仲間だという、氷室、矢薙がいた。

 

「・・・うん、これでよし。」

 

来人は龍亞の髪をまとめていた。

 

「どう? 龍可にそっくりでしょ?」

 

そう言う龍亞の服はいつもの服ではなく、龍可がよく着る服を着ていた。また、大げさなほどに化粧がされている。

 

「さすが双子。全然わからんよ。」

 

矢薙はうんうんと頷く。

 

「でしょでしょでしょ~・・・いで!?」

 

はしゃぐ龍亞に龍可が脛を蹴った。

 

「私そんなんじゃない!」

 

「まあまあ、ちゃんとやるから安心しろって。

 じゃあ~・・・遊星、来人。行きましょ~。」

 

「ああ。」

 

「しかし、龍亞。化粧はさすがにいらねえだろ・・・。」

 

「あ~ん、やっぱり~?」

 

 

 

 

 

 

「エビバディリッスン!! デュエル・オブ・フォーチュンカップ、ついに開幕だーーーー!!!」

 

MCの掛け声と共に、キングであるジャック・アトラス、そしてそのエースモンスター、レッド・デーモンズ・ドラゴンが姿を現した。

 

「キングは一人! この俺だ!! 俺とデュエルするのは、誰だ!」

 

ステージがせり上がり、来人たちの姿がスタジアムに現れ、会場は盛り上がる。しかし・・・

 

「おい、マーカーつきがいるぞ。」

「誰かの招待状、盗んできたんだろ?」

 

遊星のマーカーに気づいた観客がざわざわし始める。

 

「お集まりの諸君! 私の名はボマー!」

 

ボマーという男がMCのマイクを取り、観客に向かって話し始める。観客が次第に静かになる。

 

「ここに立つデュエリストとして、諸君らが一体何を見ているのか問いたい!」

 

そう言って、遊星を指さす。

 

「この男は我々と同じ条件で選ばれたまぎれもないデュエリストだ! カードを持てば、マーカーがあろうがなかろうが、皆同じだ! この場にっていることに何ら恥じることはない。むしろくだらぬ色眼鏡で彼を見る諸君の言葉は、暴力に他ならない!」

 

ボマーが言い終えると、治安維持局長官、ゴドウィンは静かに拍手した。すると、会場が拍手に包まれた。

 

「さあ、一回戦の組み合わせはこうだーーー!!」

 

一回戦 組み合わせ

 

龍可 VS ボマー

 

未谷来人 VS ジル・ド・ランスボウ

 

不動遊星 VS 死羅

 

十六夜アキ VS 来宮虎堂

 

「あ、俺第一試合だ! やった!」

 

龍亞はボマーをじっと見る。

 

「俺は第二試合か。相手は・・・あれか。」

 

騎士の格好をした男を見る。

 

「さて・・・どうなるかね。」

 

来人は楽しむようにニヤリと笑った。

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