「けっちゃ~く!! 勝者は、未谷来人!! ダークホースが、鉄血の騎士を下したぁ!!」
「ふぅ・・・ちょっと危なかったな・・・。」
デッキを取り出し、中身を見る。
(もう少し調整するか。)
「ふむ・・・。」
観戦していたゴドウィンは来人をじっと見る。
「ヒッヒッヒ、しかし長官。なぜ彼をジルに? 彼は本来・・・」
「・・・・・。」
「長官?」
「・・・いえ、ほんの気まぐれです。」
「はぁ・・・。」
(彼は・・・まさか・・・。)
その後、始まった第3試合。遊星と対戦するはずだった死羅ではなく、乱入してきたDホイーラー、炎城ムクロとのデュエルになるが、ニトロ・ウォリアーにより、見事勝利する。
そして、第4試合は十六夜アキが勝利。このデュエルで、彼女が黒薔薇の魔女ということが判明した。
「これで、来人も遊星も二回戦進出か。」
「二人ともすごいデュエルだったよね!」
「だろー天兵! 遊星も来人もすごいデュエリストなんだ!」
「そうね。一回戦で負けちゃった誰かさんとは大違い。」
「うぐっ・・・!」
龍可の言葉で、一気に龍亞の声がトーンダウンし、顔を下げる。しかし、龍亞は何かに気づき、顔を上げる。
「なーに言ってんだよ。負けたのは龍可だろ? 俺の公式記録にはカウントされないんだもんねー!」
「何が公式記録よ!」
「エブリバディ!! 緊急事態の発生だぁ!!」
MCの声が響き渡る。
「先ほどゴドウィン長官により、サプライズの提案がなされたぁ!! これより、敗者復活戦が行われることが決定したぁ!!」
敗者復活戦の言葉に龍亞は目を輝かせた。
「やったぁ! もう一度デュエルできるぞ! 今度は勝ってやる!」
「やったね、龍亞!」
「あーあ、また龍亞が調子に乗っちゃうよ。」
龍亞はうきうきでデッキを取り出し、調整を行う。
「どうしよっかな~デッキ組まなきゃ。あっ、龍可。また服貸してくれ。」
「いやよ、もう。」
「これより、敗者復活戦の詳細を発表する!! ランダムに選ばれた一人が長官の用意したデュエリストを倒せば、見事復活となるぅ!! そして、その幸運の女神に選ばれたのはぁ!!」
会場はMCの言葉に注目する。
「惜しくもボマー選手に敗れたが、若干11歳にして、実力はゴドウィン長官の折り紙付きぃ!! その将来性はまさに右肩上がりの天井知らずぅ!! 舞い降りたデュエルの天使、ミィーース、龍可ちゃーーん!!」
「はあー・・・・あれ?」
龍可の名前が呼ばれ、龍亞が手を挙げようとするが、隣の龍可にスポットライトが照らされた。
「ありゃ、もしかしてバレてた?」
遊星とともに画面で見ていた来人は声を上げた。
「あの子が本物の龍可という子なんだろう?」
「ん、あんた確か・・・。」
二人のもとにボマーがやってくる。
「偽物君はいいデュエルを見せてくれたが、本物の彼女はどうかな?」
「さあね、俺もやったことないもんでね。」
来人とボマーが話していると、龍可がおそるおそるステージに出てきていた。
「・・・・・。」
来人は携帯を操作し、1つの龍可の名前が書かれたある記事を見つける。
(3歳・・・昏睡状態・・・精霊世界・・・?)
「さあ、天才デュエルっ子、龍可ちゃんの対戦相手はーーー!?」
ディスプレイに相手の名前が映し出される。
「デュエルカウンセラーの異名を持つ、プロフェッサー、フランクだぁーー!!」
現れたフランクは龍可を見ると、穏やかな笑みを浮かべる。
「初めまして、龍可さん。さあ、このデュエルであなたの深層意識に隠された、本当のあなたを見つけましょう。」
(・・・なんだか・・・。)
『クリ~・・・。』
龍可に精霊の不安そうな声が頭の中に聞こえた。
(そう・・・あなたも嫌な感じが・・・。)
そして、二人のデュエルが始まり、進んでいったのだが・・・
「・・・? 龍可のやつ、なんか、おかしくねえか?」
来人の指摘通り、龍可の目から光がなくなっていた。その様子を見かねて、来人はステージ近くに駆けつけた。
「・・・どうなってんだ? って、こいつもかよ。」
龍可の対戦相手のフランクまでも目から光がなくなっていた。
「・・・ん?」
龍可の右腕が赤く光っていることに気づいた。
「あの光ってるのは・・・。くそ・・・! さっきから、どうなってる?」
しばらく、二人の様子を見守る。二人は心がどこかにあるようにデュエルを進めていった。
「!」
龍可の目に光が戻る。
「戻ったはいいが・・・。」
龍可 LP300 手札0
【モンスター】
クリボン サンライト・ユニコーン
【魔法・罠】
一角獣のホーン 古の森 伏せ1
フランク LP2200 手札1
【モンスター】
超魔神イド
【魔法・罠】
悪意の波動 不死のホメオスタシス 伏せ1
「さあ、どうする・・・?」
フランクの超魔神イドがクリボンに攻撃を仕掛ける。
「クリボンのモンスター効果! 攻撃対象になった時、手札に戻して、攻撃してきたモンスターの攻撃力分、相手のライフを回復する!」
クリボンは避難するように龍可の手札に戻る。
「トラップ発動! オベロンの悪戯!」
オベロンの悪戯(アニメオリジナル)
通常罠
ライフポイントを回復する効果が発動した時に発動できる。その効果を無効にし、お互いにその数値分のダメージを受ける。
「ライフポイントが回復するとき、無効にして、その数値分のダメージをお互いに受ける!」
龍可 LP300→0
フランク LP2200→0
DRAW
「引き分けに持ち込んだか。」
意識を取り戻したフランクはふらふらとさせ、地面に倒れた。意識はあるのか、体をピクピクさせている。
「はぁ・・・よか・・・・・った・・・。」
龍可もまた、デュエルの疲れから倒れそうになる。
「おっと。」
とっさに来人は龍可を支えた。
(腕まだ光ってるな・・・。)
袖をめくると、竜の手のような赤いあざがあった。
「・・・・・。」
袖を元に戻し、龍可を抱きかかえる。
「敗者復活戦! 壮絶な相打ちで決着ーー!! 両者敗退!!」
「・・・ん・・・。・・・! 来人・・・?」
「ん、起きた?」
「私・・・・ !」
龍可は来人に抱きかかえられていることに気づいた。
「も、もう大丈夫、だから・・・。」
「そうは言っても、疲れてるんだろ? 客席まで連れてってやるから。」
「・・・う、うん・・・。」
来人の上着をぎゅっとつかんだ。