遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第5話 赤く光るあざ

「けっちゃ~く!! 勝者は、未谷来人!! ダークホースが、鉄血の騎士を下したぁ!!」

 

「ふぅ・・・ちょっと危なかったな・・・。」

 

デッキを取り出し、中身を見る。

 

(もう少し調整するか。)

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ・・・。」

 

観戦していたゴドウィンは来人をじっと見る。

 

「ヒッヒッヒ、しかし長官。なぜ彼をジルに? 彼は本来・・・」

 

「・・・・・。」

 

「長官?」

 

「・・・いえ、ほんの気まぐれです。」

 

「はぁ・・・。」

 

(彼は・・・まさか・・・。)

 

 

 

 

 

その後、始まった第3試合。遊星と対戦するはずだった死羅ではなく、乱入してきたDホイーラー、炎城ムクロとのデュエルになるが、ニトロ・ウォリアーにより、見事勝利する。

そして、第4試合は十六夜アキが勝利。このデュエルで、彼女が黒薔薇の魔女ということが判明した。

 

「これで、来人も遊星も二回戦進出か。」

 

「二人ともすごいデュエルだったよね!」

 

「だろー天兵! 遊星も来人もすごいデュエリストなんだ!」

 

「そうね。一回戦で負けちゃった誰かさんとは大違い。」

 

「うぐっ・・・!」

 

龍可の言葉で、一気に龍亞の声がトーンダウンし、顔を下げる。しかし、龍亞は何かに気づき、顔を上げる。

 

「なーに言ってんだよ。負けたのは龍可だろ? 俺の公式記録にはカウントされないんだもんねー!」

 

「何が公式記録よ!」

 

「エブリバディ!! 緊急事態の発生だぁ!!」

 

MCの声が響き渡る。

 

「先ほどゴドウィン長官により、サプライズの提案がなされたぁ!! これより、敗者復活戦が行われることが決定したぁ!!」

 

敗者復活戦の言葉に龍亞は目を輝かせた。

 

「やったぁ! もう一度デュエルできるぞ! 今度は勝ってやる!」

 

「やったね、龍亞!」

 

「あーあ、また龍亞が調子に乗っちゃうよ。」

 

龍亞はうきうきでデッキを取り出し、調整を行う。

 

「どうしよっかな~デッキ組まなきゃ。あっ、龍可。また服貸してくれ。」

 

「いやよ、もう。」

 

「これより、敗者復活戦の詳細を発表する!! ランダムに選ばれた一人が長官の用意したデュエリストを倒せば、見事復活となるぅ!! そして、その幸運の女神に選ばれたのはぁ!!」

 

会場はMCの言葉に注目する。

 

「惜しくもボマー選手に敗れたが、若干11歳にして、実力はゴドウィン長官の折り紙付きぃ!! その将来性はまさに右肩上がりの天井知らずぅ!! 舞い降りたデュエルの天使、ミィーース、龍可ちゃーーん!!」

 

「はあー・・・・あれ?」

 

龍可の名前が呼ばれ、龍亞が手を挙げようとするが、隣の龍可にスポットライトが照らされた。

 

 

 

 

 

 

 

「ありゃ、もしかしてバレてた?」

 

遊星とともに画面で見ていた来人は声を上げた。

 

「あの子が本物の龍可という子なんだろう?」

 

「ん、あんた確か・・・。」

 

二人のもとにボマーがやってくる。

 

「偽物君はいいデュエルを見せてくれたが、本物の彼女はどうかな?」

 

「さあね、俺もやったことないもんでね。」

 

来人とボマーが話していると、龍可がおそるおそるステージに出てきていた。

 

「・・・・・。」

 

来人は携帯を操作し、1つの龍可の名前が書かれたある記事を見つける。

 

(3歳・・・昏睡状態・・・精霊世界・・・?)

 

 

 

 

 

 

「さあ、天才デュエルっ子、龍可ちゃんの対戦相手はーーー!?」

 

ディスプレイに相手の名前が映し出される。

 

「デュエルカウンセラーの異名を持つ、プロフェッサー、フランクだぁーー!!」

 

現れたフランクは龍可を見ると、穏やかな笑みを浮かべる。

 

「初めまして、龍可さん。さあ、このデュエルであなたの深層意識に隠された、本当のあなたを見つけましょう。」

 

(・・・なんだか・・・。)

 

『クリ~・・・。』

 

龍可に精霊の不安そうな声が頭の中に聞こえた。

 

(そう・・・あなたも嫌な感じが・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、二人のデュエルが始まり、進んでいったのだが・・・

 

「・・・? 龍可のやつ、なんか、おかしくねえか?」

 

来人の指摘通り、龍可の目から光がなくなっていた。その様子を見かねて、来人はステージ近くに駆けつけた。

 

「・・・どうなってんだ? って、こいつもかよ。」

 

龍可の対戦相手のフランクまでも目から光がなくなっていた。

 

「・・・ん?」

 

龍可の右腕が赤く光っていることに気づいた。

 

「あの光ってるのは・・・。くそ・・・! さっきから、どうなってる?」

 

しばらく、二人の様子を見守る。二人は心がどこかにあるようにデュエルを進めていった。

 

「!」

 

龍可の目に光が戻る。

 

「戻ったはいいが・・・。」

 

龍可 LP300 手札0

【モンスター】

クリボン サンライト・ユニコーン

【魔法・罠】

一角獣のホーン 古の森 伏せ1

 

フランク LP2200 手札1

【モンスター】

超魔神イド

【魔法・罠】

悪意の波動 不死のホメオスタシス 伏せ1

 

「さあ、どうする・・・?」

 

フランクの超魔神イドがクリボンに攻撃を仕掛ける。

 

「クリボンのモンスター効果! 攻撃対象になった時、手札に戻して、攻撃してきたモンスターの攻撃力分、相手のライフを回復する!」

 

クリボンは避難するように龍可の手札に戻る。

 

「トラップ発動! オベロンの悪戯!」

 

オベロンの悪戯(アニメオリジナル)

通常罠

ライフポイントを回復する効果が発動した時に発動できる。その効果を無効にし、お互いにその数値分のダメージを受ける。

 

「ライフポイントが回復するとき、無効にして、その数値分のダメージをお互いに受ける!」

 

龍可 LP300→0

フランク LP2200→0

 

DRAW

 

「引き分けに持ち込んだか。」

 

意識を取り戻したフランクはふらふらとさせ、地面に倒れた。意識はあるのか、体をピクピクさせている。

 

「はぁ・・・よか・・・・・った・・・。」

 

龍可もまた、デュエルの疲れから倒れそうになる。

 

「おっと。」

 

とっさに来人は龍可を支えた。

 

(腕まだ光ってるな・・・。)

 

袖をめくると、竜の手のような赤いあざがあった。

 

「・・・・・。」

 

袖を元に戻し、龍可を抱きかかえる。

 

「敗者復活戦! 壮絶な相打ちで決着ーー!! 両者敗退!!」

 

「・・・ん・・・。・・・! 来人・・・?」

 

「ん、起きた?」

 

「私・・・・ !」

 

龍可は来人に抱きかかえられていることに気づいた。

 

「も、もう大丈夫、だから・・・。」

 

「そうは言っても、疲れてるんだろ? 客席まで連れてってやるから。」

 

「・・・う、うん・・・。」

 

来人の上着をぎゅっとつかんだ。

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