龍亞・龍可の家
リビング
「「いただきます。」」
来人と龍可は向かい合って、朝食を食べていく。
「・・・・。」
「・・・? どうした?」
「え?」
「いやずっと見てくるから。」
「///そ、そうかな?」
龍可は一瞬目を逸らし、来人にバレないようにじっと顔を見た。
(///し、しばらく避けちゃってたから・・・思わず見ちゃった・・・。)
(ま、避けられるよかましか。てかまた見てんな。)
また見ていたのはすでにバレていた。
数分後
「ごちそうさまでした。」
食べ終えた来人は食器を片付ける。
(結局予定合わせるってどういうことだ・・・?)
片付けながら龍可の様子を窺おうとすると・・・
「///ら、来人・・・ちょっといい?」
「ん?」
「////そ、その・・・えっと・・・」
「・・・・・。」
「・・・・。」
龍可が言い出さないため、静寂が生まれる。
「・・・なんだよ。」
「///こ、これ、なんだけど・・・。」
「これ?」
顔を赤くし、恐る恐る携帯の画面を見せた。そこには近くのローラースケート場の情報が映っていた。
「///や、やっぱり・・・」
「よし、行くか。」
「/////・・・え?」
ローラースケート場
休日ということもあり、多くの人でにぎわっていた。
「お~結構人いるな~。」
「////う、うん・・・。」
「しかし、なんでここに来たかったんだ?」
「////ゆ、遊星とアキさんが来てて・・・その、いいなぁって・・・。」
「あいつらもこういうとこ来るんだな。」
(////し、心臓が・・・・!)
平静を装うとするが、どんどん顔が赤くなる。
「・・・どうした、顔赤いぞ。」
「////だ、大丈夫! ほら、行こ!?」
「わか・・・って、靴靴!」
二人はローラーシューズに履き替え、龍可は慣れないため、ゆっくりと滑っていた。
「ら、来人・・・待って・・・!」
「ん。ああ、悪い悪い。」
早く滑っていた来人はスピードを落とし、龍可に合わせた。
「あんま滑ったことないが、どうにかなるもんだな。」
「・・・うわ!」
「おっと・・・!」
バランスを崩し、倒れそうになった龍可をなんとか来人は手をつかんで支えた。
「大丈夫か?」
「///あ、ありがと・・・。・・・な、慣れるまで・・・このままでもいい・・・?」
「このまま? ・・・ああ、いいよ。」
「///ゆ、ゆっくり、お願い。」
「おう。」
来人は龍可の手をつかみ、一緒に滑っていく。
「ん。その調子だ。」
「///うん!」
次第に二人は手を放し、一緒に滑る。龍可は来人の横顔をちらっと見る。
「? なんかついてる?」
「///え?」
「いや朝からずっと顔見てるからなんかついてるかと・・・。」
「///だ、大丈夫大丈夫! そ、そういうんじゃ・・・・きゃ!?」
手を振って、慌てて否定すると龍可はバランスを崩し、転びそうになる。
「! 龍可! ・・・うお!?」
支えようとしたが、支えきれず、二人とも転んでしまった。
「いたた・・・ご、ごめんね、らい・・・・」
「・・・ん?」
龍可は倒れた来人の上に乗っかった状態になっていた。
「/////~~~~~!!」
「・・・いや、あの、龍可? どいてくんない?」
「/////あ、う、うん!!」
急いで立とうとしたが・・・
ぐうぅぅ~・・・・
「/////・・・!」
龍可の腹の虫が鳴る。
「・・・ふふ・・・ははは・・・・!」
「////わ、笑わないでよ・・・!」
龍可は赤くなった顔を手で隠す。
「悪い悪い・・・!」
笑いながら、来人は携帯で時間を確認する。
「もうこんな時間か。飯食おうぜ、飯。」
「/////う、うう、うん・・・!」
二人はフードコートに移動し、来人は冷たいそば、龍可はハンバーガーを食べていた。
「食い終わったら、次どこ行く?」
「え?」
「せっかくの連休だしな。たっぷり使おうぜ。」
水を飲み干し、来人はにやりと笑う。
「・・・うん!!」
来人の言葉に龍可は満面の笑みで答えた。
「さぁて次は・・・・ん?」
様々な店をまわり、店を出ようとしたところ、ショウウィンドウの前で止まっている龍可に気づいた。
「どうした?」
「あ、この指輪綺麗だなって。」
「指輪?」
一緒にショウウィンドウを覗き込む。
「・・・・・!?」
ふと値段を見た来人の目が驚きで大きく開いた。
(た、たっけぇ・・・。仕事何件やればいいんだ・・・。)
横目で見た龍可は指輪を見て目をキラキラさせていた。
「・・・・。」
「来人、大丈夫?」
「え?」
「一瞬すごい顔してたから。」
「い・・・やいや、大丈夫大丈夫。」
間の抜けた声で手を振って否定する。
「わ、わかった。・・・そろそろ夕飯の時間だけど、どうしよっか?」
「時間経つの早いな・・・。なんか適当に総菜買って、家で食うか?」
「うん、そうしよっか!」
帰ってきた二人は夕飯を食べ終え、来人はソファに座り、テレビをつけた。
「来人、何か見るの?」
「ああ、これが楽しみでな。」
番組表を出し、この後に始まる映画の情報を出す。
「一緒に見ようかな・・・何の映画?」
「ホラー。」
「・・・ホラー・・・。」
「どうする? やめとくか?」
「・・・ううん。見る。」
来人の隣にちょこんと座る。
「まあ、大丈夫ならいいんだけど・・・おっ、始まる始まる。」
テレビに映画のタイトルが映し出される。その時、ふと来人はある文字を見つけた。
「・・・あ。」
タイトルの右下にPG12と表示されていた。
※PG12とは12歳未満の映画の鑑賞には、親もしくは保護者の助言・指導が必要な映画の区分である。
「? どうかしたの?」
「・・・いや、何でもない。」
(まあ多分、大丈夫だろ。)
のちに来人はしっかり教えればよかったと後悔することになる。
始まって15分後
(・・・あ~こいつ死んだな。)
「・・・ひぅ!?」
一時間後
(・・・? なんでここでそうなった?)
「~~~!!」
龍可は来人の腕にぎゅっとしがみつく。
「ちょ、いてえって・・・。」
映画終盤
「・・・お、これはグロいな。」
「・・・・・!!」
龍可は涙目になった顔をテレビから逸らし、来人に力強く抱き着いた。
映画が終わり、立とうとした来人は立ち上がれずにいた。
「あの・・・ちょっと?」
「・・・・!!」
「ちょ、いて・・・あの、る、龍可さ~ん?」
未だに龍可が来人に抱き着いていた。
「~~~!!」
抱きしめる力が震えながら、さらに強くなる。
(参ったな・・・そろそろ寝たいんだけど・・・。)
「・・・る、龍可? 俺そろそろ寝るんだけど・・・。」
「ま、まま待って・・・!」
立とうとした来人を龍可は引き留める。
「ね、ね、寝る、なら・・・その・・・。」
「・・・?」
来人の部屋
「「・・・・・。」」
二人はパジャマに着替え、来人の部屋のベッドをじっと見ていた。
「・・・いや、本当にここで寝るのか? やっぱり・・・」
「・・・・!」
龍可は来人の袖をぎゅっとつかむ。
「・・・はぁ・・・わぁったよ。わかりましたよ。」
観念したようにため息をついた。
「よっと。」
「・・・お邪魔します。」
ベッドに寝た来人の隣でちょこんと寝っ転がる。
「・・・んじゃあ、おやすみ。」
「・・・お、おやすみなさい・・・。」
来人はリモコンで電気を消した。
「・・・・・zzz・・・。」
電気が消え、すぐに来人の寝息が聞こえる。
「・・・・・。」
龍可は来人の服をぎゅっとつかんだ。
(///だ、段々恥ずかしくなってきちゃった・・・。え、今、私、来人と・・・・!?)
龍可の顔が赤くなる。寝息を立てている来人は当然気づかない。
(///・・・だ、大丈夫・・・だよね?)
龍可は来人を起こさないように、来人の腕に抱き着いた。
(/////・・・来人・・・。)
精霊世界での来人とのデュエルを思い出す。
(/////あの時、来人が助けてくれた・・・ううん・・・それだけじゃない。アルカディアムーブメントの時も・・・ディマクとのデュエルも・・・。)
来人ともに挑んだデュエルの光景が頭の中に流れる。
(////・・・・・だから・・・・私は・・・・。)
来人の腕に抱き着く力が強くなる。
(////・・・わた・・・しは・・・・・。)
さっきまで恐怖心はなくなり、龍可は眠りについた。
翌朝
「・・・んん・・・・。」
カーテンの隙間から朝日が差し込み、龍可はゆっくりと目を覚ます。
「・・・・!!?」
目を開けると、目の前に来人の寝顔があった。すっかり忘れていた龍可はたまらず驚いた。
「・・・・zzzz・・・・。」
「////・・・・・。」
来人の寝顔を見ながら、龍可は来人の顔をなでる。
「////・・・・。」
龍可はゆっくりと来人の耳元に顔を近づける。
「/////・・・好きだよ。来人・・・。」
「・・・・zzzzz・・・・。」
この告白に当然返事はない。肝心の本人は夢の中だからだ。
「/////・・・あ、朝ごはんの準備しよ・・・。」
恐る恐る部屋を出た龍可の顔は満面の笑みになっていた。
「////・・・そういえば・・・」
以前倒れたときに見た夢のことを思い出した。来人が闇の中に消えていった夢だった。
「////あれ・・・なんだったんだろ・・・。」