遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第63話 二人で

龍亞・龍可の家

 

リビング

 

「「いただきます。」」

 

来人と龍可は向かい合って、朝食を食べていく。

 

「・・・・。」

 

「・・・? どうした?」

 

「え?」

 

「いやずっと見てくるから。」

 

「///そ、そうかな?」

 

龍可は一瞬目を逸らし、来人にバレないようにじっと顔を見た。

 

(///し、しばらく避けちゃってたから・・・思わず見ちゃった・・・。)

 

(ま、避けられるよかましか。てかまた見てんな。)

 

また見ていたのはすでにバレていた。

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「ごちそうさまでした。」

 

食べ終えた来人は食器を片付ける。

 

(結局予定合わせるってどういうことだ・・・?)

 

片付けながら龍可の様子を窺おうとすると・・・

 

「///ら、来人・・・ちょっといい?」

 

「ん?」

 

「////そ、その・・・えっと・・・」

 

「・・・・・。」

 

「・・・・。」

 

龍可が言い出さないため、静寂が生まれる。

 

「・・・なんだよ。」

 

「///こ、これ、なんだけど・・・。」

 

「これ?」

 

顔を赤くし、恐る恐る携帯の画面を見せた。そこには近くのローラースケート場の情報が映っていた。

 

「///や、やっぱり・・・」

 

「よし、行くか。」

 

「/////・・・え?」

 

 

 

 

 

 

ローラースケート場

 

休日ということもあり、多くの人でにぎわっていた。

 

「お~結構人いるな~。」

 

「////う、うん・・・。」

 

「しかし、なんでここに来たかったんだ?」

 

「////ゆ、遊星とアキさんが来てて・・・その、いいなぁって・・・。」

 

「あいつらもこういうとこ来るんだな。」

 

(////し、心臓が・・・・!)

 

平静を装うとするが、どんどん顔が赤くなる。

 

「・・・どうした、顔赤いぞ。」

 

「////だ、大丈夫! ほら、行こ!?」

 

「わか・・・って、靴靴!」

 

 

 

 

 

 

 

二人はローラーシューズに履き替え、龍可は慣れないため、ゆっくりと滑っていた。

 

「ら、来人・・・待って・・・!」

 

「ん。ああ、悪い悪い。」

 

早く滑っていた来人はスピードを落とし、龍可に合わせた。

 

「あんま滑ったことないが、どうにかなるもんだな。」

 

「・・・うわ!」

 

「おっと・・・!」

 

バランスを崩し、倒れそうになった龍可をなんとか来人は手をつかんで支えた。

 

「大丈夫か?」

 

「///あ、ありがと・・・。・・・な、慣れるまで・・・このままでもいい・・・?」

 

「このまま? ・・・ああ、いいよ。」

 

「///ゆ、ゆっくり、お願い。」

 

「おう。」

 

来人は龍可の手をつかみ、一緒に滑っていく。

 

「ん。その調子だ。」

 

「///うん!」

 

次第に二人は手を放し、一緒に滑る。龍可は来人の横顔をちらっと見る。

 

「? なんかついてる?」

 

「///え?」

 

「いや朝からずっと顔見てるからなんかついてるかと・・・。」

 

「///だ、大丈夫大丈夫! そ、そういうんじゃ・・・・きゃ!?」

 

手を振って、慌てて否定すると龍可はバランスを崩し、転びそうになる。

 

「! 龍可! ・・・うお!?」

 

支えようとしたが、支えきれず、二人とも転んでしまった。

 

「いたた・・・ご、ごめんね、らい・・・・」

 

「・・・ん?」

 

龍可は倒れた来人の上に乗っかった状態になっていた。

 

「/////~~~~~!!」

 

「・・・いや、あの、龍可? どいてくんない?」

 

「/////あ、う、うん!!」

 

急いで立とうとしたが・・・

 

ぐうぅぅ~・・・・

 

「/////・・・!」

 

龍可の腹の虫が鳴る。

 

「・・・ふふ・・・ははは・・・・!」

 

「////わ、笑わないでよ・・・!」

 

龍可は赤くなった顔を手で隠す。

 

「悪い悪い・・・!」

 

笑いながら、来人は携帯で時間を確認する。

 

「もうこんな時間か。飯食おうぜ、飯。」

 

「/////う、うう、うん・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

二人はフードコートに移動し、来人は冷たいそば、龍可はハンバーガーを食べていた。

 

「食い終わったら、次どこ行く?」

 

「え?」

 

「せっかくの連休だしな。たっぷり使おうぜ。」

 

水を飲み干し、来人はにやりと笑う。

 

「・・・うん!!」

 

来人の言葉に龍可は満面の笑みで答えた。

 

 

 

 

 

 

「さぁて次は・・・・ん?」

 

様々な店をまわり、店を出ようとしたところ、ショウウィンドウの前で止まっている龍可に気づいた。

 

「どうした?」

 

「あ、この指輪綺麗だなって。」

 

「指輪?」

 

一緒にショウウィンドウを覗き込む。

 

「・・・・・!?」

 

ふと値段を見た来人の目が驚きで大きく開いた。

 

(た、たっけぇ・・・。仕事何件やればいいんだ・・・。)

 

横目で見た龍可は指輪を見て目をキラキラさせていた。

 

「・・・・。」

 

「来人、大丈夫?」

 

「え?」

 

「一瞬すごい顔してたから。」

 

「い・・・やいや、大丈夫大丈夫。」

 

間の抜けた声で手を振って否定する。

 

「わ、わかった。・・・そろそろ夕飯の時間だけど、どうしよっか?」

 

「時間経つの早いな・・・。なんか適当に総菜買って、家で食うか?」

 

「うん、そうしよっか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰ってきた二人は夕飯を食べ終え、来人はソファに座り、テレビをつけた。

 

「来人、何か見るの?」

 

「ああ、これが楽しみでな。」

 

番組表を出し、この後に始まる映画の情報を出す。

 

「一緒に見ようかな・・・何の映画?」

 

「ホラー。」

 

「・・・ホラー・・・。」

 

「どうする? やめとくか?」

 

「・・・ううん。見る。」

 

来人の隣にちょこんと座る。

 

「まあ、大丈夫ならいいんだけど・・・おっ、始まる始まる。」

 

テレビに映画のタイトルが映し出される。その時、ふと来人はある文字を見つけた。

 

「・・・あ。」

 

タイトルの右下にPG12と表示されていた。

 

※PG12とは12歳未満の映画の鑑賞には、親もしくは保護者の助言・指導が必要な映画の区分である。

 

「? どうかしたの?」

 

「・・・いや、何でもない。」

 

(まあ多分、大丈夫だろ。)

 

のちに来人はしっかり教えればよかったと後悔することになる。

 

 

 

 

始まって15分後

 

(・・・あ~こいつ死んだな。)

 

「・・・ひぅ!?」

 

 

 

一時間後

 

(・・・? なんでここでそうなった?)

 

「~~~!!」

 

龍可は来人の腕にぎゅっとしがみつく。

 

「ちょ、いてえって・・・。」

 

 

 

映画終盤

 

「・・・お、これはグロいな。」

 

「・・・・・!!」

 

龍可は涙目になった顔をテレビから逸らし、来人に力強く抱き着いた。

 

 

 

 

 

映画が終わり、立とうとした来人は立ち上がれずにいた。

 

「あの・・・ちょっと?」

 

「・・・・!!」

 

「ちょ、いて・・・あの、る、龍可さ~ん?」

 

未だに龍可が来人に抱き着いていた。

 

「~~~!!」

 

抱きしめる力が震えながら、さらに強くなる。

 

(参ったな・・・そろそろ寝たいんだけど・・・。)

 

「・・・る、龍可? 俺そろそろ寝るんだけど・・・。」

 

「ま、まま待って・・・!」

 

立とうとした来人を龍可は引き留める。

 

「ね、ね、寝る、なら・・・その・・・。」

 

「・・・?」

 

 

 

 

 

来人の部屋

 

「「・・・・・。」」

 

二人はパジャマに着替え、来人の部屋のベッドをじっと見ていた。

 

「・・・いや、本当にここで寝るのか? やっぱり・・・」

 

「・・・・!」

 

龍可は来人の袖をぎゅっとつかむ。

 

「・・・はぁ・・・わぁったよ。わかりましたよ。」

 

観念したようにため息をついた。

 

「よっと。」

 

「・・・お邪魔します。」

 

ベッドに寝た来人の隣でちょこんと寝っ転がる。

 

「・・・んじゃあ、おやすみ。」

 

「・・・お、おやすみなさい・・・。」

 

来人はリモコンで電気を消した。

 

「・・・・・zzz・・・。」

 

電気が消え、すぐに来人の寝息が聞こえる。

 

「・・・・・。」

 

龍可は来人の服をぎゅっとつかんだ。

 

(///だ、段々恥ずかしくなってきちゃった・・・。え、今、私、来人と・・・・!?)

 

龍可の顔が赤くなる。寝息を立てている来人は当然気づかない。

 

(///・・・だ、大丈夫・・・だよね?)

 

龍可は来人を起こさないように、来人の腕に抱き着いた。

 

(/////・・・来人・・・。)

 

精霊世界での来人とのデュエルを思い出す。

 

(/////あの時、来人が助けてくれた・・・ううん・・・それだけじゃない。アルカディアムーブメントの時も・・・ディマクとのデュエルも・・・。)

 

来人ともに挑んだデュエルの光景が頭の中に流れる。

 

(////・・・・・だから・・・・私は・・・・。)

 

来人の腕に抱き着く力が強くなる。

 

(////・・・わた・・・しは・・・・・。)

 

さっきまで恐怖心はなくなり、龍可は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

翌朝

 

「・・・んん・・・・。」

 

カーテンの隙間から朝日が差し込み、龍可はゆっくりと目を覚ます。

 

「・・・・!!?」

 

目を開けると、目の前に来人の寝顔があった。すっかり忘れていた龍可はたまらず驚いた。

 

「・・・・zzzz・・・・。」

 

「////・・・・・。」

 

来人の寝顔を見ながら、龍可は来人の顔をなでる。

 

「////・・・・。」

 

龍可はゆっくりと来人の耳元に顔を近づける。

 

「/////・・・好きだよ。来人・・・。」

 

「・・・・zzzzz・・・・。」

 

この告白に当然返事はない。肝心の本人は夢の中だからだ。

 

「/////・・・あ、朝ごはんの準備しよ・・・。」

 

恐る恐る部屋を出た龍可の顔は満面の笑みになっていた。

 

「////・・・そういえば・・・」

 

以前倒れたときに見た夢のことを思い出した。来人が闇の中に消えていった夢だった。

 

「////あれ・・・なんだったんだろ・・・。」

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