遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第66話 キングとのデュエル

ガレージ

 

「うわぁ!!」

 

無理やり乗せられたブルーノは地面に投げ捨てられる。

 

「や、やめてください! 暴力反対!」

 

「さあ吐け! 俺のホイールオブフォーチュンに何をした!?」

 

「落ち着けよ、元キング。何があった?」

 

「・・・ホイールオブフォーチュンのパワーが上がっている。」

 

「何・・・?」

 

遊星は驚いた表情でブルーノを見る。

 

「そのDホイールのコンピュータのデータをちょっと調整しただけなんだよ・・・!」

 

「んな馬鹿な!? 遊星と来人が俺たちのDホイールのパワーを上げるのに手こずってるのに、こいつが短時間でそれをやったってのか・・・!?」

 

「・・・どうやったのか、教えてくれないか?」

 

ブルーノはホイールオブフォーチュンをパソコンに接続する。

 

「ここだよ。ブーストのタイミングを変更したんだ。これで少しはパワーアップできる。」

 

「なるほどな、こりゃ盲点だったわ。」

 

「なんのこっちゃ。」

 

「さっぱりわからん。」

 

話についていけないクロウとジャックは首を傾げる。

 

「だが油断するな。こいつが俺たちの味方だとは限らん。」

 

「これは遊星とクロウ、来人のDホイールにも当てはまるよ。プログラムを変えれば、今よりパワーは上がるはずだ。」

 

「おぉ、頼もしいぜ!」

 

「ぐ・・・!」

 

「・・・ブルーノ、君の腕を見込んでこれを見てほしい。」

 

遊星はパソコンを操作し、あるプログラムを表示する。

 

「ああ、これな。いまいちうまくいかないんだよな・・・。」

 

「おい遊星! 来人! それは新エンジンの設計図! 極秘のはずじゃないのか!」

 

「口を挟まないでくれジャック! 今は真面目な話をしているんだ!」

 

「ま、待て! それじゃあ、俺と話すときは真面目じゃないというのか!?」

 

ショックを受けるジャックに対し、遊星と来人はブルーノとプログラムの話をする。

 

「ゆ、遊星・・・?」

 

「ま、遊星に任せとけよ。二人は今、真面目な話をしてるんだからな・・・ぷっ。」

 

来人はこらえきれず、思わず吹き出してしまう。

 

「貴様まで! 勝手にしろ!」

 

その後、ブルーノの協力により、新エンジンは一気に完成まで進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

デュエルアカデミア

 

デュエルリングでは実技試験が行われていた。筆記試験を終えた来人たちはそれぞれ試験に向き合っていた。

 

来人 LP900 手札1

【モンスター】

【魔法・罠】

捕食惑星

 

ソラ LP1300 手札0

【モンスター】

アマゾネスの剣士(ATK1700/レベル4)

【魔法・罠】

アマゾネスの急襲

【フィールド】

アマゾネスの里

 

「俺のターン!」

 

来人 手札1→2

 

「スタンバイフェイズ、墓地の捕食植物コーディセップスの効果発動! このカードを除外することで、墓地からレベル4以下のプレデタープランツモンスター2体を特殊召喚できる! 俺はプテロペンテスとダーリング・コブラを特殊召喚!」

 

捕食植物プテロペンテス DEF2100/レベル3

捕食植物ダーリング・コブラ DEF1500/レベル3

 

「マジックカード、融合を発動! プテロペンテスとダーリング・コブラを融合! いでよ、捕食植物キメラフレシア!」

 

捕食植物キメラフレシア ATK2500/レベル7

 

「キメラフレシアの効果発動! このカードのレベル以下のレベルを持つモンスター1体をゲームから除外する! キメラフレシアのレベルは7! よって、レベル4のアマゾネスの剣士を除外!」

 

「あぁ!?」

 

「キメラフレシアでダイレクトアタック!」

 

「きゃあああ!」

 

ソラ LP1300→0

 

WINNER 来人

LOSER ソラ

 

「よし!」

 

「うぅ・・・また負けたぁ・・・。」

 

「・・・・。」

 

実技試験を終えた亘が頭を抱え、暗い表情でやってくる。

 

「亘、どうした?」

 

「・・・筆記試験の自信がないだけです。」

 

「この世の終わりくらいの顔してたぞ。つか、お前の感じで勉強できねえってやっぱバグってんだろ。」

 

「ぐ・・・。」

 

来人の言葉に亘は肩を落とす。

 

「だいたいそこまで気にするほどか?」

 

「ところがそうでもないんだよ? アカデミアの個人戦に出られるかが関係してるからね。」

 

「ふーん・・・。」

 

「ま、来人は成績充分いいから大丈夫だとは思うけど・・・。」

 

「普段寝ているのになんで・・・。」

 

ピリリリ!

 

「ん?」

 

来人の携帯が鳴る。

 

「・・・遊星か。お前ら先戻ってていいよ。」

 

「うん、わかった。遊星さんによろしくね。」

 

「ん。」

 

軽く返事をすると、来人は電話に出た。

 

「もしもし、どうした?」

 

『少し頼みたいことがある。今、大丈夫か?』

 

「頼みたいこと? なんかあったのか?」

 

会話の内容が聞かれないよう、来人は廊下に出る。

 

「そういえば、今日には新エンジンのプログラムが完成するんじゃなかったか?」

 

『そのことなんだが・・・実は今朝、誰かに盗まれてしまったんだ。』

 

「・・・はぁ? 盗まれたぁ!?」

 

来人の大声に周りの生徒がちらちらと見る。

 

「あ・・・。」

 

注目を避けるため、来人は移動しながら小声で電話する。

 

「盗まれたって、どういうことだ?」

 

『誰かがガレージに侵入していたんだ。幸いなことにブルーノが犯人の指紋を見つけてくれた。』

 

「指紋ねえ・・・それで、俺は何すればいいんだ?」

 

『犯人が盗んでから時間が経っている。その指紋をすぐに調べなければプログラムをどうするのかわからなくなる。だから、セキュリティのデータベースに侵入し、指紋を照合する。』

 

「データベースか・・・はぁ・・・。ちょっと待って。」

 

来人は早足で教室に置いてある自分のノートパソコンを回収し、屋上に向かった。

 

「よし・・・準備オーケー。いつでも行けるぞ。」

 

『すまない。・・・よし、行くぞ・・・!』

 

来人、遊星、ブルーノはセキュリティのデータベースへの侵入を開始した。ファイヤーウォールを次々と突破し、そしてついに指紋照合に成功した。

 

「よし・・・っと、そろそろ時間ヤバイわ。切るぞ。」

 

『ああ、ありがとう。来人。』

 

「ん、後で報酬はクロウに請求しとくからな。」

 

そう言い残し、来人は電話を切った。

 

「・・・・・。」

 

電話を切った来人はにやりと笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

遊星とブルーノの設計したプログラムを盗んだのは、治安維持局副長官、イェーガーだった。遊星たちはなんとか追い詰めるものの、結局まんまと逃げられてしまい、エンジンプログラムはやり直しとなってしまった。

 

 

ハイウェイ

 

来人はサイドカーに龍可を乗せ、ハイウェイを駆け抜けていった。

 

「ごめんね、来人。こんな時間に・・・。」

 

龍可は明莉の家で話をしているうちに帰りが遅くなってしまい、来人に迎えに来させてしまったことに謝った。

 

「気にするなよ、俺はたまたまそっちの近所に用があっただけだしな。・・・ったく、あの野郎・・・直前でごねやがって・・・。」

 

龍可に聞こえないくらいの小声で悪態をつく。

 

「来人?」

 

「ん? 大丈夫大丈夫。」

 

平静を装い、来人はDホイールを走らせていく。

 

「・・・んん?」

 

後方で激しい走行音を鳴らすDホイールがあった。

 

「え? あれって・・・。」

 

やがて来人の横につけたDホイールに龍可は見覚えがあった。そのDホイールはジャックの乗るホイールオブフォーチュンだった。

 

「ジャック? こんな時間に何を・・・」

 

「今宵のチャレンジャー・・・それは、貴様だ!」

 

ジャックは声高々に来人を指さした。

 

「はぁ?」

 

「俺はキング。ジャック・アトラスだ!」

 

「何だ? 今更。大体今日は無理だ。急いで帰らないと・・・」

 

「ふん!!」

 

ジャックはホイールオブフォーチュンを来人のDホイールにぶつける。

 

「きゃあ!」

 

「ぐ・・・!? 元キング! てめえ、なんのつもりだ!」

 

「貴様は選ばれたのだ。それに・・・このキングとデュエルしてみたいと思わないか?」

 

「ジャック! 一体何があったの・・・!?」

 

「・・・なるほど、そういうことか。」

 

来人は納得したようにため息をついた。

 

「無職の時間が長すぎて、プライドが傷ついて、一番輝いていたキング時代が続いているっていう妄想に憑りつかれたんだろ。」

 

「そ、そんな風には見えないけど・・・。」

 

「それにこんなことまでしてきたんだ。しっかり焼きを入れてやる。龍可、悪いけどちょっと付き合え。」

 

「う、うん・・・!」

 

「行くぞ、元キング!」

 

「潔し! キングのデュエルを堪能させてやろう!」

 

「「フィールド魔法、スピードワールド2! セットオン!」」

 

二人の周りを無限をかたどった光が囲うように光った。

 

「・・・! これは・・・。」

 

『レーンセレクション。使用可能な最適レーンをサーチ。デュエルレーン、セントラルに申請。』

 

『AUTHORIZATION』

 

『デュエルが開始されます。デュエルが開始されます。ルート上の一般車両は直ちに退避してください。』

 

「「ライディングデュエル、アクセラレーション!!」」

 

ジャック LP4000 手札5 SPC0

 

来人 LP4000 手札5 SPC0

 

「俺のターン!」

 

ジャック 手札5→6

 

「インターセプト・デーモンを召喚!」

 

インターセプト・デーモン ATK1400/レベル4

 

「2枚カードを伏せ、ターンエンド!」

 

「俺のターン!」

 

ジャック SPC0→1

来人 手札5→6 SPC0→1

 

「捕食植物スピノ・ディオネアを召喚!」

 

捕食植物スピノ・ディオネア ATK1800/レベル4

 

「スピノ・ディオネアの召喚に成功した時、相手モンスター1体に捕食カウンターを1つ置く!」

 

インターセプト・デーモン 捕食カウンター0→1

 

「捕食カウンターが置かれたレベル2以上のモンスターはレベル1になる!」

 

インターセプト・デーモン レベル4→1

 

「スピノ・ディオネアでインターセプト・デーモンを攻撃!」

 

「インターセプト・デーモンの効果発動! 相手が攻撃してきたとき、500ポイントのダメージを与える!」

 

インターセプト・デーモンの手から紫色のエネルギー弾が来人に向かって放たれる。

 

「ぐぅ・・・!?」

 

来人 LP4000→3500

 

来人の体に痛みが走る。

 

「来人!? まさか、デュエルのダメージが実際に・・・?」

 

「ははは! 面白いシステムだろう? まさに命を賭けたデュエルというわけだ! キングから受けるダメージはまた格別だろう!」

 

「ぐ・・・だが、攻撃は止まらない! 行け!」

 

「ふっ・・・!」

 

ジャック LP4000→3800

 

「スピノ・ディオネアの効果発動! このカードのレベル以下のモンスターと戦闘を行ったダメージ計算後、デッキからプレデタープランツモンスター1体を特殊召喚できる! 捕食植物モーレイ・ネペンテスを特殊召喚!」

 

捕食植物モーレイ・ネペンテス ATK1600/レベル4

 

「モーレイ・ネペンテスでダイレクトアタック!」

 

「ぐぅ・・・!」

 

ジャック LP3800→2200

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

ジャック LP2200 手札3 SPC1

【モンスター】

【魔法・罠】

伏せ2

 

来人 LP3500 手札3 SPC1

【モンスター】

スピノ・ディオネア(ATK1800/レベル4)

モーレイ・ネペンテス(ATK1600/レベル4)

【魔法・罠】

伏せ2

 

「俺のターン!」

 

ジャック 手札3→4 SPC1→2

来人 SPC1→2

 

「永続トラップ、フルスロットル!」

 

フルスロットル(アニメオリジナル)

永続罠

「スピード・ワールド」と名のついたフィールド魔法カードが存在する場合に発動できる。自分ターンのスタンバイフェイズ毎に自分のスピードカウンターを1つ置く。

 

「スタンバイフェイズに自分のスピードカウンターを1つ増やす!」

 

来人 SPC2→3

 

「トラップ発動! リビングデッドの呼び声! 墓地のインターセプト・デーモンを攻撃表示で特殊召喚する!」

 

インターセプト・デーモン ATK1400/レベル4

 

「さらにチューナーモンスター、トップ・ランナーを召喚!」

 

トップ・ランナー ATK1100/レベル4

 

「レベル4のインターセプト・デーモンにレベル4のトップ・ランナーをチューニング!」

 

「レベルの合計は・・・8!」

 

「王者の鼓動、今ここに列を成す! 天地鳴動の力を見るがいい! シンクロ召喚! 我が魂、レッド・デーモンズ・ドラゴン!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000/レベル8

 

「来たか・・・!」

 

「レッド・デーモンズ・ドラゴンでモーレイ・ネペンテスを攻撃! アブソリュートパワーフォース!」

 

「トラップカード、ガードロー!」

 

ガードロー(アニメオリジナル)

通常罠

自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体の表示形式は表側守備表示になる。その後、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

「モーレイ・ネペンテスを守備表示にし、カードを1枚ドローする!」

 

来人 手札3→4

 

「これで来人はダメージを防いだわ!」

 

「貴様のせせこましい手などお見通しだ! トラップカード、破壊神の系譜!」

 

「何!?」

 

「守備表示モンスターを破壊した時、俺の場のレベル8のモンスター1体は2回目の攻撃ができる! レッド・デーモンズ・ドラゴンでスピノ・ディオネアを攻撃! アブソリュートパワーフォース!」

 

「ぐあああ!」

 

来人 LP3500→2300

 

「ふははは! これこそが、キングのみなしえるエンターテインメントだ! カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

「くそ・・・!」

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