遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第68話 文化祭

数週間後

 

デュエルアカデミア

 

この日、アカデミアは大きな賑わいを見せていた。アカデミアでの大きなイベント、文化祭が開かれていた。

 

「え~っと・・・。」

 

「あ! こっちだって!」

 

龍亞と龍可は来人たちに誘われ、来人の教室を訪ねようとしていた。

 

「お、来た来た。」

 

「お~!」

 

「///・・・・。」

 

二人を出迎えるため、来人が教室から出てくる。来人の姿を見て、龍亞は目を輝かせ、龍可は見惚れていた。来人はいつもの制服姿ではなく、デュエルモンスターズのコスプレをしていた。来人たちのクラスはコスプレ喫茶を開いていた。

 

「ていうかこれ、何のモンスター?」

 

「ん? 伝説の賭博師。」

 

「////・・・・。」

 

懐から取り出したコインを空中に弾き、きれいにキャッチする。

 

「なんか急にビビッときたんだよな。自分で言うのもなんだが、結構しっくりくる。」

 

「みんな首傾げてたもんね~。」

 

ソラがドアからひょっこりと顔を出す。手には黒い日傘を持っていた。

 

「あ、ソラ姉ちゃん!」

 

「よう、ソラ。いや、ヴァンパイア・フロイライン。」

 

「モンスターの名前で言いなおさなくても・・・。」

 

「////・・・・。」

 

「・・・!」

 

来人をじっと見つめる龍可にソラはそっと近づく。

 

「来人の服、かっこいいなって思った?」

 

「////!! ・・・はい・・・。」

 

赤くなった顔を手で覆い隠す。

 

「? ソラ、龍可。何話してんだ?」

 

「べっつに~? ねえ、龍可ちゃん。」

 

「////う、うん・・・!」

 

「ていうか、来人たち教室離れて大丈夫なの?」

 

来人たちのクラスには長い行列ができていた。

 

「ああ、大丈夫大丈夫。俺ら吐くほど内装やったから、この格好で宣伝してこいって。」

 

「ほんと大変だったよね~・・・ほんと・・・。」

 

((一体何やったんだろ・・・。))

 

「そういうわけで、まあ実質一日空いてるんだよ。」

 

「・・・・。」

 

「!」

 

何かをひらめいたソラは龍亞にひそひそと話をする。

 

「じゃ、私こっち行って宣伝してくるね~。」

 

「俺は・・・ちょ、ちょっと天兵に用があるから!」

 

「////え、あ、ちょ、ちょっと!?」

 

ソラは手をひらひらと振りながら、龍亞はどこかぎこちなくその場を離れていった。

 

「////・・・ら、来人はこの後、どうするの?」

 

「ん? まあ、適当に宣伝しながらぶらつくよ。」

 

「/////そ、それなら・・・わ、私と一緒に行かない・・・?」

 

「一緒に? ・・・そうするか。」

 

(////やった・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

「豪華賞品争奪デュエル大会、まもなくエントリー締め切りまーす! エントリーの方、こちらにお願いしまーす!」

 

来人と龍可が外に出ると、数人の生徒が大きな声で呼びかけやビラ配りをしていた。

 

「豪華賞品? どれどれ・・・。」

 

生徒が配っていたビラを受け取り、さっと目を通した。龍可もそれを覗き込む。

 

「商品は・・・ネックレスか。」

 

「・・・綺麗・・・・・。」

 

「ん? ほしい?」

 

「///あ、えっと、う、うん・・・。」

 

「・・・よし、んじゃあサクッと勝ってくるわ。」

 

来人は自信ありげににやりと笑った。

 

「え、でも・・・」

 

「任せろって。今まで有言実行してきたんだぜ?」

 

 

 

 

 

 

宣言通り、来人は次々と相手を倒し、とうとう最後の一人と対戦することになった。

 

「さあ盛り上がってきました大会もついに終わりが近づいています! これより最後の試合を行います! まずは、ここまで圧倒的な実力で勝ち上がってきた高等部1年B組、未谷来人!!」

 

「いやぁ、どーもどーも。」

 

来人が軽く手を挙げると、大きな歓声が上がる。特に女子生徒の歓声はひときわ大きかった。

 

「・・・・・。」

 

その様子を見て龍可は頬をふくらませ、ムッとした表情になる。

 

「そして彼の最後の相手は・・・高等部1年C組、西野絢香!!」

 

「・・・ん? 西野・・・?」

 

来人は紹介された対戦相手の名前に聞き覚えがあった。

 

「久しぶりね、未谷来人・・・。団体戦の時以来かしら。」

 

「団体戦・・・・・・・あ。」

 

来人の前にいるのは、以前来人が後攻ワンターンキルを決めた相手だった。(※第36話 大会開幕! まさかの展開)

 

「あ、あの時はどうも・・・。」

 

『あ、あの時の!』

『兄貴、俺たちの出番!?』

『またやっつけてやる!』

 

「・・・・・ちっ。」

 

西野に聞こえないくらいの舌打ちをする。

 

「ここで戦えるなんていい機会だわ。あの時の屈辱・・・ここで果たしてみせる!」

 

「・・・だったら、もう一度このデッキで相手してやるよ。」

 

来人はデュエルディスクにおジャマのデッキをセットする。

 

「さあ、それでは・・・デュエルスタート!!」

 

「「デュエル!!」」

 

来人 LP4000 手札5

 

西野 LP4000 手札5

 

「俺のターン!」

 

来人 手札5→6

 

「おジャマ・ブルーを守備表示で召喚!」

 

『出番ザンス!』

 

おジャマ・ブルー DEF1000/レベル2

 

「カードを2枚伏せ、エンドフェイズに手札のメルフィー・パピィを特殊召喚する!」

 

メルフィー・パピィ DEF100/レベル2

 

「このカードはエンドフェイズに、手札から特殊召喚できる! ターンエンド!」

 

「私のターン!」

 

西野 手札5→6

 

「私はエレキングコブラを召喚!」

 

エレキングコブラ ATK1000/レベル4

 

「モンスターが召喚されたとき、メルフィー・パピィの効果発動! このカードを手札に戻し、デッキからレベル2以下の獣族モンスターを手札に加える! おジャマ・レッドを手札に!」

 

来人 手札2→4

 

「エレキングコブラは相手プレイヤーにダイレクトアタックができる! エレキングコブラでダイレクトアタック! エレキバイト!」

 

「く!」

 

来人 LP4000→3000

 

「エレキングコブラの効果発動! ダイレクトアタックでダメージを与えたとき、デッキからエレキと名の付くモンスター、エレキリンを手札に加える!」

 

西野 手札5→6

 

「カードを2枚伏せて、ターンエンド!」

 

「メインフェイズ終了時に、永続トラップ、おジャマ・パーティを発動! デッキからおジャマジックを加え、そのまま捨てる! そして、おジャマジックの効果発動! デッキからおジャマ・イエロー、グリーン、ブラックの1体ずつを手札に加える!」

 

来人 手札4→7

 

来人 LP3000 手札7(5枚メルフィー・パピィ、おジャマ・イエロー、グリーン、ブラック、レッド)

【モンスター】

おジャマ・ブルー(DEF1000/レベル2)

【魔法・罠】

おジャマ・パーティ 伏せ1

 

西野 LP4000 手札4(1枚エレキリン)

【モンスター】

エレキングコブラ(ATK1000/レベル4)

【魔法・罠】

伏せ2

 

「俺のターン!」

 

来人 手札7→8

 

「おジャマ・パーティの効果発動! デッキからおジャマ・カントリーを手札に加え、メルフィー・パピィを捨てる! そして、おジャマ・レッドを召喚!」

 

おジャマ・レッド ATK0/レベル2

 

「このカードが召喚に成功した時、手札のおジャマどもを4体まで特殊召喚できる! 現れろ! おジャマ三兄弟!」

 

『『『ど~も~!』』』

 

おジャマ・イエロー ATK0/レベル2

おジャマ・グリーン ATK0/レベル2

おジャマ・ブラック ATK0/レベル2

 

「さらにフィールド魔法、おジャマ・カントリーを発動! おジャマが存在する限り、フィールドのモンスターの元々の攻撃力と守備力の数値を入れ替える!」

 

おジャマ・イエロー ATK0→1000 DEF1000→0

おジャマ・グリーン ATK0→1000 DEF1000→0

おジャマ・ブラック ATK0→1000 DEF1000→0

おジャマ・レッド ATK0→1000 DEF1000→0

おジャマ・ブルー ATK0→1000 DEF1000→0

 

エレキングコブラ ATK1000→500 DEF500→1000

 

「おジャマ・ブルーを攻撃表示に変更する!」

 

おジャマ・ブルー DEF0→ATK1000

 

「バトル! おジャマ・レッドでエレキングコブラを攻撃!」

 

「トラップカード、聖なるバリア -ミラーフォース-! 攻撃表示モンスターを全て破壊する!」

 

「トラップ発動! トラップ・スタン! このターン、トラップカードの効果は無効になる!」

 

「まだよ! カウンタートラップ、攻撃の無力化! 攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる!」

 

「・・・手札からカウンタートラップ、レッド・リブートを発動!」

 

「て、手札からカウンタートラップですって!?」

 

「このカードはライフを半分支払うことで、手札から発動できる。トラップを無効にして、フィールドにセットさせる!」

 

来人 LP4000→2000

 

「これで、攻撃の無力化とミラーフォースは無効になる!」

 

「うぅ・・・!」

 

西野 LP4000→3500

 

「とどめだ! おジャマどもで一斉攻撃!!」

 

「きゃあああ!!」

 

『『『『おんどりゃー!!』』』』

 

西野 LP3500→2500→1500→500→0

 

WINNER 来人

LOSER 西野

 

「決まったーー!! 優勝は、未谷来人君!!」

 

「うぅ・・・また・・・おジャマに・・・!」

 

またしても来人に敗北し、西野は膝から崩れ落ちる。

 

「・・・まあ、今回のはたまたまだ。」

 

「たまたまで2回もワンターンキルなんて・・・あるはずが・・・!」

 

「単なる偶然だ。・・・次で勝てばいいんじゃないか? またいつでもやろうぜ。」

 

来人はそう言って、にやりと笑った。

 

「///・・・・。」

 

西野は顔を赤くし、来人から顔を逸らした。

 

「・・・え?」

 

その様子を見て、龍可は首を傾げた。

 

「それでは、優勝した未谷来人君。一言お願いします!」

 

「一言? え~? ・・・・・。」

 

空を見上げ、少し考え込む。

 

「・・・あ~・・・1年B組の喫茶店、よろしくお願いしま~す。」

 

宣伝で出歩いていたことを思い出し、注目を集めるため、手を振り、クラスの宣伝をした。

 

「いや~、ちゃっかり宣伝に使われてしまいましたね~! 優勝した未谷来人君には豪華賞品を差し上げます!」

 

「ん、どうもどうも。」

 

満足げな顔で来人は龍可のもとに向かう。

 

「ほら、勝っただろ?」

 

「・・・う、うん。」

 

受け取ってきたネックレスを見せるが、龍可は顔を逸らす。

 

「? どうした?」

 

「な、何でもない・・・!」

 

(///もう・・・なんで・・・。)

 

「・・・・。」

 

来人はおもむろに箱からネックレスを取り出した。そしてそれを、丁寧に龍可の首にかけた。

 

「////!? ら、来人!?」

 

「? え、違った?」

 

「////え?」

 

「いや、首にかけてほしいかと思って・・・。」

 

「////え、えっと・・・・・。・・・!?」

 

いつの間にか観客の視線は二人をじっと見ていた。

 

「////ら、来人! 次のところ行こ!?」

 

「ん? おぉ・・・ちょ、そんな引っ張るなって。」

 

 

 

 

 

 

 

しばらく来人は顔を赤くした龍可といろいろなクラスをまわった。

 

「・・・さっきから顔赤くない?」

 

「/////だ、大丈夫! 大丈夫だから・・・!」

 

龍可の首元のネックレスがきらりと光る。

 

「ふーん・・・。」

 

「/////・・・あ、ら、来人! こ、これ見て!」

 

「ん?」

 

龍可は近くのポスターを指さした。

 

「・・・カラオケってお前・・・俺やったことねぇよ。」

 

「///え、そうなの? でも賞品、来人が欲しがってた最新のノートパソコンじゃない?」

 

「まじか。・・・ちょっとやるか。」

 

(///・・・あれ、来人って歌うまいのかな・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、続いての挑戦者は~未谷来人! デュエルの実力が高い彼は歌の実力はどうなのかぁ~!」

 

司会者に促され、来人はステージに上がる。そして歌う曲のイントロが流れ始める。

 

「////・・・・!」

 

龍可はわくわくしながら、その様子を見る。

 

「さて・・・。」

 

来人は歌うため、息を吸い込んだ。そして、いよいよ歌い始めた。

 

「・・・!?」

 

「うぅ・・・!?」

 

「うげ・・・!?」

 

会場は混沌に包まれ始めた。

 

※現在、この世のものとは思えない音声が流れております。どのような歌声かは皆様のご想像にお任せします。

 

やがて、曲が終わり、来人は満足げな顔で周りを見る。

 

「・・・ん?」

 

「あ、ありがとう、ございました・・・まるでリサイタルのようでした。」

 

「はぁ・・・リサイタル?」

 

 

 

 

 

 

「う~ん・・・だめだったか・・・。」

 

音痴である自覚のない来人は肩を落とす。

 

「///ま、まあ、そういうこともあるんじゃないかな・・・?」

 

「しっかし・・・そんなひどかったか?」

 

「///う、う~ん・・・ど、どうだろ・・・。」

 

龍可は首を傾げ、なんとかごまかした。

 

「いやぁ、欲しかったなぁ・・・。」

 

「////ま、まあ気を取り直してこ! はい!」

 

買ってきていた食べ物を差し出した。

 

「ん、サンキュ。さて・・・どこで食うかね・・・。」

 

座れる場所はなく、多くの客でにぎわっていた。

 

「・・・屋上行くか。あそこは今なら生徒もあまりいないだろうし。」

 

「////う、うん・・・!」

 

 

 

 

 

 

屋上

 

「おっ、思った通り。てか、誰もいないな。」

 

二人が来た屋上に人の気配はなかった。

 

「よっこいしょっと。」

 

屋上に備え付けのベンチに腰掛けた。

 

「////・・・・。」

 

「? 座んないのか?」

 

「////あ、う、うん・・・!」

 

来人に促され、龍可は隣に座る。

 

「・・・ん、うまいうまい。」

 

「////・・・来人・・・。」

 

「うん?」

 

「///今日・・・楽しかったね。」

 

「・・・そうだな。まあ、疲れもしたけどな。」

 

「///ふふ・・・そっか。」

 

(///・・・あれ・・・これ・・・。)

 

龍可は来人の顔をじっと見る。

 

(////・・・・今なら・・・。)

 

「・・・? 龍可?」

 

「////・・・来人・・・私・・・」

 

ピリリリリ!

 

「////!?」

 

不意に鳴った携帯の着信音に龍可はビクッとなる。

 

「おっと、俺だ。・・・遊星か。ちょっと待って。」

 

来人はポケットから携帯を取り出し、電話に出る。

 

「遊星、どうした? ・・・治安維持局に? ああ、だったら俺も行くわ。牛尾に用があるから。・・・ん、じゃあ、現地集合で。」

 

少し話をしたあと、電話を切った。

 

「ん、悪い悪い。それで、なんか話そうとしてた?」

 

「/////え、あ、う、ううん・・・大丈夫! 何でもないから!」

 

「・・・? そうか。」

 

「////・・・・。」

 

(////きょ、今日はだめだったけど・・・きっと・・・いずれ・・・。)

 

龍可は心の中でひそかに決意した。

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