遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第72話 開幕! WRGP

WRGP予選会場

 

『とうとう始まった第一回WRGP!! フォーチュンカップ以上の興奮が、またネオドミノシティに帰ってきたぁ!!』

 

MCの掛け声で会場は歓声に包まれる。

 

『世界で注目するこの大会は、ネオドミノシティの各会場にて行われるぅ!! そしてここ、フォーチュンカップが行われたメモリアルサーキットでは、予選Aブロックが行われるぅ!! その第一試合は、予選きっての好カード!』

 

モニターにチームユニコーン、チーム5D’sが映し出される。

 

『アトランティックカップを優勝した、チームユニコーン!! ブレオ! アンドレ! ジャンの3人! そしてフォーチュンカップ準優勝、未谷来人! 元キング、ジャック・アトラス! そして十六夜アキの3人によるチーム5D’s!!』

 

客席にはソラ、亨、亘、翔一が見に来ていた。近くの席には龍亞・龍可のクラスメイト、アキの両親の姿もあった。

 

『この大会優勝候補の2チームが初日から激突するとは、いったい誰が想像しただろうかぁ!!』

 

来人、ジャック、アキがDホイールを調整する中、龍亞と龍可がやってきた。

 

「向こうの一番手はアンドレだって。」

 

「一番手はだれにするの? 来人?」

 

「いや、第一走者はジャック。第二走者はアキ。最後が来人だ。」

 

「アンドレはあの時、パワーデッキを使ってきた。それに対抗できるパワーがあるのは、ジャックだけだからね。」

 

「ふん、あの程度のパワーデッキ。俺のレッドデーモンズで粉砕してくれる!」

 

「・・・・・・。」

 

来人は不満げな表情でチームユニコーンのピットを見ていた。

 

「来人? どうかしたの?」

 

「・・・いや、強豪と言われてるチームがわざわざ自分とこの戦略ばらしてきたのがどうも解せなくてな。」

 

 

 

 

 

 

 

時間になり、それぞれの第一走者、ジャック、アンドレはスタート位置に着く。そこにジャンがやってくる。

 

「ん? なんだよ、何か用か?」

 

以前突っかかってきたジャンに対し、クロウは警戒する。

 

「挨拶に来ただけだ。その怪我は残念だったな。」

 

ジャンはクロウのギプスを指さした。

 

「え、ああ・・・。けど俺がいなくても、チーム5D’sは強いぜ!」

 

「わかっているさ。俺は君たちこそがこの大会の最大のライバルだと思っている。決着をつけるときが来たな。」

 

「ああ。今度はお互い持てる力の全てを出し尽くそう・・・!」

 

「もちろんだ。・・・すでにバトルは始まっているがね。」

 

「「・・・!!」」

 

そう言うと、ジャンはピットに戻っていった。

 

「なんだあいつ、今日はやけに冷静じゃねぇか。こないだとは別人みたいだぜ!」

 

「今頃俺たちの強さに気づいたのだろうが、このジャック・アトラスがファーストホイーラーである限り、すでに勝敗は見えている!」

 

「・・・・・・。」

 

(・・・・まさか・・・・。)

 

来人はすでにスタンバイしたジャック、アンドレを見る。

 

「来人、時間だ。戻ろう。」

 

「・・・ああ。」

 

来人たちもピットに戻る。

 

「・・・来人?」

 

龍可は来人の顔を覗き込む。

 

「・・・もしかすると、最悪、元キングは負けるかもな。」

 

「・・・・え?」

 

『注目の対戦が刻々と迫ってきたぁ!! いよいよデュエルが始まるぅ!!』

 

「ついに始まるのね。」

 

「ああ。これが俺たちの、夢への第一歩だ!」

 

「お前と戦えることを楽しみにしていた! 俺とお前のパワーデッキ。どちらが上か決着をつけてやる!」

 

「・・・ふっ。」

 

ジャックの言葉にアンドレは不敵な笑みを浮かべる。

 

「「スピードワールド2、セットオン!!」」

 

『ライディングデュエル・・・アクセラレーション!!』

 

MCの掛け声で、二人は一斉にスタートする。ジャックはスピードを上げ、第一コーナーを取り、先攻を取ろうとする。

 

(秘密兵器を使わせてもらうぜ。)

 

アンドレはハンドルのスイッチを押す。すると、一気にアンドレのDホイールのスピードが上がり、ジャックを追い抜いた。

 

「何!?」

 

「あれは・・・!」

 

「オーバーブーストシステム・・・!!」

 

(ジャック・アトラス・・・悪いがWRGPは個人の戦いじゃない。チームで戦う意味を、お前たちに教えてやるよ。)

 

「ぐ・・・! そこまで先攻が欲しいのなら、貴様にくれてやる!」

 

『さあ、これで先攻後攻は決まったぁ!! いよいよデュエルスタートォ!!』

 

二人はデッキから5枚引き、手札をセットする。

 

「「デュエル!!」」

 

アンドレ LP4000 手札5 SPC0

 

ジャック LP4000 手札5 SPC0

 

「俺のターン!」

 

アンドレ 手札5→6

 

「チューナーモンスター、一角獣の使い魔を召喚!」

 

一角獣の使い魔 DEF1000/レベル2

 

「さらに、手札の魔法カードを1枚除外することで、モノケロースを特殊召喚!」

 

アンドレの《Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム》が黒い穴に吸い込まれ、そこからモノケロースが飛び出してくる。

 

モノケロース DEF1000/レベル3

 

Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム(アニメオリジナル)

通常魔法

自分用スピードカウンターが10個以上ある場合に発動する事ができる。フィールド上に存在する全てのモンスターを破壊する。この効果で破壊し墓地へ送られたモンスター1体につき、そのモンスターのコントローラーは、300ポイントのダメージを受ける。

 

「さっそくシンクロ召喚か!」

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

「!?」

 

「・・・おかしい・・・。」

 

「どうしたの? 遊星。」

 

「なぜ奴はシンクロ召喚をしなかった?」

 

実際、アンドレはレベル5のシンクロモンスターをシンクロ召喚できる状況だった。

 

「確かにそうだけど、ジャックの攻撃力を警戒するなら、2体のモンスターを守備表示にしたって、おかしくないよ。」

 

「何言ってんだ。あいつで警戒されるなら、レッドデーモンズ・ドラゴンだろ。あれは守備表示モンスターを攻撃したら、全ての守備表示モンスターを破壊するんだぞ? それなら、シンクロ召喚しといた方が、まだ防御にはなるだろ。」

 

「確かに・・・じゃあ、あいつの狙いは?」

 

「・・・負けるだろうな、元キング。」

 

「!?」

 

「行くぞ! 俺のターン!」

 

アンドレ SPC0→1

ジャック 手札5→6 SPC0→1

 

「このカードは相手フィールドにのみモンスターが存在するとき、手札から特殊召喚できる! 現れろ、バイス・ドラゴン!」

 

バイス・ドラゴン ATK2000/レベル5

 

「この効果で特殊召喚した場合、攻撃力は半分になる!」

 

バイス・ドラゴン ATK2000→1000

 

「さらにダーク・リゾネーターを召喚!」

 

ダーク・リゾネーター ATK1300/レベル4

 

「レベル5のバイス・ドラゴンにレベル3のダーク・リゾネーターをチューニング! 王者の鼓動、今ここに列を成す! 天地鳴動の力を見るがいい! シンクロ召喚! 我が魂、レッドデーモンズ・ドラゴン!」

 

レッドデーモンズ・ドラゴン ATK3000/レベル8

 

『早くもレッドデーモンズ・ドラゴン召喚! さあ、フォーチュンカップを再現するあの圧倒的パワーを見せてくれぇ!!』

 

「レッドデーモンズ・ドラゴンの攻撃! アブソリュートパワーフォース!!」

 

レッドデーモンズの攻撃が一角獣の使い魔に向かう。

 

(来たな・・・!!)

 

「俺はこの瞬間、一角獣の使い魔の効果を発動! 攻撃対象となったとき、このカードと俺の他のモンスターを除外する!」

 

アンドレの2体のモンスターが現れた黒い穴の中に吸い込まれていった。

 

「な、これで奴の場はがら空きに・・・・・・ !! そうか、奴の狙いは、俺をトラップに嵌めること! ならば・・・!! フィールドの状況が変わったことにより、レッドデーモンズの攻撃を中断する!」

 

「残念だがそれはできない! 一角獣の使い魔の効果で攻撃を中断することはできない!」

 

「何!?」

 

「来い・・・レッドデーモンズ・ドラゴン・・・!!」

 

レッドデーモンズの攻撃がアンドレに襲い掛かろうとする。

 

「ジャック・アトラス! 己のパワーをその身に味わえ! トラップ発動! 異次元のバリア-ロスト・フォース-!」

 

異次元のバリア-ロスト・フォース-(アニメオリジナル)

通常罠

相手のバトルフェイズ中に自分フィールド上に存在するモンスターが戦闘による破壊以外でフィールド上から離れた場合に発動する事ができる。相手の攻撃モンスター1体の攻撃を無効にし、その攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

「自分のモンスターがフィールドを離れたとき、相手モンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力分のダメージを与える!」

 

「ぐああああ!!」

 

ジャック LP4000→1000

 

「ジャック!」

 

「ぐぅ・・・! おのれぇ!! カードを3枚伏せ、ターンエンド!」

 

アンドレ LP4000 手札1 SPC1

【モンスター】

【魔法・罠】

伏せ1

 

ジャック LP1000 手札1 SPC1

【モンスター】

レッドデーモンズ(ATK3000/レベル8)

【魔法・罠】

伏せ3

 

(動揺している隙にたたみかけるぜ・・・!)

 

「俺のターン!」

 

アンドレ 手札1→2 SPC1→2

ジャック SPC1→2

 

「このスタンバイフェイズに、除外した一角獣の使い魔が戻ってくる。」

 

一角獣の使い魔 DEF1000/レベル2

 

「除外したモノケロースを帰還させ、手札の異次元の一角戦士を特殊召喚!」

 

異次元の一角戦士 ATK1800/レベル4

モノケロース DEF1000/レベル3

 

「レベル3のモノケロースにレベル2の一角獣の使い魔をチューニング! 天翔ける雷よ! 猛き烈風と交わりて、幻想の世界より姿を現せ! シンクロ召喚! いななけ! サンダー・ユニコーン!」

 

サンダー・ユニコーン(アニメ効果)

シンクロ・効果モンスター

レベル5/光属性/獣族/ATK2200/DEF1800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力を、自分フィールド上に存在するこのカード以外のモンスターの数×500ポイントダウンさせる。このカードの効果を使用したターン、このカード以外のモンスターは攻撃する事ができない。このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、このカードはそのターンのバトルフェイズ中に表側攻撃表示で自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。この効果で特殊召喚したこのカードは、そのバトルフェイズ終了時にゲームから除外される。

 

「サンダー・ユニコーンはこのカード以外のモンスター1体につき、相手モンスターの攻撃力を500ポイント下げることができる。」

 

「だがその効果を使っても攻撃力は2500! レッドデーモンズの敵ではない!」

 

「おっと、それはこいつの効果を忘れてるぜ。モノケロースの効果発動! 獣族モンスターのシンクロ素材として墓地に送られたとき、使用したチューナーを特殊召喚する! 戻れ! 一角獣の使い魔!」

 

一角獣の使い魔 DEF1000/レベル2

 

「これで、サンダー・ユニコーン以外のモンスターは2体。レッドデーモンズの攻撃力は2000にダウン!」

 

レッドデーモンズ ATK3000→2000

 

「行け! サンダー・ユニコーン! サンダースピアー!!」

 

「ぐあああ!」

 

ジャック LP1000→800

 

「馬鹿な・・・! こうも簡単にレッドデーモンズが破壊されただと・・・?」

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

ピー! ピー!

 

アンドレのターンが終わった時、チーム5D’sのピットではエラー音が鳴っていた。

 

「! 遊星、来人!」

 

「どうした?」

 

画面にはジャックのDホイールの異常を示していた。

 

「エアインテークに何か異物が入ったのかも・・・。どうする? ピットに入れる? スピードカウンターに差が出ちゃうけど・・・。」

 

「こればっかりはしょうがねえな。龍亞、龍可。ピットボード出せ。」

 

ジャックはピットボードの指示を確認する。

 

「!? こんな時にピットインだと!? ふざけるな! 俺はデュエルを続行させる! 俺のターン!!」

 

ジャックは指示を無視し、デュエルを続ける。

 

「あの馬鹿・・・事故っても知らねぇぞ。しっかし・・・。」

 

来人はピットにいるチームユニコーンの面々を見る。

 

「・・・やられたな。」

 

「え?」

 

「来人の言う通りだ。アンドレのデッキはパワーデッキじゃない。明らかにパワー重視のジャックのデッキを対策したデッキだ。」

 

「それじゃあ・・・あの時のデッキは本来のデッキじゃなかったのか!」

 

「向こうはうまくやったな。このままだと・・・。」

 

そして、ターンは進み、ジャックは再びレッドデーモンズを召喚し、サンダー・ユニコーンを破壊した。しかし・・・

 

「トラップ発動! パラレル・セレクト! 除外されている魔法カード1枚を手札に加える! 加えるのは・・・Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム!」

 

「!!」

 

「まずい!!」

 

「俺のターン!」

 

アンドレ 手札1→2 SPC3→4

ジャック SPC3→4

 

「スピードワールド2の効果発動! スピードカウンターを4つ取り除き、手札のスピードスペル1枚につき800ポイントのダメージを与える! ・・・君の負けだよ、ジャック・アトラス!」

 

アンドレ SPC4→0

 

「く・・・ぐああああ!」

 

ジャック LP800→0

 

敗北したジャックのDホイールに異物が挟まり、ホイールがロックされる。

 

「なんだ・・・!? ・・・うぐぅ!?」

 

Dホイールがクラッシュし、ジャックはコースに放り出される。

 

「・・・俺事故るとか言うのやめようかな。」

 

チーム5D’s第一戦は、波乱の展開となった。

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