『なんということだぁーー!! ジャック・アトラス、まさかのクラッーシュ!!』
いきなり目の前で起きた光景に観客は驚きを隠せない。
「やっぱりDホイールに異常が起きてたんだ・・・!」
「ジャック!!」
遊星はジャックのもとに駆けつけようとするが・・・
「来るなぁ!! レース規約を忘れたのか!!」
ジャックはそれを制した。
「レース中のDホイーラーに他者が振れれば、その時点で失格になるのだぞ! 貴様は、自分の持ち場に戻れ!!」
遊星を戻らせると、ジャックは自らのDホイールを起こし始める。
(俺は諦めんぞ・・・! 俺たちの夢を・・・こんなところで・・・!!)
起こしたDホイールを自分の力で押しながらピットへ戻ろうとする。
『不屈の闘志でDホイールを押すジャック・アトラス! だがここで、大きな問題が立ち塞がるぅ!!』
「・・・正直、ギリだな。」
「え? どういうこと?」
「WRGPの規定では周回遅れになるたびに相手チームのスピードカウンターが増えるんだ。」
モニターではアンドレのスピードカウンターが12に増える。
「相手のスピードカウンターが12になれば、今度は俺たちのスピードカウンターが減っていく。」
「え、でも、あと4つしかないよ? 0になったらどうなるの?」
「スピードカウンターが0になった時点で、俺らの負けだ。」
「「そんなぁ!!」」
「・・・十六夜、スタンバイしとけ。」
「! え、えぇ・・・。」
アキはスタンバイ位置でDホイールに乗る。
「・・・・遊星、ちょっと。」
「ん?」
来人は何かを思いつき、その策を遊星に耳打ちした。
「・・・! なるほど、わかった。やってみよう。」
その後、ジャックはなんとかアキにバトンタッチし、アキのDホイールは走り出した。
「十六夜・・・来人・・・後は、頼んだ・・・ぞ・・・。」
なんとかたどり着いたジャックは気を失ってしまう。
「あ? ちょ、おい!」
ジャックを病室に送ると、アキとアンドレのデュエルが進んでいく。そして、アキはある秘策を放つ。
アキ LP1800 手札3 SPC3
【モンスター】
ブラックローズ・ドラゴン(ATK2400/レベル1)
星蝕トークン(ATK0/レベル7)
グローアップ・バルブ(ATK100/レベル1)
【魔法・罠】
アンドレ LP1500 手札1 SPC12
【モンスター】
サンダー・ユニコーン(ATK2200/レベル5)
【魔法・罠】
伏せ1
「レベル7の星蝕トークンにレベル1のグローアップ・バルブをチューニング! 集いし願いが、新たに輝く星となる!」
「何!?」
「光さす道となれ! シンクロ召喚! 飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」
スターダスト・ドラゴン ATK2500/レベル8
「スターダスト・ドラゴンだと!?」
遊星はアキのスタート前、自分のエースモンスター、スターダスト・ドラゴンを渡していた。これは来人の秘策だった。しかし、その後、アンドレは2体のモンスターを倒し、アキのライフを800までに追い込んだ。
(アンドレのターン)
アキ LP800 手札1 SPC5
【モンスター】
【魔法・罠】
伏せ1
アンドレ LP1500 手札1(Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム) SPC12
【モンスター】
サンダー・ユニコーン(ATK2200/レベル5)
【魔法・罠】
「俺は、スピードワールド2の効果発動! スピードカウンターを4つ取り除き、手札のスピードスペル1枚につき、800ポイントのダメージを与える!」
アンドレ SPC12→8
「トラップ発動! ウィキッド・リボーン!」
「な!?」
「私は800ポイントのライフを払い、墓地のシンクロモンスターを効果を無効にして、特殊召喚する! フィールドに舞い戻れ! スターダスト・ドラゴン!!」
アキ LP800→0
スターダスト・ドラゴン ATK2500/レベル8
『なんという結末!! 十六夜アキ、自滅でフィールドを去ったぁ!!』
(自滅なんかじゃない・・・俺のスピードカウンターを消費させ、スターダスト・ドラゴンを未谷来人に託したか・・・。十六夜アキ。その心意気は見事だぜ!)
敗北したアキはピットに戻る。
「ごめんなさい・・・私、何もできなかった・・・。」
「なぁに、気にするな。あの馬鹿のやらかし分くらいは仕事したって。後は任せな。」
カードを引き継ぎ、来人はにやりと笑うとコースへ走り出した。
『しかし、なんということでしょう! 接戦と思われたこのデュエル、チームユニコーンが圧倒的有利! チーム5D’sが逆転するためには、ラストホイーラー、未谷来人による三人抜きが必要となったぁーーー!!』
「来人ー! 頑張れー!」
観客席のソラたちの応援が聞こえる。
「ったく、不用意にラストホイーラーなんて引き受けるんじゃなかったなぁ・・・。」
MCの言葉に来人は深くため息をつく。
「随分浮かない顔だな。」
「いやぁ、でかい口叩いてきたもんで、こっからどうするかなっと・・・。」
「だが、このままだと、俺たちの勝ちだ。」
「・・・まあ、簡単にはやらせねぇよ?」
(やれやれ・・・三人相手すると、しんどいな・・・。)
「行くぞ!!」
「「デュエル!!」」
来人 LP4000 手札5 SPC5
【モンスター】
スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)
【魔法・罠】
ウィキッド・リボーン(スターダスト・ドラゴン)
アンドレ LP1500 手札1(Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム)SPC8
【モンスター】
サンダー・ユニコーン(ATK2200/レベル5)
【魔法・罠】
「俺のターン!」
来人 手札5→6 SPC5→6
アンドレ SPC8→9
「チューナーモンスター、SR
SR
「このカードが召喚に成功した時、このカード以外の風属性モンスターの数までデッキからカードをめくり、その中の1枚を手札に加える! 俺のフィールドにはスターダスト・ドラゴンがいる! よってデッキの一番上のカードを加える!」
めくられたカード
《SRタケトンボーグ》
「タケトンボーグを加え、そのまま特殊召喚!」
SRタケトンボーグ DEF1200/レベル3
「風属性モンスターがいるとき、1ターンに1度、手札から特殊召喚できる! レベル3のタケトンボーグにレベル4の吹持童子をチューニング! その美しき輝ける翼で、我が道を阻む敵を蹴散らせ! シンクロ召喚! 輝け、クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK2500/レベル7
『来人のフィールドにスターダスト・ドラゴン、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンが並んだぁ!! フォーチュンカップで激突した2体がそろい踏みだぁ!!』
「クリアウィングでサンダー・ユニコーンを攻撃! 旋風のヘルダイブスラッシャー!」
「く・・・!」
アンドレ LP1500→1200
「これでダイレクトアタックを決めれば、来人の勝ちだ!」
「チーム5D’s、初勝利ね!」
「スターダスト・ドラゴンでダイレクトアタック! シューティングソニック!」
「サンダー・ユニコーンの効果発動! 破壊されたターンのバトルフェイズに攻撃表示で特殊召喚できる!」
サンダー・ユニコーン ATK2200/レベル5
「ちっ! そのままやれ! スターダスト!」
「ぐ・・・!」
アンドレ LP1200→900
「ターンエンド!」
「俺のターン!」
来人 SPC6→7
アンドレ 手札1→2 SPC9→10
「アンドレのスピードカウンターが大台に乗った・・・!」
「アンドレの奴、ここであの切り札を使ってくるか!?」
(今、奴の手札にはジ・エンド・オブ・ストームがある。あれで破壊しに来るか? だとしてもスターダスト・ドラゴンは効果を発動できる。どう来る?)
「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!」
来人 LP4000 手札5 SPC7
【モンスター】
スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)
クリアウィング(ATK2500/レベル7)
【魔法・罠】
アンドレ LP900 手札0 SPC10
【モンスター】
【魔法・罠】
伏せ2(1枚Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム)
「何?」
『おおっと、意外や意外! アンドレはカードを2枚伏せただけで、ターンを終了してしまったぁ!』
「チャンスよ、来人!」
「このままダイレクトアタックで・・・」
「いや、これは・・・!」
「おそらく、奴はジ・エンド・オブ・ストームを次の仲間に託すため、あえてセットしておいたんだろう。」
(・・・って、普通なら考えるところだが・・・。)
アンドレのセットした2枚のカードを見る。
(ここに来てそんなわかりやすい作戦やるか? 可能性があるとすれば、ジ・エンド・オブ・ストームは囮で、本命は一緒に伏せた伏せカードを引き継がせることか・・・?)
「どうした? ターンを進めないのか?」
(・・・まあいいっか。どのみち破壊するカードはない。ドローして考えよう。)
「俺のターン!」
来人 手札5→6 SPC7→8
アンドレ SPC10→11
「・・・!」
(Sp-ナイト・ショット・・・!)
Sp-ナイト・ショット(オリジナル)
通常魔法
自分のスピードカウンターが4つ以上ある場合、相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。セットされたそのカードを破壊する。このカードの発動に対して相手は対象のカードを発動できない。
(これで伏せカードは破壊できるが、1枚だけ・・・博打と行きますか・・・!)
「Sp-ナイト・ショットを発動! 相手のセットカード1枚を破壊する! 俺が破壊するのは・・・・・・右側の伏せカードだ!」
《Sp-ナイト・ショット》のカードから黒い光線が放たれ、アンドレの伏せカードを貫いた。破壊されたのは《Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム》だった。
「よっしゃ! これで次の走者に引き継がれないぜ!」
「・・・ふっ、グラシアス! そっちを破壊してくれてよかったよ!」
「ちっ、やっぱあれはブラフか・・・!」
「半分正解だ。なかなか面白いデュエルだが、ここで潮時のようだ。チームユニコーン先鋒として、最後の仕事だ! トラップ発動! マジック・マイン!」
「なんだと!?」
マジック・マイン(アニメオリジナル)
通常罠
自分フィールド上に存在する魔法カードが相手カードの効果によって破壊された時、お互いのライフに2000ポイントダメージを与える。
「自分の魔法カードが破壊されたとき、互いのプレイヤーに2000ポイントのダメージを与える!」
アンドレ LP900→0
来人 LP4000→2000
WINNER 来人
LOSER アンドレ
「ぐあああ!」
「アンドレの狙いは、来人に伏せカードを破壊されることだったのね・・・!」
「遊星や来人の読みより上をいくとはな・・・しかも、アンドレのライフが0になったことで、強制的にターンが終了された!」
「すごい・・・アンドレ一人で僕たちから、10000ポイントものライフを奪っていった・・・!」
デュエルを終えたアンドレはピットに戻る。
「わかっているとは思うがブレオ、一人で決めようとするな?」
「フォア・ザ・チームだろ? わかってるって、ジャン!」
次の走者、ブレオがコースへ走り出した。
「まずまずだったな、アンドレ。」
「まずまず? あんだけやったってのにそれはないだろ。」
「お前ならあのくらいやって当然だ。」
「ったく・・・お前の理想は高すぎるんだよ、ジャン。」
コースを走るブレオは多くの観客のいるスタジアム全体を見る。
「しっかしアンドレの奴、この大歓声の中、よくあんなアグレッシブなデュエルができたもんだぜ。やっぱ本物の天才は違うってか?」
自分の前方を走る来人の姿を見る。
「・・・っと、集中集中・・・! 自分の役割をしっかりこなさなくちゃな。」
「さぁて・・・どんな手で来るか、見せてもらおうか!」
「「デュエル!!」
ブレオ LP4000 手札5 SPC11
【モンスター】
【魔法・罠】
来人 LP2000 手札5 SPC8
【モンスター】
スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)
クリアウィング(ATK2500/レベル7)
【魔法・罠】
ウィキッド・リボーン(スターダスト・ドラゴン)
「俺のターン!」
ブレオ 手札5→6 SPC11→12
来人 SPC8→9
「俺は二角獣レームを守備表示で召喚!」
二角獣レーム DEF1600/レベル4
「カードを2枚伏せ、ターンエンド!」
「?」
「守りを固めただけ?」
「ねえ、あのブレオって人、どんなデッキを使うの?」
「・・・わからない。彼に関しては、ほとんどデータがないんだ。」
「なんでないのさ! ちゃんと調べないとだめじゃん!」
「無茶言わないでよ・・・! チームユニコーンはこれまで、ほとんどアンドレが戦って、ほかの二人は試合にすら出てないんだ・・・!」
ブルーノは画面にアンドレの30人抜きのニュース記事を映し出す。
「うそ・・・!?」
「・・・俺のターン!」
来人 手札5→6 SPC9→10
「よし、これで来人のスピードカウンターも大台に乗った・・・! 向こうの一方的な展開にならないはずだ。」
「・・・・。」
(ライフは残り2000・・・下手に攻撃するべきか・・・? 今、スピードカウンターは10ある。これであのモンスターを・・・いや、ここは温存だな。)
「墓地のタケトンボーグをゲームから除外し、シルフィードを特殊召喚!」
シルフィード ATK1700/レベル4
「このカードは墓地から風属性モンスターを除外することで、特殊召喚できる! シルフィードで二角獣レームを攻撃!」
「データ通りだ! カウンタートラップ、攻撃の無力化!」
攻撃を防がれ、バトルフェイズが終了させられる。
「・・・1枚カードを伏せて、ターンエンド!」
ブレオ LP4000 手札3 SPC12
【モンスター】
二角獣レーム(DEF1600/レベル4)
【魔法・罠】
伏せ1
来人 LP2000 手札5 SPC10
【モンスター】
スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)
クリアウィング(ATK2500/レベル7)
シルフィード(ATK1700/レベル4)
【魔法・罠】
ウィキッド・リボーン(スターダスト・ドラゴン)
伏せ1
「俺のターン!」
ブレオ 手札3→4
来人 SPC10→11
「チューナーモンスター、チューン・ホースを召喚!」
チューン・ホース(オリジナル)
チューナー(効果モンスター)
レベル3/地属性/獣族/ATK1100/DEF0
①:このカードが獣族モンスターのS召喚の素材として墓地へ送られた場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする。②:自分メインフェイズに墓地のこのカードと獣族モンスター1体を除外して発動できる。デッキからカードを1枚ドローする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
「チューナー・・・来るか!」
「レベル4の二角獣レームにレベル3のチューン・ホースをチューニング! 天駆ける雷よ! 雲海を切り裂き、その蹄を地上に穿て! シンクロ召喚! 轟け、ボルテック・バイコーン!」
ボルテック・バイコーン ATK2500/レベル7
「二角獣レームの効果発動! シンクロ召喚の素材として墓地に送られたとき、相手のデッキからカードを2枚墓地に送る!」
「・・・・。」
「さらにチューン・ホースの効果により、カードを1枚ドローする!」
ブレオ 手札3→4
(攻撃力2500・・・スターダスト、クリアウィングと相打ちを狙えるが・・・。)
「スピードワールド2の効果発動! スピードカウンターを10取り除くことで、フィールドのカードを破壊する!」
「来たか! だが、スターダストの効果で・・・」
「俺が破壊するのは・・・ボルテック・バイコーン!!」
「そう・・・何!?」
ブレオ SPC12→2
「あいつ・・・自分で自分のモンスターを破壊しやがった!!」
「ボルテック・バイコーンが破壊されたとき、互いのプレイヤーはデッキからカードを7枚墓地に送る!」
「今度は7枚かよ・・・・・・ !! まさか、こいつ・・・!!」
「!! 奴の目的は・・・・デッキ破壊!!」