遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第73話 追い詰められたチーム5D’s

『なんということだぁーー!! ジャック・アトラス、まさかのクラッーシュ!!』

 

いきなり目の前で起きた光景に観客は驚きを隠せない。

 

「やっぱりDホイールに異常が起きてたんだ・・・!」

 

「ジャック!!」

 

遊星はジャックのもとに駆けつけようとするが・・・

 

「来るなぁ!! レース規約を忘れたのか!!」

 

ジャックはそれを制した。

 

「レース中のDホイーラーに他者が振れれば、その時点で失格になるのだぞ! 貴様は、自分の持ち場に戻れ!!」

 

遊星を戻らせると、ジャックは自らのDホイールを起こし始める。

 

(俺は諦めんぞ・・・! 俺たちの夢を・・・こんなところで・・・!!)

 

起こしたDホイールを自分の力で押しながらピットへ戻ろうとする。

 

『不屈の闘志でDホイールを押すジャック・アトラス! だがここで、大きな問題が立ち塞がるぅ!!』

 

「・・・正直、ギリだな。」

 

「え? どういうこと?」

 

「WRGPの規定では周回遅れになるたびに相手チームのスピードカウンターが増えるんだ。」

 

モニターではアンドレのスピードカウンターが12に増える。

 

「相手のスピードカウンターが12になれば、今度は俺たちのスピードカウンターが減っていく。」

 

「え、でも、あと4つしかないよ? 0になったらどうなるの?」

 

「スピードカウンターが0になった時点で、俺らの負けだ。」

 

「「そんなぁ!!」」

 

「・・・十六夜、スタンバイしとけ。」

 

「! え、えぇ・・・。」

 

アキはスタンバイ位置でDホイールに乗る。

 

「・・・・遊星、ちょっと。」

 

「ん?」

 

来人は何かを思いつき、その策を遊星に耳打ちした。

 

「・・・! なるほど、わかった。やってみよう。」

 

その後、ジャックはなんとかアキにバトンタッチし、アキのDホイールは走り出した。

 

「十六夜・・・来人・・・後は、頼んだ・・・ぞ・・・。」

 

なんとかたどり着いたジャックは気を失ってしまう。

 

「あ? ちょ、おい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャックを病室に送ると、アキとアンドレのデュエルが進んでいく。そして、アキはある秘策を放つ。

 

アキ LP1800 手札3 SPC3

【モンスター】

ブラックローズ・ドラゴン(ATK2400/レベル1)

星蝕トークン(ATK0/レベル7)

グローアップ・バルブ(ATK100/レベル1)

【魔法・罠】

 

アンドレ LP1500 手札1 SPC12

【モンスター】

サンダー・ユニコーン(ATK2200/レベル5)

【魔法・罠】

伏せ1

 

「レベル7の星蝕トークンにレベル1のグローアップ・バルブをチューニング! 集いし願いが、新たに輝く星となる!」

 

「何!?」

 

「光さす道となれ! シンクロ召喚! 飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン ATK2500/レベル8

 

「スターダスト・ドラゴンだと!?」

 

遊星はアキのスタート前、自分のエースモンスター、スターダスト・ドラゴンを渡していた。これは来人の秘策だった。しかし、その後、アンドレは2体のモンスターを倒し、アキのライフを800までに追い込んだ。

 

(アンドレのターン)

 

アキ LP800 手札1 SPC5

【モンスター】

【魔法・罠】

伏せ1

 

アンドレ LP1500 手札1(Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム) SPC12

【モンスター】

サンダー・ユニコーン(ATK2200/レベル5)

【魔法・罠】

 

「俺は、スピードワールド2の効果発動! スピードカウンターを4つ取り除き、手札のスピードスペル1枚につき、800ポイントのダメージを与える!」

 

アンドレ SPC12→8

 

「トラップ発動! ウィキッド・リボーン!」

 

「な!?」

 

「私は800ポイントのライフを払い、墓地のシンクロモンスターを効果を無効にして、特殊召喚する! フィールドに舞い戻れ! スターダスト・ドラゴン!!」

 

アキ LP800→0

 

スターダスト・ドラゴン ATK2500/レベル8

 

『なんという結末!! 十六夜アキ、自滅でフィールドを去ったぁ!!』

 

(自滅なんかじゃない・・・俺のスピードカウンターを消費させ、スターダスト・ドラゴンを未谷来人に託したか・・・。十六夜アキ。その心意気は見事だぜ!)

 

敗北したアキはピットに戻る。

 

「ごめんなさい・・・私、何もできなかった・・・。」

 

「なぁに、気にするな。あの馬鹿のやらかし分くらいは仕事したって。後は任せな。」

 

カードを引き継ぎ、来人はにやりと笑うとコースへ走り出した。

 

『しかし、なんということでしょう! 接戦と思われたこのデュエル、チームユニコーンが圧倒的有利! チーム5D’sが逆転するためには、ラストホイーラー、未谷来人による三人抜きが必要となったぁーーー!!』

 

「来人ー! 頑張れー!」

 

観客席のソラたちの応援が聞こえる。

 

「ったく、不用意にラストホイーラーなんて引き受けるんじゃなかったなぁ・・・。」

 

MCの言葉に来人は深くため息をつく。

 

「随分浮かない顔だな。」

 

「いやぁ、でかい口叩いてきたもんで、こっからどうするかなっと・・・。」

 

「だが、このままだと、俺たちの勝ちだ。」

 

「・・・まあ、簡単にはやらせねぇよ?」

 

(やれやれ・・・三人相手すると、しんどいな・・・。)

 

「行くぞ!!」

 

「「デュエル!!」」

 

来人 LP4000 手札5 SPC5

【モンスター】

スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)

【魔法・罠】

ウィキッド・リボーン(スターダスト・ドラゴン)

 

アンドレ LP1500 手札1(Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム)SPC8

【モンスター】

サンダー・ユニコーン(ATK2200/レベル5)

【魔法・罠】

 

「俺のターン!」

 

来人 手札5→6 SPC5→6

アンドレ SPC8→9

 

「チューナーモンスター、SR吹持童子(ふきもどうじ)を召喚!」

 

SR吹持童子(ふきもどうじ) ATK1000/レベル4

 

「このカードが召喚に成功した時、このカード以外の風属性モンスターの数までデッキからカードをめくり、その中の1枚を手札に加える! 俺のフィールドにはスターダスト・ドラゴンがいる! よってデッキの一番上のカードを加える!」

 

めくられたカード

《SRタケトンボーグ》

 

「タケトンボーグを加え、そのまま特殊召喚!」

 

SRタケトンボーグ DEF1200/レベル3

 

「風属性モンスターがいるとき、1ターンに1度、手札から特殊召喚できる! レベル3のタケトンボーグにレベル4の吹持童子をチューニング! その美しき輝ける翼で、我が道を阻む敵を蹴散らせ! シンクロ召喚! 輝け、クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK2500/レベル7

 

『来人のフィールドにスターダスト・ドラゴン、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンが並んだぁ!! フォーチュンカップで激突した2体がそろい踏みだぁ!!』

 

「クリアウィングでサンダー・ユニコーンを攻撃! 旋風のヘルダイブスラッシャー!」

 

「く・・・!」

 

アンドレ LP1500→1200

 

「これでダイレクトアタックを決めれば、来人の勝ちだ!」

 

「チーム5D’s、初勝利ね!」

 

「スターダスト・ドラゴンでダイレクトアタック! シューティングソニック!」

 

「サンダー・ユニコーンの効果発動! 破壊されたターンのバトルフェイズに攻撃表示で特殊召喚できる!」

 

サンダー・ユニコーン ATK2200/レベル5

 

「ちっ! そのままやれ! スターダスト!」

 

「ぐ・・・!」

 

アンドレ LP1200→900

 

「ターンエンド!」

 

「俺のターン!」

 

来人 SPC6→7

アンドレ 手札1→2 SPC9→10

 

「アンドレのスピードカウンターが大台に乗った・・・!」

 

「アンドレの奴、ここであの切り札を使ってくるか!?」

 

(今、奴の手札にはジ・エンド・オブ・ストームがある。あれで破壊しに来るか? だとしてもスターダスト・ドラゴンは効果を発動できる。どう来る?)

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

来人 LP4000 手札5 SPC7

【モンスター】

スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)

クリアウィング(ATK2500/レベル7)

【魔法・罠】

 

アンドレ LP900 手札0 SPC10

【モンスター】

【魔法・罠】

伏せ2(1枚Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム)

 

「何?」

 

『おおっと、意外や意外! アンドレはカードを2枚伏せただけで、ターンを終了してしまったぁ!』

 

「チャンスよ、来人!」

 

「このままダイレクトアタックで・・・」

 

「いや、これは・・・!」

 

「おそらく、奴はジ・エンド・オブ・ストームを次の仲間に託すため、あえてセットしておいたんだろう。」

 

(・・・って、普通なら考えるところだが・・・。)

 

アンドレのセットした2枚のカードを見る。

 

(ここに来てそんなわかりやすい作戦やるか? 可能性があるとすれば、ジ・エンド・オブ・ストームは囮で、本命は一緒に伏せた伏せカードを引き継がせることか・・・?)

 

「どうした? ターンを進めないのか?」

 

(・・・まあいいっか。どのみち破壊するカードはない。ドローして考えよう。)

 

「俺のターン!」

 

来人 手札5→6 SPC7→8

アンドレ SPC10→11

 

「・・・!」

 

(Sp-ナイト・ショット・・・!)

 

Sp-ナイト・ショット(オリジナル)

通常魔法

自分のスピードカウンターが4つ以上ある場合、相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。セットされたそのカードを破壊する。このカードの発動に対して相手は対象のカードを発動できない。

 

(これで伏せカードは破壊できるが、1枚だけ・・・博打と行きますか・・・!)

 

「Sp-ナイト・ショットを発動! 相手のセットカード1枚を破壊する! 俺が破壊するのは・・・・・・右側の伏せカードだ!」

 

《Sp-ナイト・ショット》のカードから黒い光線が放たれ、アンドレの伏せカードを貫いた。破壊されたのは《Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム》だった。

 

「よっしゃ! これで次の走者に引き継がれないぜ!」

 

「・・・ふっ、グラシアス! そっちを破壊してくれてよかったよ!」

 

「ちっ、やっぱあれはブラフか・・・!」

 

「半分正解だ。なかなか面白いデュエルだが、ここで潮時のようだ。チームユニコーン先鋒として、最後の仕事だ! トラップ発動! マジック・マイン!」

 

「なんだと!?」

 

マジック・マイン(アニメオリジナル)

通常罠

自分フィールド上に存在する魔法カードが相手カードの効果によって破壊された時、お互いのライフに2000ポイントダメージを与える。

 

「自分の魔法カードが破壊されたとき、互いのプレイヤーに2000ポイントのダメージを与える!」

 

アンドレ LP900→0

来人 LP4000→2000

 

WINNER 来人

LOSER アンドレ

 

「ぐあああ!」

 

「アンドレの狙いは、来人に伏せカードを破壊されることだったのね・・・!」

 

「遊星や来人の読みより上をいくとはな・・・しかも、アンドレのライフが0になったことで、強制的にターンが終了された!」

 

「すごい・・・アンドレ一人で僕たちから、10000ポイントものライフを奪っていった・・・!」

 

デュエルを終えたアンドレはピットに戻る。

 

「わかっているとは思うがブレオ、一人で決めようとするな?」

 

「フォア・ザ・チームだろ? わかってるって、ジャン!」

 

次の走者、ブレオがコースへ走り出した。

 

「まずまずだったな、アンドレ。」

 

「まずまず? あんだけやったってのにそれはないだろ。」

 

「お前ならあのくらいやって当然だ。」

 

「ったく・・・お前の理想は高すぎるんだよ、ジャン。」

 

コースを走るブレオは多くの観客のいるスタジアム全体を見る。

 

「しっかしアンドレの奴、この大歓声の中、よくあんなアグレッシブなデュエルができたもんだぜ。やっぱ本物の天才は違うってか?」

 

自分の前方を走る来人の姿を見る。

 

「・・・っと、集中集中・・・! 自分の役割をしっかりこなさなくちゃな。」

 

「さぁて・・・どんな手で来るか、見せてもらおうか!」

 

「「デュエル!!」

 

ブレオ LP4000 手札5 SPC11

【モンスター】

【魔法・罠】

 

来人 LP2000 手札5 SPC8

【モンスター】

スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)

クリアウィング(ATK2500/レベル7)

【魔法・罠】

ウィキッド・リボーン(スターダスト・ドラゴン)

 

「俺のターン!」

 

ブレオ 手札5→6 SPC11→12

来人 SPC8→9

 

「俺は二角獣レームを守備表示で召喚!」

 

二角獣レーム DEF1600/レベル4

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

「?」

 

「守りを固めただけ?」

 

「ねえ、あのブレオって人、どんなデッキを使うの?」

 

「・・・わからない。彼に関しては、ほとんどデータがないんだ。」

 

「なんでないのさ! ちゃんと調べないとだめじゃん!」

 

「無茶言わないでよ・・・! チームユニコーンはこれまで、ほとんどアンドレが戦って、ほかの二人は試合にすら出てないんだ・・・!」

 

ブルーノは画面にアンドレの30人抜きのニュース記事を映し出す。

 

「うそ・・・!?」

 

「・・・俺のターン!」

 

来人 手札5→6 SPC9→10

 

「よし、これで来人のスピードカウンターも大台に乗った・・・! 向こうの一方的な展開にならないはずだ。」

 

「・・・・。」

 

(ライフは残り2000・・・下手に攻撃するべきか・・・? 今、スピードカウンターは10ある。これであのモンスターを・・・いや、ここは温存だな。)

 

「墓地のタケトンボーグをゲームから除外し、シルフィードを特殊召喚!」

 

シルフィード ATK1700/レベル4

 

「このカードは墓地から風属性モンスターを除外することで、特殊召喚できる! シルフィードで二角獣レームを攻撃!」

 

「データ通りだ! カウンタートラップ、攻撃の無力化!」

 

攻撃を防がれ、バトルフェイズが終了させられる。

 

「・・・1枚カードを伏せて、ターンエンド!」

 

ブレオ LP4000 手札3 SPC12

【モンスター】

二角獣レーム(DEF1600/レベル4)

【魔法・罠】

伏せ1

 

来人 LP2000 手札5 SPC10

【モンスター】

スターダスト・ドラゴン(ATK2500/レベル8)

クリアウィング(ATK2500/レベル7)

シルフィード(ATK1700/レベル4)

【魔法・罠】

ウィキッド・リボーン(スターダスト・ドラゴン)

伏せ1

 

「俺のターン!」

 

ブレオ 手札3→4

来人 SPC10→11

 

「チューナーモンスター、チューン・ホースを召喚!」

 

チューン・ホース(オリジナル)

チューナー(効果モンスター)

レベル3/地属性/獣族/ATK1100/DEF0

①:このカードが獣族モンスターのS召喚の素材として墓地へ送られた場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする。②:自分メインフェイズに墓地のこのカードと獣族モンスター1体を除外して発動できる。デッキからカードを1枚ドローする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

「チューナー・・・来るか!」

 

「レベル4の二角獣レームにレベル3のチューン・ホースをチューニング! 天駆ける雷よ! 雲海を切り裂き、その蹄を地上に穿て! シンクロ召喚! 轟け、ボルテック・バイコーン!」

 

ボルテック・バイコーン ATK2500/レベル7

 

「二角獣レームの効果発動! シンクロ召喚の素材として墓地に送られたとき、相手のデッキからカードを2枚墓地に送る!」

 

「・・・・。」

 

「さらにチューン・ホースの効果により、カードを1枚ドローする!」

 

ブレオ 手札3→4

 

(攻撃力2500・・・スターダスト、クリアウィングと相打ちを狙えるが・・・。)

 

「スピードワールド2の効果発動! スピードカウンターを10取り除くことで、フィールドのカードを破壊する!」

 

「来たか! だが、スターダストの効果で・・・」

 

「俺が破壊するのは・・・ボルテック・バイコーン!!」

 

「そう・・・何!?」

 

ブレオ SPC12→2

 

「あいつ・・・自分で自分のモンスターを破壊しやがった!!」

 

「ボルテック・バイコーンが破壊されたとき、互いのプレイヤーはデッキからカードを7枚墓地に送る!」

 

「今度は7枚かよ・・・・・・ !! まさか、こいつ・・・!!」

 

「!! 奴の目的は・・・・デッキ破壊!!」

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