遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第76話 誓い

「「「「・・・・・・・・」」」」

 

衝撃的な決着に、会場は静寂に包まれている。

 

「・・・・え・・・これって・・・?」

 

「・・・ああ・・・。」

 

「・・・俺たちの勝ちだ!!」

 

「「!! ・・・や、やったぁ!!」」

 

チーム5D’sは喜びに包まれ、会場は大きな歓声をあげた。

 

『何ということだぁー!! 12000のライフを削り、激戦に次ぐ激戦を潜り抜け、最後までコースに立っていたのは・・・チーム5D’s!! 未谷来人ー!!』

 

観客からさらなる歓声が上がる。

 

『まさか!! まさかの!! 奇跡の逆転勝利をつかみ取ったぁ!!』

 

「はぁ・・・はぁ・・・! くそ、二度とラストホイーラーなんてやらねぇ・・・!」

 

そうつぶやき、スポットライトに当てられた来人はDホイールを停めた。

 

「来人~!」

 

Dホイールから降りた来人に龍亞が抱き着いた。

 

「来人!」

 

龍亞に続く形で龍可も抱き着いた。

 

「・・・・!」

 

来人はバランスを崩し、地面に倒れこんだ。

 

「ら、来人!?」

 

「あぁ~・・・疲れた・・・・・。」

 

「おいおい、大丈夫かよ。来人。」

 

「何とか・・・。」

 

来人が労われているところに、ジャンがやってくる。

 

「俺たちはこの試合のために万策を尽くしてきた。そして、アンドレもブレオも勝利のために全力を尽くして戦ってくれた。だが俺は最後の最後で読み違えた。お前の策が、俺の策を上回った。これはチームユニコーンの負けじゃない。俺の負けだ。」

 

「なーにかっこつけてんだよ、ジャン。」

 

アンドレとブレオがやってくる。

 

「アンドレ・・・ブレオ・・・。すまない。俺は、お前たちの努力を無駄にした・・・。」

 

「無駄なものか。このデュエルで全力を尽くして戦った。互いに全力を尽くすデュエル・・・そう簡単にできるもんじゃない。」

 

「・・・ふっ、どうりで負けたのに清々しい気持ちだったわけだ・・・。」

 

ジャンは来人に向かって、手を差し出す。

 

「ありがとう、未谷来人。このデュエルは、一生忘れることはないだろう。」

 

「・・・そりゃ、どうも。」

 

来人はゆっくりと立ち上がり、握手を交わす。

 

「忘れないというのなら、俺たちもだ。」

 

遊星たちもやってくる。

 

「今回は、貴様たちの作戦にまんまと引っかかったが、次はそうは行かんぞ!」

 

「私だって、もっと強くなってみせる!」

 

「その想いは俺たちだって同じさ。次に対戦するときは、必ず勝たせてもらう。」

 

「ああ! その時はまた、全力で戦おう!」

 

「必ず決勝で会おう、チーム5D’s!」

 

「「「「「「決勝で、必ず!!」」」」」」

 

それぞれのチームが来人とジャンの握手の上に手を重ねる。そして、決勝での再戦を誓った。こうして、チーム5D’sの初戦を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガレージ

 

「それでは、チーム5D’s・・・初陣の勝利を祝し、乾杯!」

 

「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」

 

試合の勝利を祝い、ジャックが乾杯の音頭を取る。

 

「はぁ~・・・! いやぁ~ジャックとアキ姉ちゃんが負けたときは、ほんとにハラハラしたよ~!」

 

コップのジュースを一気に飲み干した龍亞が思わず試合中の心境を漏らした。

 

「龍亞! 貴様、何が言いたい! 祝いの席でこの俺に喧嘩を売る気か!?」

 

「い、いやぁ、俺は別に・・・。」

 

「ったく、そうギャアギャア言うなっての。全部本当のことだろ。」

 

来人はジャックの肩をなだめるように叩く。

 

「何を~!!」

 

「大体な、お前らはもうちょっと俺という存在に感謝しろよ? 本当に。特にお前だ、元キング。」

 

「偉そうに! 手が震えると言って、ピットに泣きついたことを忘れたとは言わせんぞ!」

 

「ほぉ~? 相手の作戦にまんまと嵌って、あっさり負けた挙句クラッシュした奴が随分でかい口叩けたもんだ。なあ、十六夜。お前も言ってやれ。」

 

「あ、あれは私が未熟だったからで・・・。」

 

来人とジャックの言い合いは段々ヒートアップしていく。

 

「結局こうなっちゃうんだもんな~・・・。」

 

「龍亞が余計なこと言うからよ。」

 

そんな様子を遊星とブルーノは見ていた。

 

「まったくみんな仲がいいんだか悪いんだか・・・。」

 

「今は浮かれてもいいさ。この一勝のために全力を尽くしたんだ。」

 

「おめでたいわね。チーム5D’sは一勝しただけで、もうお祭り騒ぎ?」

 

騒いでいる中、シェリーが現れる。

 

「あんときの・・・そっちはそっちでまた随分と偉そうに・・・。」

 

来人はシェリーの様子を見て、ため息をつく。

 

「その様子じゃ、復讐諦める気はさらさらないようだな。」

 

「当然でしょ?」

 

「ま、ここまでわざわざ来たんだ。そっちも勝ったんだろ? WRGP。」

 

「ええ。ミゾグチと二人で戦う羽目になったけどね。」

 

シェリーの言葉を聞き、ブルーノは試合結果を調べた。

 

「・・・! シェリー! 君一人で三人抜きをしたのか・・・!?」

 

「大した相手じゃなかったわ。この大会を勝ち続ければ、いずれ奴らから近づいてくる。そう信じている。・・・また会いましょう。」

 

そう言い残し、シェリーは去っていった。

 

「・・・・・・・。」

 

来人は小さい声で何かをつぶやいた。

 

「? 来人? 何か言った?」

 

「・・・・いや? 何も?」

 

(・・・その復讐心、いつまで続くかね・・・シェリー・・・。)

 

来人は同じことを心の中でもつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

デュエルアカデミア

 

授業を終えた生徒たちは帰り支度を始めていた。

 

「そういや、もう次の試合始まってるか・・・。」

 

携帯を取り出し、来人はチームユニコーンとチームカタストロフの試合を確認した。

 

「・・・? もう終わったのか? ・・・・・・!!」

 

来人はチームユニコーンの勝利を予想していた。だが、画面に映された結果は大きく異なっていた。アンドレ、ジャンの立て続けのクラッシュでチームカタストロフの勝利だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガレージ

 

チームユニコーンで唯一無事だったブレオは遊星たちと一緒にアンドレ、ジャンがクラッシュした原因を探っていた。

 

「・・・! これは・・・!」

 

画面に解析データが映し出され、異常なデータを示していた。

 

「ホイールがロックされた形跡が・・・?」

 

「だが、試合中にそんなことができるのか?」

 

「・・・!」

 

ホイールのロックと聞き、クロウが何かに気づいた。

 

「そういや、俺の時も、一瞬ホイールがロックされたような感覚が・・・。」

 

「何だって!?」

 

遊星、ブルーノがクロウのDホイール、ブラックバードのデータを確認する。すると、確かにロックされた形跡があった。

 

「てことは・・・ブラックバードがクラッシュしたのも・・・あいつらの仕業だってのか・・・! ちくしょう! 許せねえ!!」

 

「落ち着け、クロウ。まだこれだけでチームカタストロフの仕業と決めつけるのは証拠が足りない。」

 

チームカタストロフとチームユニコーンのデュエル記録を確認する。チームカタストロフのフィールドには、ずっとあるモンスターがいた。

 

「これは・・・ヒドゥン・ナイト-フック-・・・。」

 

「クラッシュの時はいつもいるな・・・。」

 

「・・・もし、これが奴らの仕業となると・・・。」

 

遊星たちの脳裏にある予想がたてられる。

 

「・・・まさか・・・・!」

 

「「来人とアキがあぶねえ(ない)!!」」

 

「呼んだ?」

 

ちょうど話題に出た来人がガレージの中に入ってくる。それを見てジャックとクロウは思わずずっこけた。

 

「貴様! なぜいる!」

 

「お前らが呼んだんだろうが。んで? 何騒いでたんだ?」

 

『ほ~ら、俺たちの言った通り!』

『嫌な感じしてたんだよな~。』

『そうそう!』

 

(お前らは黙ってろ。)

 

『『『そんな~!』』』

 

そんな中、遊星たちにある連絡が入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病院

 

遊星たちへの連絡の内容は、衝撃的なものだった。アキが練習中、Dホイールがクラッシュし、転倒したのだ。来人は事故現場に向かったブルーノに電話をかける。

 

「ブルーノ、そっちはどうだ?」

 

『間違いないよ。ホイールがロックされた形跡があった!』

 

「そうか・・・サンキュ。」

 

解析の結果を聞き、電話を切った。

 

「これで決まりだな。」

 

クロウは怒りの表情でどこかに行こうとする。

 

「! クロウ、どこに行く?」

 

「決まってんだろ! あいつら見つけ出して、メタメタにしてやんのよ!」

 

「よせクロウ! 気持ちはわかる! だがそんなことをしたら、奴らと同じだぞ!」

 

「でもこのままじゃあ・・・!!」

 

「奴らとのカタは、デュエルで決着をつける!」

 

「・・・わかった。だったら、俺がカタをつけてやる! 同じチームの仲間がこんな目に遭わされて、黙ってられるかよ!」

 

そう言い放ち、クロウは肩のギプスを取った。

 

「言うとは思ったが・・・お前、それじゃあ、本当に肩が・・・。」

 

「かまわねえ! 俺が、仇を取ってやるんだ!」

 

「・・・ま、止めても聞かないわな。なら今回、俺は出ないぞ?」

 

「ああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

ついに、チーム5D’sとチームカタストロフが激突した。クロウは相手の一番手、ヘルマンの召喚した《ヒドゥン・ナイト-フック-》を執念の末、撃破し、相手の二番手ニコラスをジャックに託した。

 

ニコラス LP4000 手札5 SPC4

 

ジャック LP4000 手札5 SPC4

 

「俺のターン!」

 

ニコラス 手札5→6 SPC4→5

ジャック SPC4→5

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

「伏せカード1枚・・・?」

 

「あいつ、何考えてるんだ?」

 

「伏せカード1枚で、このジャック・アトラスを倒せると思っているのか! 俺のターン!」

 

ニコラス SPC5→6

ジャック 手札5→6 SPC5→6

 

「手札からドレッド・ドラゴンを墓地に送り、パワー・ジャイアントを特殊召喚する!」

 

パワー・ジャイアント ATK2200/レベル6

 

「パワー・ジャイアントは墓地に送ったモンスターのレベル分、レベルを下げる! ドレッド・ドラゴンのレベルは2! よって、2つ下がる!」

 

パワー・ジャイアント レベル6→4

 

「バトル! パワー・ジャイアントでダイレクトアタック!!」

 

「トラップ発動! ドゥームズ・レイ!」

 

ドゥームズ・レイ(アニメオリジナル)

通常罠

相手モンスターが直接攻撃を宣言した時、発動する事が出来る。自分の手札1枚につき800ポイントダメージをお互いのライフに与える。

 

「ダイレクトアタックをしてきたとき、俺の手札1枚につき800ポイントのダメージを互いに与える! 俺の手札は5枚!」

 

「てことは・・・800かける5で・・・」

 

「4000ポイントだ。」

 

「そ、そんなことしたら、二人ともライフが・・・!」

 

《ドゥームズ・レイ》による爆発が、二人を巻き込んだ。

 

「「ぐああああ!!」」

 

《ドゥームズ・レイ》のダメージは実体化しており、衝撃が二人に襲い掛かる。

 

「・・・パワー・ジャイアントのモンスター効果を発動! 戦闘を行うとき、効果ダメージを0にする!」

 

パワー・ジャイアントが盾になり、ジャックを衝撃から守る。そして、ジャックはニコラスを助け出し、ともに爆発から脱出した。そして、ニコラスのDホイールはクラッシュし、次のDホイーラーに託せず、チームカタストロフの敗北となる。

 

『チーム5D’s! 決勝トーナメント進出決定だぁー!!』

 

しかし、このすぐあと、ネオドミノシティを震撼させる、ある事件が起きる。

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