遊戯王5D's 苦悩する男   作:yvisi

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第88話 蠢く影

???

 

「・・・ん・・・・。」

 

眠っていたソラがゆっくりと目を開く。

 

「・・・・んぅ・・・?」

 

(あれ・・・・私、確か・・・)

 

起き上がろうと手足を動かそうとした。

 

(・・・え!?)

 

動かそうとした手足は縛っていたテープで動かせなかった。

 

(な、なんで!?)

 

「んぅー!! んんーー!!」

 

助けを求め、声を上げるが口をふさいでいるガムテープがそれを阻んだ。

 

(・・・そうだ・・・! あの時、廊下で誰かに・・・!)

 

身を捩って、手足のテープを剥がそうとするがびくともしない。

 

(助けて・・・誰か・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・遅くね?」

 

来人は電話のため、会場を出たソラが戻らないことを心配していた。

 

「確かに、電話にしては長い気がしますね・・・。」

 

ピピピ!

 

「ん? メール・・・?」

 

来人が携帯電話を開き、メールを確認する。亨、亘、翔一も携帯電話を開いた。

 

「あれ、お前らも?」

 

「ああ。どうやら俺たちに届いているらしい。」

 

四人はメールの内容を確認した。

 

「「「「・・・・!!?」」」」

 

内容を見て、四人は驚いた。戻ってこないソラが縛られた状態で床に転が差ている写真が添付されていたのだ。

 

「皆さん、次のスタンバイをお願いします。」

 

加納が様子を尋ねに近づいてきた。

 

「先生、実は・・・」

 

「わ、わかってます! すぐ準備するんで!」

 

「ええ、わかりました。」

 

加納はリングに戻っていった。

 

「来人、なぜ・・・」

 

「メール見ろ。まだ続きがある。」

 

「・・・・! これは・・・。」

 

メールの内容は『内容を口外しないこと。』『しなければ、ソラに危害を加えること。』『この交流戦に負けること。』が書かれていた。

 

「くそ・・・ふざけたことを・・・!」

 

「このまま黙ってみてる・・・わけねえだろ。」

 

来人はカバンからノートパソコンを取り出した。

 

「どうする気だ?」

 

「このアドレスをたどる。ハッキングがバレないように、サーバーを経由するから少し時間がかかる。」

 

「・・・・・なるほど。そういうことですか。」

 

来人の意図を察し、亘はリングに向かおうとする。

 

「まったく、損な役回りですよ。」

 

「悪い。できるだけ時間を稼いでくれ。」

 

「わかっています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ? 随分遅かったな。このままビビッて出てこないかと思ったぜ?」

 

相手はへらへらとしながら、亘に話しかける。

 

(白々しい・・・。交流戦に勝って得をするのは彼ら・・・犯人はおそらく・・・)

 

「おいおい・・・・・何睨んでんだ?」

 

亘が睨んでみていたことに気づき、低い声で聞く。

 

「いえ・・・気合を入れているだけですが?」

 

「へぇ・・・・。」

 

「それでは、第二試合。ネオドミノ校、二宮亘君。ノース校、蛭田圭佑君。デュエルを開始してください!」

 

「「デュエル!!」」

 

亘 LP4000 手札5

 

蛭田 LP4000 手札5

 

「僕のターン!」

 

亘 手札5→6

 

「伝説の黒石を召喚!」

 

伝説の黒石 ATK0/レベル1

 

「このカードをリリースし、デッキより現れろ! 真紅眼の黒竜!!」

 

真紅眼の黒竜 ATK2400/レベル7

 

「ほぅ・・・。」

 

「カードを1枚伏せ、ターンを終了!」

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

蛭田 手札5→6

 

「・・・ふっ。」

 

「何がおかしいんです?」

 

「いや? 面白いもんが見れると思ってな。」

 

「?」

 

「俺はモンスターを召喚する! いでよ、青き眼の乙女!」

 

青き眼の乙女 ATK0/レベル1

 

「青き眼の乙女・・・? !! まさか・・・!」

 

「さらに装備魔法、スピリット・バーナーを青き眼の乙女に装備! そしてこの瞬間、青き眼の乙女のモンスター効果発動! カード効果の対象となった時、手札・デッキ・墓地からこのモンスターを特殊召喚する!」

 

デッキから取り出した1枚のモンスターを相手に見せる。

 

「・・・!!」

 

「いでよ、青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)!!」

 

青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン) ATK3000/レベル8

 

「馬鹿な・・・! ブルーアイズ!?」

 

「まあ、レプリカだがな。本物は、海馬コーポレーションで厳重に保管されているからな。」

 

レッドアイズ・ブラックドラゴンとブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン。2体の龍が向かい合い、咆哮を上げる。

 

「バトル! ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンでレッドアイズ・ブラックドラゴンを攻撃!!」

 

「・・・!!」

 

「滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)!!」

 

「ぐあああ!」

 

亘 LP4000→3400

 

「ぐ・・・!」

 

「スピリット・バーナーの効果により、青き眼の乙女を守備表示に変更する。」

 

青き眼の乙女 ATK0→DEF0

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

亘 LP3400 手札4

【モンスター】

【魔法・罠】

伏せ1

 

蛭田 LP4000 手札3

【モンスター】

青き眼の乙女(DEF0/レベル1)

ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン(ATK3000/レベル8)

【魔法・罠】

スピリット・バーナー(青き眼の乙女)

伏せ1

 

「僕のターン!」

 

亘 手札4→5

 

「手札より復活の福音を発動! 墓地からレベル7か8のドラゴン族モンスターを復活させる! 甦れ、レッドアイズ・ブラックドラゴン!」

 

レッドアイズ・ブラックドラゴン ATK2400/レベル7

 

「さらに、チューナーモンスター、ガード・オブ・フレムベルを召喚!」

 

ガード・オブ・フレムベル ATK100/レベル1

 

「レベル7のレッドアイズにレベル1のガード・オブ・フレムベルをチューニング! シンクロ召喚! いでよ、ダークエンド・ドラゴン!!」

 

ダークエンド・ドラゴン ATK2600/レベル8

 

「ダークエンド・ドラゴンの効果発動! このカードの攻撃力と守備力を500ポイントダウンすることで、相手モンスター1体を墓地に送る! ブルーアイズを墓地に!」

 

「ほぉう・・・。」

 

ダークエンド・ドラゴン ATK2600→2100 DEF2100→1600

 

「ターンエンド!」

 

「俺のターン!」

 

蛭田 手札3→4

 

「リバースカード、オープン! 速攻魔法、銀龍の轟咆! 墓地より甦れ! ブルーアイズ!!」

 

ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン ATK3000/レベル8

 

「く・・・!」

 

「装備魔法、ワンダー・ワンドを青き眼の乙女に装備! そして、青き眼の乙女の効果により、いでよ! ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン!!」

 

ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン ATK3000/レベル8

 

「ブルーアイズが2体・・・!」

 

「ワンダー・ワンドの効果! 装備モンスターを墓地に送り、カードを2枚ドローする!」

 

蛭田 手札3→5

 

「行け、ブルーアイズ! ダークエンド・ドラゴンを粉砕しろ!! 滅びのバーストストリーム!!」

 

「ぐ・・・!」

 

亘 LP3400→2500

 

「・・・ん?」

 

攻撃を受けたダークエンド・ドラゴンが破壊されていなかった。

 

「墓地の復活の福音を除外し、ダークエンド・ドラゴンの破壊を免れる!」

 

「なら2回目の攻撃。滅びのバーストストリーム!!」

 

「ぐあああ!!」

 

亘 LP2500→1600

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

亘 LP1600 手札3

【モンスター】

【魔法・罠】

伏せ1

 

蛭田 LP4000 手札4

【モンスター】

ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン(ATK3000/レベル8)

ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン(ATK3000/レベル8)

【魔法・罠】

伏せ1

 

(この男・・・・・強い・・・!)

 

亘の視線の先で蛭田は不敵な笑みを浮かべていた。

 

(来人・・・どうやら、あまり時間は稼げなそうです・・・。)

 

「くっそ・・・思ったより、時間かかるな・・・!」

 

一方の来人もアドレスの特定に苦戦していた。

 

「・・・・・そうだ。」

 

何か思いついた来人はある人物に連絡を取る。その相手は・・・

 

『あれ、来人? どうかしたの?』

 

「ブルーノ? ちょいと頼みがあってな。」

 

『頼み? 遊星なら今・・・』

 

「知ってるよ。元キングとナスカにいるんだろ? 頼みってのは、おまえを少し借りたいんだ。」

 

『僕を? 何かあったの?』

 

「実はな・・・」

 

来人は今起きていることをすべて話した。

 

『なるほど・・・それは一大事だ。僕でよければ、喜んで協力するよ。』

 

ブルーノの返答に来人はニヤリと笑う。

 

「よし・・・これで一気に・・・!」

 

 

 

 

 

「僕のターン!!」

 

亘 手札3→4

 

「手札より、紅玉の宝札を発動! 真紅眼の黒炎竜をコストに2枚ドローする! さらにトラップカード、レッドアイズ・スピリッツ! 墓地からレッドアイズ・ブラックドラゴンを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ブラックドラゴン ATK2400/レベル7

 

「しつけえなぁ・・・何度も何度も。」

 

「そして、レッドアイズをリリースし、いでよ! 真紅眼の亜黒竜!!」

 

真紅眼の亜黒竜 ATK2400/レベル7

 

「オルタナティブ・・・?」

 

「2枚目の復活の福音を発動! 墓地より、レッドアイズ・ブラックフレアドラゴンを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ブラックフレアドラゴン ATK2400/レベル7

 

「レッドアイズ・ブラックフレアドラゴンを再度召喚! バトル! レッドアイズ・オルタナティブ・ブラックドラゴンでブルーアイズを攻撃!」

 

「とうとう自爆に走ったか・・・!」

 

「ぐ・・・!」

 

亘 LP1600→1000

 

「レッドアイズ・オルタナティブ・ブラックドラゴンの効果! 破壊されたとき、墓地のレッドアイズを特殊召喚する! レッドアイズ・ブラックドラゴンを復活!」

 

レッドアイズ・ブラックドラゴン ATK2400/レベル7

 

「この効果で復活したレッドアイズ・ブラックドラゴンは攻撃力が倍になる!」

 

レッドアイズ・ブラックドラゴン ATK2400→4800

 

「攻撃力、4800だと!?」

 

「レッドアイズ・ブラックドラゴンでブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンを攻撃! ダークメガフレア!!」

 

「ぐあああ!」

 

蛭田 LP4000→2200

 

「レッドアイズ・ブラックフレアドラゴンでブルーアイズを攻撃!」

 

亘 LP1000→400

 

「また自爆だと!?」

 

「復活の福音を除外し、破壊を免れる! そしてバトルフェイズ終了時、レッドアイズ・ブラックフレアドラゴンの効果! 相手にこのカードの攻撃力分のダメージ・・・を・・・・・」

 

「それで俺を倒すわけか。しかし、いいのか? お仲間見捨てるか? あ?」

 

「!!」

 

亘の頭の中で送られてきたソラの写真が浮かんだ。

 

「・・・・・効果を、発動しない。カードを1枚伏せ、ターン・・・エンド・・・!」

 

「それでいい。俺のターン!」

 

蛭田 手札4→5

 

「マジックカード、竜の霊廟! デッキからドラゴン族モンスター1体を墓地に送る! デッキより、伝説の白石を墓地に送り効果発動! デッキから、ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンを手札に加える!」

 

蛭田 手札4→5

 

「さらにトレード・インを発動! 手札のレベル8モンスターをコストに、2枚ドローする! そして・・・融合を発動!」

 

「融合・・・・・まさか!!」

 

「手札、フィールドのブルーアイズを融合! いでよ、青眼の究極竜!!」

 

青眼の究極竜 ATK4500/レベル8

 

「ブルーアイズアルティメット・・・!」

 

「さぁて、これで終わりだ。ブルーアイズ・アルティメットドラゴンでレッドアイズ・ブラックフレアドラゴンを攻撃! アルティメットバースト!!」

 

「ぐああああ!!」

 

亘 LP400→0

 

WINNER 蛭田

LOSER 亘

 

(亘・・・!)

 

「あと少し・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・! んぅ・・・!!」

 

暗かった部屋は目が慣れてきたのか、ある程度見えるようになっていた。ソラはドアまでなんとか近づくと、何度も足でドアを蹴っていた。

 

(誰か・・・気づいて・・・!)

 

さらに強く蹴ろうとしたその時だった。

 

「・・・!!」

 

ドアが開き、蹴りは空を切った。入ってきた人物はソラの足を受け止めた。

 

「おや、影山ソラさん。元気そうで安心しました。」

 

「!!」

 

(あなたは・・・!)

 

入ってきたのは、ソラと対戦した吉本だった。

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