翌日
ガレージ
「・・・・・。」
イェーガーは深刻な面もちで丸椅子に座っていた。
「さて・・・約束通り、知ってること全部ゲロってもらうぜ。」
イェーガーの前にはチーム5D’sの面々、そしてイリアステルに恨みを持つシェリーが険しい顔で立っていた。約束通り、イェーガーはイリアステルについて話すことになったのだが、身の上話をするばかりだった。
「これだけ待たせておいて、こんなくだらない話で終わりなんて言わせないわよ!」
苛立ちからシェリーはイェーガーの胸倉をつかむ。
「落ち着け、シェリー。」
「イェーガー、話すの躊躇うのはなんとなくわかるが・・・ここで話さないと、イリアステルより先にシェリーに殺されるぞ。」
「・・・・・。」
マーサのもとに預けてきた家族を思いだす。
「・・・わかりました。今度こそお話しましょう。イリアステルについて・・・・・!」
「・・・と、これが私の知っている全てでございます。」
「・・・・・そうか。」
「いかがでしたでしょうか?」
「いや、どうやら遊星たちのほうが知っていることが多いみたいだね。」
「は!? 今、なんと!?」
ブルーノの思わぬ言葉にイェーガーは驚きの声を上げる。
「時間の無駄だったな。さてどうするか・・・。」
「な、何か他に・・・・あ、そ、そそそうです! 電話ですよ!」
ここでイェーガーはある出来事を思い出した。
「電話?」
「何のこと?」
「一度だけ3人の長官あてに外部の企業から電話がかかってきたことがありました。」
「相手の名前は?」
「詳細は治安維持局の極秘データベースに記録されているはずです。」
「んで、そのデータベースはどこにあるんだ?」
「それは・・・・・」
ゲームセンター
「こんなところにデータベースだと?」
ジャックが訝しむ目でイェーガーを見る。
「ヒ~ヒッヒッヒ・・・ここにあることはごく一部の人間しか知らないのですよ。」
筐体に座り、データベースにアクセスするため操作する。すると・・・
「・・・これでよし。」
画面にデュエル画面が表示される。プレイヤーとして表示されたカップラーメンマンに来人は無表情で見ていた。
「こいつは・・・詰めデュエルか?」
「パスワード代わりの詰めライディングです。開発指示は私ですので、軽く解いてみせましょう。」
自信満々のイェーガーだったが、間違えてしまい、それをアキが見事にフォローした。そして最終問題が表示される。
「これを解けばいいのだろう? 俺に任せておけ!」
ジャックが意気揚々と挑むものの、間違えてしまい、挑戦回数は残り1回となってしまった。
「ったく、しょうがねえ奴だ。また俺が尻ぬぐいしてやるか。ほらどけ。」
「ぅぐ・・・!」
ジャックに代わり、来人が詰めデュエルに挑む。
『DUEL START』
来人 LP300 手札4 SPC10
手札(Sp-ハイスピード・クラッシュ、Sp-スピード・エナジー、不協和音、宮廷のしきたり)
【モンスター】
ジェスター・ロード(ATK0/レベル1)
ジェスター・クイーン(ATK800/レベル2)
【魔法・罠】
伏せ2(門前払い、Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム)
カップラーメンマン LP4000 手札0 SPC10
【モンスター】
C-バソキヤン(ATK1600/レベル5)
C-メンラード(ATK600/レベル3)
C-ドンウーノ(ATK1400/レベル4)
【魔法・罠】
C-バソキヤン(アニメオリジナル)
効果モンスター
レベル5/闇属性/魔法使い族/ATK1600/DEF1600
このカードがフィールド上で破壊され墓地へ送られた場合、相手の手札を全て破壊する。
C-メンラード(アニメオリジナル)
効果モンスター
レベル3/水属性/魔法使い族/ATK600/DEF600
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた場合、相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。
C-ドンウーノ(アニメオリジナル)
効果モンスター
レベル4/水属性/魔法使い族/ATK1400/DEF1400
このカードがフィールド上で破壊され墓地へ送られた場合、相手フィールド上の魔法・罠ゾーンのカードを全て破壊する。
「・・・・・。」
腕を組み、しばらく考える。
「・・・・よし、行くか。」
答えをひらめき、ゲームの操作を開始する。
「まずは、スピードワールド2の効果発動! スピードカウンターを4つ取り除き、手札のスピードスペル1枚につき、800ポイントのダメージを与える! 手札には2枚! よって1600のダメージ!」
「あばばば!」
来人 SPC10→6
カップラーメンマン LP4000→2400
「んでもってここで、Sp-スピード・エナジーを発動!」
Sp-スピード・エナジー(アニメオリジナル)
通常魔法
自分のスピードカウンターが2つ以上ある場合に、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで自分用スピードカウンターの数×200ポイントアップする。
「スピードカウンターの数かける200ポイント、攻撃力をアップする! 今のスピードカウンターは6! ジェスター・クイーンの攻撃力を1200ポイントアップ!」
ジェスター・クイーン ATK800→2000
「な、ここで使うだと!?」
「そしてスピードワールド2の効果! 4つ取り除き、今度は800ポイントのダメージ!」
「あばばば!」
カップラーメンマン LP2400→1600
「そしてSp-ハイスピード・クラッシュを発動!」
Sp-ハイスピード・クラッシュ(アニメオリジナル)
通常魔法
自分のスピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。自分フィールドのカードを含むフィールド上のカード2枚を選択して破壊する。
「スピードカウンターが2つ以上あるとき、自分のカードを含むフィールドのカード2枚を破壊する! ジェスター・ロードとドンウーノを破壊!」
「ドンウーノが破壊されたと~き~! 相手のマジック、トラップカードを全て破壊するアル!」
ドンウーノから放たれたツユのようなものが来人の伏せカードを飲み込んだ。
「手札から不協和音と宮廷のしきたりをセット! これでジェスター・クイーンは2回攻撃が可能! ジェスター・クイーンでバソキヤンを攻撃!」
「うぬぅ・・・!」
カップラーメンマン LP1600→1200
「バソキヤンが破壊されたとき、相手の手札を全て破壊するアル!」
バソキヤンから大量のソースが来人の手札にかかる。
「だが俺の手札は0。さあ、これで終わりだ! ジェスター・クイーンでメンラードを攻撃!」
「あばばば!!」
カップラーメンマン LP1200→0
WINNER 来人
LOSER カップラーメンマン
「よっし!」
「さすがだな、来人。」
「うむ。借りができてしまったな。」
「そうだな。ま、あんときの借りも返してもらってないけどな。」
「ぐ・・・!」
「イェーガー、早くデータを出せ。」
「あ、はい・・・。」
イェーガーはデータベースの通信記録にアクセスする。
「これが、長官に電話した相手でございます。」
「・・・! これは・・・。」
表示されたのはモーメントエクスプレスという会社だった。
「モーメントエクスプレス・・・。」
「来人、ここに潜り込めるように・・・」
「いや無理無理無理・・・!」
「何?」
いつも二つ返事で仕事を受けてきた来人がぶんぶんと首を横に振って断った。
「無理だと? どういうことだ!」
ジャックが来人に詰め寄る。
「馬鹿言うなよ。ここのセキュリティが厳しすぎるんだよ。前に1回やったが、そいつはすぐに取っ捕まって、俺までしばらく追われたんだぜ?」
「来人でもどうにもならねえって・・・どうすんだよ?」
「やるにしても、バックドアでも仕込んでもらわなきゃきついな。」
来人は遊星たちに見えないように携帯電話を操作していた。
数日後
遊星、ブルーノ、シェリーはボルガー社の協力を得てモーメントエクスプレスに潜入することになった。そして残りの面々はガレージで連絡を待つことになった。
「・・・お、来た来た。」
来人はパソコンで送られてきた情報を解析していた。
「・・・・・・・。」
数時間後
「・・・ん?」
「来人、どうかしたの?」
龍可がパソコンを覗き込む。
「いや、さっきから何も送られてこなくてな・・・・・どうなってんだ?」
その時だった。突如、白い波動のようなものが発生する。近くにいた龍可のアザが光だし、二人を囲うように赤いバリアが現れる。
「なんだったんだ?」
港
モーメントエクスプレスに潜入していたはずの遊星とブルーノがなぜかシャトルに乗り、海に不時着していた。5D’sのメンバーはアザで感じ取り、集まっていた。
「・・・! おい、あれを見ろ!」
ジャックが空を指さす。
「何なに? なんか見えるの?」
「何も見えませんが・・・。」
龍亞、イェーガーはジャックが指さした方向を見るが、青い空があるだけだった。
「よく見ろ。空に巨大な島が・・・!」
「島!? 島が空に浮いてるの!?」
「あなたたちには見えないの?」
遊星たちは自分のアザを見る。
「そうか、あれは赤き竜のアザが俺たちに見せているのか。」
「えぇ~!? もう、なんで俺にはアザが無いんだよ~!
「・・・・・。」
何も見えていないはずの空を見て、来人はニヤリと笑った。
幕間短編
『停学中(亨と明莉)2』
亨から事情を聞いた明莉は顔を赤くした。
「///す、すみませんでした・・・何も知らなくて・・・。」
「まあ、気にするな。ふつうはそうないことだ。」
「「兄ちゃ~ん!!」」
「う!?」
二人の子供が亨の後ろから抱き着いた。
「何してんの~?」
「早く遊ぼうよ~!」
「///・・・えと・・・。」
「ん・・・ああ、そういえば言ってなかったな。双子の弟の昴と妹の茜。ほら、明莉に挨拶しなさい。」
「「あかりねえちゃん、こんにちは!」」
昴と茜はぺこりと頭を下げる。
「///こ、こんにちは・・・! 丸藤さん、ご兄弟がいたんですね・・・。」
「まだ上に姉二人いる。」
「///え、ご、五人姉弟ですか!?」
「亨~? いつまでかかってんの~?」
部屋から女性が顔をのぞかせる。
「///えと・・・」
「さっき言った姉だ。」
「姉の夕で・・・・・あら? あらあら?」
亨の姉、夕が部屋から出てきて明莉に近づいた。
「へぇ・・・あの女っ気のない亨にねぇ・・・。」
「何の話だ。」
「亨? せっかく来てくれたんだから、送ってあげなさい。」
「言われるまでもない。行くぞ、明莉。」
「///あ、は、はい・・・!」
「明莉ちゃ~ん、また遊びに来てね~。」
明莉を送るため、亨は外に出た。それを夕は手を振って見送った。
「・・・ふんふふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら、夕は双子のもとに向かった。