チーム太陽に勝利したチーム5D’sは準決勝で星界の三極神を操るチームラグナロクと対決することになる。デュエルは、ダメージが実体化するなどの事態に見舞われながらもなんとかチーム5D’sが勝利をおさめた。そして決勝戦。ついにチームニューワールドと激突する。
決勝戦前日 朝
龍亞・龍可の家
「はよ~・・・っと。」
「おはよう、来人。」
「よっ、邪魔してるぜ。」
来人がリビングに入ると、龍亞、そしてなぜかいるクロウが挨拶を返す。
「あれクロウ、なんかあったっけ?」
「いや? たまにはここに顔出しとくか~ってな。」
「そ、そうそう! そういう感じだって!」
龍亞はなぜか少しあたふたしていた。
「ふ~ん・・・あれ、龍可は?」
「え? あ、あぁ~え、えっと龍可は・・・」
「ちょっと買い物行くっつって出てったぜ。」
「ん、了解。」
水を飲むため、冷蔵庫を開ける。
(・・・怪しい。)
後ろで何気ない会話をしている龍亞とクロウを来人は怪しんでいた。理由は明確。明らかに龍亞の様子がおかしいのだ。しかも小声でこんな会話をしている。
「龍亞~お前もうちょっと自然にできねぇのかよ。」
「え、そんなにバレバレだった?」
「マジかよ・・・。」
(何の話してんだか・・・。・・・そういえば・・・)
時は遡り、アカデミア停学初日
『・・・・。』
龍可はそわそわした様子で来人を見ていた。
『・・・龍可、さっきからどうした?』
『え、えっと、その・・・休学の時で申し訳ないんだけど・・・あの、この日って空いてたりする?』
『?』
龍可が携帯電話にとある日付を表示させる。
『まあ、特に予定はなかったけど・・・。』
その言葉で龍可の顔が一気に明るくなる。
『? その日なんかあった?』
『え? あ、だ、大丈夫! 空いてるならいいの!』
(・・・あれなんだったんだ?)
コップに入れた水を飲み干し、着替えるため部屋に向かおうとする。
「あ、ら、来人! どっか出かけるの?」
「ん? ちょっと外ぶらついてくる。」
「あ、じゃ、じゃあ俺も行く!」
「は?」
「なんだ、出かけるのか? んじゃあ、俺も行くぜ!」
「・・・・・・。」
来人は訝しんだ目で龍亞とクロウを見る。
「来人、どうかしたのか?」
「・・・お前らなんか隠してないか?」
「え!? い、いいいやいや! か、隠してないってなにも!」
「そ、そうそう! 気のせい! 気のせい!」
龍亞が異様にあたふたしたのにつられたのか、クロウも若干焦りを見せる。
「・・・・・。」
龍亞をじっと見ると、龍亞は顔をそらしわざとらしく口笛を吹く。
「・・・まあいいわ。行くぞ。」
「おぅ。」
「う、うん!」
家から出ると、しばらく3人であちこちをぶらついた。ゲームセンターやカードショップで時間をつぶすかのように。
「・・・で、いつまでこうする気だ?」
「え? な、なな何が?」
声を震わせながらも、龍亞はすっとぼける。
「・・・龍亞、次はどこに行ってほしくない?」
「それはやっぱりガレージ・・・」
「あ、バカ・・・!」
口を滑らせた龍亞の口をクロウが塞ぐが時すでに遅し。
「んじゃあガレージ行くわ。」
「ま、待て! 来人!」
ガレージに向かおうとした来人の前にクロウが立ち塞がる。
「ここ通りたきゃ、デュエルで俺に勝ちな!」
「デュエル? なんでここで・・・」
「おぉ? デュエリストがデュエル挑まれて逃げるってのか?」
「ぅぐ・・・!」
以前シェリーに言ったことがブーメランとして自分に返ってくる。
「・・・わかったよ。やりゃいいんだろやりゃ!」
(た、助かった・・・ありがと、クロウ・・・!)
龍亞は心の中でクロウに感謝する。
「行くぜ!」
「「デュエル!!」」
クロウ LP4000 手札5
来人 LP4000 手札5
「俺のターン!」
クロウ 手札5→6
「俺はBF-蒼炎のシュラを召喚!」
BF-蒼炎のシュラ ATK1800/レベル4
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
「俺のターン!」
来人 手札5→6
「永続魔法、種砲連射を発動!」
種砲連射(アニメオリジナル)
永続魔法
①:1ターンに1度、デッキからレベル4以下の「捕食植物」モンスター1体を墓地へ送り発動できる。相手に300ダメージを与え、相手フィールドのモンスターの攻撃力を600ダウンする。 ②:このカードが破壊された時に発動できる。自分フィールドの「捕食植物」モンスター1体につき1枚相手フィールドのカードを破壊する。
「デッキからレベル4以下のプレデタープランツモンスター1体を墓地に送り、相手に300ダメージを与え、モンスターの攻撃力を600ダウンさせる! ビブリスプを墓地に送る!」
「く!」
クロウ LP4000→3700
蒼炎のシュラ ATK1800→1200
「ビブリスプが墓地に送られたことで、デッキから捕食植物セラセニアントを手札に加える!」
来人 手札5→6
「さらに捕食植物スピノ・ディオネアを召喚!」
捕食植物スピノ・ディオネア ATK1800/レベル4
「このカードを召喚した時、相手モンスター1体に捕食カウンターを1つ置き、レベルが1になる!」
蒼炎のシュラ 捕食カウンター0→1 レベル4→1
「スピノ・ディオネアで蒼炎のシュラを攻撃!」
「ぐ・・・!」
クロウ LP3700→3100
「スピノ・ディオネアの効果! このカードのレベル以下のモンスターとバトルしたとき、デッキからプレデタープランツモンスター1体を特殊召喚する! 捕食植物パンクシアオーガを特殊召喚!」
捕食植物パンクシアオーガ ATK2000/レベル6
「パンクシアオーガでダイレクトアタック!」
「トラップカード、ピンポイント・ガード! 墓地からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する! 俺は蒼炎のシュラを特殊召喚!」
蒼炎のシュラ DEF1200/レベル4
「この効果で特殊召喚したターン、モンスターは破壊されない!」
「ちっ・・・カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
クロウ LP3100 手札4
【モンスター】
蒼炎のシュラ(DEF1200/レベル4)
【魔法・罠】
来人 LP4000 手札4(1枚セラセニアント)
【モンスター】
スピノ・ディオネア(ATK1800/レベル4)
パンクシアオーガ(ATK2000/レベル6)
【魔法・罠】
種砲連射 伏せ1
「俺のターン!」
クロウ 手札4→5
「手札からBF-疾風のゲイルを特殊召喚!」
BF-疾風のゲイル ATK1300/レベル3
「疾風のゲイルはブラックフェザーがいるとき、手札から特殊召喚できる! そして1ターンに1度、相手モンスター1体の攻撃力、守備力を半分にできる! パンクシアオーガの攻撃力を半分にする!」
パンクシアオーガ ATK2000→1000
(ここでアーマード・ウィングを・・・!)
「トラップ発動! 捕食計画! デッキからプレデタープランツモンスターを墓地に送り、フィールドのモンスターに捕食カウンターを1つ置く! ドロソフィルム・ヒドラを墓地に送る!」
スピノ・ディオネア 捕食カウンター0→1 レベル4→1
パンクシアオーガ 捕食カウンター0→1 レベル6→1
蒼炎のシュラ 捕食カウンター0→1 レベル4→1
疾風のゲイル 捕食カウンター0→1 レベル3→1
「これでクロウのモンスターが全員レベル1・・・!」
「だったら、BF-漆黒のエルフェンを召喚!」
BF-漆黒のエルフェン ATK2200/レベル6
「あれ、漆黒のエルフェンのレベルは6じゃ・・・。」
「こいつはブラックフェザーがいれば、リリースなしで召喚できる! レベル6の漆黒のエルフェンにレベル1の疾風のゲイルをチューニング! 黒き旋風よ、天空へ駆けあがる翼となれ! シンクロ召喚! BF-アーマード・ウィング!!」
BF-アーマード・ウィング ATK2500/レベル7
「アーマード・ウィングでパンクシアオーガを攻撃! ブラックハリケーン!」
「ぐあああ!」
来人 LP4000→2500
「だがパンクシアオーガが墓地に送られたとき、相手モンスター全てに捕食カウンターを1つ置く!」
蒼炎のシュラ 捕食カウンター1→2
アーマード・ウィング 捕食カウンター0→1 レベル7→1
「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
「俺のターン!」
来人 手札4→5
「墓地のドロソフィルム・ヒドラの効果発動! 捕食カウンターが置かれたモンスターをリリースすることでこのカードを特殊召喚する!」
「何ぃ!?」
「俺はアーマード・ウィングをリリース!」
アーマード・ウィングの体を食い破り、ドロソフィルム・ヒドラが出現する。
「うぇ・・・。」
捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ DEF2300/レベル5
「さらにビブリスプは捕食カウンターが置かれたモンスターがいるとき、墓地から復活する!」
捕食植物ビブリスプ DEF1900/レベル1
「置換融合を発動! ビブリスプとドロソフィルム・ヒドラを融合! いでよ、捕食植物キメラフレシア!」
捕食植物キメラフレシア ATK2500/レベル7
「キメラフレシアの効果! レベル7以下のモンスターを除外する! 蒼炎のシュラを除外!」
「ぐ・・・!」
「これでクロウのフィールドにモンスターがいなくなった・・・!」
「スピノ・ディオネアでダイレクトアタック!」
「ぐあああ!」
クロウ LP3100→1300
「キメラフレシアでダイレクトアタック!」
「手札からBF-熱風のギブリを特殊召喚!」
BF-熱風のギブリ DEF1600/レベル3
「こいつはダイレクトアタックされるとき、特殊召喚できる!」
「くそ・・・! ターンエンド!」
クロウ LP1300 手札1
【モンスター】
【魔法・罠】
伏せ1
来人 LP2500 手札4(1枚セラセニアント)
【モンスター】
スピノ・ディオネア(ATK1800/レベル1/捕食カウンター1)
キメラフレシア(ATK2500/レベル7)
【魔法・罠】
種砲連射
「俺のターン!」
クロウ 手札1→2
「トラップ発動! ロスト・スター・ディセント! 墓地からシンクロモンスター1体を特殊召喚する! ただし、レベルは1つ下がり、守備力は0になる! 甦れ! アーマード・ウィング!」
アーマード・ウィング DEF1500→0/レベル7→6
「そしてチューナーモンスター、BF-銀盾のミストラルを召喚!」
BF-銀盾のミストラル ATK100/レベル2
「ライフを600払って、翼の恩返しを発動! 鳥獣族モンスターが2体以上いるとき、2枚ドローする!」
クロウ LP1300→700 手札0→2
「レベル6となったアーマード・ウィングにレベル2の銀盾のミストラルをチューニング! 黒き疾風よ! 秘めたる思いをその翼に現出せよ! シンクロ召喚! 舞い上がれ、ブラックフェザー・ドラゴン!!」
ブラックフェザー・ドラゴン ATK2800/レベル8
「マジックカード、フォースを発動! キメラフレシアの攻撃力を半分にして、ブラックフェザー・ドラゴンに変化した数値を加える!」
キメラフレシア ATK2500→1250
ブラックフェザー・ドラゴン ATK2800→4050
「ブラックフェザー・ドラゴンでキメラフレシアを攻撃!」
「キメラフレシアの効果発動! ブラックフェザー・ドラゴンの攻撃力を1000ポイントダウンさせ、このカードの攻撃力を1000ポイントアップする!」
キメラフレシア ATK1250→2250
ブラックフェザー・ドラゴン ATK4050→3050
「ぐ・・・!」
来人 LP2500→1700
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
「俺のターン!」
来人 手札4→5
「スタンバイフェイズ、キメラフレシアの効果により、デッキから融合を手札に加える!」
来人 手札5→6
「種砲連射の効果! デッキからフライ・ヘルを墓地に送り、300ポイントのダメージを与える!」
「ブラックフェザー・ドラゴンの効果で黒羽カウンターを置くことで、効果ダメージを無効にする! ただし、攻撃力はカウンター1つにつき700ポイントダウンする!」
ブラックフェザー・ドラゴン 黒羽カウンター0→1 ATK2800→2100
「捕食植物コーディセップスを召喚!」
捕食植物コーディセップス ATK0/レベル1
「融合を発動! コーディセップスとスピノ・ディオネアを融合! 融合召喚! 降臨せよ、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン ATK2800/レベル8
「くそ・・・やっぱ出やがった・・・!」
「スターヴヴェノムの効果! ブラックフェザー・ドラゴンの攻撃力分、攻撃力をアップする!」
スターヴヴェノム ATK2800→4900
「さらにナイト・ショットを発動! お前の伏せカードを破壊!」
クロウの伏せカード、《聖なるバリア -ミラーフォース-》が破壊される。
「く・・・!」
「行け、スターヴヴェノム! ブラックフェザー・ドラゴンを攻撃! 紫毒のヴェノムショット!」
「ぐあああ!」
クロウ LP700→0
WINNER 来人
LOSER クロウ
フィールドが煙に包まれる。
「・・・・・・あ!?」
煙が晴れると、来人の姿がなくなっていた。
「あいつ・・・煙に紛れてガレージ向かったな・・・!」
「ちょ、もう、どうすんの!? クロウ!」
「おめーだって言っちまったんじゃねーか! けど、今のでかなり時間は稼げたんじゃねーか? これなら・・・!」
ガレージの扉の前に来人は立っていた。ゆっくりと扉に手をかける。
「さぁて・・・何隠してんだか・・・な!」
中を確かめようと勢いよく扉を開ける。
パン! パン! パン!
「・・・え?」
何発ものクラッカーの音が来人を出迎えた。
「来人!」
「「「「「誕生日、おめでとう!!」」」」」
「・・・・・・??」
想像だにしていなかった光景に来人はポカンと口を開ける。
「・・・え、あれ?」
来人の反応に次第に集まっていたチーム5D’sのメンバー、アカデミアの面々が困惑し始める。
「ら、来人?」
恐る恐る龍可が来人に近づく。
「ひょっとして、ち、違った・・・?」
「・・・あ、そうか今日誕生日か・・・。」
「やはり忘れていたか。」
呆れながらジャックがやってくる。
「つかなんで知ってんだよ。当の本人が忘れてたのに。」
「雑賀から聞いたんだ。ただここまで忘れてるとは思っていなかった。」
「しゃあねえだろ。祝うようなことろくすっぽやってきてないんだから。」
来人がため息交じりに言う。
「そ、そうだったんだ・・・。・・・それなら、今、うれしい?」
「え? ・・・・・まあ、その・・・ありがとう。」
ぎこちなく照れくさそうに頭を下げる。それを見て、龍可は顔を明るくする。
「よかった・・・! 来人、ほらこっち来て!」
龍可は来人の手を取り、席に案内する。見張り兼時間稼ぎ役のクロウ、龍亞も合流し、来人の誕生日が祝われた。
「来人、少しいいか。」
ジャックが来人の隣に座る。
「なんだ、急に。」
「龍亞に頼まれてな。なぜあいつにデュエルを教えなかった?」
「ん? ああ、あれか。簡単な話だ。」
来人はジュースを飲み干す。
「俺の背中ばかり見るなって話しだ。」
「どういうことだ?」
「あいつはいずれ、自分の命をかけるようなデュエルをするかもしれないだろう。そうなったとき・・・俺はそこにはいない。」
「・・・!!」
「俺ばかり見ていても、意味はない。あいつが自分で自分のデュエルを見つけるしかない。だから断ったんだよ。」
「・・・なるほどな。なら、あえて黙っておくか。」
「頼む。・・・よっと。」
来人はもらったプレゼントを両腕に抱える。遊星とブルーノからはデュエルディスク改造パーツ。アキからは保温コップ。クロウ、龍亞はノートパソコン用のケース。ソラ、亨、翔一、亘からはマウス、ペンケース、ボールペン。そして龍可からはオドントグロッサムと呼ばれる花の花束だった。
来人の部屋
帰ってきた来人は自分の部屋で静かに立っていた。
「・・・・・・。」
ゆっくりと目を閉じ、ゆっくり開く。そして
プレゼントをゴミ箱に入れた。