幼馴染「あんたのゴミ箱ティッシュだらけなんだけど風邪でもひいたの?」 作:陽波ゆうい
あまりに予想外すぎて無心になっていたが、すぐさま現実に戻る。
「おい立花!!!」
「なにお兄ちゃ——むぐむぐ!?」
「ちょーとお口チャック!!」
今更、立花の口を塞ぐ律也。それだけパニクっているのだろう。
対して由里香は分かっていなそうな顔をしている。
「律也、立花ちゃん離してあげなさいよ。可哀想よ!」
「いいや、ここでコイツは……」
「ぷはぁ!? ふざけるな! 妹を窒息死させる気!」
「テメェこそ俺を社会的に殺す気か!」
「由里香ちゃんお兄ちゃんがいじめてくる〜〜」
由里香の背後に隠れる立花。べー、と舌を出して威嚇したと思えば、何やら由里香の耳元で囁いた。
瞬間、由里香の顔がぼん!と赤くなる。
「り、律也のばっ、ばばばばばば馬鹿っ!!」
「おい立花テメェ次は何をいいやがった!!」
「さぁ?」
「ちょっ由里香さん!? どこに行くの!!」
「っ〜〜〜〜」
由里香は顔を真っ赤にしたまま、律也の部屋を飛び出した。
残るは律也と立花。
「なんのつもりだ! せっかく人が誤魔化したというのに! しかも
「可愛い妹のせいにしないでよー。それに、いつまでも見守っているほど私、優しい妹じゃないから」
「ゔ…………」
コイツ、ほんとこういう時だけ頭働くよなぁ。
「ほら早く着替えて由里香ちゃんに追いつかないと学校でも変態扱いされるよ」
「くっそ、誰のせいだと思って……」
朝ごはんは立花に食べられたので、律也はさっさと制服に着替え由里香を追いかけた。
(由里香side)
「律也の奴へ、変態すぎでしょ!!」
ひ、ひとりでその……しちゃうなんて……。
『お兄ちゃんが大量ティッシュを生み出した理由は……一人でエッチしてたからだよ』
た、確かに溜まると体に悪いって聞いたことがあるような……ないような……。
「馬鹿っ、変態。ティッシュぐらい捨てときなさいよ……っ」
悶々とした気持ちで早足で歩く由里香。しかしふと、足が止まった。
1人でエッチなことをしていたとはいえ、あんなに大量のティッシュを生み出すことができるのだろうか。
何かないとそこまでならないだろう。
例えば——好きな人を思い浮かべながらとか。
「……誰であんなに大量をティッシュを」
◇◇
「おはよう律也〜、ってなんでそんなに疲れてるんだ?」
「ぜぇぜぇ……朝から結構なカロリーを消費しているでねぇ……」
教室に着くなり、律也は膝に手をつきゲッソリとした様子だった。
律也の友達の
「ありがとう……。ごくごく……ぷはぁ! 寿命1分伸びたわ。それで由里香は?」
「そういえばお前ら珍しく一緒に来なかったな。由里香さんなら……さっきから自分の机にうつ伏せになってるぞ」
「へ?」
律也は海が指差した方を見る。言葉通り、由里香は机にうつ伏せになっている。しかしそれは眠っているというわけじゃないだろう。耳は真っ赤だし。
「律也が……律也が……うぅぅ〜〜」
なんか言ってるし。
「……何があったのアイツ?」
「俺の方が聞きたいわ。どうせ原因は律也だろ。なに、喧嘩?」
「いや、それよりも深刻。すぅ…………大量のティッシュ」
「っ!? なるほど……」
海は大量のティッシュというワードに肩を震わせながらも、深刻そうな顔をする。
「……それで状況は?」
「妹にバラされた」
「……わぁお」
「どうすることもできん」
「今更ティッシュを捨ててもだよな。由里香さんどんな反応してた?」
「顔真っ赤にして逃げ出された」
「まだマシな反応じゃね?」
「これからだろ。これからもっと恐ろしいことが……ガクガクブルブル」
「これに関しては俺も協力できることが限られる。なんたって
「くっ、ティッシュさえ生み出さなければっっ!!!」
由里香にやっぱりあれは花粉と鼻水だったの説明しようかなー……。
「そんなこと学校で話すな」
「「あいて!」」
律也、海ともに、頭をチョップされる。
後ろを見ると、由里香の親友でクラス委員長の鞠瀬真矢だった。