光は屈折してもまっすぐな家族 -奥さんはキュアプリズム-   作:寿垣遥生

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遥生です。完結してしばらく間を空けましたけど、何だかんだすぐに続編を投稿しました!前作からお付き合いしてくださる皆さんの反応とかを見たらもう書きたくて書きたくてね…他の作品が身に入りませんでしたよ。

とりあえず、またお世話になりますのでよろしくお願いいたします!


家族と過ごす日常

side主人公

 

「きて…起きて!」

 

「うーん、キュアプリズム…好きだ〜。結婚して…」

 

「もう結婚してるよ。ほら、起きなさい!」

 

 いつものふんわりした声を耳にして僕は夢から覚める。目を開けるとそこには妻の石井(旧姓:虹ヶ丘)ましろがいた。まずいな、これは寝言聞かれたパターンだったり?オワタ…

 

「おはよう、ましろ…寝言聞いてた?」

 

「うん、それはもうガッツリね。もしかして中学生の時の夢を見てたの?お口をチュッチュしながら『好きだ〜』とか『結婚して…』とか言ってたけど…」

 

「気持ち悪かった?」

 

「うん。私が変身した姿をあの時の琢郎はそんな目で見てたんだって幻滅しちゃった…」

 

「ごめえええええええん、今のは聞かなかったことにしてえええええ!!」

 

 寝言を聞いて幻滅したましろに対して僕は彼女にしがみついてから必死に謝る。そうだ、名乗るのを忘れてたね…もう前の作品からお付き合いしている読者の皆さんなら分かると思うけど、改めて自己紹介を。僕は石井琢郎(いしいたくろう)、キュアプリズムに変身していたましろに恋をして彼女と紆余曲折ありながらも結婚した現在(満)34歳のサラリーマン…今では三人の子供の父親としてみんなを支えつつ幸せな生活を過ごしているよ。

 

「それじゃあ、今度の休みに家族でお出かけをするなら許してあげる。もう二度と私を変な夢に出さないでね?」

 

「お出かけならします!それで許されるならどこへでも行くので許してください…」

 

「よろしい。とりあえず、スーツに着替えて髪を整えたら食卓に来てね…琢郎の朝ごはんはもう用意してあるよ。」

 

「はーい、ありがとね。」

 

 僕が返事をするとましろは部屋を出て食卓へと戻る。本当二彼女が優しくて心が広い人で良かったと心の底から思った…ましろじゃなかったらもう酷い扱いをされてたことだろうね。色んな意味で何度も救われてるよ…

 

 

 

 

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 仕事の服装に着替えた僕は部屋を出て食卓に向かう。そこには既に琢真(たくま)と白郎(しろう)と虹花(こうか)の三人の子達が仲良く楽しそうに朝ごはんを食べていた。

 

「おはよう!」

 

「「「父ちゃん(お父さん)(パパ)、おはよう!」」」

 

 僕が挨拶をすると三人は元気良く挨拶を返してくれる。これが父親としての幸せの一つなんだよね…子供達の元気な挨拶は僕にとってはエナジードリンクのようなものだ。

 

「いただきます。」

 

 僕は食卓に座って『いただきます』と挨拶をしてからまずは味噌汁から飲んでいく。ましろが作る味噌汁は出汁から美味いんだよな…具材の豆腐と玉ねぎも良い形で切られてあって食べやすくて出汁と味噌が染みて朝起きてすぐ飲むと癒される味だ。

 

「ましろの味噌汁はいつもと変わらず美味しいね…寝起きにもってこいの味だよ。」

 

「ふふっ、ありがとう。他のも食べてね!」

 

 それから僕は味噌汁以外のおかずとしてまずは焼き魚から食べていく。他のおかずはほうれん草の煮びたしに主食は白ごはん…ましろは本当にわざわざ朝からちゃんとした料理を作ってくれる良い妻だ。

 

「パパ、今日からお遊戯会の劇の『シンデレラ』の練習をやるんだよ!」

 

「へぇ、それで虹花は何の役?」

 

「虹花ね、シンデレラなの!凄いでしょ?」

 

 虹花は自分がシンデレラ役に選ばれたことを自慢する。彼女は母親似で凄く可愛いからね…シンデレラに選ばれるのは運命なのかもしれないな。どんなプリンセスが出る作品でもお姫様がよく似合うだろうね!

 

「ごちそうさま、歯磨きしてくる。白郎も行くぞ!!」

 

「あっ、琢真…待ってよ!」

 

「歯は3分しっかり磨いてね?」

 

「「はーい!」」

 

 そんなこんなで琢真と白郎はましろの言うことに返事をしてから先に朝ごはんを食べ終わって歯磨きをするために洗面所へと向かっていく。ウチの男達(特に琢真)は本当に元気で満ち溢れているな…父親の僕に似たのだろうかね?

 

「今日は定時で帰れるの?」

 

「とりあえず、何もトラブルがなければね。僕も上に立つ人間だから何かあったら上司から怒られるし対処しないといけないし…でも、僕の部下はできる人が多いから信じるよ。」

 

「ふふっ…出世する度に立派に琢郎は立派になるからますます惚れちゃうかも。でも、無理はしないでね?」

 

「大丈夫、この家族での幸せな時間が僕の息抜きだよ…でも、君とキスをしたらもっと頑張れるけど、しちゃう?」

 

「パパ、子供の前でラブラブしたらダメってママから言われてるでしょ?早く朝ごはんを食べなさい!」

 

「はい…」

 

 僕は34になる妻のましろよりも先に5歳になる娘の虹花から怒られてしまう。母親の言うことを覚えてるなんて偉い子だよ…将来はきっと沢山親孝行をしてくれそうだ。

 

「それじゃあ、行ってきまーす!」

 

「琢真、まずひいおばあちゃんにご挨拶しないと!」

 

「そうだぞ、行く前にひいおばあちゃんに挨拶しないとな…白郎は覚えてるんだから琢真は忘れないようにしなさい。」

 

「はーい…」

 

 それから琢真と白郎はヨヨさんの仏壇に挨拶をしてから小学校へと向かう。とりあえず、琢真も琢真なりに成長してるけども白郎は元から良い子だからしっかりしている…どっちが兄なのかって思っちゃうぐらいにね。

 

「ごちそうさま。僕も歯を磨いたら仕事に行くね!」

 

「「行ってらっしゃい!」」

 

「うん、ありがとう!」

 

 それで僕はましろと虹花から『行ってらっしゃい』と言われてから自分の食器を洗い場に置いて歯磨きをした後にジャケットを着てからお仏壇に挨拶をして仕事に向かう。これが僕のモーニングルーティンだ…今日も頑張るぞ!

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 職場に着いて僕はバックから部長に提出する予定の資料を取り出して見直す。この紙が会社の方針を左右することになると思うと荷が重い…しかも今の係長の地位から出世できるチャンスだから緊張が高まるばかりだ。

 

「係長、おはようございます!」

 

「魚谷さん、おはよう。」

 

 僕に真っ先に挨拶をする彼女は同じ営業部の部下である魚谷智花(うおたにともか)さん…彼女は何事にも真面目でまっすぐな子で3年目ながらも仕事がかなりできるから社内では『期待の若手』として上層部からも知られているだけじゃなく社内の女子の中でもヒロイン級に可愛いことから『崖の上に咲く一輪の花』なんて呼ばれたりしている。本当に彼女って綺麗だよな…

 

「朝から資料の確認とは大変ですね…いつも最前線から私達を引っ張ってくださってるのに私達はそれに応えられず申し訳ございません。」

 

「いや、気にしないで…これは自分が良かれと思ってやってることだし僕は結婚して三人の子供を父親として養わなくてはいけないんだ。妻に年収は負けていても一人に背負わせるのは酷だしさ…」

 

「係長の奥様って確か絵本作家の虹ヶ丘ましろ先生でしたよね?あの人の絵本はよく親戚の子に読む時があるんですけど、私も読んでて楽しいから毎回大ヒットするのも納得だと思っていました…そんな中でもご家族を支えるところがもうかっこいいです!」

 

「ありがとう。収入はましろに負けてても僕も家に貢献しようと思ってるからね…みんなの幸せのためなら僕は毎日頑張れるよ。」

 

「そうなんですね?私も係長のような人と結婚したいです!」

 

「そうかそうか、応援してるよ。」

 

「はいっ!それではまた後で。」

 

 そう言ってから魚谷さんは自分の席へと向かうのであった。彼女はとても可愛くて家のことも仕事のようにこなせそうだからきっと素晴らしい男性と結婚できるのではないだろうか?(僕はもうましろと結婚してるから彼女と結婚するのは無理だけどね…)

 

(2時間後…)

 

「ふむ…なるほど。」

 

 それから仕事が始まり今は部長の愛甲剛(あいこうたけし)さんに仕上げてきた資料を見せる。部長は厳しく一つ一つの項目を確かめていて表情も険しい…この見てもらってる時間が結構地獄だ。

 

「それで、僕の案はどうでしょうか?」

 

「言いたいことは凄く分かるし意見としては俺も良いとは思っている…でも、これを取引先に話すとしてはまだ足りないところがあるんじゃないかと思うんだ。もう少し一つ一つ丁寧に詳しくまとめてもう一度提出してくれないか?」

 

「申し訳ございません。」

 

「そんな落ち込みなさんな。別にすぐやれとは言わないし、残業だって強要をしたい訳じゃない…まだ期日までに余裕はあるし、石井くんのところはまだお子さんも小さいし子育てもしなくちゃならんだろう?無理にとは言わないから期日を守る程度にマイペースにやり家族のことも大事にしなさい…これは上司命令だ。守れるよな?」

 

「はい、承知いたしました。頑張ってきます!」

 

「よろしい…期待してるよ。」

 

 僕は部長に一礼してから席に戻る。この人は片親で三人のお子さんを育ててきた経験から子育ての大変さとかそういうのを社内で一番理解しており、早くして結婚した僕にとっては最大の救世主だ。

 

(僕も将来部長みたいな立派で偉大な人になりたいな…そのためにお仕事も頑張るぞ!)

 

 僕は頬を叩いて気合を入れ、さらに仕事へと打ち込む。この日のお弁当はいつもの通りに妻のましろが作った愛妻弁当…愛も感じれて午後もそのまま頑張った。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「ただいまー!」

 

「パパ、おかえり!」

 

 今日の仕事を終えた僕は我が家へと帰宅する。中に入ると早速虹花とましろが玄関で待っていた…この二人はいつも僕のことを玄関で待ってくれるから本当に嬉しいんだよね!凄く元気が出た気がする。

 

「おかえりなさい。今日も定時で帰れたんだね?」

 

「うん。やっぱり家族の大事さをよく分かる人が上司で良かったよ…それよりも琢真と白郎は?」

 

「琢真と白郎はあの公園でキャッチボールをしてるよ。もちろん、二人とも宿題を終えてからね…」

 

「そうか。僕も久しぶりにキャッチボールやって来ようかな?体力にまだ余裕はあるし…」

 

「虹花も、虹花も!」

 

「虹花はちょっとダメかな?男の子のボールは速いからね…お前はママのお手伝いをして待ってなさい。僕達はすぐ帰ってるから…お手伝いを頑張ったら今日は500円をあげようかな?」

 

「ちょっと、琢郎!?まだ虹花に500円は大金すぎるんじゃ…」

 

「それぞれのおじいちゃんおばあちゃん…まあ僕の両親とましろのお義父さんとお義母さんから貰うお年玉よりは安いから問題ないでしょ。それに虹花は白郎と共にお手伝いを熱心にしてくれる良い子だからそろそろお小遣いの額を上げた方が良いんじゃない?」

 

「まあ、検討はしてるけど…」

 

「虹花、ママのお手伝いをする!何をお手伝いすれば良いの?」

 

 ましろは僕が虹花にお小遣いとして500円を与えることに難色を示すも虹花はお手伝いにやる気を示す。一応は本当に500円を与えるつもりだけど、これでキャッチボールで怪我したり喧嘩する場面がなくなれば安いものだ。

 

「えっと…まずはお料理かな?完成したものを食卓に置いてね。」

 

「うん!」

 

「それじゃあ、僕はキャッチボールに行くから!よろしくね。」

 

「「行ってらっしゃい!」」

 

 僕は家の外に出て駐車場に停めてあるマイカーのトランクからグローブを出してからそれを持ってあの公園へと向かう。それと同時に虹花は上手くやってるかどうかも気になるけど、キャッチボールを今は楽しむことにしよう…頑張れよ、虹花。

 

(移動中…)

 

 それから僕は思い出が沢山詰まった近所の公園へとたどり着く。キュアプリズムのましろを助けたのもここ、告白したのもここ、ファーストキスもプロポーズもここ…とにかくましろとの全てにおいての始まりの場所だ。そこで琢真と白郎がキャッチボールをしていた。

 

「ナイスボール!」

 

「琢真は良いボールを投げるね。やっぱり野球をやってる人は違うなぁ…」

 

「当たり前だろ?俺は父ちゃんが怪我でできなくなった野球で夢の続きを見せるんだ…それでプロ野球選手になって父ちゃんと母ちゃんを喜ばせる。そのために野球をやってるんだよ!」

 

 琢真は僕が入口の前にいることを知らずか本音を白郎に語る。実は僕も昔は野球をやっていて琢真が今いるチームをトシと共に主力として全国制覇へと導いたのだが、小学5年生の時の全国制覇をした後の練習試合で利き腕である右の肩を送球時に脱臼してしまってそこから手術で治したものの脱臼の恐怖が頭に浮かんでイップスになってしまい次第にレギュラーからも外されるようになり6年生の地区大会前に野球を辞めてしまった…そんな僕のためにコイツは頑張ってたんだな。初めて知ったよ…

 

「でも、これは父ちゃんには内緒だぜ?父ちゃんに言ったら『野球を頑張るのも良いけど学校でも真面目にやれよ!』って怒られちまうからさ…」

 

「僕ならここにいるよ?」

 

「げっ、父ちゃん!?」

 

 隠れていたところから僕が姿を現すと琢真は明らかに驚いて動揺する。さっきまでの良い子モードはどうしたのだろうか?明らかにイタズラをして怒られる前の普段と変わらない慌てっぷりだ…

 

「お父さん、お帰りなさい!お仕事定時で終わったの?」

 

「当たり前だろ。僕は家族も仕事も大事だからね…それはそうと琢真の本音、聞かせてもらったぞ?」

 

「聞かれてたんだな…俺、父ちゃんの夢の続きを見せてやるよ!もちろん、野球が好きだし父ちゃんも母ちゃんも好きだから。俺が父ちゃんを甲子園にもプロ野球にも連れて行く!父ちゃんと同じポジションのショートとして…」

 

「そうか、ありがとな…だけど無理はするなよ?無理をすると僕のように怪我をして苦しむことになる…メリハリをつけて練習をしていこうな?」

 

「うん、分かった!」

 

「よしっ…そういうことで僕もキャッチボールをやるよ!お前達がどれだけの球を投げれるようになったか見せてくれる?」

 

「まずは僕から…えいっ!」

 

 まず最初に白郎が僕に向かってボールを投げてくる。野球未経験にしてはなかなか良いボールだ…彼に今から野球をさせても将来性はあるんじゃないのかと思った。

 

「ナイスボール、次は琢真…来い!」

 

「やあっ!」

 

 次は琢真にボールを回してから彼の投げるボールを受ける。手元から伸びていき小学4年生にしてはかなり球威が良い…ピッチャーをさせても良いぐらい素晴らしい地肩を持っている。僕も野球をやってた時は強肩で名を馳せてたけど、やっぱりこういうのは親譲りなのだろうかね?

 

「お前、また肩が強くなったのか?ピッチャーもやれそうだな!」

 

「でしょ?俺ね、実はピッチャーの練習もちょっとしてるんだ!変化球も投げちゃう?」

 

「いや、キャッチボールで変化球はちょっと捕れないよ。また今度見せてくれる?」

 

「ああ、楽しみにしててくれよ!」

 

 僕はそれからも息子達とのキャッチボールを楽しむ。かなり小さい時はへなちょこボールだった二人も今では立派なボールを放るようになった…これで成長を実感するのも俺の親として誇るところだけど、一番誇らしいのは琢真が自分が思ってたよりも頼もしくなったことだろう…まだまだ学校では問題児だけど、僕のために野球を頑張ってることを知った時はもう涙が出そうなぐらい感動した。

 

(おっと、LINEが来た…ましろからか。『夜ごはんできたから帰ってきて!』…虹花もお手伝いを頑張ったんだな。)

 

 そんな時にましろからLINEのメッセージが届き、そこには夜ごはんが完成したということが書いてあった。とりあえず、キリも良いことだしここで切り上げよう…

 

「それじゃあ、今日はもう終わりにして家に帰ろうか。お母さんから夜ごはんができたって…」

 

「ええ〜っ、まだチャイムが鳴るまで15分あるじゃんか…もっとしようぜ?」

 

「琢真、お母さんの言うことは聞かないとダメだよ?お母さんを怒らせたらお父さんよりも怖いんだから…」

 

「じゃあ、最後…最後に父ちゃんのショートゴロを捌くところを見せてよ!それで終わりで…頼む!!」

 

「しょうがないなぁ…1回だけだよ。白郎はボールを僕のところに転がしてくれるか?琢真はファーストの守備位置についてくれ!」

 

「OK!俺はいつでも良いぜ?」

 

「お父さん、行くよ〜!」

 

「よし、来い!」

 

 そんなこんなで僕は琢真のお願いを聞きショートゴロを捌くことに…白郎が転がしたボールを前に出ながら掬うように捕ってからボールを右手で握りスナップを効かせてファーストの守備位置にいる琢真のグローブに目がけて正確に送球する。久しぶりにやってみたけど案外上手くいったようだ…僕もまた現役復帰しようかな?

 

「ナイスボール、やっぱり守備職人の父ちゃんは違うね!参考にして頑張るよ!!」

 

「その調子で頑張れ!それじゃあ…帰ろうか。家に帰ったら手洗いうがいとお風呂も忘れるなよ?」

 

「「はーい!」」

 

 そして、僕達は三人で家へと帰る。それからは手洗いうがいとお風呂(男同士三人で入った)を忘れずに身も清め、何もかもがスッキリした。こうやって男同士ではっちゃけるのはもうとにかく楽しくて幸せだ…この幸せはいつまでも噛みしめていたい。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 お風呂が終わり部屋着に着替え僕達は食卓に合流して夜ごはんを家族みんなで食べていく。今日のメニューは白ごはんに鶏の唐揚げにサラダという組み合わせで唐揚げはもうとにかく大食いの琢真が沢山食べることを前提に大盤振る舞いである。

 

「琢真、プチトマトを僕になすりつけないでよ。ちゃんと食べてね?」

 

「だって俺、トマト嫌いなんだもん!それぐらいお前が食えよな?白郎は俺の弟なんだから。」

 

「弟って…僕達は双子なんだから兄も弟もないと思うんだけど。」

 

「こらっ、琢真…好き嫌いせずにプチトマトも食べなさい!」

 

「母ちゃんだってゴーヤ嫌いだからゴーヤチャンプルとかのゴーヤ料理が出てないじゃん!それはどうなの?」

 

「うっ…」

 

「はい、論破〜!俺に好き嫌いするなと言うなら自分の好き嫌いを見直したら?」

 

 ましろは琢真に論破されて何も言えなくなる。そう、彼女は実はゴーヤが嫌いだからゴーヤチャンプルとかのゴーヤ料理はウチでは出ないんだ…しかしそれで論破されるましろは弱すぎじゃないだろうか?プリキュアとしては強くても口が強くないから言い負かされてしまうんだよね。

 

「琢真、野球を上手くなるには好き嫌いをしたらダメなんだぞ?プロ野球選手の人達は何でも食べて強くなれるんだ…好き嫌いしてるところをお前の憧れである波瑠選手(トシ)が見たらどう思うんだろう?」

 

「ううっ、分かったよ…食べる。」

 

 反抗する琢真に対して僕がトシの名前を出すと白郎になすりつけたプチトマトを取ってからそれを渋々ながら食べていく。彼は実はトシにずっと憧れていて彼が所属する横浜ブルースターズの試合を横浜スタジアムで観戦した時にトシのプレイに魅了されたことから横浜ブルースターズとトシのファンになりやがて野球も始めたという訳だ。

 

「パパ、凄い!トマト嫌いの琢真お兄ちゃんにトマトを食べさせた!!」

 

「まあ、好きな人に人は勝てないってことだよ…僕もママには勝てないかな?ママのことが大好きだからね♪」

 

「もう…今は食事中だよ?今はごはんを食べてね。」

 

「はーい。」

 

 僕がましろの頬をくっつけてスリスリすると彼女は顔を赤くしながら優しく怒る。しかし、僕は口元が少し緩んでいたのを見逃さなかった…どうやら嬉しさを隠しきれていないようだ。

 

「ヒューヒュー、父ちゃんと母ちゃんラブラブだ〜!」

 

「琢真ったらからかわないの!琢郎のせいだからね?」

 

「何で僕なの?しょうがないでしょ…ましろのことが好きなんだもん!」

 

「お父さん、お母さんのことが好きな気持ちは分かるけど僕達は見てて正直気持ち悪いよ…僕達の前だけじゃなくて外では特にしないでくれるかな?」

 

「分かりましたよ、我慢します。」

 

 白郎から注意されて僕はましろとイチャイチャするのを止める。まさか白郎が僕達が愛し合うところを見てられないようになるとはね…もっと幼い時は特に言わなかったけど、少しずつ大きくなっていくうちに気にするようになったようだ。

 

(そういえば、白郎ぐらいの時は父さんと母さんがラブラブしてるのを見てられなかったな…愛し合ってると子供から見た親に対して思うことを忘れてしまうけど、こういう感じだったのか。)

 

 僕は自分が白郎の時ぐらいのことを思い返してどんな心境だったのかを振り返る。大人になり結婚してからもうラブラブしたくて仕方ないから我慢できなかったけど、それなりの年齢の子供にとっては親のラブシーンって結構しんどいんだな。それを大人になると分からなくなるって怖いね…

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから僕は自分の寝室でこれから寝ようとしていた。子供達から怒られてもイチャイチャしたいと思う僕のことが嫌になったのではないかと不安になる…それはもう気持ち悪いと白郎からハッキリ言われたし、もう二度とイチャイチャさせてもらえないだろうな。

 

『琢郎、入るよ…』

 

「どうぞ。」

 

 もうイチャイチャできないことを覚悟をしていたその時、パジャマ姿のましろが部屋の中に入ってきた。すんなり入れたけど少々驚きも伴っている…

 

「子供達はもう寝かせたよ…って、琢郎どうしたの?私の方を目を丸くして見ちゃってるけど。」

 

「いや、どうして君がここに?もうイチャイチャできないんじゃ…」

 

「急にどうしたの?変なこと訊いちゃって…」

 

「いや、白郎から僕達が愛し合うところを気持ち悪いって言うし琢真はからかうからさ…もうしてくれないんじゃないかと思ってね。」

 

「なるほど…でも、私は特に気にしてないよ。ベッドの中、入るね?」

 

 そう言うとましろはベッドの中に入ってきた。彼女は僕と向き合ってから顔をじりじりと近づき、彼女の可愛い顔が3D映像のように飛び出しそうな距離感まで迫る。

 

「どうしたの、もしかして緊張しちゃった?」

 

「まあ、そりゃあ緊張するよね。君の可愛い顔が近いんだから…」

 

「ふふっ、嬉しい…今年で34になってもまだまだ琢郎から『可愛い』って言ってくれるなんて♪」

 

 ましろは僕の近くで満面の笑みを浮かべた。年齢的にはおばさんと呼ばれてもおかしくない中で彼女の笑顔は恋に落ちた時ぐらいから…というのはオーバーだけど、少なくとも20歳の時から全然年を取ってないような気がする。無理に若作りしなくても若く見えるって凄いよな…(しかも子供が三人いるのに)

 

「それでましろはさ…子供達からイチャイチャするなって言われたけど、どうして僕のところに来てこんな感じなわけ?」

 

「私は琢郎のことが好きだから…それ以上に理由なんてないよ。それに、イチャイチャしたらダメなのは子供や他の人が見てる時だけ…こうやって二人きりの時は沢山甘えて良いからね?とりあえず、貴方から頬をスリスリされたから私の甘えたいスイッチがONになってちゃって…今日は逆に甘えちゃって良い?」

 

「むしろ、君から甘えてくるなんて大歓迎だよ…今日は楽しい夜を過ごそうね。」

 

「ありがとう、大好き♪」

 

 そして僕達はキスを交わしてからこのまま沢山イチャイチャするのであった…何をしたのかに関しては全年齢対象ということもあり具体的には話さず皆さんのご想像に任せる。癒し系で優しくて甘え上手にして甘やかし上手…ましろは本当に魅力満載の女性だ。そんな彼女とこれからも幸せに過ごしていきたいな。しかし、家族の前では極力ラブラブするのは控えよう…とにかくそう心がけることにした。




石井琢郎(いしいたくろう)

CV:島崎信長

身長:182cm

体重:70kg

誕生日:8月25日

年齢:満34歳

この物語の主人公でキュアネイチャーの変身者、キュアプリズムことましろに恋をして色々ありながらも付き合うことになり20年後…ましろと結婚して三人の子宝に恵まれ、現在はサラリーマンとして子育てをしつつも絵本作家をしているましろを支える。普段は真面目だが、実はましろが好きすぎて仕方なくて新婚の時のようにラブラブしたいほど妻を愛しすぎてしまうことも…それで変態な面もちょっぴりあったりとか?かつては野球をやっていたのだが、怪我でその道を断念して今は自分の夢を琢真にその夢を託している。

石井琢真(いしいたくま)

CV:藤原夏海

身長:135cm

体重:30kg

誕生日:7月7日

年齢:満10歳

琢郎とましろの間に産まれた双子の兄弟の兄。性格としては元気なのだが、学校ではいたずらばかりする問題児…ただ、野球になると真面目でポジションは父親と同じショート。琢郎がなれなかったプロ野球選手の夢を叶えるべく日々頑張っている!


石井白郎(いしいしろう)

CV:内山夕実

身長と誕生日は琢真と同じ

体重:25kg

琢真の双子の弟。性格は冷静ながらも好奇心旺盛で石井家の中ではかなりの真面目、成績優秀スポーツ万能の秀才で将来の夢は医者か弁護士。


石井虹花(いしいこうか)

CV:Machico

身長:110cm

体重:16kg

誕生日:7月10日

年齢:満5歳

琢真と白郎の妹で石井家の末っ子。とにかく末っ子らしく元気で甘えんぼだが人間は年齢以上にしっかりしてたり…そういうところから家族みんなから好かれている。


魚谷智花(うおたにともか)

CV:花澤香菜

身長:156cm

体重:??

誕生日:2月25日

年齢:24歳

琢郎の部下、3年目ながら仕事ができる『若手のホープ』として期待されて美貌という面でも注目されている社内のマドンナ的存在。琢郎のことはかなり慕っていて彼のような男性との結婚を夢みている…


愛甲剛(あいこうたけし)

CV:津田健次郎

身長:186cm

体重:75kg

誕生日:6月15日

年齢:満46歳

琢郎の上司。普段はとても厳しいのだが、片親の身で子供を三人育ててきた経験からか家族の大事さを何よりも理解していて琢郎等の結婚している部下達が子育てをしつつ仕事をしやすいように手厚くサポートしているぐらいに人情深い。元野球選手と同じ読みの名前だが本人とは関係なし。


こんな感じで本編はいかがでしたか?琢郎とましろちゃんに加えて子供達の日常に加えて前の作品で書けなかった詳しい話も組み込んでみました。こんな感じでこれからもやっていくのでお気に入り登録、感想、高評価の3点セットをよろしくお願いいたします!

それでは、また次回。
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