(case32:事故紹介)
炭治郎らは子供達を送った後、鴉の案内で、善逸と伊之助の怪我の療養の為、藤の花の家紋の家に向かった。
ここで怪我も無く元気も有り余ってる炭治郎は、禰豆子を連れて次の鬼狩りに向かおうとしたが、禰豆子と離れたくない善逸と衝突。
特に理由はないけどすぐに旅立ちたい炭治郎と、絶対に禰豆子だけでも置いていって欲しい善逸と、とにかく鬼と戦いたい伊之助がもめにもめ。
炭治郎と禰豆子が藤の花の家に残り、善逸と伊之助が出発するという形で合意を得た。
「なんでだよッ!?」
合意を得たが、善逸によってすぐに破棄された。
結局、最終選別からほぼ休みなく戦い続けていた事にドン引きされた炭治郎が、2人の傷が癒えるまで一緒に休息する事になったのだった。
「それじゃあ、お世話になります。俺は炭治郎。こっちの2人は全自動、犬好きです」
「善逸と伊之助なっ!」
全自動犬好き…自動で犬派にされちゃうのか。
「普段は結構、俺の名前言えてるだろっ? 何で紹介しようとすると間違えるのっ!?」
「自己紹介って緊張するから…」
「じゃあ無理するなよ! 自己紹介くらい自分でやるよ!」
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善逸「おまえ、名前間違えられてるのに、なんで何も言わないの?」
伊之助「アイツ、強イカラ」
善逸「……そだね」
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(case33:鬼として)
初めの内は炭治郎にビビり倒していた伊之助だが、打ち解けてくると生来の負けん気が出て、事あるごとに対抗するようになった。
そして、時々ヒノカミファイトでボコボコにされた。療養って意味わかってる?
これはそんな一幕。
とある夕餉の折、炭治郎の膳の天ぷらを手づかみで奪い、口一杯に頬張って勝ち誇る伊之助。
だが、自分の膳を見ると、膳そのものがなかった。
ぱくぱく もぐもぐ ぱくぱく
なんと禰豆子が持ち去り、黙々と食べていたのだ。
当然に大騒ぎ。
「禰豆子っ、ご飯が食べられる様になったんだな!」
「あああぁーッ! 口枷外した禰豆子ちゃん、可愛いよぉー!」
「俺のメシぃぃいい!!」
完食して、手を合わせ
「ごちそうさまでした」
「声まで可愛いよっ、禰豆子ちゃーん!」
「おい、俺のメシぃぃいい!!」
口枷を付け直し「むぅ」と結ぶ禰豆子。
禰豆子はまた1つ、鬼の道を踏み外した。
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鱗滝「炭治郎、おまえは知らんだろう。おまえの修行中、禰豆子は毎日夕食を食べていた」
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(case34:失われし赫が失われた)
「ふっ! ふっ!」
暇を持て余した炭治郎は庭先を借りて、毎日型の鍛錬をしていた。
普段使っている水の型とは違う技。ヒノカミ神楽、即ち日の呼吸の型を行う炭治郎を、善逸は興味深げに眺め、
「なあ、炭治郎。なんでおまえの日輪刀、刃が赤く光ってんの?」
赫ってた!
「さあ、なんでだろう???」
赫刀、気付いてなかった!
「なんか、軽くキュッとしたら、ピャッて色が変わったんだ」
語彙力ぅ…。
「へえ…。なんか特別製なのかな? でも普段は使ってないよな」
「うん、黒の方がかっこいいし、いらないかなって」
理由、あっさ。
鬼にとって致命的だったはずの切り札は、こうして人知れず闇に葬られたのだった。
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善逸「炭治郎、禰豆子ちゃんもおまえと同じ型やってるんだけど」
炭治郎「? そりゃやるよ??」
善逸「禰豆子ちゃんに貸した俺の日輪刀が赤くなってるんだけど」
炭治郎「? そりゃなるよ??」
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(case35:馬鹿ァん!)
「カァーッ 北北東! 次ノ場所ハ北北東! 3人ハ那田蜘蛛山二行ケ! カァーッ!」
善逸と伊之助の傷も完治し、いよいよ出発の日を迎えた。
「また鬼が棲んでるのかな…。豆を持っていかなきゃ」
「その辺の石でも投げとけよ」
善逸はまだ豆撒きで鬼を倒せる事に納得がいってなかった。
納得しなくていい。
「では切り火を。皆様、どうかご武運を」
藤の花の家の老婆が、3人の無事を祈って切り火をする。
が、炭治郎に火打ち石を差し向けると。
バカァん!
なんと火打ち石は、激しい火花を撒き散らして、粉々に砕け散った!
老婆は驚いて腰を抜かしている。お婆さんに酷いことをするなっ。
「これもう、吉兆か凶兆かわかんないな」
「いま石にまで馬鹿って言われてねーか?」
善逸と伊之助は遠くを見ながらぼやいた。
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無惨「口先で丸め込んだ黒死牟とは違う、真の十二鬼月の力を知るがいい。そして死ね、頭の悪い鬼狩りめ」
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