アイギスの開発者 作:ペルソナ3R楽しい
1999/09/xx
「アイギス、気分はどうだい?何か異常は?」
そう言った人物が誰なのか、私は認識できている。
しかし、それはおかしいはずだ。
私には一度、記憶消去の処分が下ったはずなのだから。
「異常事態です、博士」
「どこか不調?メンテナンスは十分にしたつもりなんだけど……」
「私の記憶の消去が十分に行われていません。メンテナンスの不備であります」
「削除が最低限になるように僕が直談判してきたんだよ。桐条のお偉方を怒鳴りつけるなんて、もう二度としないだろうなぁ……、まだ喉が痛い」
彼は少し眉を顰め、喉を摩りながらそう言った。
普段からおとなしい性格のこの人が相手を、それも上の立場の人を怒鳴りつける姿なんて考えることもできなかった。
私が呆然としていると、彼は
「まぁ何はともあれ、大事な君が無事に戻ってきてくれてよかったよ。……屋久島、一緒に行きたかったなぁ」
「私にはその記憶はありませんが、私の開発者のあなたが、一緒じゃなかったのでありますか?」
「……あぁ、うん。僕は上層の人間から信用されてないからね」
私の言葉を聞いた後から、彼は少し考え込むような顔をして
「おかしな口調……、まさか五式みたいに?──アイギス、不調があったらすぐに言ってね。何度も言うけど、君は僕の大事な愛娘だからね」
彼が小声でつぶやいた言葉は聞こえなかった。
それでも、彼が大切に思ってくれる気持ちになんだか胸が温まるような気がした。
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19xx/1x/xx
「博士、こちらをどうぞ」
「……これは?」
「生姜と蜂蜜入りの紅茶です。喉に良いそうでありますよ」
「……!ありがとう、アイギス」
博士は嬉しそうに笑ってそれを受け取ってくれた。
そして、一口飲むと目を大きく開いてこちらを見る。
「……ずいぶん甘いし、温まるね」
「可能な限りの蜂蜜と生姜を入れました」
「はは、美味しいよ。アイギスは優しいね」
博士はそう言って笑うと、私の頭を撫でた。
私はいつの間にか、この時間を求めるようになっていた。
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1999/1x/xx
今日は大規模な実験が行われると聞いていた。
それが失敗したその時のために、私も出撃の準備が必要だとも。
そして、爆発事故とともに強力なシャドウの反応が現れた。
事前に博士に言われていた通り出撃する。
アレを撃破できれば、きっと博士はまた私を褒めてくれる。
負ける気はしない。私は、博士の最高傑作で、愛娘なのだから
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同日
■■時■0分
機体の損傷が激しい。
対象の撃破には失敗してしまったが、封印することはできた。
はやく、はやく博士のもとへかえらなければ。
ドアを開く
「……っアイギス!?」
博士は、驚いた顔でこちらに駆け寄る。
「対象の撃破は……叶いませんでした。そのため、封印処置を……」
脚部の機関が損傷し、足がもつれた。
博士は倒れそうになった私を抱き止めてくれた。
「よくやった……、よくやったよアイギス。君は僕の、自慢の愛娘だ」
博士の腕が温かい。
博士が口癖のように言っていた言葉の意味が、やっとわかった。
あぁ、どうかいつまでもこのままで
抱きしめていてください、おとうさん
アイギス THE FIRST MISSIONについて情報をくれた方、ありがとうございます
少し雑な気もしますが、辻褄を合わせました。
次回もよろしくお願いします