首都直下撃滅作戦から数日後。東京都内のマンション。
ゲント「ジュン、ママの具合はどうだ?」
リビングで電話をする男が居た。特殊怪獣対応分遣隊SKaRDの隊長ヒルマ・ゲント。そして、ウルトラマンブレーザーに変身する男でもある。今日は休暇でお休み。
ゲント「そうか。ごめんな、パパ急な仕事でママの実家へ行けなくて。俺が居ない間、ジュンがママを守るんだぞ?」
彼は愛する家族が居る。息子のジュンと妻のサトコ。今2人はサトコの実家へ行っており、ゲントは留守番。そして現在、サトコのお腹の中には、新しい命が宿っている。
ゲント「じゃあ、楽しんで来いよ。またな。」
通話終了。
ゲント「・・・こうして1人になるのも久し振りだな。・・・暇だな。何処か出掛けるか。」
留守番のゲントは、1人外出した。
ゲント「・・・・・」
嘗てネクロマス社のテクノロジーによって生み出されたゴンギルガン。その激戦地の国会議事堂は復興中。
ゲント「ブレーザー、あのゴンギルガン手強かったな。でも、俺達とSKaRDの協力で無事撃滅出来たな。しかしまさか、色々なゴンギルガンが繁殖して、ペスカトーレになるなんて思ってもみなかったな。」
”ピリリリリ”
ゲント「ん?」
スマホの着信音が鳴った。すぐに出る。
ゲント「こちらゲント。テルアキどうした?・・・何?怪獣?」
副隊長のナグラ・テルアキからの連絡。新たな怪獣が現れたと言う。
ゲント「場所は?小笠原諸島?なんでそんな所に?形状は?・・・フジツボ?コードネームは、ブルトン。防衛軍のミサイルを歪ませてるだと?分かった。今回の指揮もお前に預ける。俺が休暇の間、頼むぞ。」
通話終了。
ゲント「よりによってまた怪獣とはな。とは言っても、アーくんは昨日泥酔しちまってるから、出撃に時間が掛かる。仕方無い。ブレーザー、俺達も行くぞ。」
ブレーザーストーンが、ゲントに応えるかのように光った。ゲントの左腕にブレーザーブレスが出現した。
ゲント「・・・・」
ブレーザーストーンをブレーザーブレスの赤いライン部分に装填。結晶体が展開し、ゲントが青いライン部分のボタンを押した。すると光に包まれ、ウルトラマンブレーザーに変身した。
ブレーザー「ルロロロロロォォイ!!」
小笠原諸島。四次元怪獣ブルトンが転がっている。そこに防衛軍のミサイルが接近。だが、ブルトンに当たらず軌道を変えて地面に着弾した。するとブルトンの体表の孔から四次元繊毛が出現し、防衛軍のミサイルの軌道を変えて、ミサイル同士を爆発させた。次々とミサイルが接近するも、ミサイル同士を爆発させるばかり。更に四次元繊毛から光線を放ち、小笠原諸島の地面を陥没させるなどを繰り返す。
ブレーザー「ルロロロロロロォォイ!!」
上空から現れたウルトラマンブレーザーが、ブルトンにドロップキックして蹴り飛ばした。
ブレーザー「ヘイロォォォォイ・・・・・」
ブルトンに向かって祈りの舞を捧げた。
ブレーザー「ヘイロォォォイ!!」
再びブルトンに向かってドロップキック。だがブルトンの四次元繊毛から光線が放たれ、ブレーザーを空中で止めた。そしてもう1本の四次元繊毛が発光し、ブレーザーを高速で回した。
ブレーザー「ヘロワッチ!」
回転から脱出し、地面に着地した。再びブルトンが四次元繊毛の光線を放った。するとブレーザーの足場が崩れ、ブレーザーが落ちた。
異次元空間に落とされたブレーザー。ゲントがブレーザーブレスにファードランストーンを装填し、ボタンを押した。ブレーザーの右腕に赤い不死鳥の怪獣・ファードランが装着され、ファードランアーマーを纏った。
ブレーザー「ルロッチ!!」
ファードランアーマーを纏ったブレーザーが炎を纏って飛翔した。
地上に戻り、ブルトンの前に立つ。また四次元繊毛から光線を放とうとする。
ブレーザー「へロッチ!!」
するとブレーザーが自らを高速回転し、ブルトンを狂わせる。四次元繊毛が爆破されてしまった。
ブレーザー「ッ!!」
チルソファードランサーのレバーを4回引いてトリガーを押した。
ブレーザー「ルロロロロロロォォイ!」
炎の矢を放つチルソファード炎竜射がブルトンを貫いた。ブルトンが逃げるように空を飛んだ。
ブレーザー「ルロロロロロロォォイ!」
再びブレーザーがチルソファード炎竜射を放ち、ブルトンを爆散した。
ブレーザー「・・・・・・」
力んで飛翔しようとするブレーザー。だがその時、ブルトンの爆散地点に突如ワームホールが出現した。
ブレーザー「ッ!?」
ワームホールの吸引が強大になり、ブレーザーを吸い込んだ。
ブレーザー「ロアアアア!!!」
ブレーザーを吸い込んだワームホールが消滅した。
異次元空間。
ブレーザー「ロアアアアア!!!」
空間に流されてるブレーザーのファードランアーマーが消滅し、ファードランストーンが落ちた。
ゲント「・・・・?」
目が覚めたゲントが周囲を見る。
ゲント「ここは・・・島か?」
今彼が居る場所は、島のようだ。
ゲント「無人島か?・・・いや、村がある。」
この島に村があった。ゲントが村へ行く。
村に着いたゲントが呼び掛ける。
ゲント「誰か居ませんかー?」
だが、返事も反応もない。
ゲント「誰も居ないのか。ん?」
足元に新聞が落ちてる。新聞を拾って記事を見る。
ゲント「え!?1945年の8月!?第二次世界大戦末期頃か。ってか、何で俺はこんな時代に?・・・ハッ!まさか・・・さっきのブルトンの起こしたワームホールに吸い込まれて、過去に飛ばされたのか?」
無人の村を隈無く調べてみる。そこでゲントが村の伝記を見付けた。
ゲント「大戸島?聞いた事ない名前だ。俺の世界でもそんな島は無かった。まさかここは、別の世界の日本なのか?」
ポケットを調べ、持ち物をチェックする。
ゲント「やっぱり。ファードランが無くなってる。さっきの空間で落としたからか。」
その時。外から駆動音が聞こえた。
ゲント「ん?」
外へ出ると、1機の零式艦上戦闘機が大戸島へ向かっているのが見えた。
ゲント「零戦?この島で戦争が起きるのか?」
ブルトンのワームホールで、別世界に飛ばされたゲント。大戸島に着陸した1機の零戦。ゲントとある兵士の新たな邂逅、そしてマイナス・ウェイブが始まる。
「続」