ブレーザー/ゴジラ-WAVE   作:naogran

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第4章・帝都激突

同じ頃。浦賀水道付近を海防艦”生野”が哨戒航行を続けていた。高雄、海進丸の原因不明の沈没。そして新生丸と革新丸からの報告。俄には信じられない情報だったが、万が一の事を考えて”生野”が配置されていたのだった。当初の乗組員達は、新生丸と革新丸の情報は半信半疑だったが、それが現実だと知る事になる。

 

 

 

 

哨戒航行中の生野の真下を通過する巨大な物体。そう、ゴジラが通過したのだ。

 

乗組員A「これが例の・・・」

 

その姿を目撃した乗組員達は驚いている。

 

乗組員B「早く通報だ!早くしろ!!」

 

乗組員A「は、はい!」

 

生野を通過したゴジラの背鰭が海面に姿を現し、東京へ向かっている。

 

 

 

 

 

 

東京湾の入り口。そこには、測天型敷設特務艇が数珠繋ぎにした機雷を、湾を塞ぐように敷設していた。もし本当に怪物が来たら、この機雷で出来た『東京湾封鎖ライン』で倒す予定だった。

 

その作業中、海防艦生野から、ゴジラ接近の通報を受けていた。

 

艇長「沖合で哨戒中の海防艦から、巨大生物が東京湾に向かっていると連絡があった。」

 

特務艇乗組員A「じゃあ、間も無くですかね。」

 

特務艇乗組員B「はっ・・・!」

 

双眼鏡で仕掛けた機雷のラインを確認していた1人の乗組員が荒い息を漏らした。

 

艇長「どうした?」

 

特務艇乗組員B「こんなのありかよ・・・!?」

 

艇長「来たのか!?」

 

双眼鏡を覗いた。常軌を逸した巨大な背鰭が見えた。

 

特務艇乗組員B「これは・・・本当に生き物なんですか!?」

 

それはまるで、海を移動する島のように見えた。艇長は急いで送話器を持って本部に報告する。

 

艇長「東京湾防衛戦第4区を爆破して、未確認巨大生物の侵入を阻止します!」

 

双眼鏡を覗く乗組員が報告する。

 

特務艇乗組員A「後僅か。もう少しです。」

 

ゴジラが真っ直ぐに機雷ライン第4区に突っ込んで行く。

 

特務艇乗組員A「間も無く第4区通過!今です!!」

 

艇長「爆破!!」

 

第4区の機雷が立て続けに爆発した。機雷の水飛沫が舞い上がった。

 

艇長「やったか!?」

 

双眼鏡を覗いた。だが、機雷を受けたゴジラは何の影響も受けず悠然と進んで行った。

 

特務艇乗組員A「ダメです!!まるで効いてません!!」

 

艇長「東京湾封鎖失敗!怪物は品川方面に向かいました!尋常ではない大きさです!」

 

東京湾を通過し、ゴジラが日本へ上陸しようと進んでいる。

 

 

 

 

 

 

同時刻。浩一の家では、非番の浩一が明子と遊んでいる。今日のゲントは銀座へ遊びに行ってる。

 

浩一「おー。ありがとう。」

 

ラジオからのんびりと、最近流行している『鐘の鳴る丘』の主題歌が流れていた。

 

”ーーーーーーーーーーーー!!!!”

 

すると突如、町中を引き裂くような空襲警報のサイレンが鳴り響いた。浩一が咄嗟に明子を庇う。ラジオからチャイム音が流れ音楽から緊急放送に変わった。

 

アナウンサー『臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。東京湾から上陸した巨大生物が銀座方面に向かっています。銀座に居る方は、警察の指示に従って直ちに避難を開始して下さい。これは現実です。作り話ではありません。』

 

浩一「銀座・・・?」

 

今銀座には典子とゲントが残っている。

 

 

 

 

 

 

銀座。大勢の人々がパニックを起こして逃げている。それはまるで、空襲から逃げ惑っているかのような光景だった。人々はパニックになりながらも、警察の指示に従って避難してる。

 

ゲント「何処ですかー!お母さーん!」

 

その中にはゲントの姿があった。彼は母親と逸れた女の子を連れて一緒に母親を探している。

 

少女「お母さん!!」

 

母親「怪我はない?大丈夫?」

 

無事母親と再会し抱き付く少女。

 

ゲント「さあ!早く避難を!」

 

母親「はい!ありがとうございます!」

 

ゲントにお礼を言って、娘を連れて急いで避難する。

 

ゲント「まさか奴がここまで・・・!!」

 

逃げてる人々とは逆方向の道を走るゲント。すると晴海通りの上空を折れ曲がった都電と何台もの車が、ブリキのおもちゃのように飛んで行った。それを追うように、直径10メートルはありそうな巨木のような足が現れた。

 

人々「うわああああああああああ!!!!!」

 

それを目の当たりにした人々は、先程のまでとは比べ物にならない絶叫を発しながら我先にと逃げ惑った。

 

ゲント「ッ!クッ!」

 

逃げ惑う人々を掻い潜りながら走るゲント。その目の前には、奴が居た。

 

 

 

 

 

 

その頃東京駅では。まだ騒ぎが伝わってきておらず、山手線の列車がすぐ先にある有楽町の駅に向かって加速し始めた。その車両には典子が乗っている。すると運転席に居る運転士と車掌が、前触れもなく目の前に一両の都電が空から飛んで来るのを目撃した。

 

運転士・車掌「うわあああああ!!!」

 

飛んで来た都電が線路の真ん中に突き刺さる格好で墜落した。運転士が反射的に急ブレーキを掛けた。電車が都電の目の前に止まった。あまりに急なブレーキに、立っていた乗客達は危うく転倒する所だった。

 

典子「!?」

 

乗客A「何なんだおい?」

 

乗客B「何があったの?」

 

乗客C「どうした?」

 

困惑する典子と乗客達。するとその時。

 

”ドシン!!!!”

 

典子「はっ!」

 

窓の外の日劇方面から、信じられないものが歩いているのが見えた。他の乗客達もその歩いている何かを見た。体長50メートルを超えている巨大な怪物。それは・・・・・

 

 

 

 

 

 

ゴジラ

 

 

 

 

 

 

典子「あれが・・・ゴジラ?」

 

 

 

 

ゴジラ『ーーーーーーーーーー!!!!!!!』

 

典子達の身体中を震わせる重低音で咆哮を上げた。ゴジラの足元には、逃げ惑っている人々の姿があった。ゴジラの左足が地面を陥没と同時に地面が飛び出し、そこに立っていた人々が飛び出した地面に打ち上げられ落下した。ゴジラがゆっくりと典子が乗っている電車へ近付いて行く。

 

 

 

 

雄叫びに本能的な恐怖を感じ取った乗客達はようやく事態の深刻さに気付き、我先にと電車から脱出して逃げた。だが典子を含む一部の乗客は近付いて来るゴジラに圧倒され逃げる事を忘れてしまっている。

 

典子「ハッ・・・!」

 

そして、ゴジラが典子が乗っている車両の後ろの車両を咥えた。そのまま車両を持ち上げる。同時に車両自体が大きく斜めに傾いた。立っていた乗客達は急な坂となった床を滑り落ちていった。典子は座席の手すりに座り込む形になり滑り落ちずに済んだ。車両が斜めに傾いたまま数十メートルの上空まで持ち上げられた。

 

典子「あっ・・・!!」

 

隣の車両に移動する為のドア面が車両の底になる形になって、そこから次々と乗客達が滑って行った。その時、典子の車両が重さに耐え切れず、真ん中から真っ二つに折れた。そしてそのまま折り重なった人々を乗せたまま、真っ直ぐ繁華街に落下して乗客諸共ぐしゃりと潰れた。

 

 

 

 

 

 

下の方では、ゲントがゴジラの後ろに立ち止まった。周りには誰も居ない。それどころか、ゴジラによって犠牲になった人々が横たわっている光景が広がっている。

 

ゲント「酷い事を・・・!!」

 

ポケットからブレーザーストーンを取り出した。

 

ゲント「ブレーザー。俺達でゴジラと戦うぞ!」

 

ブレーザーストーンが、ゲントに応えるかのように光った。ゲントの左腕にブレーザーブレスが出現した。

 

ゲント「・・・・」

 

ブレーザーストーンをブレーザーブレスの赤いライン部分に装填。結晶体が展開し、ゲントが青いライン部分のボタンを押した。すると光に包まれ、ウルトラマンブレーザーに変身した。

 

ブレーザー「ルロロロロロォォイ!!」

 

 

 

 

 

 

車両を咥えてるゴジラが180度回転させて1歩進む。

 

典子「ああっ!あっ!」

 

座り込んでる手すりが折れて典子が落ちる。だが、電車の支柱に掴まりぶら下がった。今彼女が居るのは数十メートルの上空。支柱に掴まるのが精一杯だが、遠心力で振り落とされそうになっても根性で耐える。

 

典子「ああ・・・ああ・・・」

 

だがその時、典子が掴まってる支柱が折れてしまい、典子が落下する。

 

典子「キャーーーー!!!!」

 

落下する典子を、突如現れた光が典子を包み込んだ。

 

典子「・・・っ!?」

 

電車から落ちた典子は、現れたウルトラマンブレーザーの手の上に乗っている。

 

ブレーザー「・・・・」

 

典子「・・・・!」

 

突如現れたブレーザーに、典子はゴジラを目撃した時と同じく固まっていた。

 

ブレーザー「ッ。」

 

下を見ると、逃げ惑っていた人々がブレーザーを見て呆然と立ち竦んでいた。

 

ブレーザー「・・・・・」

 

するとブレーザーは、ゆっくりと地面に膝を付いて、典子を地面に下ろしてあげた。

 

典子「・・・・・?」

 

ブレーザー「・・・・・」

 

こちらを見てる典子に、ブレーザーがゆっくりと頷いた。

 

ゴジラ『ーーーーーーーー!!!!』

 

ブレーザー「ッ!」

 

重低音の咆哮を上げるゴジラに気付いた人々が再び逃げ惑う。それに続いて典子も急いで逃げ出す。ブレーザーは後ろに振り向いてゴジラ睨む。

 

ブレーザー「ヘイロォォォォイ・・・・・」

 

ゴジラに向かって祈りの舞を捧げてから、ゴジラに向かって走り出す。

 

ブレーザー「ルロッチ!!」

 

ゴジラ『ーーーーー!!』

 

ブレーザー「ルロッチ!ヘロワッチ!!」

 

肘打ちやブレーザーパンチが次々とゴジラに命中するが、ゴジラは一向に怯む事はない。

 

ゴジラ『ーーーーー!!!』

 

ブレーザー「ロアアア!!」

 

頭突きを喰らったブレーザーが怯んで後ろに下がった。

 

ブレーザー「ヘイロォォォイ!!!」

 

何度も地団駄を踏んでから、ジャンプからのドロップキックがゴジラに喰らった。

 

 

 

 

 

 

日劇と朝日新聞本社の対面にあるマツダビル屋上。そこにはカメラマンや記者、実況をテープに吹き込もうとする徳田アナウンサーの報道陣の姿があった。

 

徳田「信じられない光景が広がっております!俄には信じられないような巨大生物と、突如現れた巨人・・・怪物と巨人が銀座で戦いを繰り広げています!」

 

 

 

ブレーザー「ロアアア!!」

 

ゴジラのタックルを喰らったブレーザーが、後ろの日劇に倒れた。

 

 

 

 

徳田「今まさに!日劇が破壊されております!皆様の思い出と共にあの日劇が!あの日本劇場が今巨人に押し潰され目の前で崩れ去っていきます!」

 

 

 

 

ブレーザー「ルロッチ!!」

 

立ち上がったブレーザーがゴジラの背中に乗り、頭部に何度も連続パンチを喰らわせる。

 

ゴジラ『ーーーーーー!!!』

 

ブレーザー「ロアアア!!」

 

大きく体を揺らしたゴジラからブレーザーが落ち、隣の朝日新聞本社が落ちるブレーザーによって崩れてしまった。

 

 

 

 

徳田「ああ!何と言う事でしょう!!先の大戦の大空襲をも乗り越えた銀座の街が!もろくも瓦礫の山と化していきます!!」

 

ブレーザーを振り解いたゴジラが、徳田アナウンサー達報道陣の横を通過する。

 

徳田「あ!なんと!怪物がこちらに近付いてまいりました!!まさに今、我々の目の前を巨大な怪物の顔が通過しようとしております!!ここも大変危険になってまいりました!!」

 

ゴジラの足がマツダビルの1階部分を抉るように破壊した。マツダビルがだるま落としの如く崩れ始めた。

 

報道陣「うわあっ!!!」

 

屋上に立っているアナウンサー徳田率いる報道陣が転がるように倒れ込んだ。耐え切れなくなったマツダビルの屋上が、あちこちでバキバキと折れながら、ビルが崩壊するのに合わせ、斜めに落下して行った。

 

報道陣「うわああああああ!!!」

 

落下していく屋上。報道陣が落ちていく。だがしかし。

 

ブレーザー「ルロロロォイ!!!」

 

崩れるマツダビルの下に、ブレーザーが滑り込むように現れビルを左手で支えた。そして、倒れ込んでる報道陣に右手を差し伸べた。報道陣はこの状況に困惑したが、すぐに理解してカメラやマイクなどの機材を持ってゆっくりとブレーザーの右手に乗り込んだ。

 

ブレーザー「ヘロロロロォォォォ。」

 

そのままゆっくりと地面に降ろし、報道陣を救出。手から降りた報道陣を確認したブレーザーがビルを持ちながら起き上がり、ビルを慎重に立てた。

 

徳田「な、なんと言う事でしょう!突如現れた巨人が、我々を救ってくれました!あの巨人はもしかしたら、我々の味方なのでしょうか!」

 

 

 

 

 

 

一方典子は逃げる人々に紛れ込んで、ゴジラから必死に逃げている。典子は途中で止まり、後ろを振り向いて近付いて来るゴジラをただ呆然と眺めた。

 

男性「邪魔だ!」

 

典子「あっ!」

 

後ろから罵声する男が典子を突き飛ばした。典子はその男に突き飛ばされ倒れた。

 

典子「・・・・・」

 

ゴジラがすぐ目の前。もうここで死ぬのかと思われたが。

 

浩一「立て!!」

 

典子「浩さん!?」

 

浩一「死んではダメだ!早く!」

 

駆け付けた浩一に支えられ、典子は残った力を振り絞って全力で走る。

 

浩一・典子「はぁっ!はぁっ!」

 

逃げる群衆の中。後ろには逃げ遅れてる人々がゴジラの右足に踏み潰されそうになる。だが、右足がギリギリ止まった。

 

ブレーザー「ルロロロロロロ!!!」

 

それは、ブレーザーがゴジラの尻尾を引っ張ってゴジラの身動きを止めたからだ。

 

ブレーザー「ヘイロォォォイ!!!」

 

そのまま尻尾を力強く引っ張ってゴジラの動きを止め続ける。引っ張ろうにもゴジラには数倍の怪力を持っている為後ろへ引っ張れない。

 

ゴジラ『ーーーーーーーー!!』

 

ブレーザー「ロアアアア!!!」

 

尻尾を縦横無尽に振り回され、ブレーザーがその遠心力で吹き飛ばされ銀座にあるビルにぶつかって倒れた。

 

”ピコン”

 

ブレーザー「・・・・ッ!!」

 

立ち上がったブレーザーのカラータイマーが点滅し始めた。

 

 

 

 

インナースペース。ゲントがブレーザーブレスにガラモンストーンを装填し、青いライン部分のボタンを押した。

 

 

 

 

ガラダマ雷鳴剣・チルソナイトソードが出現し、ブレーザーが握る。

 

ブレーザー「ルロロロロロ!!」

 

走って大ジャンプしたブレーザーが、ゴジラに向けてチルソナイトソードを振り下ろして斬撃を喰らわせる。

 

ブレーザー「ルロロォイ!!ルロロォイ!!ルロロロロォイ!!」

 

何度も斬撃を喰らわせたブレーザーだが、ゴジラの斬撃を受けた箇所が一瞬にして回復した。

 

ブレーザー「ルロロロロロロォォイ!」

 

回復したゴジラに、ブレーザーが興奮して雄叫びを上げた。そして、チルソナイトソードのレバーを1回引いて、トリガーを押した。

 

ブレーザー「ルロロロロロォォォイ!!!」

 

ガラモンの背中の棘にも見える稲妻状のエネルギー波を3発同時に放つイナズマスラッシュがゴジラに直撃。

 

ゴジラ『ーーーーーーーー!!!』

 

イナズマスラッシュを受けて麻痺するゴジラ。だが、麻痺が一瞬で解かれた。

 

 

 

 

 

逃げ仰せた浩一と典子、2人を含む人々。するとゴジラに爆発音が鳴り響いた。それは、ゴジラの上半身に直撃した砲撃による爆発音だった。

 

ブレーザー「ロアア!ッ!?」

 

更にブレーザーも砲撃を受けた。その砲撃は、国会議事堂前に現着した四号戦車チトの戦車隊による砲撃だった。

 

ブレーザー「ルロッチ!」

 

チルソナイトソードでチトの砲撃を受け止め、そのままゴジラに弾き飛ばした。

 

ブレーザー「フッ!」

 

チルソナイトソードを構えたブレーザーが、チルソナイトソードのレバーを3回引いて、トリガーを押した。

 

ブレーザー「ルロロロォイ!!!!」

 

電撃光線を放つライデンズフィニッシュがゴジラに直撃し爆発した。更に今度は、チルソナイトソードのレバーを5回引いてトリガーを押した。

 

ブレーザー「ルロロロロロロロロォォォォォイ!!!!!」

 

稲妻のように飛行して上空に雷雲を発生させ、落雷と共に敵を両断するオーバーロード雷鳴斬がゴジラを斬り裂いて大爆発を起こした。

 

ブレーザー「へロッチ!!」

 

後ろに下がったブレーザー。ゴジラは砲撃と爆発により生じた煙に包まれ、人々はゴジラの死を期待するかのように安堵した。

 

人々「おお・・・!やった!?」

 

 

 

 

 

 

だが、煙が風に流されるとゴジラがゆっくりと姿を現した。

 

 

 

 

 

 

ブレーザー「ッ!?」

 

まるで神が現れたかのような神々しい光景だった。人々はざわめき、願いは消え去った。ブレーザーは驚愕した。あれ程の攻撃を受けたにも関わらず、ゴジラの身体は一瞬にして再生していたのだ。

 

ブレーザー「・・・・!」

 

次の瞬間、ゴジラの尻尾の先端が青く発光し始めた。更に、尻尾の背鰭がせり上がった。

 

人々「・・・・!?」

 

その姿を見た人々は、本能的な畏怖と恐怖を同時に感じ、ただ立ち尽くしている。その背鰭は1つ1つせり上がり、尻尾から背中、そして後頭部の背鰭までせり上がった。

 

ブレーザー「ッ!ルロッチ!」

 

ゴジラの目線は国会議事堂。それに気付いたブレーザーが飛翔し、ゴジラが狙おうとする国会議事堂前に着地。右手にブラックホールを発生させ、光の槍・スパイラルバレードを出現させ、それを握って槍投げのように構える。そしてゴジラが大きく口を開き、青い霧が発生した。

 

浩一「これは・・・あの時と同じ・・・!」

 

 

 

 

 

 

”ガシャリ!!!!”

 

 

 

 

 

 

全ての背鰭が一斉に体に食い込んだ。その直後、ゴジラの口から青白い鮮烈な輝きを持つ光の熱線を国会議事堂に向かって放った。

 

ブレーザー「ルロロロロロォォォォイ!!!!」

 

熱線に向かってスパイラルバレードを力強く投げた。熱線がスパイラルバレードと激突し止まった。だが熱線がスパイラルバレードを破壊し、国会議事堂に迫る。

 

ブレーザー「ヘルロッチ!!」

 

虹色の光輪・レインボー光輪を発生させてバリアのように前に突き出す。熱線がレインボー光輪に防がれる。

 

ブレーザー「ルロロロロイッ!!」

 

更に衝撃破を放つ咆哮技・ハウリングブレイクも併せてゴジラの熱線を押し返す。だが熱線の威力はブレーザーの予想を遥かに上回る威力を持っている。熱線がレインボー光輪を破壊し、ブレーザーに直撃した。

 

ブレーザー「ロアアアア!!!」

 

熱線を受けたブレーザーが後ろへ飛ばされ消滅。熱線が国会議事堂に命中した。

 

 

 

 

 

 

”ドゴオォォォーーーーン!!!!”

 

 

 

 

 

 

国会議事堂が熱線を受け、巨大な大爆発を起こした。その大爆発に起こった衝撃波は、周辺の建造物を次々と紙細工のように破壊しながら広がっていく。それは、浩一達が立っている服部時計店付近にまで広がって行く。

 

典子「・・・!!!」

 

すると典子が本能的な行動に出たのか、浩一をビルの隙間に突き飛ばした。

 

浩一「っ!?」

 

ビルの隙間に倒れ込んだ浩一を残し、典子は衝撃波の煙とそれに巻き込んだ大量の瓦礫と共に消し飛んだ。今度は爆心地の真空化に伴い、急速な爆縮現象が始まった。

 

浩一「っ・・・!!」

 

破壊された破片が激しい風と共に、爆心地の国会議事堂に向かって集結していく。浩一は、その荒れ狂う風の中で、体を縮こまらせて耐えた。そして、爆縮現象が収まった。

 

浩一「・・・?」

 

よろよろと立ち上がった浩一は、ビルの隙間から這い出して来た。

 

浩一「典子・・・?典子!!」

 

周辺の風景は、その様相を一変させてしまっていた。生きている者は浩一以外誰も居なかった。浩一は衝撃波に連れ攫われた典子を探す為、三原橋方面を見た。そこはただ無慈悲に瓦礫が層を成して折り重なっているだけだった。巨大な炎も燃えている。

 

浩一「ああ・・・ああ・・・」

 

この無惨な光景に、浩一はその場にへたり込んだ。するとそこに、1人の人物が落ちて来た。

 

浩一「・・・え・・・!?」

 

それは、ゲントだった。浩一が、倒れているゲントに向かってよろよろと歩く。

 

浩一「ゲントさん・・・?ゲントさん!!」

 

倒れてるゲントに駆け寄り、強く体を揺らす。

 

ゲント「・・・っ・・・!」

 

微力ながらゲントが少し動いた。彼の左腕にはブレーザーブレスが着けられており、ゲントの右手が開きブレーザーストーンが落ちた。

 

浩一「まさか・・・あの巨人・・・ゲント・・・さん・・・?」

 

状況が理解出来ない浩一が後ろを振り返った。そこには、熱線発射時に自らに生じたダメージを癒す為に佇んでいるゴジラの後ろ姿があった。そのゴジラの先、嘗て国会議事堂があった場所からは巨大なキノコ雲が立ち上がっていた。それはまるで、広島と長崎に落とされた原爆によるキノコ雲と同じような光景だった。

 

浩一「・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

ゴジラ『ーーーーーー!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

キノコ雲に向かって咆哮を上げるゴジラ。やがてゴジラはゆっくりと品川方面へ歩き始めた。

 

浩一「うううううう!!!うおおおおおおおお!!!うわああああああああああ!!!!!うあああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

不吉な真っ黒な雨が降り始め、浩一と気を失ってるゲントがその雨に打たれる。その雨に打たれながら、浩一は立ち去って行くゴジラの背中に、あらん限りの声で呪詛の絶叫を浴びせ続けた。

 

 

 

 

 

 

翌日。昨日の悪夢が嘘だったかのように晴れた空の下。ゴジラによって破壊された銀座や他の地区が元の姿から一変し、まるで空襲で焼かれたような悪夢のような風景が広がっていた。

 

ラジオ『昨日上陸した巨大生物と突如現れた巨人の戦いによる被害は、凡そ死者負傷者合わせて2万名。被災家屋は2万戸以上に上ると見られています。被災直後から続けられている救助活動ですが、巨大生物の移動した跡には放射線の危険性がある為難航している模様です。また銀座各所には巨大生物から剥がれ落ちた肉片と見られるものが発見されており、日夜、未知の物質の処理に追われている為、銀座中心部は封鎖されております。』

 

 

 

 

銀座中心部・封鎖エリア。多くの人々が殺到していた。昨夜帰って来なかった親と子を、そして妻を夫を恋人を、その安否を求めて、何千人もの人々がその境界線に殺到していた。

 

芹沢「酷い有様だ。あの輝かしい銀座がゴジラによって破壊されたとは。」

 

防護服を来た芹沢と新吉と調査隊。調査隊員の持つガイガー計数機に絶望的な数字が記録された。

 

新吉「巻き込まれた人達はもう・・・」

 

芹沢「ああ。もう帰らぬ人となったか。」

 

2人が瓦礫の山に向かって合掌し黙祷する。

 

新吉「芹沢博士。これからどうすんですか?」

 

芹沢「遺族の方々の身内を探したいのは山々だが、回収されたゴジラの肉片を調べないといけない。」

 

調査隊員「芹沢博士!研究の準備が完了しました!」

 

芹沢「よし、すぐ行く。新吉、ここを頼むぞ。」

 

新吉「はい!」

 

1人研究所へ戻って行く芹沢。新吉は他の調査隊員達と一緒に調査する。

 

 

 

 

 

 

横須賀の病院。病室のベッドに眠ってるゲントを見舞いに、山根、尾形、恵美子が来ている。

 

山根「敷島君から聞いたが、昨日の巨人がまさかゲント君だったとは。」

 

尾形「あの巨人は、僕達の味方なんでしょうか?」

 

恵美子「きっとそうよ。ラジオ放送でもそう言ってたんだから。」

 

山根「ゲント君は、何処から来たのか?」

 

ゲント「・・・ん・・・ん?」

 

眠っているゲントがようやく目を覚ました。

 

山根「ゲント君!」

 

尾形「怪我はありませんか?」

 

ゲント「山根博士・・・尾形さん・・・恵美子さん・・・ここは病院?」

 

山根「敷島君が報せてくれてな。早速だが訊かせてくれ。昨日ゴジラと戦った巨人は、君なのか?」

 

ゲント「・・・はい。」

 

もう誤魔化せないと察したゲントが、ブレーザーの正体は自分だと告白した。

 

 

 

 

 

 

雨が降る午後のバラック。典子が勤める銀座のデパートの関係の弔問客が帰った。バラックには新生丸のメンバーと澄子と明子、そして魂が抜けてしまったかのように見える浩一が残った。仏壇には、新築祝いの時に野田が撮った笑顔の典子が、そのまま遺影になって飾られていた。

 

秋津「とんだ事になっちまって・・・それにあの巨人がゲントだったなんてな・・・明子はどうすんだ?」

 

話し掛けたが、浩一の反応は全くない。

 

澄子「困った時はお互い様さね。」

 

筑前煮を盛った皿を持って来た澄子が答えた。

 

澄子「明ちゃん。ね、お父ちゃんが居ない時はおばちゃんとこ来るんだよね?」

 

明子「お母ちゃんは?」

 

その言葉に、澄子と水島が困惑するが、澄子が答えた。

 

澄子「お母ちゃんね・・・ちょっと遠くまでお仕事行ったんだよ。だからしばらくはおばちゃんとね。」

 

明子「ああああああああ!」

 

澄子「よしよし明ちゃん。」

 

大声で泣く明子から逃げるように浩一は、重い体を起こして隣の部屋へ行った。その部屋には、大戸島の整備士達の写真があった。

 

浩一「許しちゃくれないって訳ですか・・・?俺が・・・バカな夢見たせいだ・・・ハッ・・・ハッ・・・」

 

ケラケラと笑う浩一に、野田がやって来た。

 

野田「敷さん。実は、秘密裏にゴジラを駆除する作戦が進行中です。民間人主導の、誠に心もとないものですが・・・参加しますか?」

 

その言葉に、浩一の目が急速に輝き出した。

 

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