ブレーザー/ゴジラ-WAVE   作:naogran

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第7章・大怪獣海神決戦

格納庫前の滑走路。震電が出撃準備に入った。浩一は典子の遺影に願いを込めて、内ポケットに仕舞う。

 

無線『ゴジラ絶対防衛圏突破!上陸目前!』

 

浩一「出します!!」

 

号令する浩一に、橘、齋藤、助手2人が敬礼する。浩一も敬礼で返す。

 

 

 

 

滑走路前にゲントが立っており、左腕にブレーザーブレスを出している。滑走路の上を滑走する震電の横を走りながら、ブレーザーストーンをブレーザーブレスに装填した。

 

ゲント「行くぞブレーザー!!」

 

震電が空へ舞い上がった。ゲントが青いライン部分のボタンを押した。ジャンプと同時に光に包まれた。

 

ブレーザー「ルロッチ!!」

 

震電の横を並行飛行するブレーザー。震電の機体は少し傾く傾向があるが、浩一はそれを水平に保たせた。震電のスピードがあり、浩一は満足気な顔をした。

 

 

 

 

ゴジラ討伐へ飛翔する震電とブレーザーを橘が見上げている。

 

橘「これで全て終わらせるんだ。敷島。」

 

 

 

 

 

 

軍港ではパニックに陥っていた。予定よりも早く上陸したゴジラに皆が呆然としている。

 

港湾放送『直ちに出航せよ。繰り返す。海神隊全艦艇は直ちに出航せよ。』

 

秋津「どうするんだ!計画総崩れだ!」

 

野田「兎に角出港しましょう!沈める海域は最大効果が得られる相模湾沖でなければ万全は期せません!誘導は、敷さんの震電とゲンさんのブレーザーに懸けるしかない!!」

 

乗組員達「はい!!やるぞ!!」

 

海神隊全艦艇が出港した。

 

 

 

 

 

 

上空では、ブレーザーと震電が並行飛行している。

 

 

 

 

 

 

4隻の駆逐艦、雪風夕風が出港し、作戦海域へ向かっている。この4隻の駆逐艦の前進はまさに壮観である。

 

 

 

 

雪風・艦橋。

 

土橋「野田さん!敷島さんからです!」

 

艦橋のスピーカーに浩一からの無線が入った。

 

浩一『敷島です。離陸に成功しました。このままブレーザーと共にゴジラを作戦海域に誘導します。』

 

野田「こちらも間も無く準備完了する!」

 

浩一「では出来るだけ早く作戦海域に。」

 

秋津「敷島!無茶すんじゃねえぞ!明子を独りぼっちにしたら許さねえからな!」

 

浩一『・・・・・・・・』

 

だが浩一からの返答はない。

 

秋津「聞こえてんのか敷島!!チクショウ無視してやがる!」

 

 

 

 

 

 

山間部の上空。

 

ブレーザー「ッ!」

 

前方にゴジラを発見したブレーザーの意識がゲントに変わり、目の発光を使って浩一にモールス信号を送る。

 

『ゼンポウ・ゴジラハッケン・サキニユク・エンゴセヨ』

 

モールス信号を受け取った浩一が敬礼で応えた。

 

ブレーザー「ルロッチ!」

 

飛行速度を上げ、前方のゴジラに向かった。

 

浩一「・・・・・」

 

震電のコックピットでは、浩一が下界に広がる人々の暮らしを眺めていた。山間部に広がる家々の1つ1つそれぞれ明子が、典子が、浩一がいて、日々の暮らしを営んでいるのだ。

 

 

 

 

山間部を進むゴジラに向かって、ブレーザーが接近する。

 

ブレーザー「ルロロロロロォォイ!!」

 

宙返りし、ゴジラに向かってニードロップキックで飛び込んだ。

 

ゴジラ『ーーーーーーーー!!!』

 

ニードロップキックを受けたゴジラが、ブレーザーに向かって咆哮を上げた。

 

ブレーザー「ルロロロロロロォォォォイ!!!!」

 

ゴジラの咆哮に負けじと、ブレーザーもこれまで以上の咆哮を上げた。

 

ブレーザー「ルロッチ!!」

 

ゴジラに向かってブレーザーパンチ。両者の戦いに震電が近付いて行く。

 

 

 

 

 

 

一方浩一の家では。澄子がおはじきで遊ぶ明子の面倒を見てくれている。

 

明子「いっちに。いっちに。」

 

配達員『電報。』

 

澄子「はい。」

 

そこに、1人の電報配達員が訪問した。

 

配達員「あ。敷島さんですか?電報です。」

 

澄子「はい。」

 

電報を受け取る澄子。配達員が自転車に乗って帰って行った。

 

澄子「?」

 

受け取った電報の内容を読む。

 

澄子「・・・!?」

 

そこには、澄子が驚愕する事が書かれてあった。

 

 

 

 

 

 

同じ頃山間部では、ブレーザーとゴジラが激しい戦いを繰り広げていた。

 

ブレーザー「ルアア!ルアア!」

 

手から発射する赤と青のエネルギーが渦巻く光弾・サプレッシブ・スプライトを連射する。ゴジラに全て命中するが、すぐに回復してしまう。

 

ゴジラ『ーーーーーーーー!!!』

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!」

 

レインボー光輪を2つにしてゴジラに投げた。ダブルレインボー光輪がゴジラの全身に斬り傷を刻んだ。だがこれもすぐ回復してしまった。

 

ブレーザー「フッ!!」

 

右手のブラックホールからスパイラルバレードを出現させ、それを握って膝で2つの折ってダブルバレードにして大ジャンプした。

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!」

 

ゴジラに向かって力強く投げた。ダブルバレードがゴジラの腹部に突き刺さった。ダブルバレードから発するエネルギーがゴジラの全身に流れる。

 

ゴジラ『ーーーーーーーーーーー!!!!!』

 

だがそのエネルギーが一瞬で消滅し、ダブルバレードがゴジラの体内に飲み込まれ、穴が塞がり回復した。

 

ブレーザー「・・・ッ!」

 

そこに浩一を乗せた震電が駆け付けた。

 

浩一「フーッ。」

 

深呼吸して、ゴジラに立ち向かう。

 

ゴジラ『ーーーーーーー!!!』

 

ブレーザー「ルロッチ!!」

 

震電に噛み付こうとするゴジラの顔を殴った。震電が急速旋回し、ゴジラに向けて30ミリ砲を連射する。するとゴジラの尻尾が震電に迫る。

 

浩一「うっ!!」

 

何とかギリギリ回避出来た。ゴジラは、ハエのように纏わり付く震電を攻撃目標とし、ブレーザーを置いて作戦海域へ向かう震電を追う。

 

ブレーザー「ルロッチ!!」

 

誘導成功したのを見て、ブレーザーが飛翔した。

 

 

 

 

相模湾上空。ブレーザーと震電が並行飛行してる。後ろからゴジラが江ノ島の脇から巨大な水飛沫を上げながら海面へ入って行った。

 

 

 

 

 

 

雪風。野田と秋津がゴジラを誘導するブレーザーと震電を双眼鏡で確認してる。

 

秋津「ははー!大したもんだ!ゴジラ相当お冠だぞ!追って来てる。」

 

野田「俺達の番ですね!」

 

堀田「全艦戦闘準備!」

 

藤田「全艦戦闘準備!」

 

土橋「全艦戦闘準備!」

 

 

 

 

野田の助手A「フロンボンベよし!」

 

野田の助手B「46サンチ砲弾よし!浮上装置起動よし!」

 

東洋バルーン係員A「ケーブル連結よーし!」

 

野田の助手A「全回路接続完了!」

 

東洋バルーン係員B「通電確認!安全装置を解除します!」

 

 

 

 

 

 

相模湾に入ったゴジラが、上空を飛ぶブレーザーと震電を交互に見ながら進んでいる。ブレーザーと震電が作戦海域へ全速前進する。

 

浩一「そうだ!いいぞ!」

 

予定通り、ゴジラが作戦海域へ近付いている。

 

 

 

 

 

 

雪風

 

堀田「第1部隊突撃!予定通り!」

 

藤田・土橋「予定通り!!」

 

サイレンが鳴り響き、夕風と欅が先行出航を開始。併走しながらゴジラに向かって行く。

 

 

 

 

 

 

夕風と欅を見たブレーザーと浩一が、全速力で2隻へ向かった。併走する2隻の駆逐艦の真上を通過した。

 

ブレーザー・浩一「ッ!」

 

 

 

 

 

 

こちらへ近付いて来る2隻の駆逐艦を目撃したゴジラ。背鰭が青く輝きながら、1つまた1つと競り上がり始めた。

 

 

 

 

 

 

雪風。

 

野田「いいぞ・・・!」

 

それを見た野田が呟いた。

 

 

 

 

 

 

背鰭の光がゴジラの頭部まで到達し、口に青い光が集まり始めた。

 

 

 

 

しかし夕風と欅には、不思議な光景が広がっていた。ブリッジには舵をロープで固定され僅かに動いていた。今この2隻には誰1人も乗っていないのだ。そう、この2隻は囮役。

 

 

 

 

ゴジラの背鰭がガシャリと縮まり、口から銀座を崩壊させた熱線が放たれた。熱線が2隻の無人駆逐艦に直撃し大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

夕風、欅の爆発による衝撃波が2隻の後方に停泊していた雪風と響にまで届いた。乗組員達が必死にしがみ付いて、誰1人落下せずに済んだ。

 

堀田「あれが・・・ゴジラの熱線・・・!!」

 

 

 

 

 

熱線を放ったゴジラの皮膚が焼け焦げてる。ゴジラの目の前にブレーザーが着地し、ファイティングポーズを構える。

 

 

 

 

 

 

雪風。

 

藤田「こんなのとてもじゃないが無理だ!艦長!即刻全艦避難を進言します!」

 

野田「いや!これで良いんだ!すぐに作戦を開始して下さい!」

 

藤田「しかし!いつまた熱線が!」

 

野田「お伝えした通り、一度熱線を放つと再生には時間が掛かるんです!今です!腹ぁ決めてください!!」

 

その言葉に、ようやく気持ちを落ち着けた堀田が頷いた。

 

堀田「海神作戦を開始する!!」

 

2隻の駆逐艦がゴジラに向かって全速前進を開始した。左右に分かれた。

 

野田の助手A「46サンチ砲弾及びボンベ、浮上装置、投入開始!!」

 

雪風から大量のフロンガス、46サンチ砲弾、浮上装置が入ったボンベが投棄されていった。

 

野田「敷さん・・・!!」

 

 

 

 

 

 

ブレーザー「ルロッチ!ルオアア!!」

 

2隻の駆逐艦が左右を航行する中、ブレーザーとゴジラが戦っている。震電がゴジラに向けて30ミリ砲を連射してブレーザーを援護する。

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!」

 

スパイラルバレードを握り、ゴジラに何度も叩き込む。傷口は再生するが、それでも休まず攻撃を続ける。

 

 

 

 

その間、大きく円状に展開したボンベとケーブルを、閉じるように旋回した。

 

苅田「クレーン展開完了!」

 

堀田「了解!”響”へ伝達!進路そのまま!」

 

苅田「響へ!進路そのまま!」

 

堀田「多少の損傷は構わん!このままの速度を維持する!」

 

2隻の駆逐艦が互いに迫って来ている。

 

苅田「響接近!4メーター!2メーター!」

 

山根「来るぞ!」

 

堀田「衝撃に備えよ!」

 

苅田「衝撃に備えよ!」

 

乗組員全員がしがみ付いて衝撃に備える。雪風と響が擦るかのように交差した。無事に響が通過し交差出来た。

 

堀田「交差完了!最大戦速!」

 

藤田「最大戦速!」

 

苅田「最大戦速!」

 

 

 

 

ブレーザー「ッ!」

 

周りのボンベに気付いたブレーザーが、ジャンプからの宙返りでボンベのケーブルを避けた。

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!」

 

再びレインボー光輪を展開し、そこから冷気光線を放つレインボーブリザードでゴジラの胴体を凍結させた。凍結されたゴジラの胴体にケーブルが締め付けるように巻き付く。

 

 

 

 

野田「よし!よーし!長さんスイッチ!!」

 

秋津「おう!!」

 

艦橋のスイッチを押すスタンバイに入った。

 

 

 

 

するとゴジラが雪風に気付き、背鰭が再び輝き始めた。

 

 

 

 

堀田「まずい!まだか!?」

 

野田「後少し!」

 

 

 

 

背鰭が頭部に到達し、ゴジラの口に青い光が集まる。

 

ブレーザー「ルロッチ!!」

 

レインボー光輪を投げ、ゴジラの背鰭を切断した。だがすぐに再生した。

 

 

 

 

秋津「よーい・・・!」

 

その瞬間、特設クレーンがピンと張った。ケーブルが限界まで伸びたのだ。

 

野田「長さん今だ!!!!」

 

秋津「テーッ!!」

 

 

 

 

ゴジラの足元でボンベから垂れ下がった数発の46センチ砲弾が爆発し、巨大な空洞を作った。ゴジラがその空間に落下する格好でガクンと落ちた。

 

 

 

 

野田「ボンベ!」

 

秋津「よし!」

 

ボンベのレバーを倒した。

 

 

 

 

巻き付けられたボンベの噴射口から、一斉にフロンガスの泡が噴出した。大量の泡で海水を隔絶されたゴジラが、浮力を失い、凄まじい勢いで深海に向かって滑り落ちるように沈んでいった。

 

 

 

 

雪風の甲板の野田の助手による深度メーターの読み上げが始まった。

 

野田の助手A「深度1200!1300!」

 

苅田「1400!」

 

野田「行け!行けーーーー!!」

 

苅田「1450!」

 

野田の助手A「1500!目標深度通過!」

 

 

 

 

 

 

深海1500メートルに沈んだゴジラの背鰭の光が消え、競り上がった背鰭も縮んだ。

 

 

 

 

 

 

相模湾海上では、静寂に包まれていた。

 

谷口「ゴジラ!!沈黙しました!!」

 

秋津「やったか?」

 

ブレーザー「ヘイロォォォォイ・・・・・」

 

海底へ沈んで行ったゴジラに向かって祈りの舞を捧げようとしたその時。

 

”ガシン!!”

 

突如ケーブルが引っ張られた。ケーブルを引っ張られ、2隻の駆逐艦が大きく揺れた。

 

ブレーザー「ッ!?」

 

秋津「しぶてぇ野郎だ!」

 

山根「一筋縄じゃいかないか!」

 

野田「予備作戦に移行します!」

 

堀田「やってくれ!」

 

野田「尾形さん!」

 

尾形「はい!揚がって来い、ゴジラ!」

 

バルーンのレバーを下げた。

 

 

 

 

 

 

深海1500メートル。ボンベに搭載されたバルーンが一斉に膨れ上がり、ゴジラを海面へ浮上させる。

 

 

 

 

 

 

 

野田「揚がって来い!」

 

野田の助手A「深度1200・・・1100・・・1000!」

 

 

 

 

 

 

浮上するゴジラの全身に、今まで傷を受けて修復して来た場所を中心に、白く濁った腫瘍のような物が盛り上がってきた。

 

 

 

 

 

 

順調に巻き上げ続けて来たケーブルが急停止した。

 

苅田「ケーブル停止!」

 

野田の助手A「深度803で停止しています!」

 

野田「何故だ・・・何故止まる!?」

 

ゴジラの沈没地点の海面に、細かく引き千切れたバルーンの残骸が浮き上がった。

 

秋津「食い破ってやがる・・・!」

 

この状況を見た堀田が響に交信する。

 

堀田「響へ!左右に引いてゴジラを引き揚げる!マル90度に最大戦速!」

 

土橋「しかし!2艦では水力が全く足りません!」

 

堀田「他に手はない!やれる事は全部やるんだ!」

 

乗組員達「はい!!」

 

尾形「ゲントさんに知らせなきゃ!」

 

 

 

 

ブレーザー「ッ?」

 

雪風を見ると、尾形がライトを使ってモールス信号を送った。

 

『ゴジラキュウテイシ・ヒキアゲニハイル』

 

ブレーザー「ッ!」

 

頷いたブレーザーが、右手から発生したスパイラルバレードを握り、先端を船の碇状に変えて飛翔した。

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!!」

 

ゴジラの沈没地点に碇状のスパイラルバレード・アンカーバレードを投げた。

 

ブレーザー「・・・・・」

 

アンカーバレードの碇がゴジラに直撃したのを確認した。

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!」

 

上に飛翔して2隻の駆逐艦と協力してゴジラを引き揚げる。だが、2隻の駆逐艦おろかブレーザーの力をも抗う怪力に引き揚げれない。

 

野田の助手「このままではクレーンが持ちません!」

 

板垣「ダメだ!」

 

クレーンが耐え切れず折れてしまった。近くに居た板垣達は即座に撤退して全員無事だった。

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!!」

 

それでもブレーザーが全力で引っ張るが、ゴジラが引き揚がる気配がない。もう太刀打ちと悟った海神隊が立ち竦むんでいると、遠くから船の汽笛が聞こえた。

 

男『えーこちら横浜曳船所属”富士丸”!微力ながら助太刀します!』

 

艦内スピーカーに聞き覚えのある声が聞こえた。

 

秋津「この声・・・!?」

 

 

 

 

富士丸船内。

 

水島「水島です!艇長ですか?」

 

先程の声は、あの水島だった。

 

 

 

 

秋津「小僧!お前が!?」

 

水島『はい!』

 

さらにそれに続いて。

 

 

 

 

通信A『こちら同じく東洋汽船所属”廣栄丸”!手伝います!』

 

通信B『我、横浜曳船所属”日光丸”!協力す!』

 

通信C『”第三潮風丸”!補助します!』

 

通信D『哲遊丸!』

 

通信E『七海丸!』

 

通信F『美波丸!』

 

通信G『きっしょうまる!』

 

通信H『純成丸!』

 

通信I『わかまる!』

 

通信J『平光丸!』

 

通信K『てんゆうまる!』

 

通信L『かいおうまる!』

 

通信M『ひゅうが!』

 

通信N『釣華丸!』

 

通信O『しょうせいまる!』

 

通信P『たらまゆ!』

 

通信Q『やさかまる!』

 

なんと、数十隻のものタグボートが駆け付けてくれたのだ。

 

 

 

 

水島「役立たずは返上でお願いしまーす!っしゃー!」

 

 

 

 

この光景に秋津は思わず。

 

秋津「参った!恐れ入谷の鬼子母神だ!!」

 

堀田「曳船もやい取れ!全艦でゴジラを引き揚げる!」

 

藤田「曳船もやい取れー!」

 

苅田「曳船もやい取れー!」

 

数十隻のタグボートが2隻の駆逐艦のロープで繋がり、全速力で引っ張ってゴジラを引き揚げる。すると駆逐艦が進み、ブレーザーが上昇した。

 

野田の助手「深度!上がり始めました!」

 

秋津「上がって来い!上がって来い!」

 

苅田「深度700!」

 

 

 

 

水島「上がれ上がれ上がれ!」

 

 

 

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!!」

 

そして遂に、ゴジラが海面に引き揚げられ姿を現した。その体は水圧変化で発生した醜い水脹れに覆われ、過去に見せたどんな姿より禍々しさを増していた。ゴジラの脇腹にアンカーバレードが刺さっている。

 

ブレーザー「ッ!!」

 

アンカーバレードを引っ張ってゴジラから先端のアンカーを引っ張った。アンカーが刺さった跡には巨大な穴が生じてる。ゴジラが急な減圧に苦しんでいる。

 

ゴジラ『ーーーーーーーー!!!』

 

するとゴジラの背鰭が再び1つ1つ発光し始めた。

 

 

 

 

野田「ダメージが足りてない!?」

 

堀田「全艦!回避行動!」

 

 

 

 

ブレーザー「ルロロイ!」

 

スパイラルバレードを握って、ゴジラを締め付けてるケーブルを切断して駆逐艦を逃した。ブレーザーがスパイラルバレードを球体に変える。

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!」

 

球体型のスパイラルボールを投げて、ゴジラの腹部の皮膚を貫いた。スパイラルボールは腹の内臓に止まり、皮膚が再生し、体内に飲み込まれた。

 

 

 

 

インナースペース。

 

ゲント「ジュン・・・ママ・・・頼む!もう1度力を貸してくれ!」

 

すると、それに応えるかのようにジュンのブレスレットとサトコとの結婚指輪が眩しく輝いた。

 

 

 

 

ブレーザー「・・・・!」

 

輝く左腕を立てて構える。ゴジラの背中が輝き、背鰭が再び競り上がった。

 

ブレーザー「ルロロロロロロイ!!!」

 

左手で十字を組んで放つ最強光線・ブレーザー光線がスパイラルボールが飲み込まれたゴジラの腹部に直撃。

 

ブレーザー「ルロロロロロロ!!!」

 

だがゴジラはブレーザー光線を受けても意に介さず、標的をブレーザーに定めて口に光を集める。

 

”ピコン”

 

ブレーザーのカラータイマーが点滅を始めた。

 

 

 

 

このままではブレーザー、ゲントが死んでしまう。それは、ここに居る皆がゴジラの熱線で死んでしまう事を意味する。誰もが皆、『やれるだけの事はやった』など『ここまでやれたのに』と言う気持ちでいっぱいだった。乗組員達は立ち竦み、最後の時を待っていた。

 

 

 

 

 

 

だが、その絶望を掻き消すプロペラの轟音が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

野田・秋津・山根・尾形「っ!!」

 

それは、浩一が駆る震電だった。震電がゴジラの顔に向かってブレーザー光線の上を飛行している。

 

秋津「あいつ、どうする気だ!?」

 

野田「まさか・・・!!」

 

理解した野田が言葉を失った。そう、浩一が特攻を仕掛けようとしているのだ。

 

野田「そんな!!」

 

秋津「ダメだ!敷島!!!!」

 

 

 

 

 

 

浩一「・・・!!」

 

ゴジラに突っ込む直前、爆弾の安全装置のレバーを引いた。ゴジラの口に急速接近。突っ込む直前にゴーグルを装着し、座席横のレバーを引いたと同時に、震電がゴジラの口に突っ込んでゴジラの口に特攻した。

 

”ドゴオォォーーン!!!!”

 

震電の爆発でゴジラの上顎から頭部が爆散され、顔は下顎だけが残った。

 

ブレーザー「ルロロロロロロォォイ!!!!!!!」

 

螺旋状のエネルギーを描いたブレーザー光線がゴジラの腹部に飲み込まれたスパイラルボールを膨張させ大爆発を起こし、腹部に大穴が開いた。

 

 

 

 

秋津「敷島・・・」

 

他の乗組員達も息を呑んでる。

 

野田「いや!あれ!」

 

上空を指差した。上空で開かれるパラシュートが見えた。あれは紛れもなく、脱出した浩一の姿だった。

 

野田「そうか・・・そうか!!」

 

 

 

 

 

 

格納庫。無線を聴いてる橘達に雪風からの無線を聴いた。

 

無線『搭乗員!脱出して無事です!』

 

橘「ハァ・・・」

 

浩一が無事脱出。橘が安堵の表情を出した。

 

 

 

 

 

 

出撃前。橘が浩一に最も大事な事を言った。

 

橘『この座席は、脱出装置になってる。そのレバーを引くと作動する。』

 

座席横にあるレバー。座席が飛び出す脱出装置作動のレバーだったのだ。

 

浩一『え・・・!?』

 

困惑する浩一だが、橘が浩一の肩に右手を置いて言った。

 

橘『生きろ!』

 

浩一『橘さん・・・!』

 

 

 

 

 

 

浩一を生還させる。それが橘の戦争を終わらせる役目であった。

 

齋藤「やりましたね橘さん!」

 

橘「・・・ああ!」

 

 

 

 

 

 

脱出した浩一に、ブレーザーが近付いて浩一を両手に乗せた。ブレーザーと浩一はお互いの顔を見て頷いた。

 

ゴジラ『ーーーーーーーーーーー・・・・・』

 

上顎を破壊され立ち尽くしているゴジラの全身の傷口から無数の青い柱と腹部から巨大な青い柱が出現し、ゴジラの悲鳴と共に瓦礫のように崩壊していった。乗組員全員が崩壊したゴジラに向かって敬礼した。ゲントの意識のブレーザーも、崩壊したゴジラに敬礼した。もしかするとゴジラは、核の被害者の1人だったかも知れない。ただ静かに完全に沈黙するまで敬礼をし続けた。そして、最後の青い柱が消滅し、ゴジラは相模湾の深海奥深くへ沈んで行った。

 

ブレーザーがスパイラルバレードエンブレイスで、海神隊全員を浄化してあげた。ゴジラとの戦いで放射能が汚染されているかも知れないと言う念入りの行動である。

 

 

 

 

 

 

ゴジラ崩壊後。2隻の駆逐艦が逗子軍港に帰還。港には多くの人々が出迎えてくれた。ゆっくり着地したブレーザーにも人々が出迎えてくれた。浩一、野田、秋津、山根、尾形、堀田に続いて乗組員達が雪風から降りた。

 

水島「敷島!!」

 

そこに水島が駆け込んで来た。

 

水島「やった!!やったなあ!!」

 

秋津「小僧!」

 

恵美子「お父さん!秀人さん!やったんだね!」

 

山根「ああ!」

 

尾形「うん!」

 

浩一「・・・澄子さん!!」

 

澄子「浩一さん!」

 

明子を抱えた澄子がやって来たのだ。

 

澄子「浩一さん!」

 

浩一「明子!?」

 

澄子が届けられた電報を浩一に渡した。

 

浩一「え・・・!?」

 

電報を読んだ浩一が驚愕した。

 

芹沢「ブレーザー!」

 

ブレーザー「?」

 

そこに芹沢がトラックに乗ってやって来た。

 

芹沢「君に頼みたい事がある!」

 

トラックの荷台に乗せてる物を見せた。それは、長方形のガラスに球体が入っている少し奇妙な形をした青いカプセルだった

 

芹沢「放射能を死滅させる大気放射能破壊剤レディオアクティブ・デストロイヤーだ!」

 

ブレーザー「ルロロイ・・・」

 

レディオアクティブ・デストロイヤーを持った。

 

芹沢「衝撃を加えると白い煙が噴出する!その煙で上空から東京を汚染してる放射能を除去してくれ!」

 

ブレーザー「ルロッチ!」

 

頷いたブレーザーが、汚染された東京へ飛翔した。

 

 

 

 

 

 

一方浩一は、明子を抱き抱えて横須賀の病院へ駆け込んだ。階段を駆け上がり、病室のドアを開けた。

 

浩一「ああっ・・・ああっ・・!」

 

病室に入った浩一、ベッドに座ってる人物を見てが声を荒げた。ベッドに座っているのは・・・

 

 

 

 

 

 

ゴジラに吹き飛ばされた典子が、包帯をグルグル巻きになりながら浩一の顔を見ている。

 

 

 

 

 

 

浩一「ハァ・・・ハァ・・・」

 

典子「浩さんの戦争は・・・終わりましたか?」

 

浩一「うう・・・うう・・・うん・・・うん・・・!」

 

生きている典子を見て、浩一が涙を流した。

 

明子「お母ちゃん・・・?」

 

典子「明子・・・心配させてごめんね・・・」

 

明子「・・・あああああああ!」

 

目の前の典子を見て、明子は泣きながら彼女に抱き付いた。浩一も典子に抱き付いて泣いた。病室にやって来た秋津達が、再会を喜ぶ3人を見て微笑んでる。

 

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