『こ、こんにちは!ボク、ロリポップ!良かったら仲良くしようよ!ほら折角一緒に仕事するんだからさ』
翌日俺はターゲットである水瀬雹華に近付いた。彼女の近くに居なければ、どちらの仕事も出来ないからだ。そして、まずその為には信用を得る必要があると思ったのでコミュニケーションをしてみようと会話をしてみたが。
「……」
返ってきたのは無だった。そもそも俺は恐らく、俗に言う陽キャと言う立場では無く陰キャと呼ばれる方な気がするので自分から話しかけるのは苦手だ。なのに、この仕打ちは辛かった。
『あ、あの』
もう一度話しかけて見る事にした。若干トラウマになりそうだけど仕方ない。これも仕事だ。仕事は嫌な事が多いのだ。
『水瀬さん』
「……何?」
漸く立ち止まってこっちを向いてくれた。話しかけてるのに、全然立ち止まってくれなかったから本当に聞こえてないかと思った。
『あの、仲良くしませんか?その方が』
言葉を続けようとして、氷の様な冷たい目線が刺さって喋れ無くなった。
「仲良くする必要なんか無い。私は一人で戦うから」
『……水瀬さん』
「分かったらもう二度と近づかないで。心配しなくても
信号が青になった瞬間、彼女は走り出してあっという間に見えなくなった。
「変身出来ないのにどうやって魔獣を殺すんだろう」
『ん、電話だ』
そう思っていると電話がアピールを始めた。相手の表示は《サイコクソガキ》って書いてある。誰だ?
『当たり前の様に不法侵入しても何にも言われないんだ』
こんな変な生物が入っても学校の警備員は棒立ちだった。なので、気にせずグラウンドまで来て真ん中にさっきドローンで渡された魔の核を埋める。
『えーっと、これに水をぶっかけて三分待つと元気なモンスターが産まれるとか言ってたな』
マジか、イカれてんな。そんなカップ麺みたいな感じで生物生み出すのか。禁忌じゃん。
『……このままじゃ倒せないどころか、沢山の生徒が死ぬだろう。水瀬雹華を魔法少女に変身させないと』
魔法少女は自分で変身する事が出来ない。
だから、常に魔法生物である俺らがいなきゃいけないって昨日部屋掃除した時に出て来た新人指導マニュアルに書いてあった。
『何年何組だ?』
聞いとけば良かったと後悔したが、聞いても答えてくれないだろう。そう結論付けて俺は校舎内に入った。
「ねえ、知ってる?雨降るらしいよこれから」
「マジ?次体育だから潰れるじゃん。何やるのかな」
「保健とかじゃない」